シラケ谷・仙人窟 (お勧め度★☆☆) 北六甲【2-21】

今回(平成20年2月16日)は、実は谷道ではなく意外と急勾配な尾根道である
シラケ谷道を遡行して、仙人窟を訪ねてみた。

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 今年は六甲山中の未踏コースを歩いてみようと思っている。その中で今回は、裏六甲のシラケ谷から仙人窟を目指してみる。
 シラケ谷へは逢山峡から入っていく。地図では神戸電鉄の唐櫃台駅が近そうだ。よって、今日はこの駅から山歩きをスタートさせる。
 駅前のコンビニで食料を調達して山に向かう(8:50)。道なりにしばらく進んだが一向に山が近づいてこない。はてなと思い地図を見直す。どうも方向を間違えて進んでいたようだ。いきなり道を間違えてしまった。東山橋に到着した頃(9:50)には、既にスタート時間から1時間近くも経過していた。(^^ゞ
逢山峡を行く
逢山峡を行く
仙人谷堰堤工事  逢山峡の山道では、まだ所々雪が残っている。しかし、地元の方にはここは格好のハイキングコースなのである(写真上)。
 雪に覆われた猪ノ鼻小橋を通過した(10:05)。すぐに仏谷への分岐、次に茶園谷への分岐が現れる(10:10)。この茶園谷分岐点ではガードマンの方が1人ポツンと警備をしておられた。堰堤工事がされているので、昼からはトラックが入ってくるとのこと。「トラックの来る前に通過しなければ」と歩を早める。
 5分ほど進んで右手にナバ谷砂防ダムが登場した。この谷にも踏み跡があることを発見した。谷の遡行が可能のようだ。ここは次回以降の課題とする。
仙人谷堰堤工事
 更に進んで、工事現場となった。仙人谷堰堤の保護工事である(写真上 10:20)。
 ここにはベンチが設置され工事の見学が出来るようだ。(・・・そんな者はあまりいないような気もするが。)
 この工事現場から右手側に林道が分岐していた。鎖による車止があったが、てっきりシラケ谷への道と思い込み、ここに踏み込んだ。少し進んでダムに突き当たる。その手前に奇妙なものがあった。檻のようなものである(写真右)。でも入り口が開いている。猛獣が逃げ出したのか・・・?、・・とも思ったが、どうやら猪捕獲用の罠のようである。
イノシシ捕獲用の罠
イノシシ捕獲用の罠
シラケ谷入口  更に先に進むべく、道を確認する。砂防堰堤は左から越えるように踏み跡がある。それに従う。
 堰堤の上に出て、愕然とした。その堰堤には「中ノ谷砂防ダム 立入禁止」と記載してあったのだ。
 ここはシラケ谷ではなかったのだ。(-_-;)
 この谷道の遡行も次回以降の課題とする。
 元の山道に戻り、シラケ谷を目指す。
 少し進むと、すぐに右手側に林道が分岐している場所があった(写真左)。ここにはシラケ谷の案内表示がある(写真下)。
シラケ谷入口
 確信を持ってこの谷道に入っていく。
 しかし道に積もる雪が次第に深くなってきた。この先進めるのか不安が頭をよぎるも、先達の、まだ比較的新しいような足跡が、先に続いている。これを頼りに進むことにする。
 雪に足を取られながら、林道を進んでいくと、ここの道脇にも先ほど中ノ谷で見た猪捕獲用の罠がしかけてあった。その場所は、獣(猪?)の匂いが漂っており、近くに猪がいるのかと見回してみた。しかし生き物の気配は無い。罠には猪を引き付けるような匂いがつけられているのかもしれない。
シラケ谷案内表示
シラケ谷案内表示
シラケ谷の林道  シラケ谷の林道も、雪が深く積もっている箇所ばかりではない。日当たりのよい所は積雪も少ない(写真左)。
 更に進んで神戸市水道局奥山川ポンプ場に到着した。
 シラケ谷の入口にあった案内地図によると、ここから右はシラケ谷へ、左は東谷へ、そしてまっすぐは仙人窟に続く旨の表示があった。しかし、ポンプ場の付近一面は深く雪が積もり、到底ルートの確認は出来そうにない。
シラケ谷の林道
 
 ポンプ場から少し前方に進んでみた。するとそこには、杉林の山腹道の方に進むよう表示があった。併せて仙人窟へのルートを示す表示もある(写真右)。
 しかし、あたりの雪は深く、ルートの確認は全く出来ない。進むかどうか、ここでも思案した。しかし、先達の足跡は山中に踏み込んで続いている。これを信じて、当方も雪山に踏み込むことにした。
仙人窟への案内表示
仙人窟への案内表示
急な斜面の登り  山腹道の勾配は相当急である。このことは左の写真でお分かりいただけるだろうか。その急斜面に雪が降り積もり、進みにくいことこの上ない。
 ここでは、足跡を慎重に辿ることのみに専念する。時折テープ表示も登場する。ルートは間違いないようだ。
 やがて、山腹道から尾根道の登りとなった(11:05)。尾根に積もった雪も相当深い。
 次に、尾根道は平坦となった(11:12 写真下)。ここも雪は深い。
急な斜面の登り
 雪深い山道は踏み後がないと安心して前に進めない。その雪の下は山道か谷底か分からないからだ。一つ間違えるととんでもない事になるのだ。
 そんなことを考えながら進んでいると、前方に大きな岩の集合体が見えてきた。それは「仙人窟」跡であった(写真下 11:18)。
 この仙人窟は、震災で崩壊したとのことであるが、雪に覆われたその岩は、何やら今も尚、神秘さを漂わせている(・・ような気がした・・・)。
仙人窟手前の尾根道
仙人窟手前の尾根道
仙人窟  仙人窟を過ぎ、更に雪深い山中を踏み跡のみを頼りに前に進む。
 時折、風にあおられて木々の枝に積もった雪が音を立てて落ちてくる。この辺りでは、地面だけでなく、木々の枝の上にも雪が堆積しているのだ(写真下)。
 あわせて空からも雪が落ちてきた。新たに雪が積もり、踏み跡が分からなくなるとヤバイと思い、ペースを速める。しかし、雪中の行軍は思うようには行かない。
仙人窟
 雪に対する不安と戦いながら進んでいると、前方に建物が見えてきた。こんな雪深い山中にポツンと家が建っているのだ。プロパンガスのボンベが家の横に備えられているが、その佇まいからして、どうも今は使われていない山の家の廃墟のようだ。しかし、家があれば車道も近いはずである。
 雪中行軍を更に進め、山中の家から数分で、予想通り車道に出ることができた(11:35)。
更に雪が深くなる
更に雪が深くなる
六甲山カンツリーハウス  車道に出たところには、中山製鋼所健康保険組合の六甲山荘が建っていた。
 車道をどちらに進むか迷ったが、登りの方向である左方向に進んでみた。すると駐車場の向こうに見覚えのある建物が見えてきた。六甲山カンツリーハウス(六甲山人工スキー場)入り口である。その入口を右に回るようにして車道を進むと、垣根越しにカンツリーハウスの中が見えてきた。人工スキー場のゲレンデからは、子供たちの大きな歓声が聞こえてきた(写真左)。
六甲山カンツリーハウス
 更に、車道沿いに進み、六甲ガーデンテラスにやってきた。
 ガーデンテラスも雪に覆われている(写真右)。
 雪空のもとでは、テラスの南に広がる景色もかすみ、眺望はとても望めない。そのせいか、ガーデンテラスに客の姿はまばらである。気が付くと、ちょうどお昼時になっており、ここで空腹を感じてきた。傍らの自販機で暖かい飲料を購入して、おにぎりを頬張る。
 寒空の下、数分で昼食を済ませ、ガーデンテラスを出発する(12:10)。
六甲ガーデンテラス
六甲ガーデンテラス
油コブシ道  さて、今日の下りはどのルートにするかここで思案である。
 裏六甲は雪が深いので表六甲に下りたいが、こちらも雪が無いとは限らない。そこで、六甲ケーブル駅まで進んで、ケーブルで下るか油コブシ道を下るか選択することにした。
 サンライズドライブウェイ沿いに歩を進める。この車道も脇には雪が積み上げられている。
 六甲ケーブル駅に到着した(12:45)。
 ここで油コブシ道を登ってこられた方に、道の様子を聞いてみた。所々に雪は残るようであるが、危険はないとのこと。そこで、油コブシ道を下ることにした(12:50)。
油コブシ道
 油コブシ道の下り始めの階段は、雪が踏み固められて要注意であったが、そこは何とかクリアーした。
 先程、話に聞いたとおり、油コブシ道では雪に覆われた箇所と、雪の融けた箇所が交互に登場した。誰が作ったのか、雪だるまが残っている場所もあった(写真上)。
 雪に覆われた場所では、雪に残る踏み跡が道脇に踏み込んで続いている箇所もあった(写真右)。雪の踏み跡を見ていると、油コブシ道にも脇道がいくつかあることが確認できる。
雪の油コブシ道 1
雪の油コブシ道 1
雪の油コブシ道 2  雪の油コブシ道(写真左)を進み、寒天山道の分岐点までやってきた(13:19)。寒天山道方面にも雪道が続いている。
 更に進み、油コブシ三角点には13時25分に到着した。この場所の西側には展望のきく大岩がある。今日はそちらのルートにも進んでみた。
 大岩からの景色は、雪空のもとでやや精彩に欠けていた。
 更に下り、高羽道への分岐点に至った(13:45)。ここからは神戸の背山散策路である高羽道に進んでみることにした。
雪の油コブシ道 2
 高羽道は、六甲ケーブル下から坊主山の裏を回り御影山手の新神戸変電所まで続く、よく整備された道である。この道の脇には石造りの道標も設置されている(写真右)。
 高羽道は快適な山道であり(写真下)、近くにお住まいの方にとっては最高の散歩道ともなっている。
 今日もジョギングや、犬の散歩の方など、皆さんが思い思いに散策を楽しんでおられた。
 更に進んで、高羽道は下りとなった。この辺りからは、寒天山道へ続く道が分岐して登っていった(14:00)。
高羽道の案内表示
高羽道の案内表示
高羽道 背山散策路 高羽道
高羽道 背山散策路 高羽道
御影山手から望む町並み  高羽道も左手側に渦森台の住宅地が見えてくるとゴールが近い。
 やがて、坊主山への分岐、国宝桜ヶ丘銅鐸出土の地の表示を過ぎて、御影山手の住宅地に出てきた。ここには「背山散策路高羽道」の案内看板が立てられている。それによれば、この辺りの緑地は、緑の聖域(緑地の保存区域等)とされている。この区域内では建築・宅地造成等が制限されているようだ。
 それにしても、この辺りから南に広がる海と町並みの景色はいつ見ても素晴らしい(写真左)。その景色を確認できた喜びと、雪山を無事越えてこられた喜びをかみしめながら、阪急御影駅を目指して急な坂を下っていく小生であった。
御影山手から望む町並み
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