大岩岳・千苅水源池 (お勧め度★★★) 関西の山【7-4】 |
道場と千苅水源池の桜がそろそろ見頃であろうと思い、今日(平成21年4月11日)は、桜見物と大岩岳登頂の山歩きを計画した。 神戸電鉄の電車に揺られ神鉄道場の駅に9時に到着した。すると駅には朝から十数名のハイカーが集まっている。その方々も桜見物かと思ったが、実はそうではなかった。塩田八幡宮と千苅水源池を目指す神鉄ハイキングが今日この駅からスタートするとのことである。 10時にスタートなのに1時間前から集まっておられる。ハイキングにかける皆さんの意気込みのすごさを感じた。 |
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有野川沿いの桜 |
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混雑してはいけないので、当方は皆さんより一足先にスタートさせていただく(9:06)。 駅を東へ出る。すぐに有馬軽便鉄道の線路敷が下を通っているという橋を渡る。有馬軽便鉄道についてはこの橋の袂に説明がある。それは昭和18年に営業休止となった鉄道のようである。 橋を渡り、松原城跡を左から回る。車道に出て、すぐに新道場大橋を渡る。 その橋から、有野川沿いに咲く桜が確認できた(写真上)。満開である。 きっと有馬川堰堤の桜も満開であろうと期待が膨らむ。 |
北区役所道場連絡所横の桜 |
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次に国道176号線に架かる歩道橋を渡る。すぐに、道場橋があり、これも渡る。橋を渡った所から有馬川沿いの堰堤に桜が植えられている。予想通り、そこでは満開となった桜が当方を出迎えてくれた。 北区役所道場連絡所横から桜の回廊がスタートする(写真上)。青空に薄ピンクの花びらが映えて奇麗である。 農村環境改善センター、道場小学校と桜並木が続く。 |
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有馬川沿いの桜 |
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月見橋あたりの桜 |
有馬川堰堤に桜が続く |
川沿いには延々と見事な桜が続く。 この一帯は、「桜ロード」といい、北区の個性を伸ばす街づくり事業として、平成2年から川沿いに桜が植栽され、現在約400本もの桜が並んでいるという。 この花回廊は全く見事だが、不思議なことにこれを楽しんでいる人はほとんどいない。 地元の方は、毎年のことなので特に桜に感激をされることがなくなったのだろうか。見物人のいない、満開の桜並木というのは、返って寂しい気がしてきた。 |
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遠くに見えるは羽束山か? |
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ふと、桜から目を離して、川の向こうを見やると、特徴的な形をした山々が遠くに見えてきた。それは、これから目指す大岩岳かと思ったが、地図で確認すると、方向的に大岩岳ではなさそうだ。どうやら羽束山辺りと思われる。なかなか、形のいい山なので、次回以降に目指す山の一つに加えることにした。 更に、有馬川の堤防沿い進んで行く。生野橋辺りの河川敷では、臨時駐車場が設置されていた。千苅さくら祭りのための臨時駐車場である。ここから千苅水源池までは、まだ相当歩かなければならない。 桜祭りに行くのも大変なのだ。 |
不動岩が見えてきた |
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生野橋を渡り、JRの道場駅に到着した(10:15)。更に進み、亀治橋の手前で左に入り、踏切を渡る。この辺りには警察官がパトカーを止めて警戒をしていた。さくら祭り会場へは一般者は進入できないので、その取締りのようである。 踏切を渡るとすぐ前方に不動岩が見えてきた(写真左上)。岩登りで有名な岩である。その前の武庫川沿いにも桜が植えられている。これも中々見事である。 この辺りを進んでいると、二人ずれのハイカーに追い越された(写真左)。 |
神鉄ハイキングの方 |
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見ると、二人は神鉄ハイキングのルート案内矢印のシールを貼りながら歩いている。神鉄ハイキングのスタッフの方であった。ハイキングのお世話ご苦労様です。 さらに進んで、神戸水道局千苅貯水場に到着した(10:37)。千苅さくら祭りの横断幕がお出迎えである(写真右)。 貯水場内の広場は日本式庭園で「新・神戸花の名所50選」にも選ばれている。普段はこの庭園の中には入れないらしいが、祭りの日は、開放される。 |
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千苅さくら祭り |
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祭囃子に誘われて、庭園の中入っていった。 あれれっ!祭りのわりに人は少ない感じだ!!。見物客より、祭りのスタッフの方が多いような気がする。まだ時間が早いせいかもしれない。そこで、すいているうちに、出店を覗いて見る事にした。 たこ焼きのテントでは、“焼きたてだよ!!”の声があがっていた。その声につられて、300円のたこ焼きを購入した。アツアツのたこ焼きがおいしかったです。 |
千苅さくら祭りの会場 |
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千苅さくら祭りの会場は、祭囃子は賑やかだが、桜の花は賑やかさに少々欠ける気がした。 樹勢が貧弱で桜の花びらも少ない。有馬川沿いで素晴らしい桜を見てきただけに、余計にこの会場の桜は寂しいような感じを覚えた。 さて、たこ焼きもおいしくいただいたので、そろそろ大岩岳を目指して先に進むことにした。 会場内を通り抜けると、いきなり千苅ダムの堰堤に出て来た(写真右 10:54)。 |
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千苅ダム堰堤 |
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千苅貯水池は水道専用の重力式コンクリートダムで、羽束川と波豆川から水が流れ込んでいる。 ダムの高さは42.4m、長さは106.6m、貯水池の周囲は23kmもあるという。大きな水域のダムである。 ダムの手前の橋には大岩岳方面を示す表示もある。それに従い橋を渡る。 対岸を少し下流側に進むと、フェンス沿いに踏み跡が上っている(11:00)。大岩岳への入口はこのフェンス沿いの道なのである。 |
大岩岳へはフェンス沿いに進む |
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千苅貯水池の水面が見えてきた |
千苅貯水池湖畔の尾根道 |
始めは、谷川沿いの石ころ道を登る。次に流れを渡って、山肌に取り付き、つづらに登っていくと尾根に出た。尾根を進むと、すぐに左右に分岐した地点に至った。ここは、左手側に進む。すると更に展望の利く尾根筋に出て来た。左手側を見ると、木々の間からダム湖の水面が見えるようになってきた(写真上)。 この辺りの道は、左右に白のビニール紐が延々と張られている。松茸山なのかも知れないが、雄大なダム湖の景色に反して、この紐はやや興ざめである。 |
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ダムの水面は徐々に下方へ |
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尾根道はダムに沿って北に進む。緩やかな登りが多いが、下りの箇所も有る。途中90度の角度で左に曲がる。大岩岳の方向から離れるので??と思うが、道はそれしかない。 次に道は右に曲がり、北に向かって進むことになる。この辺りは明るい尾根道である。 11時30分、道が左右に分岐した。左は波豆方面、右が大岩岳との表示がある。よって、右に進む。すると、すぐ、前面に2つのピークが現れた(写真左)。これが大岩岳かと思ったが、真の大岩岳はその後方で、まだ見えてはいないようだ。 |
大岩岳かと思ったピーク |
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ニセピークが見えた辺りからは道が登りとなってきた。 更に進むと、勾配が一気に急となった。併せて、息もあがってきた。それとともに高度もどんどん上がり、ダム湖の対面に見えていたゴルフ場も見る見る下界に去っていった。 急勾配を登りきって、大岩岳手前のピークに到着した(11:50)。そこでは夫婦連れのハイカーが昼食休憩されていた。聞くと、前方の大岩岳のピークは、人で一杯のようなので、静かなここで昼食をとるのだという。 |
大岩岳へ向かう尾根からの景色 |
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確かに、この大岩岳手前のピークから、大岩岳のピークはすぐ前方に見えており(写真右)、その大岩岳の頂上は大勢の人で、ごった返しているのが確認できた。 そこで、当方もご夫婦の見解に従い、この辺りで昼食休憩をとることにした。 |
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眼前に大岩岳が!! |
ご夫婦が昼食休憩をされている場所から少し東に進んだ所に、北側に展望の開けている場所があった。当方はそこで弁当を広げることにした。 おにぎりを頬張りながら、北側に広がる絶景を確認した(写真右)。 連なる山々の中で、中央に位置する一段高い山は、今朝方、有馬川の堰堤から見えていた山であろうか。方向的には羽束山と思われるが・・・どうだろうか? |
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遠くに羽束山と大船山が!?! |
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昼食を終え、大岩岳山頂を目指して出発した(12:06)。 ここから大岩岳へは、一度下り、また、大岩岳の斜面を登り返す感じだ。 晴天のもと、ウグイスが気持ちよさそうに鳴いている。その声を聞きながら、大岩岳の岩場の斜面を慎重にのぼり、360度パノラマの大岩岳山頂に到着した(12:13)。 大岩岳山頂は想定どおり、3組10数名のパーティーで大賑わいであった。これは、この山の人気度の高さを示すものであろう。 |
大岩岳山頂 |
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大岩岳山頂には千苅二等三角点がある。 賑わう山頂の中で、何とか他者の肖像権を犯さないで三角点の撮影をすることができた(写真上、右)。 また、大岩岳山頂には、高度表示もされた山名札も掲げられている(写真下)。 |
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千苅二等三角点 |
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前述した通り、大岩岳山頂からの景色は最高で、六甲山系、丹生山系や北摂の山々が綺麗に望めた。 ここで、先程から気になっていたダム湖を挟んで北側に見える山(写真左下)の名前を、地元の方らしいハイカーに尋ねてみた。 そして、その方から、左側の山が羽束山で、右側後方の山は大船山であることを教えていただいた。ありがとうございました。 それらの山々にも、いつかアタックしてみようと、密かに誓う当方であった。 |
大岩岳の山名表示 |
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大岩岳からの景色 |
大岩岳から東大岩岳を望む |
次に、大岩岳の東に位置する岩場の山、東大岩岳を目指して出発することにした(12:23)。 大岩岳の山頂からは、今登ってきた道以外に、南方面と東方面に道が下っている。東大岩岳へはその名の通り、東に進む。 少し下ると前方に岩場の頂きを擁する山が見えてきた(写真右上)。この道で間違いないようである。 急な斜面についた道を慎重に下ると、十字路となった分岐点に降り立った。そこでは、南から5名ほどのパーティーが大岩岳目指して登ってきた。丸山湿原から登ってきたようだ。 |
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東大岩岳から大岩岳を望む |
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先程十字路に降り立ったと記したが、実はそこは五叉路となっており、南東方向にも薄い踏み跡が登っていた。それが東大岩岳への道であろうと思い込み、少し進んだが、間違いであった。東大岩岳へは五叉路を東に進むのが正解である。 東に少し進むと、すぐ案内看板の立った三叉路となる。ここを左に上ると東大岩岳なのであった。 東大岩岳も急な斜面の登りである。途中で後ろを振り返ると、先程まで滞在していた大岩岳のピークが見えていた(写真上)。 東大岩岳のピークには12時45分に到着した(写真左)。 |
東大岩岳の山名表示 |
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東大岩岳の馬の背 |
馬の背から東大岩岳を望む |
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東大岩岳の頂きは大きな岩の塊である。そこでは、先客が1名休憩されていた。 混雑する大岩岳より、こちらのほうがゆっくりとできる。 しかし、今日はもう一つ目指す地が有る。それは、東大岩岳の頂上から更に先へ進んだところにあるという馬の背だ。 その地を目指して東大岩岳のピークを越えて、岩場を下って行った。するとすぐに目の前に、これぞ“馬の背”という感じの岩場が登場した(写真左上)。 |
馬の背から千苅ダムを望む |
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馬の背を、滑り落ちないように慎重に進み、そのピーク地点にに到着した(12:50)。 ここからも中々の眺望が広がっている。ツツジの花の先に、千苅ダムの水面がきれいに見えている。 馬の背のピークには「この先は行き止まり」との表示があった。しかし、更に北に向かい道は下っているようだ。 馬の背のピークでしばらく景色を楽しんだ後、また東大岩岳へ戻ることにした。その途中で馬の背の方を振り返ると、馬の背のピークの背後に羽束山が雄大な姿で座していた(写真右)。 |
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馬の背の向こうに羽束山 |
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東大岩岳を下り、再び先程の五叉路となった場所に戻ってきた(13:05)。 ここには、案内標識も立てられている(写真左)。 ここからは、南に尾根道を進み、東山橋を目指すことにする。標識では、「丸山湿原・千苅ダム」表示されている方向である。 東山橋を目指して進み始めると、すぐに、よく手入れされた雑木林エリアに入った(写真左下)。この一帯は、無駄な木は間伐され、明るくて気持ちのいい林になっている。 |
案内表示 |
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大岩岳の東側の尾根を下る |
快適な尾根道 |
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明るい間伐林の次は、倒木の多い林になってきた。しかし、このルートは多くの人に歩かれているようで、倒木が行く手を阻むことはあまりない。 更に進むと、薄暗い林の中で分岐点となった(13:19)。右に進むと恐らく午前中に通過した千苅ダム湖畔の山道に合流するものと思われた。当方は、羽束川の東側に位置する尾根筋を下ろうと思っていたので、この分岐は左に進んだ。 山中のしっかりとした道を東に進むと、また分岐点となった(13:26)。ここでは東山橋方面との表示に従って右折し、南に進路を変えた。 次は緩やかな下りの快適な尾根道となった(写真上)。 |
尾根道ではツツジが満開 |
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下りの尾根道は関電の鉄塔管理道でもあるようで、途中2本の鉄塔を通過した。2本目の鉄塔の通過時間は14時7分。大岩岳の五叉路の分岐点からちょうど1時間を経過していた。 この辺りで、右下から何やら祭りの音頭のようなものが聞こえてきた。みると、尾根筋の右下には千苅さくら祭り会場が見えていた(写真右)。だいぶ下ってきたことになる。 そこを過ぎると、緩やかだった尾根道は、急なつづらの下りとなり、一気に麓の民家まで下りついた(14:20)。 すぐに東山橋があり、これを渡ってJR道場の駅には14時38分の到着であった。 |
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千苅さくら祭り会場が見えてきた |