石楠花谷西尾根・三ッ谷東尾根 (お勧め度★☆☆) 北六甲【2-37】

神鉄花山駅(8:55)==花山東団地(9:05)==草出三角点(9:59)==石楠花谷西尾根取付(10:04)==633mピーク(10:47)
==阿弥陀塚(11:13)==西六甲DW(11:17)==三ッ谷東尾根分岐(11:37)==堰堤(12:00)==石積み(12:12)
==幸陽町(12:55)==神戸電鉄花山駅(13:15) (約4時間 平成31年1月19日)  
ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 地理院地形図で北六甲を眺めていると石楠花谷の西側の尾根に破線の表示があり、山上の西六甲DWに向かって突き上げている。その尾根は、山と高原地図(六甲・摩耶)では石楠花谷西尾根と表記されているが、ルート表示はない。今日(平成31年1月19日)は、この石楠花谷西尾根を登り、その西側の三ッ谷東尾根を下ってみたい。併せて、阿弥陀塚の探査も挙行する。
 
神戸電鉄花山駅  石楠花谷西尾根は、山と高原地図や六甲全山縦走マップ(平29年3月発行)に名称の表記があるが、ルートの表示はなく、六甲山系登山詳細図(2017年6月発行)には名称の表記さえない。ネットの情報も少なく、踏み込む者は稀なようである。ちゃんと道が残っているのか、やや不安があるが、踏み込んで探査してみたい。
 神戸電鉄に揺られて、花山駅のホームに降り立つ(8:55)。ここは山間の寂しい駅で、電車を降りたのは当方一人である。
神戸電鉄花山駅
花山東グリーンエレベーター  駅から西に進み、有馬街道をまたぐ跨線橋を渡り、UR都市機構花山東団地に向かう。花山東グリーンエレベーター(斜行エレベーター)に乗って花山東団地内に入る。なお、この花山東グリーンエレベーターは1984年稼働で、住宅都市整備公団の屋外設置の第一号斜行エレベーターと聞く。
 花山東団地は裏六甲の裾野に位置し、団地内の高低差がかなりある。
花山東グリーンエレベーター
 団地の中を登っていき、最南部で東隣の幸陽町の住宅地に続く細道に入る。
 すぐに幸陽町に入って、更に少し進むと小さな流れ(三ッ谷川)に突き当たる。この三ッ谷川の流れに沿って南に登っていく。
三ッ谷川に沿って進む
三ッ谷川に沿って進む
阪神高速の高架をくぐる  住宅地(幸陽町3丁目22)の南の端で道が二手に分かれる。ここは左に進み、小さな橋を渡って、阪神高速北神戸線の高架をくぐり山に入っていく(写真左 9:26)。
 山に入ると踏み跡がすぐ左折し、東に向かって登り道になる。
阪神高速の高架をくぐる
 その踏み跡を進むと、片側に有刺鉄線が張り巡らされた山道となる。有刺鉄線沿いに、「付近には猪の罠があるので要注意」の表示がある。さらに、その山道を道なりに進んでいくと小さな沢を渡る。沢を渡って少し登ったところに「火の用心」の表示があった。ということは、この道は鉄塔巡視路ということになる。それで比較的よく歩かれている感じがするのだった。 有刺鉄線脇を登る
有刺鉄線脇を登る
阪神高速沿いの舗装路を進む  更に進むと、その先で道が右に分岐している。分岐道は三ッ谷東尾根に向かう道だが、倒木がおびただしい数で行く手を阻んでいる。この分岐はそのまま東に進むと高圧鉄塔脇を過ぎて、舗装路に飛び出した。
 この舗装路は阪神高速の南側を並行して走る道で、この舗装路を東に進んでいく。
阪神高速沿いの舗装路を進む
 舗装路を進んでいくと、写真上のような阪神高速の掲示板の設置されたゲートのような設備がある近くで、山道が南に分岐している(写真右 9:51)。この分岐で右折して南に入る。
 この南にのびてる林道に入ったところで、前方からジョギングの方が下ってこられた。ここは適度な勾配で、地元の方にとってジョギングの最適コースになっているようだ。なお、林道脇には畑があり作業の車が入ってくることもあるので注意したい。
この分岐で南に進む
この分岐で南に進む
T字の分岐は左へ  林道を突き当りまで進むと、T字の分岐になる(写真左 9:56)。T字路を右に進めば三つ谷東尾根に向かうことができるが、今日は、まず、石楠花谷西尾根に向かうので、このT字路は左(東)に進む。
 すぐに、右に分岐がある。この分岐が石楠花谷西尾根に向かう道であるが、今日は、石楠花谷西尾根を登る前に、近くにある四等三角点:草出を確認していきたい。
T字の分岐は左へ
 そのまま東に向かう道を進むと、左手側に溜池があり、その先で前方にも溜池が見えてくる。前方に見える溜池に至る手前で左側に小高い場所がある。そこが草出四等三角点の設置場所である。
 三角点へは特に踏み跡はないが、草出四等三角点はすぐに確認できた(写真右 9:59)。草出四等三角点は昭和50年6月7日の設置であるが、石の角もきれいで、保存状態は良好であった。
草出四等三角点
草出四等三角点
石楠花谷西尾根に向かう  三角点の確認を終え、次に石楠花谷西尾根に向かう。 先ほどの、石楠花谷西尾根の分岐点まで戻り、その分岐を南に登っていく(10:04)。
 落葉の積もった広い道で(写真左)、細い倒木があるが、歩行に困難はない。その先、すぐによく手入れされた杉林の中に入っていく(写真左下)。
石楠花谷西尾根に向かう
石楠花谷西尾根取付き  杉林の中に薄い踏み跡が続くので、それに従い緩やかに登っていく。赤色や黄色の古い残置テープもあり、ルートは間違っていないようだ。しばらく杉林の中を登っていたが、ふとした拍子に手元のGPSを覗き込んだ。すると、何としたことか、現在の位置はGPSの地図が石楠花谷西尾根の破線のルートとしている位置より大きく東にずれていた。
 ここで、しばし、思案した。今登っている薄い踏み跡をそのまま登るか、又は、地図の破線のルートに向かうか・・??検討の結果、GPSの地図に従うことにした。薮の中を大きく西にトラバースして、破線のルートの方に進む。
石楠花谷西尾根取付き
 GPSに従い西にトラバースして、破線の位置までやって来た。しかし、そこは急な薮の斜面で、どうみても山道があるようには思えない。どうするか、少し思案したが、このまま、GPSの示す破線に従ってみることにした。 急傾斜の藪の中を、木々につかまりながら体を引き上げて、石楠花谷西尾根を登っていく(写真右)。踏み跡は全くなく、登れそうなところを選びながら進む。 石楠花谷西尾根の急登
石楠花谷西尾根の急登
野趣溢れる石楠花谷西尾根  散々、悪戦苦闘の末、何とか尾根の肩まで登りついた。ここで尾根に乗って少し傾斜が緩む。気持ちもほっと緩むのがわかった。
 尾根上では、大きな岩があちこちに見えている(写真左)。
野趣溢れる石楠花谷西尾根
 尾根に乗ると、薄く踏み跡があるようにも思える。残置テープも散見される。
 少し進んで、地形図にある石楠花谷西尾根の633mピークの近くまで登ってきた。633mピークはこの地点の少し東のようなのでそこまで進んでみることにした。
 落葉の中を進んで633mピークまでやってきた(写真右 10:47)。ここは展望はきかないが、残置テープが数か所に残されていた。
633mピーク
633mピーク
 633mピークから戻り、再び、石楠花谷西尾根を登り始める。
 薄い踏み跡に従い尾根を進んでいく。尾根道は岩がごろつく箇所も多く、野趣にあふれている(写真右)。その先で、笹の茂る道となってきた(10:55)。 笹は、次第に繁茂の程度を増し、半端ない笹道になってきた(写真下)。
岩の連なる石楠花谷西尾根
岩の連なる石楠花谷西尾根
笹の茂る石楠花谷西尾根 三ッ谷東尾根への分岐
笹の茂る石楠花谷西尾根 三ッ谷東尾根への分岐
 笹の量はものすごいが、その中にしっかりと道が続いている。
 その道を踏み外さないよう、笹をかき分けながら更に進むと、枝にトラテープが巻かれた分岐点となった。ここで、笹の中を北に向かい道が分岐して下っている。これが、三ッ谷東尾根への分岐である(写真右上)。下山は、ここから三ッ谷東尾根を下る予定だが、今は、更に、石楠花谷西尾根の笹道を進んでいく(写真右)。
石楠花谷西尾根の笹道を進む
石楠花谷西尾根の笹道を進む
コアラの火の用心  笹の茂る中を進んでいくと、突如、コアラの看板が登場した(写真左 11:13)。これは「アッ!アブナイ 山火事注意」と表示された山火事防止の看板だ。
 この看板の下の方には付近の簡易地図が記されており、今、登ってきた尾根が「石楠花谷西尾根」であることが示されていた。
コアラの火の用心
 コアラの看板から、くるりと後ろに振り返ると、二本の太い木の立つ小高い場所がある(写真右)。その二本の木の間に石柱が見えている。何かなと思いその小山に登ると、その石柱が「阿弥陀塚」だった。
 阿弥陀塚の後ろ側には「明治44年」と彫られていた。
阿弥陀塚
阿弥陀塚
阿弥陀塚の石柱 阿弥陀塚は明治44年設置
阿弥陀塚の石柱 阿弥陀塚は明治44年設置
 阿弥陀塚の周囲にも笹が迫っている。この笹が繁茂すると石柱を包み込んでしまい、阿弥陀塚の確認は難しいかもしれない。
 なお、スマホの地図アプリで阿弥陀塚を確認すると、「山と高原地図」、「マピオン地図」、Yahoo地図、Google地図には史跡、名勝として記載があるが、地理院地形図には表記がない。
 紙の地図では、六甲全山縦走マップ(平29年3月発行)には表記があり、六甲山系登山詳細図(2017年6月発行)には表記はあるが、その位置が間違っている!
カーブNo.61
カーブNo.61
ガードレールの切れ目  阿弥陀塚を確認した後、先に進む(11:15)。笹の中の道を2分ほど進むと西六甲ドライブウェイに飛び出した(写真上 11:17)。
 西六甲ドライブウェイに出てきたところはガードレールの切れ目で、近くには「明石・神戸・宝塚線 カーブNo.61」の看板が立っていた。
ガードレールの切れ目
 ドライブウェイの切れ目で休憩しながら、下山路を確認する。下山路は登ってきた笹道を戻り、途中で三ッ谷東尾根に入って、麓まで下りたい。
 西六甲ドライブウェイを出発して(11:25)、再び笹道に入る。
 阿弥陀塚を通り過ぎ、半端ない笹の道を進むこと12分で、三ッ谷東尾根分岐までやって来た(写真右 11:37)。この分岐は目立つ個所にトラテープが巻いてあり、わかり易い。
三ッ谷東尾根分岐
三ッ谷東尾根分岐
三ッ谷東尾根の標柱  分岐を入って三ッ谷東尾根を下り始めた。引き続き物凄い笹の中の道であるが、道はしっかりとしている。
 そして、その道にコンクリートの標柱が立てられていた(写真左 11:40)。この三ッ谷東尾根はなにかの境界となっているのだろう。
三ッ谷東尾根の標柱
 コンクリートの標柱のすぐ先には、松の木に赤色の目立つプレートが付けられていた(写真右)。
 こんな笹の茂る山中に何の表示だろうと、覗き込んでみると「恒和興行」と記載されていた。この三ッ谷東尾根は、私有地エリアということかも・・・。
目立つプレート
目立つプレート
三ッ谷東尾根  更に、モーレツな笹の中の道を進んでいく。ルートには古い残置テープがあるが、踏み跡はしっかりとしており、テープが無くても道迷いはないだろう。
 やがて、繁茂していた笹がなくなり、雑木の中の尾根道になった(11:46)。尾根の道は、随所で急な勾配の箇所が登場するので、注意しながら下る(写真左)。
 そうしていると、右下に大きな堰堤が見えてきた(写真左下)。堰堤脇は痩せ尾根で切れ落ちており、ここは滑落に注意したい(12:00)。
三ッ谷東尾根
谷底に堰堤 三ッ谷東尾根も終盤
谷底に堰堤 三ッ谷東尾根も終盤
尾根に石積みの表示  堰堤を過ぎると三ッ谷東尾根も終盤となる。ここでもコンクリの標柱が確認できた(写真上 12:03)。その先で尾根尻となるが、そこには石が数個積まれて、目印となっていた(写真左 12:12)。ここで明確な踏み跡はなくなるが、右側にも左側にも下っていけそうだ。今回は右側(東側)に下って行く。
尾根に石積みの表示
広場状の場所  尾根の積み石から右側(東側)に下っていくと落葉の積もった広場状の場所となる(写真左 12:16)。
 ここで、ルートが怪しくなるが、地形図では実践のルートが引かれている。実践のルートは、もともと林道となっていたようだが、年月の経過による崩落と倒木で、道が無くなってしまっているようだ。倒木を避けながら歩きやすそうな箇所を拾って進む。
広場状の場所
猪の罠 前方に阪神高速
猪の罠 前方に阪神高速
 その先で、猪捕獲用の檻が設置された箇所まで進んできた(写真上 12:21)。この周囲では、猪の罠が多く仕掛けられているようで、注意して進みたい。
 その先は林道になって、歩きやすい道となる。更に進むと、今朝方通過した林道のT字路となった(12:33)。ここからは午前中に進んで来た道を戻っていく。
 T字路から北に進むと、すぐに阪神高速の高架が見えてきた(写真右上 12:37)。
花山東団地
花山東団地
神戸電鉄花山駅 阪神高速沿いの道を西に進み、突き当りで高圧鉄塔の巡視路でもある山道に入り、そこを抜けて阪神高速をくぐって幸陽町3丁目の住宅地までもどってきた(12:55)。幸陽町から、花山東団地に入り、団地内のプロムナードを散策する(写真上)。
 花山東団地から神戸電鉄花山駅まで戻り、本日の山歩きを終えたのであった(13:15)。
 今日のルートでは、三ッ谷東尾根は踏み跡があるものの、石楠花谷西尾根の斜面では明確な踏み跡はほとんど確認できなかった。石楠花谷西尾根は、入る人が少ないのだろう。
神戸電鉄花山駅
● 本文中でも記しましたが、石楠花谷西尾根は、複数の地図で名称の表記はあるもののルート表示がなく、登山ルートも消滅に近い状態と感じました。歩行には、十分な注意が必要であることを注記しておきます。
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline