桜谷西尾根・丸山 (お勧め度★★☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-12】

黒岩尾根の北側の枝尾根にはどれも道があるという。
今日(平成20年12月27日)は、その内の一つ”桜谷西尾根”を登ってみた。

Route MAP
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 このところ、所用の多い休日が続いたことから、今回は久しぶりの山歩きとなった。今日は摩耶山へ登るルートで未踏のものを目指してみたい。
 従前、摩耶Q作さんから、黒岩尾根の北側の枝尾根にはどれも道があるとお聞きした。そこで、今回はその中の一つ”桜谷西尾根”を登ってみることにする。桜谷西尾根はその名称からして、徳川道の桜谷出会を起点として黒岩尾根に続く尾根筋と思われる。
 併せて、今回は丸山(北区山田町西丸山)頂上にある未踏の三等三角点(西丸山)も探索してみる。
やきもち地蔵
やきもち地蔵
かがやきの径  丸山へ一番近いと思われた神戸電鉄の山の街駅で下車し、有馬街道まで下っていく。
 街道沿いには「願いを何か一つ叶えてくれるお地蔵さん」として知られる「やきもち地蔵」がある。「西丸山三角点が見つけられるように」お願いをすべく、その「やきもち地蔵」に立ち寄ってみた。このお地蔵様は、旧正月に出現されたとかで、正月の焼き餅にちなみ、今の名前となったと伝えられる。
 今日は、正月前で境内はひっそりとしている(写真上)。
かがやきの径
 やきもち地蔵から、広陵町、小倉台と住宅地の中を歩いていく。
 小倉台3丁目辺りで丸山の山すそが見えてきた。ここには「かがやきの径」なる表示と共に、散策ルートの入り口があった。そこから山に入ることも考えたが、山頂はもう少し東方のようなので、さらに住宅地の中を東に進み、3丁目の北西角にある貯水池の辺りから山中に踏み込んだ。
 すぐに、「かがやきの径」に合流した(写真上)。どこから入っても、この「かがやきの径」に合流するようだ。
丸山頂上への道
丸山頂上への道
丸山の山頂の様子  「かがやきの径」は、里山ふれあい森づくり事業の一環として整備されたとかで、歩きやすい散策道となっている。
 この散策道から、北に向かい踏み後がついている。その方向からして、踏み跡は丸山の頂上に続くものと確信し、踏み込むことにした。
 明瞭な踏み跡が山肌に続いている。更には、小木に結び付けられた赤ひもの目印も続くので、これに従えば道に迷うことは無いようだ。
丸山の山頂の様子
西丸山三等三角点 丸山の山名表示
西丸山三等三角点 丸山の山名表示
 なだらかな斜面の道を北に進み、途中で左折して更に登ると、すぐに丸山頂上に至った。
 そこには三角点の存在を示す白い標柱と共に西丸山三等三角点が座していた(写真上)。やきもち地蔵のおかげで簡単に三角点が発見できた。感謝!
 丸山の山頂は木々に覆われ眺望はないが、山名札が複数枚掲げてあるので(写真右上)、このピークを目指す者は少なからずいるようだ。
かがやきの径入口
かがやきの径入口
丸山を望む  三角点を確認した後、すぐに下山する。
 先程の「かがやきの径」に合流し、この道を今度は東へ進むと、やがて社会福祉施設「かがやき神戸」前の広場に下り着いた。
 そこには、この一帯が「かがやきの森」として、平成18年度の里山ふれあい森づくり事業で整備されたことを説明する看板が立てられていた。かがやきの径は「かがやきの森」の整備事業の一環として造られたようだ。
 なお、この広場からは、今登った丸山の様子が間近に確認できた(写真左)。
 次に、森林植物園から徳川道を辿り、桜谷出会いを目指す。
丸山を望む
 小倉台から山田道に出て、これを南進すると、すぐに神戸市立森林植物園に到着した。年間フリーパスである四季トリコロールカードを示して入園する。
 寒空の下なので、園内に客はまばらである。梅雨の頃はきれいに咲き誇るアジサイも今は枯れ果て、見る影も無い(写真右)。
 この季節、特に見るべきものも無いと勝手に判断し、さっき入園したばかりではあるがすぐに東門から園外に出ることにした。カモシカ園のカモシカが、やや濁った感じの「メー、メー」なる鳴き声で、ただ一人(一匹?)当方を見送ってくれた。
森林植物園
森林植物園
徳川道  東門から徳川道に進み、これを東進する。
 徳川道はこの辺りでは、生田川に沿って続いている。水量豊富な生田川は八州嶺堰堤、八州嶺第二堰堤でせき止められ、それぞれの堰堤からは水が爽やかな音と共に流れ落ちている。
 この徳川道では3人のハイカーとすれ違った。この辺りの山道は良く整備され歩きやすいし、回りの雰囲気も何かしら落ち着いた感じがする。ハイカーで混雑する表六甲の山道を避け、この裏六甲の道を歩くのも一考に値する。なお、歴史ある徳川道の謂れは次の通りである。
徳川道
 ”カスケードバレーにある「徳川道」の説明表示”
 徳川道は幕府の命により兵庫開港の年慶応4年(1868年)に完工した。当時の名称を西国往還付替道(さいごくおうかんつけかえどう)といい、海沿いの主要幹線である西国街道を大きく迂回する道筋であった。居住地での外国人との衝突をさけるために設置されたにもかかわらず、同年、備前藩が外国人と衝突、市街地が外国兵により占拠された。 世に言う”神戸事件”である。その後この道は廃止されたが、大正年代よりハイキングコースとして利用され「徳川道」と呼称されるようになった。
徳川道の表示
徳川道の表示
桜谷出会(ヌクト付近)  徳川道は、やがて桜谷出会に至った。
 ここは大きな岩が集積する場所であり、飛び石渡しも作られている(写真左)。
 大きな岩の上では、おじさんが休憩がてら、ハーモニカの演奏を楽しんでおられた。
 山中で澄んだハーモニカの音が岩に染み入っている。この音にしばし聞き入ってしまった。しかし、いつまでも聞いている訳にはいかない。次に、当方は桜谷西尾根の取り付きを探さなければならない。地形図によると、桜谷西尾根の取り付きはこの辺りで間違いないようだ。
桜谷出会(ヌクト付近)
 飛び石を渡たって、桜谷の登り口辺りを探索していると、細い木の幹に赤ピンク色の目印が付けられているのを発見した。
 その先に目をやると、石や木々にペンキの表示(→)があり、あわせて白い紐も木に結ばれている(写真右)。
 ここが桜谷西尾根の入り口と確信し、さっそくその矢印に従い、山肌に取り付いた(12:40)。
桜谷西尾根の取り付き
桜谷西尾根の取り付き
倒木の続く桜谷西尾根  桜谷西尾根道は最初、谷筋にそって登って行く。
 踏み跡が薄い場所もあるが、白ひもと赤テープが進むべき方向を示してくれるので、それに従う。倒木が行く手をふさぐ箇所もあるが(写真左)、歩行が困難となるようなものではない。
 少し進んで、ルートは谷から左手側の尾根に登って行った。ここからは尾根歩きが始まる。傾斜の急な尾根筋に踏み跡が続いている。
倒木の続く桜谷西尾根
 桜谷西尾根には人の手は全く入っていない。ここは自然のままの山道を思う存分楽しむことが出来る。
 尾根を登り始めて20分ほどした所で、しっかりとした尾根道に合流した(13:00)。ここは左の登り尾根に進む。右に折れると徳川道方面に下っている。徳川道のどの辺りに下りつくのか興味があったが、その探索は次回の課題とする。
 この合流地点から尾根道は平坦となったが(写真右)、すぐに急な尾根の登りが待っていた。
桜谷西尾根
桜谷西尾根
桜谷西尾根の境界柱  次に20分ほど急登の後、前方に石造りの標柱が見えてきた(13:18)。
 標柱は半ば土に埋もれていたが、その表記を確認したところ「境界西・・」、「二番ノ一・・」、「明治四十四年十・・」と書かれていた(写真左)。
 境界を示す明治時代の石柱のようである。
 そうすると、この尾根道は古くは、摩耶山への道としてよく歩かれていたものであろうか。
 桜谷西尾根は歴史を感じることのできる道でもあったのだ。
桜谷西尾根の境界柱
 この標柱の箇所から少し平坦路があり、次にまた急な尾根道となった。
 さらにこの辺りまでくると、前日に降ったであろう雪が地面に残っており、周辺が白色に染まってきた(写真右)。
 また、ここまで尾根道は木々に遮られ、回りの景色は望めなかったが、雪が残っている辺りから東側の尾根筋を望むと、ちょうど同じぐらいの高さに天上寺の甍が見えていた(写真下)。
 ここまで、桜谷西尾根の急登をだいぶ登ってきたことになる。
平坦となった桜谷西尾根道
平坦となった桜谷西尾根道
天上寺が見えてきた   次に、尾根道は笹の生い茂るエリアとなってきた(13:29 写真下)。
 笹に積もった雪はありがたくない。何となればそこを通過すると、靴とズボンがずぶ濡れとなるからである。しかし、進まなければならない。
 雪の笹を掻き分け進んでいると、分岐点があり、右手側に道が下っている。この道はどこに下るのか、また探索してみたい。
 さらに笹道を登ると、こんどはT字路に突き当たった(12:31)。
天上寺が見えてきた
 T字路でしばし思案したが、黒岩尾根方面は左と思われたので、そちらに進む。
 右はどこに続くのか、これもまた次回以降の散策課題とする。
 先程のT字路から約6分ほど笹道を進んで、黒岩尾根に合流した(13:40)。
 合流地点には土砂流出防備保安林の表示があるが、そこが桜谷西尾根への下り口であることを示す表示は何も無い。初めての者には分かりにくい場所だ(写真下)。
笹の茂る桜谷西尾根道
笹の茂る桜谷西尾根道
桜谷西尾根から黒岩尾根に合流  桜谷西尾根は1時間で登りついたが、雪をかぶった笹のおかげで下半身がずぶ濡れとなっていた。
 あまりに冷たいので、濡れたズボンをタオルで無心に拭いていた。そこへ黒岩尾根を登ってきたハイカーがやってきた。その方は、濡れ鼠となった当方に気の毒そうな視線を向けながら過ぎ去っていった。
 一気に歩く意欲が消えうせてしまった。そして摩耶ロープウェーが頭に浮かんだ。今日は気温も低いし風も冷たいので、掬星台から「まやビューライン」で下山することに即決した。
桜谷西尾根から黒岩尾根に合流
 黒岩尾根と桜谷西尾根の合流点から摩耶山方面に少し進むと、アドベンチャールートへの分岐があった。
 アドベンチャールート分岐を過ぎると、道は又登りとなった。
 さらに数分進むとベンチのある広場に出て来た。ここから左手側には桜谷道が下っている(写真右)。
 次にトリムコースを過ぎ、掬星台には14時05分に到着した。
桜谷道と合流
桜谷道と合流
虹の駅から摩耶観を望む  掬星台では寒風が吹き抜けていた。さっそく、まやビューラインのチケットを求め、ロープウェーのゴンドラに乗り込んだのはいうまでもない(オー、寒ゥー!!)。
 P.S.「まやロープウェー」と「まやケーブル」の接続はあまりよくない。
 虹の駅では20分もの待ち時間があった。
 もてあそぶ時間の中で寒空の下の摩耶観を撮影してみた(写真左)。
 冷たい風が容赦なく、荒れ果てたホテルの建物に吹き付けていた。
虹の駅から摩耶観を望む
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