シブレ山・天狗岩 (お勧め度★★☆) 丹生山系【6-15】

木幡駅(神戸電鉄11:11)==忍海部造細目の屋敷跡(11:17)==木幡三角点(12:14)==シブレ池(12:29)==天狗岩(13:08)==
シブレ山(13:50)==太陽光工事現場(14:23)==木津の磨崖仏(14:46)==木津駅(15:00神戸電鉄)(約4時間 平成26年2月24日)

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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 神戸市西区木津の裏山にシブレ山とという変わった名前の山がある。そしてこの山の山頂近くには天狗岩という天狗の面に似た大きな岩がそびえているらしい。今日(平成26年2月24日)は、展望もすばらしいというそのシブレ山の天狗岩と、近くの里山にある四等三角点:木幡(こばた)を目指して山を巡ってみた。
木幡駅(神戸電鉄)  11時11分、ぞろ目の時間に神戸電鉄の木幡駅をスタートする(写真左)。
 木幡駅から兵庫県道22号を西に進む。少し進んで右に入り、線路を越えて地道を西に進む。
 すぐに稲荷大明神の赤い幟がはためく小さな社が目に入る(写真左下 11:17)。
 ぶらぶらと、神社に立ち寄ってみると、そこには「史跡 忍海部造細目(おしんべのみやつこ ほそめ)の屋敷跡」の石碑がたっていた。
木幡駅(神戸電鉄)
忍海部造細目の屋敷跡  忍海部造細目の屋敷跡の説明表示によると、細目氏は都から逃げてきた二人の王子(意祁王(のちの仁賢天皇)と袁祁王(のちの顕宗天皇)の兄弟)を保護したとされる豪族だそうで、ここにその屋敷があった。
 ここは歴史を感じることができる場所なのであった。
 ちなみに、現在の押部の地名は忍海部(おしんべ)から来ているという。
 少々、博学になった気持ちで気分をよくし、地道を更に西に進んでいく。
忍海部造細目の屋敷跡
 十字路で右折して山の方向に進む(11:25)。竹やぶの所から車も通れるような林道が山を登っている。ここから里山の中に、勾配のきついコンクリート道が続いている(写真右)。

 坂を登りきると土の道になった。この辺りの里山に四等三角点木幡があるはずで、その取り付きはどこかと周囲を探ってみる。
 車一台分の駐車ができるようなスペースの所から山土の斜面を登ると、その尾根に踏み跡があるのを発見した。この踏み跡が三角点に通じる道だと思い込み、にんまりしながら進んでいく。
シブレ山に向う林道をスタート
シブレ山に向う林道をスタート
尾根には踏み跡が続いていたが・・・  道中ではコンクリートの小さな標柱もあり、これをこの先の三角点の存在を示す鉄板の前兆だと勝手に解釈し、どんどん進んでいく(写真左)。
 しかし、7分ほど進んだ所で尾根道の踏み跡は行き止まりとなり、そこに三角点は存在しなかった。
 高ぶっていた気分は一気にしぼんでしまった。
 おかしいなと思いながらも、三角点の探索はあきらめ、元の林道に戻ってきた。
尾根には踏み跡が続いていたが・・・
 林道に戻り更に前進する。
 林道は次に下りとなり、下りきったところに池があった(12:05)。池名の表示がなく、その名前は分からない。どうでもいいことだが、少し気になる。
 しかし、ここで、はたと気がついた。地図によれば四等三角点木幡は、池の北側の里山にあるはずだった。
 ということは、この池の北側に三角点に通じる踏み跡があるはずだ。再び気分が高揚してきた。
木幡四等三角点のある尾根
木幡四等三角点のある尾根
 池から林道は登りとなり、登りきった所(写真右)で周辺を観察すると、山土の斜面を登った所から、踏み後が続いていることを発見した(12:10)。
 こんどこそはとの思いを抱き、尾根道の踏み跡を進んでいく。
 一部、小シダで藪状の所があるも、気にせず進む。
木幡四等三角点への取付き
木幡四等三角点への取付き
木幡四等三角点に向う尾根道  こんどの踏み跡には薄緑色の養生テープや赤い紐などの表示があり、三角点への道である可能性が高い。
 コンクリート製の小さな標柱も立っている(写真左)。三角点への道に間違いないと思い、にんまりしながら進んでいくと、ついに四等三角点木幡の発見に至った。
 入口から4分ほど進んだ所に三角点が座していた(写真下 12:14)。
 ここには観石万歩さんの小さな登頂札が残っていた。
木幡四等三角点に向う尾根道
木幡四等三角点 シダに囲まれた木幡三角点
木幡四等三角点 シダに囲まれた木幡三角点
前方に天狗岩が見えてきた  三角点発見で、気分上々で林道まで戻ってきた。
 次に、シブレ池を目指し、林道を更に進んでいく。
 林道は緩やかな下りとなった。何気なく前方の山を見上げると、なんと山の斜面に大きな岩が姿を見せていた。
 おお!あれが「天狗岩」か!・・・、と直感する。
  緩やかな下りの林道はやがてシブレ池堰堤のところで終点となった(12:29)。
前方に天狗岩が見えてきた
 シブレ池の湖面は萌黄(もえぎ)色とでもいうのだろうか、不気味な緑色系の色を呈していた(写真右)。
 藻か何かが繁殖しているのだろうか。
 また、シブレ池の堰堤には、平成5年4月に完成したシブレ池改修工事の記念碑が建てられていた(写真下)。
シブレ池に到着
シブレ池に到着
シブレ池堰堤  シブレ池の堰堤から上を見上げると、シブレ山「天狗岩」がせり出しているのが分かる。ここから天狗岩まではそんなに距離はない感じである。
  シブレ池堰堤から、シブレ山「天狗岩」を目指して登って行く事にする。
シブレ池堰堤
シブレ池湖畔の祠  シブレ池の堰堤を突き当りまで進む。そこから踏み跡が山の斜面に続いている。
 山道の入口には小さな祠が祀られていた(写真左)。 今日の山歩きの安全をこの祠にお祈りする。

 12:33 シブレ池湖畔の小さな祠からシブレ山「天狗岩」を目指して山道を登り始める。 落ち葉の中に踏み跡が続いているので、それに従う。
 赤や白のビニールテープの表示もあり、これらも目印になる。
シブレ池湖畔の祠
 道は次第にシダの茂る急な道となる。シブレ山といえばシダが多いのが特徴だが、冬場のシーズンは、それほどシダの藪に苦しめられることはない。
 シブレ池から登り始めて13分程で、黄色いペンキで「4」と記載されたコンクリート標柱のある場所に至った(12:48 写真右)。
 ここで道が分岐し、南方向に下る道がもう一本ある。
 今登ってきた道の方向には「シビレ池」の小さな表示があるが、もう一方の下り道には何らの表示もない。何処に行くのか気になったが、ここは先に進む。
黄色ペンキで4と記載された標柱
黄色ペンキで4と記載された標柱
太陽と緑の道の道標  黄色い「4」と記載された標柱からは、道が緩やかになった。そして次に道は平坦となったが、シダが凄い勢いで繁茂する藪道になった。夏場はこの道の通行は相当困難をきたすだろう。もう通りたくないなという感じのシダ道である。
 そのシダのエリアを過ぎると、十字路に飛び出した(写真左 12:58)。
 ここには太陽と緑の道の道標がある。直進はシブレ山の山頂方面。右は木津の方に下っていく。そして、左は山田池方面である。
太陽と緑の道の道標
 ここで、あれれっ!!と、なった。この十字路まで来ると、天狗岩を過ぎてしまった感じなのだ。
 そこで、先ほどの黄色い「4」と記載された標柱の分岐を思い出した。あの分岐が天狗岩への道ではなかったのか??。これは引き返さなければならない。
 13:03 十字路から引き返す。
 もう通りたくないと思ったシダの藪道をまた戻っていき、13時7分に黄色い「4」の標柱の分岐にたどりついた(写真右)。
再び黄色い4の標柱に戻る
再び黄色い4の標柱に戻る
天狗岩を発見  黄色い「4」の標柱の分岐から、もうひとつの道を下っていく。するとすぐに前方が開け、大きな二つの岩が出現した(13:08 写真左)。やっと、天狗岩にたどりついた。
 ああ、やはりこの道の先に天狗岩があったのだ。天狗岩に至り、しばし充実感に浸る。
 v(*'-^*)
天狗岩を発見
天狗岩  天狗岩は、神戸市西区HPにも西区の見どころとして紹介されている。
 それによると、「標高275mのシブレ山山頂近くに天狗の面に似た「天狗岩」がそびえている。前方には明石海峡大橋、左手前方には天気の良い日は大阪湾から泉州方面、右手には押部谷全域、淡路島から播磨灘方面が一望でき、真下にはシブレ池がある。」と説明されている。
  今日は晴天なれど、霞がひどく、明石海峡大橋や淡路島は望めない。
 空気が澄んでいるときに、もう一度ぜひ訪ねてみたいと感じた次第である。
天狗岩
 「天狗岩」の真下はシブレ池だが、その東方の一面は山が削られ、山土が剥き出しになっている(写真右)。
 木々が全く残されていないのでゴルフ場の開発ではないようだ。こんな山の中に宅地の開発だろうか。疑問が残る風景である。
 天狗岩には、岩登りの道具のようなものも打ち込まれていたので、クライマーもやってくるのだろう。
 天狗岩からの景色をずっと楽しんでいたいとも思ったが、シブレ山の山頂にも足を伸ばしたいので、そろそろ天狗岩を出発する(13:15)。
天狗岩から東南方向を望む
天狗岩から東南方向を望む
Y字の分岐  天狗岩を出発してすぐに、黄色い「4」の標柱の分岐に到着。
 そこを過ぎ、シダの藪道を越えて太陽と緑の道の道標がある十字路には13時22分に到着。
 天狗岩からこの十字路までは7分ほどの距離である。
 十字路からシブレの山頂を目指す。
 13:26 Y字の分岐(写真左)。シブレ山へはここを右に進む。ここには、シブレ山方面を示す小さなの表示もある。
Y字の分岐
 13:34 山田池からシブレ山に向う道に合流する。ここは右(東)に進む。
 この合流地点には3つの小さな案内表示(木津・シブレ山・山田池)がある(写真右)。初めての者にはこの案内は助かる。
 13:37 右手側にシビレ山地蔵尊への分岐が登場。今日はシビレ山地蔵尊へのお参りはせず、先を急ぐ。
木に小さな道標
木に小さな道標
黄色い数字の標柱が続く  更に山道を進んでいく。この山道にも黄色いペンキで数字が記載されたコンクリート標柱が続いている。
 数字は連続したものが記載されている。
 シブレ山一帯の標柱に通し番号が記載されているようだ。
黄色い数字の標柱が続く
シブレ山頂の電波塔  更に進んで、左手側前方にシブレ山頂の電波塔が見えてきた(写真左)。
 13:49 シブレ山頂に到着(写真左下)。
 シブレ山には昨年(25/01/19)も登ったが、その時に比して、山頂の様子が少し変わっていた。山頂の南側の木々が払われ、少しだけ展望が開けている(写真下)。しかし、不十分な伐採で、展望も不十分だ。
 シブレ山の山頂には、JR西日本山岳連盟神戸支部が設置した大きな山名表示があるが、それもだいぶ古くなり、シブレ山の表示も見難くなっていた。
 (^_^;)
シブレ山頂の電波塔
シブレ山頂(衝原三角点) シブレ山頂からの展望
シブレ山頂(衝原三角点) シブレ山頂からの展望
鉄塔の続く道  さて、次に下山路であるが、今日はシブレ山の山頂から南に続く高圧鉄塔沿いに下ってみようと思う。
 シブレ山頂の南に大きな高圧鉄塔が建っている。その鉄塔を14時にスタートした。
 最初は山土の下りである。雨水の通り道なのか、V字に削られた道は滑りやすく注意が必要だ。
 鉄塔が続く山の稜線の右下の方向には開発の進む見津が丘(神戸複合産業団地)地区が見えている。また西側にも展望が広がるが、こちらはゴルフ場とその向こうに山田地区の山々と遠くには六甲の山並みが続く。
鉄塔の続く道
 関電の監視路の「火の用心」の表示が続く山道(写真右)を一気に下ると、14時17分に麓まで下りてきた(写真下)。
 そこは、傍らに鍵の掛かったフェンス状の扉がある場所で、次にすぐ弁天川に架かる北山橋を渡る。
関電巡視路を下る
関電巡視路を下る
麓に下りつく  北山橋から両側にフェンスのある林道が始まり、少し進むと「工事関係者以外立入禁止」の表示が現れた(写真下)。
 ここは、シブレ山天狗岩から眼下に見えた宅地開発の工事現場だろうか。まずいところに降りてきてしまった・・と少し不安になる。
 林道を少々下ると前方からミキサー車が土埃を巻き上げてやってきた。脇に避けてこれをやり過ごす。
 更に下って、道が分岐した。ここで地図を広げ、進む方向を確認していると、工事関係のワゴン車がやってきた。
 これ幸いと、運転していた若い社員さんに木津駅までの道を尋ねると、「この辺りは工事の関係車両が行き交って危ないので、よければ駅まで送ります。」とのこと。
麓に下りつく
 ついつい、そのご好意に甘え、助手席に乗せていただいた。本当にありがとうございました。
 送っていただく道中で、工事の内容をお伺いすると、太陽光発電の工事をしているとのことで、木津に関西一の太陽光発電所が建設されているのでした。
 後で調べてみると、この工事は「押部谷太陽光発電所」の建設工事で、大林組がその所有する遊休地を活用して、約18haにおいて発電施設(発電規模:9.7MW)を整備するもので、完成予定は2014年9月だそうだ。
 木津駅で車を降り、再度お礼を言って、工事現場に帰っていく車を見送った。
立入禁止の表示
立入禁止の表示
木津の磨崖仏  思っていた時間より早く駅に到着した(14:32)。
 このまま、帰途に着こうかとも考えたが、この駅の近くに木津の磨崖仏があることを思い出した。ちょっと、木津の磨崖仏に寄り道していこう。
 木津駅から東(藍那側)に10分ほど進む。線路沿いにある「川池」までやってきた。池の水は抜かれて、池底があらわになっている。 その池の北側の高さ5.63メートルの岩壁に磨崖仏が彫られていた。
木津の磨崖仏
 磨崖仏は、阿弥陀如来坐像と六体地蔵で、平成11年に神戸市指定記念物とされている。
 磨崖仏の向かって左端に、室町中期の年号と石大工の名が刻まれているらしい。 この付近は摂津・播磨の国境に近く、東播磨から鵯越を経て兵庫津への交通路だったため、行路の安全を祈願して刻まれたものだと考えられている。
 いずれにしても、貴重な史跡を後世に伝えていきたいものだ。
 磨崖仏に手を合わせた後、また線路沿いの道を木津駅まで戻っていった。遠く、西の方向には、今日登ったシブレ山が見えていた。シブレ山頂の電波塔と高圧鉄塔がまるで二本の角のようだった。
シブレ山を遠望する
シブレ山を遠望する
 ●木幡三角点の探索については観石万歩さんのホームページを参考とさせていただきました。(参考 観石万歩:三角点を訪ねて:「観石万歩」。ありがとうございました。
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