千丈寺山・てんぐの森 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-15】

三田駅北口バス停(9:46)==乙原口(10:10)==てんぐの森==松住権現(11:10)==北千丈寺山(11:21)==南千丈寺山(11:40)
==北浦天満宮(12:58)==(13:40)小野バス停(14:13)==バス==三田駅北口(14:35)(約4時間 平成26年5月4日)

ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 三田市では千丈寺山の麓が「新ひょうごの森づくり」の取組みで、「乙原てんぐの森」として整備され、快適な森林浴が楽しめるらしい。沢沿いの千丈寺山登山道とその周辺が整備され、明るい道が続いているという。千丈寺山への登りには岩場もあって楽しそうだ。これは訪ねてみなければと思い立ち、今日(平成26年5月4日)、千丈寺山を目指してみた。
乙原てんぐの森の案内表示  JR三田駅(北口)のバス乗り場(11番)で、24系統乙原バレイ行きの神姫バスに乗る。バスは概ね1時間に1便なので要注意だ。
 9時46分発のバスに、発車1分前に乗り込むと、以外にも座席はほぼ満席。
 ハイカーも多そうで、皆さん千丈寺山を目指す仲間と勝手に思い込んでいた。しかし、有馬富士で2人、花山院(はなやまいん と思っていたが「かざんいん」が正解らしい)で2人と、それぞれ下車されていった。
 乗車時間約20分で、千丈寺山登山口の「乙原口」までやってきた。さて、皆さん下車かなと思ったが、なんと下車したのは当方一人。みんな、この先何処まで行かれるんだろう?
乙原てんぐの森の案内表示
乙原から望む千丈寺山  ところで、ガイド本「兵庫県の山(山と渓谷社)」によれば、千丈寺山は「兵庫県にある21座の一等三角点の山の中ではあまり登られていない」山だそうだが、今日はまさにそんな感じで、GWだが静かな山歩きになりそうだ。
 バス停をおりたところに「三田市乙原 てんぐの森」の案内表示が立っている(写真左上 10:10)。その表示に従い地道を進む。
 この道からちょうど左側の前方に本日目指す千丈寺山が見えている(写真左)。
乙原から望む千丈寺山
 道なりに右折して民家の間を進んで行くと、左手側に道が分岐し「乙原てんぐの森」の表示が登場した(10:17)。
 ここで左折し緩やかな坂を登る。すぐに乙原てんぐの森の大きな看板(写真右)が立つ駐車スペースに到着した。
 ここは、多目的広場と命名された所で、千丈寺山の登山口となる。
 コース案内の絵地図(平成22年)によると、ここから千丈寺山山頂までの所要時間は1時間40分とされている。
てんぐの森多目的広場
てんぐの森多目的広場
千丈寺山山頂まで1,550mの表示  多目的広場には千丈寺山山頂まで1,770mの表示も立っており、それに従い登山口からの第一歩を踏み出す。
 最初は舗装路を進む。右手側は杉の植林、左手側は雑木林だ。まむし注意や、蜂に注意の看板もある。
 やがて堰堤の手前で谷を渡る。渡った所は林間広場と命名されたところで、ここにも「乙原てんぐの森」の大きな看板と、千丈寺山山頂まで1,550mの表示が立っている(写真左)。この場所から、丸太材で新しく整備された階段道となる。
千丈寺山山頂まで1,550mの表示
 少し登ると、右手側の石がごろつく沢から水音が聞こえてきた。ここは渓流ゾーンと呼ばれるエリアで、きれいな水が流れ落ちている。
 10:37 流れを渡る。ここには千丈寺山山頂まで1,140mの表示がある。この辺りは暗い杉林だ。
 10:43 また、流れを渡る。ここには千丈寺山山頂まで940mの表示。よく整備された階段道が流れに沿って延々と続いている(写真右)。
千丈寺山の階段道が始まる
階段道が始まる
 10:51 炭焼窯跡に到着(写真右)。
 ここには炭焼窯の説明がある。
 炭焼きは、窯への酸素の供給量が重要で、それを煙の色や匂いで判断したと説明してある。炭焼きは簡単にできるものではなく、熟練の技を要したのである。
 なお、炭焼窯跡から千丈寺山山頂まで730mとの表示がある。
炭焼窯跡
炭焼窯跡
急傾斜でロープが登場  炭焼窯跡を過ぎると階段道が一気に急となる。あまりに急勾配なのでトラロープが張ってある(写真左)。これに頼りながら登って行く。
 次に、右手側に大きな岩が散らばるエリアとなる。見えているだけで5〜6個位はあるだろうか。
 その大きな岩を横目で見ながら更に登ると又ロープが登場する。この辺りはずっと急な登りが続く。
急傾斜でロープが登場
 その急階段を登りきると祠が登場した。多目的広場にあったコース案内の絵地図で「庚神(こうじん)さん」と記載されていた場所だ(写真右)。
 ここからは、庚神さんの神域に入るためか、人工の丸太階段はなくなり、自然のままの山道となる。
 ただし、傾斜がさらに急となって、悪路の様相である。登りにくいことこの上ない。そこで、またまた、トラロープが登場する。
 そして、しばらくは急なロープ場が続くので、汗が噴出し、息も上ってきた。
庚神さん
庚神さん
松住権現  木々に覆われ薄暗かったロープ場から、間伐された雑木林に入るとすぐに稜線にでて、石の祠のある広場に到着した。ここが松住(まつずみ)権現である(写真左 11:10)。
 松住権現の祠の前には石畳が敷かれ、その先で火を燃やした跡がある。何か神事で使用された跡なのだろう。石の祠の中には祭壇が安置されている。ご神体が祀られているものと思われる。
松住権現
 松住権現からは東方に少しだけ展望が広がる(写真右)。
 見えている山の名は分からないが(大船山かも?)、北摂らしい尖がった特徴的な山容である。方向的には遠くに剣尾山辺りも見えているのだろうか。
松住権現からの景色
松住権現からの景色
 松住権現から少し南に進むと、小木に「←南千丈寺山山頂400m 北千丈寺山山頂200m→」の看板が掛けられていた(写真右 11:15)。ここで南北に通じる稜線の山道に合流となる。
 せっかくなので、北千丈寺山にも寄っていくことにする。
南千丈寺山と北千丈寺山の分岐表示
南千丈寺山と北千丈寺山の分岐表示
北千丈寺山  松住権現の裏から稜線沿いに薄い踏み跡が北に延びている。
 潅木の間を縫うように続く踏み跡を5分ほど辿って北千丈寺山山頂(576.9m)に到着した(11:21)。
 北千丈寺山山頂は木々の中で全く展望がない。ただ一枚の山名札が掛かっているのみである(写真左)。
 北千丈寺山山頂からは更に北に踏み跡が延びている。これは、上青野口へ下るルートらしいが、利用者が少なく荒れているようだ。
北千丈寺山
南千丈寺山への尾根道  寂しい感じの北千丈寺山山頂はすぐに出発し、次に南千丈寺山山頂を目指す。
 南千丈寺山山頂へは稜線の道を辿る(写真左)。
 ときに痩せ尾根のような場所があり、ときに岩場の道もある。
南千丈寺山への尾根道
 南千丈寺山への尾根の稜線を進んでいると、岩場のところで東側に展望が広がった(写真右 11:30)。
 ここは、多目的広場にあった絵地図で「ながめのいいところ」と紹介されていた場所だろう。
東に展望が広がる岩場
東に展望が広がる岩場
大船山方面を望む  東に展望が広がる岩場から、しばし、連なる山並みの景色に見入る。
 北摂の特徴的な山々が見えている。
 中央の高い山が大船山だろう。
 眼下には乙原の集落も確認できる。
大船山方面を望む
 更に進んでいくと、概ね平坦であった稜線が登りになる(11:34)。
 登りきって、南千丈寺山山頂手前の岩場に到着(写真右 11:40)。
千丈寺山手前の岩場に到着
千丈寺山手前の岩場に到着
千丈寺山 北側の景色  千丈寺山手前の岩場からは、東北に展望が広がる。

 写真左は北側の景色。北側の間近に見えるピークが先ほど登った北千丈寺山だろう。
 写真下は東側の景色。乙原の集落が見えている。
 次に、南千丈寺山山頂手前の岩(大権現の岩)に立つと、西に少しだけ展望がある(写真左下)。見えているのは下青野の集落だろう。そうすると、その後方の山は大谷山ということになる。
千丈寺山 北側の景色
千丈寺山  西側の景色 千丈寺山  東側の景色
千丈寺山 西側の景色 千丈寺山 東側の景色
千丈寺山頂上  千丈寺大権現の大岩から南に一段下った所が広場状になっていて、ここに一等三角点が設置されていた。
 ここの三角点は一等だけあって大きく造られている。
 一等三角点には、今までに3座(氷ノ山・六甲山・雄岡山)だけ、お目にかかっているが、そのいずれよりもここの三角点の方が大きく立派である。
 立派な三角点ではあるが、その天辺にイタチか何かの小動物が糞をしていたのはいただけなかった。
千丈寺山頂上
 千丈寺山山頂には、北浦バス停の方向を示す「山友会」作成の表示があり、併せてそこには温度計も設置されていた。ちょうど21度を指しており、やや汗ばむ感じだ。
 山頂でくつろいでいると、2人の登山者がやってきた。てんぐの森から登ってこられたのだろうか。今日はじめてお会いするハイカーだ。
 千丈寺山山頂からの景色はその方々にお譲りするとして、当方は北浦バス停の方向に下ることとする。
千丈寺山一等三角点
千丈寺山一等三角点
千丈寺大権現  下る前に、千丈寺山山頂直下の千丈寺大権現にお参りしていくこととする。
 山頂から少し下ると「千丈寺大権現」の表示があり、その方向に進むと、すぐに小さなお社に行き着いた。
 千丈寺大権現は千丈寺山山頂の大岩を御神体とするような感じで祀られていた(写真左 11:45)。
千丈寺大権現
千丈寺山南側の展望の大岩  千丈寺大権現から南の稜線に進む。
 5分ほど歩くと、大岩のところで眼前に180度の展望が広がった(写真左 11:51)。
 これは素晴らしい気景だ。千丈寺山山頂より、ここの方が開放的で展望が優れる。
 千丈寺湖とその周辺の山々(有馬富士・飯盛山など)が箱庭のように広がる。
 今日は遠方は霞んでいるが、遠く六甲の山並みも見えるという。ここでしばらく景色を眺め、休憩とする。
千丈寺山南側の展望の大岩
有馬富士方面を望む 千丈寺前山方面を望む
有馬富士方面を望む 千丈寺前山方面を望む
 景色も堪能したので、そろそろ北浦バス停の方に下っていくことにする(11:57)。
 展望の大岩から右下に降りる。急だが、ここにはロープが垂らしてある。
 ここからしばらく急な下りが続く。ロープが設置してあるので慎重に下りたい。ロープにすがりながら足場を確認していると、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。ちょうど正午となった。
 急坂を下りきるとしっかりとした尾根道になる。倒木があり、少し荒れた感じはするが道はしっかりしており歩行に困難はない(写真右)。新緑もきれいだ。
千丈寺前山方面への尾根道
千丈寺前山方面への尾根道
千丈寺湖が近づいてきた  しかし、少し進んで、道脇に青色と白色のビニール紐の残骸が登場した。
 何の目的か知らないが、ビニール紐の残骸がルート沿いに続いている。紐はずいぶん以前のもののようで、ちぎれ、ばらばらになった状態は、ゴミと化している。これは至極残念な状態であった。
 延々と続くビニール紐の残骸にそって尾根道を20分少々進む。千丈寺山前山はどこだろうと気にしながら進んでいたが、すでに通過してしまったようだ。千丈寺山前山はどこだったのだろう??。特に表示はなかったようだが??・・。
千丈寺湖が近づいてきた
 千丈寺山前山のことを考えながら進んでいると、周囲の雑木が間伐され、明るい林となってきた。
 見ると、前方に千丈寺湖の湖面が見えている(写真上 12:27)。だいぶ麓に近づいたようだ。
 併せて、南側の景色が広がってきた。北摂の山々と、千丈寺湖の湖面の景色は、なかなかのものだ(写真右)。ここで写真を写していると北浦の方から登ってきた2人のハイカーとすれ違った。
 本日、千丈寺山でお会いした二組目のハイカーだ。
 今日は後にも先にもで、千丈寺山でお会いしたハイカーは二組だけだった。
志手原方面の山々を望む
志手原方面の山々を望む
間伐された尾根を下る  更に、千丈寺湖の湖面に向って間伐され、手入れされた斜面を下っていく(写真左)。
 この辺りの下りは急で、かつ、風化した岩場が多く、小石で滑りやすい。慎重に下っていく。
 次第に前方の景色が開けて行き(写真左下・下)、景色を見ながら、また、足元を注意しながらと、忙しいエリアの下りとなる。
 やがて麓に近づき、堰堤を過ぎると、真新しい感じの林道に飛び出した(12:53)。
 ここには小木にビニールテープが巻かれ、マジックで「千丈寺山」の文字はあるが、千丈寺山の登山口を示す正式の表示はない。
間伐された尾根を下る
千丈寺湖に向かって下る 眼前に千丈寺湖が広がる
千丈寺湖に向かって下る 眼前に千丈寺湖が広がる
 林道を少し下ると、北浦天満宮にでた(写真右 12:58)。
 さて、北浦のバス停はここから近いようだが、スマホで時刻表を調べてみるも、休日はバスが走っていないようだ。やむを得ないので、今日、朝、乗った24系統の乙原バレイからやってくる神姫バスを利用することとする。
 北浦から兵庫県道309号 福住三田線を東に進む。時折やってくる車に注意しながら40分ほどぶらぶら車道を歩く。
 小野のバス停には13時40分の到着。しかし、三田行のバスは14時13分までない。のんびりとした小野の集落と周囲の新緑の山々をながめながらバスの到着を待つ。以上、のんびりとした気持ちの中で、本日の千丈寺山登山を終えたのであった。
北浦天満宮
北浦天満宮
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