黄蓮谷・石楠花山 (お勧め度★★☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-26】

神鉄鈴蘭台駅(9:30)==洞川西交差点(9:56)==牛ノ背道==鍋蓋北道==洞川湖(10:27)==分水嶺越林道
==森林植物園東門(11:45)==徳川道==黄蓮谷(12:03)==石楠花山展望台(12:54)==天狗岩(13:19)==
石楠花山(13:29)==烏帽子岩(13:39)==三ツ谷(約95分)==炭ヶ谷道(15:19)==神鉄谷上駅(16:20) 
(約7時間 令和元年12月21日) 
ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 六甲登山は、神戸開港で居留地にやってきた外国人が、その楽しみを広めたという。したがって六甲山には、その外国人にちなんだとされる名称のルートが幾つか残っている。ドーントリッジやシェール道などが思いつくが黄蓮谷(ワーレン谷)もその一つだろう。急な道で歩く者は少ないが、今日(令和元年12月21日)は、その黄蓮谷から石楠花山を目指してみたい。
神鉄鈴蘭台駅  黄蓮谷への取付きはいろいろ考えられるが、今回は、神鉄鈴蘭台から牛ノ背道で六甲山域に入り、洞川湖から洞川林道を経て、分水嶺越林道に進み、更に、森林管理道から神戸森林植物園東門に進みたい。そこから徳川道に入って黄蓮谷を登ることにする。
 神鉄鈴蘭台駅に降り立ち、整備が進む駅前からバス道を西に向かって出発する(9:30)。
神鉄鈴蘭台駅
洞川西交差点  緩やかに坂道を登って行き、神戸親和女子大の角で左に入り、鈴蘭台北町の住宅地の中を地図を頼りに有馬街道の方に進む。少々迷いながらも、なんとか有馬街道洞川西交差点までやってくることができた(写真左 9:56)。ここで信号を渡り、舗装路を更に東に進む。
洞川西交差点
 すぐ、左手側に神戸変電所の施設が見えてくる(写真右 10:02)。送電は、電力損失を減らすため発電所から高い電圧で送電し、消費地の変電所で電圧を落とす。送電所は、そのための施設であるととともに、送電線の集合、分岐点でもあると聞く。
 この送電上の重要な施設の前で、牛ノ背道が分岐している。分岐点には「牛の背を経て再度公園 約2.5km」の表示もある(写真下 10:03)。
神戸変電所
神戸変電所
牛ノ背道への分岐  牛ノ背道は舗装路の緩やかな登りで始まる。少し登ると、左手側に民家が二軒ある。その民家を過ぎると、舗装路から山道に変わる。山道はゴルフ練習場(二軒茶屋ゴルフ倶楽部)を巻くようにして続いている。コーンという音を左手側に聞きながら、牛ノ背道を進んでいく。
牛ノ背道への分岐
 牛ノ背道は落葉の中を緩やかに登り、その先、牛の背の名のように細い道となって南東に進んでいる(写真右)。この道は、地元の方の再度公園までの散策路のようで、よく歩かれた道である。 牛ノ背道
牛ノ背道
鍋蓋北道に合流  歩きやすい牛ノ背道を15分歩いて鍋蓋北道に合流した(写真左 10:18)。 鍋蓋北道は鍋蓋山から洞川林道に続く道で、ここも歩きやすい。
鍋蓋北道に合流
 鍋蓋北道を北に進むと、すぐに道が右へ分岐した(10:18)。これは洞川梅林への道である。次に、119番通報プレート「き35−5」の道標が登場し、その先で落葉の鍋蓋北道は石の階段になる(写真右 10:22)。そこを下ると、十字路となるが、ここは直進する(10:25)。 鍋蓋北道
鍋蓋北道
洞川湖畔の道 奥再度DWを横断
洞川湖畔の道 奥再度DWを横断
 その先、右寄りに進んでいくと、山道は洞川湖畔に出てきた(写真上 10:27)。湖面に糸を垂らす釣り人を対岸に確認しながら、ぐるっと洞川湖を半周すると洞川林道に合流する(10:40)。
 洞川林道を東に進めば、すぐに奥再度ドライブウェイを横切って(写真右上)、その先は分水嶺越林道となる(10:43)。
南ドーントリッジ分岐
南ドーントリッジ分岐
森林管理道分岐  分水嶺越林道は車の侵入はないので、ハイカーは安心して歩けるが、幅広の舗装路で味気ない。その分水嶺越林道を東に進むと、再度公園方面分岐(10:48)、水道局修法ヶ原浄水場分岐、南ドーントリッジ分岐(写真上 10:57)と、右左に道が分岐する。その南ドーントリッジ分岐から少し進むと左手側に道が分岐する(写真左 11:00)。ここは、防火水槽の赤い表示がある分岐で、雑草の中に、ここが植物園東門へ向かう分岐である旨の道標も立っている(写真下)。
森林管理道分岐
 今日は、ここから植物園東門へ向かう山道に入ってみたい。この道は、従前は高雄山管理道と表示されていた森林管理道で、整備もされていた記憶がある。
 分岐に入り(11:03)、北に向かうと、落葉の積もった道が緩やかに下っている。猪が鼻を使って土を掘り返した跡が無残に残っている。
植物園東門への道標
植物園東門への道標
劣化した板橋 森林管理道
劣化した板橋 森林管理道
 山腹をトラバースするように下って行くと小さな谷になり、板橋がかかっていた。しかし、その橋は劣化が激しく、通行不可の状態だ(写真上)。橋の脇から谷を越えて進む。次は、倒木の箇所が何ヶ所か登場した(写真右上、写真右)。通行に特に妨げはないが、山道の管理がされていない雰囲気が漂う。 倒木が道を塞ぐ
倒木が道を塞ぐ
森林管理道の道標  この森林管理道は、古い道標が残り歩きやすい箇所もあるが(写真左)、全体としては荒廃が進んでいる。片側の路肩が崩れたり、丸太で土留めされた階段道も劣化が著しい。
森林管理道の道標
 この道は、斜面のトラバース道や、激しいアップダウンの箇所があり、結構タフな山道で、歩き応えがある。分水嶺越林道から徳川道へのショートカット道として有用なルートでもあり、整備を望みたいが、行政も中々手が回らないのだろう。植物園東門が近づくと森林管理道も終点で、そこには昔の整備がされてた頃の古いベンチと看板が残されていた(写真右)。 古いベンチが残る
古いベンチが残る
分水嶺越林道への道標  森林管理道のゴールは森林植物園の東門の所で、「分水嶺越林道(1.2km)を経て市ケ原(3.2km)」の道標が立っていた(写真左 11:45)。また、この地点は、ヌケ谷と生田川が合流する近くで、大きな岩を飛び飛びで流れを渡る(写真下)。
分水嶺越林道への道標
 森林植物園の東門では、一人の男性ハイカーが休憩していた。その方は、当方が森林管理道を下ってきた様子を見て、「この道は歩けるのか・・!」と、思われたようで、当方とすれ違うように、森林管理道を登って行かれた。歩く方が増えると、山道は一層歩きやすくなっていくだろう。 飛石渡し
飛石渡し
 大きな岩を飛び飛びで流れを渡ると、そこに「徳川道の飛石渡し」の看板が立っていた。その看板からは徳川道に入り、摩耶山の方に向かって北東に進む。すぐに、山田道と徳川道の分岐点があるが(11:49)、ここは徳川道に進む。次に、八洲嶺堰堤の大きな石積みが見えてくる(写真右 11:55)。水量豊かに吐き出される水が、大きな音を立てている。この八洲嶺堰堤は平成26年に補強工事がされている。 八洲嶺堰堤
八洲嶺堰堤
板橋の道  八洲嶺堰堤を巻くように越えると、次に、流れの上を跨ぐように作られた板の橋の道になる(写真左 11:58)。この橋の板は、一部劣化して危なっかしい感じになっていた。ここは注意して渡りたい。
板橋の道
 その先、徳川道は歩きやすい道になる。左右から水音が聞こえてきて、心地よい感じの中を進む。八洲嶺堰堤から8分程進んだ所で、道標と「森林リフレッシュ事業」の看板が立つ分岐点となった(写真左 12:03)。ここが黄蓮谷の分岐である。
 「森林リフレッシュ事業」の看板には周辺地図が書かれており、そこには黄蓮谷道の途中に「一里塚」の表記がある。「一里塚」も確認してみようと思いながら、黄蓮谷道に入る。
黄蓮谷の分岐
黄蓮谷の分岐
黄蓮谷の道標 黄蓮谷の古い堰堤
黄蓮谷の道標 黄蓮谷の古い堰堤
黄蓮谷の右岸を進む  分岐を入ると、両側に笹が迫ってくる道になる。その先に、119番通報プレートのある道標が立っていた(写真左上 12:07)。山道の左手側に黄蓮谷の沢が水音爽やかに流れている。次に、右手側に堰堤が見えてきた。古い堰堤のように見えるが、その堰堤の前て丸太4本の木橋を渡る(写真上 12:08)。
 丸太4本の木橋を渡ると堰堤越えのつづらの登りとなる。その先も黄蓮谷の右岸を進むが、谷には古い堰堤が続いている(写真左)。
黄蓮谷の右岸を進む
 更に黄蓮谷を登っていくと、細くなった流れを二回クロスした。その次に、「災害に強い森づくり」の緑の看板が立ち、右手の奥に古い堰堤が見えている。この緑の看板から堰堤越えの急な階段道になる。その階段を登りきると、頭上が明るくなって尾根に乗った。そこには、119番通報プレート「き52−2」の道標が立っていた(写真右 12:21)。 黄蓮谷道
黄蓮谷道
 その先、黄蓮谷道は丸太の階段道や杉林の中の尾根道を進む。杉林の尾根道では上方から下ってきた5人組のハイカーとすれ違った。剛健そうな5人組でザックにヘルメットをぶら下げていた。岩登りの帰りだったのかもしれない。 黄蓮谷道の杉林の尾根
黄蓮谷道の杉林の尾根
西六甲DWに合流  5人組とすれ違った先で、上方から車両のエンジン音が聞こえてきて、すぐに西六甲ドライブウエイに合流した(12:34)。ドライブウエイは車両の通行が多いので注意して横切る。
 ドライブウエイの先も急な丸太の階段道である。階段の先も、だらだらと坂道の登りが続く。
西六甲DWに合流
 その先、平坦な道となって、関電の火の用心の表示とともに高圧鉄塔が見えてきた(写真右 12:43)。黄蓮谷道は高圧鉄塔の股下をくぐって続いている。高圧鉄塔を過ぎ、少し落葉の平坦道を進み、その先で笹の茂る階段道となる。急な階段で息が上がるが、脇の笹は刈り払われて、歩行の邪魔にはならない。その笹の階段道を登り切ったところが石楠花山の展望台がある広場であった(写真下 12:54)。 高圧鉄塔の股下をくぐる
高圧鉄塔の股下をくぐる
石楠花山展望広場 石楠花山展望台
石楠花山展望広場 石楠花山展望台
石楠花山天狗岩  ここまで登ってきて、「一里塚」の探査を失念していたことに気が付いた。ムムムッ!と思っとが、探査は次回に置いておくことにする。石楠花山の展望台広場は草木が払われ、整備されていた。広場の真ん中に展望台があり、そこに登ってみた。一部、東南方向に展望があるが、絶景とは言えそうにない。周囲の草木が茂り、展望台というにはもう一つの感じ。よって、ここは、ハイカーも少なく、ゆっくりできる。静寂の中、展望台の上で弁当を広げ、昼食休憩とした。
石楠花山天狗岩
 展望台で20分弱休憩を入れた後、そこを出発した(13:11)。
 石楠花山展望台からは、その少し北にある天狗岩に向かう。石楠花山展望台から石楠花山に向かう道を少し進むと、左手側に分岐がある(13:15)。木に赤のマーキングがある分岐だ。その分岐から4分程西に進むと天狗岩に至る(写真上 13:19)。天狗岩から前方に景色が開けるが、見えているのは小倉台の住宅地のようだ。天狗岩で少し展望を楽しみ、そこを後にした。次に、石楠花山に向かう。
石楠花山
石楠花山
石楠花山の三角点  元の道に戻り、次に石楠花山に向かう。少し北に進むと、左手側に石楠花山への分岐がある(13:29)。この分岐にも木に赤のペンキ表示がある。その分岐から笹の中の道を進むと、1分で石楠花山へ到着した(写真上 13:29)。石楠花山の山頂は、ピーク感のない場所で、三角点がなければ山頂とは分からないだろう。
石楠花山の三角点
 石楠花山の周囲にはもう一つ烏帽子岩という見どころがあるので、次に烏帽子岩に向かう。笹の中の山道を、緩やかにアップダウンしながら進むと、笹の繁茂地の中で道が分岐する(写真右 13:38)。石楠花山からここまで7分ほどの距離で、この分岐には「石楠花山(山友会)」の古い道標が残る。この分岐を左に進む。 山友会の古い道標
山友会の古い道標
烏帽子岩  山友会の古い道標から1分で烏帽子岩に至る(13:39)。烏帽子岩は上から見ると単なる岩であるが、下側に回り込むと、三角形の烏帽子のような形に見える。なお、烏帽子岩から下方に薄い踏み跡があるが、これば下水谷に下るバリルートで、ハイカーの歩行に適さない。
烏帽子岩
 烏帽子岩から山道を東に戻っていくと3分で炭ヶ谷、双子山の分岐となる(13:44)。今回は、ここから双子山の方に進み、「三ツ谷」を探査したが、三ツ谷は全くのバリルートで、途中で探索を打ち切って、この分岐まで戻ってきた。三ツ谷探査の所要時間は約95分程であったが、三ツ谷ルートの紹介は割愛する。
 上記の事情で、炭ヶ谷道分岐を下り始めたのは15時19分となる。
炭ヶ谷道分岐
炭ヶ谷道分岐
炭ヶ谷道  炭ヶ谷道に入ると落葉の下り道で、歩きやすい。・・が、すぐに、V字に切れ込んだガレた道になる。ジメジメと足元がゆるんだ箇所もあり慎重に下って行く。炭ヶ谷は杉の植林地も多く、薄暗い山道の印象だ。途中、炭ヶ谷第二砂防ダム(15:51)、炭ヶ谷砂防ダム(15:57)、阪神高速高架下(16:00)と通過し、所要時間40分で住宅地に出てきた(16:05)。
炭ヶ谷道
 炭ヶ谷から出てきたところは谷上南町の住宅地で、その中を谷上駅に向かって西進した。所要時間15分で谷上駅に到着となった(16:20)。
 今日のルートで、分水嶺越林道から植物園東口に向かう森林管理道は、整備がされず荒れた感じで残念だったが、黄蓮谷道は歩きやすい道だった。石楠花山展望台からの景色が良ければ、なお楽しめるルートだろう。
谷上駅
谷上駅
● 三ツ谷ルートは谷に下るまでは急傾斜が続き、谷では堰堤に阻まれて、歩行を断念しました。踏み跡は無いに等しいような様相で、一般の山歩き道ではありません。(冒頭のお勧め度「★★☆」は三ツ谷を含まないものです。)
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline