大岩岳・風吹岩・丸山湿原 (お勧め度★☆☆) 関西の山【7-43】

JR道場駅(9:33)==千苅貯水池(10:02)==A分岐(10:38)==大岩四等三角点(10:48)==大岩岳(12:00)
==境野大池(12:41)==境野四等三角点(13:10)==丸山湿原(13:50)==丸山四等三角点(14:14)
==風吹岩(14:26)==東山橋(15:03)==JR道場駅(15:24) (2022年4月2日 約6時間) 
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 大岩岳の周辺は枝道が多いが道標が少なく、地図読みの面白さを感じるエリアとなっている。地形図では破線のルートが幾本も引かれ、未踏の道も多い。今日(令和4年4月2日)は、そんなエリアの大岩岳周辺で破線のルートをたどりながら三角点をめぐってみた。道迷いしないよう注意が必要だが、咲き始めたツツジを楽しみながらの春山散策となった。
JR道場駅 道場駅前の肖像
JR道場駅 道場駅前の肖像
 JR道場駅で下車し、駅前の肖像の隣で満開になった桜に見送られながら山歩きに出発する(9:33)。駅から東に進み、武庫川の手前で踏切を渡ろうとしたところ、キンコンカンコンの遮断音が鳴り始めた。遮断機が下りて約10分程”開かず”の踏切になる。踏切では、当方以外にも不動岩に向かう岩登りの方も足止めで、他に車も数台連なって、みな電車の通過を待ちわびる。上りと下りの列車が通り過ぎ、やっと踏切を渡ることができた(9:42)。いきなり時間のロスとなった。

   
武庫川沿いに進む 千苅貯水池前の駐車場
武庫川沿いに進む 千苅貯水池前の駐車場
 武庫川沿いに進み千苅浄水場を過ぎると(9:52)、羽束川沿いの道になる。さらに千苅ダムに向かって進んでいると、道路脇で「松風の滝」「村雨の滝」の案内版が目に入った。初めて見る道標で気になったが、今日は先を急ぐ。やがて、千苅貯水池前の駐車場が見えてきた(10:02)。今日は駐車場に4台の車が止まっている。駐車場から千苅貯水場を右側から巻くように続く道に入り、千苅ダムに向かう。

  
千苅ダム  千苅貯水場と羽束川に挟まれた細い道を進むと、やがて前方に重厚感のある千苅ダムが見えてきた(10:08)。放水路一面から水が流れ落ち、なかなかの迫力。水音を聞きながらダムの手前に架かる千苅橋を渡る。千苅橋の左側前方にある放水路も水を大量に放出している。今日は千苅ダムの水位が高くなっているのだろう。
千苅ダム
千苅橋と放水路  千苅橋を渡ったところに兵庫登山会の古い道標「大岩ヶ岳→」がある。それに従い、羽束川沿いに少し下る。次に、左手側のフェンスに山友会の道標「大岩が岳→」が確認できる。その指示に従い、青い金網フェンス沿いに登っていく。
千苅橋と放水路
フェンス沿いを登る 疎林で分岐
フェンス沿いを登る 疎林で分岐
 青い金網フェンスを登り切って、「神水」のコンクリ柱の所で流れを渡る(10:20)。次に左手側が疎林の場所となる(10:24)。ここで地形図を確認した。地形図では、このあたりから破線のルートが左右に分岐している。左は大岩岳に向かう道で、何度も歩いている。しかし、ここで右に進んだことはない。そこで疎林の中で周囲に分岐を探してみた。

  
 すると細い木に赤い残置のビニールテープが確認できた。よく見ると、落ち葉の中に薄い踏み跡もある。これが地形図で右折する破線のルートだと確信し、踏み跡に進んでいった。薄い踏み跡は、倒木の中や、流れを渡って東に続いている。赤色黄色の古い残置テープの表示が時折登場して、進路を示してくれるのでそれに助けられる。 赤い残置テープ表示
赤い残置テープ表示
 その先で踏み跡は急登の斜面の前に至った(10:26)。そこに立つ枯れ木に赤いテープ表示とともに、私製の道標が設置してあった。その道標には「丸山湿原方面への短縮ルート。途中、危険箇所あり→」の記載がある。”途中、危険箇所あり”の表示に少し怯んだが、地形図の破線を信じて斜面の道に取り付いた。 「途中、危険箇所あり→」の道標
「途中、危険箇所あり→」の道標
トラロープの急登 A分岐
トラロープの急登 A分岐
 斜面は急で危険な感じだが、そこには丁寧にトラロープが張ってある。それを頼りに急登の斜面を登っていった。ここはロープがなければ登るのは困難な感じがした。4分程ロープに助けられて斜面を登り尾根尻に乗った(10:30)。尾根にはしっかりとした踏み跡があるが、そこからも急な尾根の登が続く。次に、尾根がT字に分岐する場所に登りついた(10:38)。ここを以後「A分岐」と呼ぶことにする。A分岐にはテープ表示や「←千苅側ハイキングルートまで約400m」の表示がある。

  
B分岐 小シダの道
B分岐 小シダの道
 A分岐からは、左右にしっかりとした踏み跡があるが、まず右折し南に進んでみる。A分岐から右折して南に進んだのは、地形図の破線のルートに従ったことと、その方向に大岩四等三角点が設置されていることによる。
 踏み跡に従って進むとY字の分岐点となった。この分岐を以後「B分岐」と呼ぶ。B分岐は、右は登りで左は下っている。いずれも明確な道があるが、ここは大岩四等三角点の方の右に登っていく。その先、小シダが茂る道となり、シダを踏み分けて進んでいく。

  
遠くに羽束山  次に山道は急に開けて山肌がむき出しの裸地に出てきた(10:44)。ここは花崗岩が風化したところで、右手側(北側)に展望が開けている。遠く羽束山が青空をバックにして見えている。併せて、千苅ダムの水面も少しだけ見えている。
遠くに羽束山
三角点に到達 四等三角点:大岩
三角点に到達 四等三角点:大岩
 その裸地の先で、三角点の白い表示杭が見えてきて、四等三角点:大岩の設置された場所に到達した(10:48)。ここは雑木に囲まれた場所で展望はない。山道もここで終点のようで、この先、南に向かう道は把握できなかった。三角点を確認したので、やってきた道を戻ることにする(10:51)。

  
B分岐からの破線の道  大岩四等三角点から裸地を経てB分岐まで戻ってきた(10:58)。ここでB分岐から東に下っている道に少し進んでみた。こちらの道もよく踏まれた道で、赤色紐の表示も続いている。この山道は地形図の破線ルートで、大岩岳の南側を東西に横切り、丸山三角点から丸山湿原へ抜ける道と思われた。道はどんどん下っているので、途中で引き返しB分岐に戻ってきた。ここからA分岐に向かい、A分岐から北に進む道をたどることにする。
B分岐からの破線の道
尾根のミツバツツジ  A分岐まで戻り(11:02)、そこから北に向かう道に入った。この北に向かう道は地形図には表示がないが、尾根にしっかりとした踏み跡が続いている。尾根で日当たりがよい場所では、もうミツバツツジが花を咲かせていた。
尾根のミツバツツジ
尾根に続く山道 小シダの道
尾根に続く山道 小シダの道
 ツツジを楽しみながら尾根につけられたしっかりした道を進んでいく。尾根では小シダが茂る場所もあり、その中を縫うように踏み跡が続く。

  
有馬富士方面に展望 随所に目印が登場
有馬富士方面に展望 随所に目印が登場
 さらに進むと山肌がむき出しの裸地に出て、そこからは左手側に三田方面の展望があった。ちょうど有馬富士だろうか、三角の形の良い山容が遠く青空の中に遠望できた(11:12)。その先で、尾根の幅が広がり、一面の落葉の中でルートが怪しい箇所が登場する。ここはしっかりとルーファイすることが必要となる。先人の踏み跡が感じられないと思ったら、それは道を誤っているので、元に戻って再確認しながら進んでいく。ポツン、ポツンとテープや紐、矢印の表示があるので、しっかり確認しながら進みたい。

  
 次に山道は小シダの中の登りとなる。茂ったシダで道が怪しくなるが、ここでもしっかりとルーファイを行う。小シダの中の登りで南側を振り返ると、遠くに山に飲みこまれたような住宅地が遠望できる。それは「生野高原住宅」と思われた。生野高原住宅は「神戸市」だが、西宮市からしか行けない住宅地として知られる場所だ。「生野高原住宅」は眺望の良さが最高らしい。 遠くに「生野高原住宅」
遠くに「生野高原住宅」
 小シダの中を登った先の小ピークで、また道が怪しくなった(11:16)。ここで数分間さまよったが、右に下っていくのが正解だった。このあたりも稜線のキープが容易ではない。道迷いの小ピークから更に20分程山道を進んで、しっかりとしたルートに合流した(11:37)。この道は大岩岳のすぐ南側を東西に横切るルートで、歩く人も多い。近くでは人の話し声も聞こえている。合流地点には特に表示はなく、ここが分岐点だとは到底気づかない場所だった。 合流地点
合流地点
丸山湿原方面の道標 随所に道標や案内看板
丸山湿原方面の道標 随所に道標や案内看板
 合流地点からは大岩岳を目指す。よく歩かれた道には随所に案内道標があり、ここでは道に迷うことはないだろう。何人かのハイカーともすれ違ったので、大岩岳に登るハイカーは以前より増えた気がした。

  
大岩岳 大岩岳山頂の展望
大岩岳 大岩岳山頂の展望
 大岩岳へは東側の道から回り込むように登って、山頂に至った(12:00)。せまい山頂では、十数名のハイカーが弁当を広げて大賑わいとなっていた。座る場所の確保も容易ではないので早々に撤収とした。
 大岩岳からは東大岩岳の方へ向かいたい。
 登ってきた道を下り、東大岩岳の方に向かう。大岩岳山頂から10分弱で東大岩岳への分岐点となった(12:12)。ここでも、東大岩岳の方から多くの人の声が聞こえている。東大岩岳もハイカーが多いようなので、今日は東大岩岳は回避して、そのまま丸山湿原の方に下っていくことにした。

  
丸山湿原分岐  杉の植林地帯を下り、やがてT字路の分岐まで下ってきた。ここは丸山湿原方面と西谷の森公園方面の分岐となる(12:25)。今日はこの近くの境野地区の境野大池の東側の里山にある四等三角点「境野」を探索してみたいので、T字の分岐を左折して西谷の森公園方面に進んだ。
丸山湿原分岐
境野大池 境野遊歩道入口
境野大池 境野遊歩道入口
 四等三角点「境野」は、境野大池の堰堤から取り付けると思い、池の方に進んでいった。丸山湿原の駐車場を過ぎ(12:29)、車道を北に進み境野大池に到着した(12:41)。しかし、境野大池の堰堤はフェンスで閉鎖され、池の対岸へは進めない。どこか山に向かう道はないかと、10分弱、池の付近をさまよったが、通行できそうな場所はない。あきらめて、丸山湿原の方に帰ることにして車道を南に戻っていくと、境野大池の南側に分岐点を把握した(12:49)。そこには特に道標がなかったので見落としていたが、広い道が東に続いていた。

  
弁財天 境野遊歩道の道標
弁財天 境野遊歩道の道標
 広い道に入って少し進むと赤い鳥居が見えてきた。それは境野大池に向かって祀られた弁財天だった。小さな祠にお参りして先に進んでいく。さらに進むと、道沿いに宝塚警察設置の「境野地区NO.8」の緊急通報用の看板や、「境野大池入口」と記載された遊歩道の道標も設置されていた。その先で丸太階段を登って峠状の場所に至った(13:02)。峠にも道標「延命寺入口へ 550m」等が設置してある。

  
雑木の中の境野四等三角点 四等三角点「境野」
雑木の中の境野四等三角点 四等三角点「境野」
 この峠から四等三角点「境野」を目指し北に登っていく。薄い踏み跡があるようにも思えるが、ほぼ歩く人がいないようで、藪の様相。足元に小シダが繁茂し、それが足にまとわりついて進みにくい。おまけに急な登りで、一苦労して小ピークに登りついた。三角点は、この小ピークのさらに北側で、少し下っていったところに設置されていた(13:10)。四等三角点「境野」の設置場所は展望のない雑木の中だった。

  
丸山湿原 丸山湿原木道
丸山湿原 丸山湿原木道
 三角点が確認できたので、次に、丸山湿原に向かうことにした。登ってきた道を戻り、弁財天の小さな祠にもう一度お参りした後、車道に出て(13:30)、南に進む。丸山湿原の駐車場から山道に入り、丸山湿原の中を散策する。この時期、丸山湿原は枯草に覆われ、散策者は数名だけだった。丸山湿原は湧水湿原として県下一の面積を誇るが、散策者が増えるのは新緑の頃からだろう。

  
第一湿原西分岐 四等三角点:丸山
第一湿原西分岐 四等三角点:丸山
 丸山湿原周回路をたどって湿原内を一回りして第一湿原西分岐までやってきた(14:07)。ここから四等三角点:丸山の方に向かいたい。南に向かって山道を進み、やがて丸山湿原のエリアを出て、さらに山道を進む。開けた尾根道になって鉄塔が見えてくると、四等三角点:丸山に到着となる(14:14)。三角点は登山道西側の少し高い位置に設置されている。

  
風吹岩道標  四等三角点:丸山の先で、登山道は多方面に分岐する。今日はこの先、風吹岩を目指すので、ほぼ南に向かって続く山道に入る。風吹岩に向かう道には、このエリアでよくみられる形状の道標もあり(14:19)、それに導かれて進む。よく歩かれた道を進んでいき、小シダの中の道を過ぎると(14:21)、前方にマサ土がむき出しになったザレ場が見えてきた(14:26)。
風吹岩道標
風吹岩が見えてきた 風吹岩
風吹岩が見えてきた 風吹岩
 ザレ場の中に一か所だけ岩が飛び出していて、そこに「風吹岩」の表示が掛かっていた。六甲の風吹岩に比べると小ぶりな感じだが、ここはハイカーも少ないので風を独占できる場所になる。風吹岩から南を見渡すと、山並みの中に新名神高速の高架橋がみえ、トラックが数台行き過ぎていった。

  
風吹岩が見えてきた 川下川ダムからの道に合流
ザレた道を下る 川下川ダムからの道に合流
 風吹岩で風を堪能したので、ここから東山橋の方に戻ることにする。風吹岩からもザレた道を下っていく。マサ土が滑りやすいので、ここは要注意。その先で、川下川ダムからの道が左手側から合流してきた(14:34)。

  
東山橋  川下川ダムからの道の合流地点から進路が西に変わる。周囲は細い笹が茂る単調な山道だが、途中、何か所か流れを渡るのでそこは注意が必要となる。次に、右側から山道が合流してきた(14:41)。これは、四等三角点:丸山のところで分岐した道が、ここで合流するもの。この先、ぬかるんだ場所や、湿った岩場の場所などを経て東山橋まで戻ってきた(15:03)。
東山橋
武庫川堰堤の桜 JR道場駅前の桜
武庫川堰堤の桜 JR道場駅前の桜
 東山橋で羽束川を渡り、更に武庫川沿いを進む。武庫川の対面堰堤には桜が満開になっている。さらに進んで、朝方、開かずの踏切になっていたJR道場駅東側の踏切まで戻ってきた。今の時間、踏切には静かな時間が流れている。ゆっくり踏切を渡ってJR道場駅に戻りついて本日の山歩きを終えた(15:24)。今日は、破線のルートが探索できて面白い山あるきでした。

  
● 丸山湿原:丸山湿原は、宝塚市玉瀬ほかに位置する5つの湿原からなる湿原群です。丸山湿原及びその周辺は降水量の少ない瀬戸内気候下の温暖帯に属し、表面地質は有馬層群の境野溶結凝灰岩が分布しています。当地の凝灰岩は風化しやすく、尾根上ははげ山状態となっておりアカマツの低木林みることができます。また、丸山湿原周辺にはかつて里山林として利用され、現在はアカマツやコナラの里山放置林が広がっています。(丸山湿原で配布の兵庫県阪神北県民局作成のパンフ「丸山湿原」より)
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