太陽と緑の道 コース27  西六甲【3-18】

地下鉄学園都市駅(9:25)==貝谷大池(9:36)==北太山寺橋(10:11)==権太郎小橋(10:18)==高畑城跡(11:05)
==よきとぎ石(11:32)==堂屋敷洞窟(12:01)==仏谷洞窟(12:22)==神戸テクノ・ロジスティックパーク
==神戸電鉄木津駅(13:48)(2024年02月18日 約4.5時間 約13.7km)(お勧め度☆☆☆) 
ROUTE MAP
linelineline
説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 自然歩道「太陽と緑の道」は、神戸の豊かな自然を散策して、自然とのふれあいを図ることを目的に昭和47年に設定されたハイキングコースで、神戸市北区と西区の緑豊かな地域を中心にめぐっている。沿線に名所、見どころも多く、ファンが少なからず存在する。今日(2024年2月18日)は、コース27「太山寺〜木津」をたどり、高畑城跡、堂屋敷洞窟、仏谷洞窟を巡ってみた。前半は快適だったが、仏谷洞窟から先のルートは厳しい道になっていた。
兵庫県道65号線 貝谷大池四等三角点
兵庫県道65号線 貝谷大池四等三角点
 今日は神戸市営地下鉄学園都市駅からスタートする(9:25)。駅から兵庫県道65号線に出て北に向かう。流通科学大学の建物を左手側に見ながら進んでいくと、貝谷大池が近づいてくる。池の手前で学園東町の住宅街の方に少し歩くと、池の堰堤の植込みの下に三角点が確認できる(9:36)。これは、四等三角点(点名:貝谷大池)で、標石はきれいな感じだ。平成18年の設置らしいので比較的新しい三角点といえる。

 
貝谷大池の石碑 太陽と緑の道の道標を発見
貝谷大池の石碑 太陽と緑の道の道標を発見
 三角点から県道65号線に戻り、少し北に進むと「貝谷大池」のりっぱな石碑が立っている。石碑は池の完成を大々的に祝うために設置されたような感じがする。池の北側には遊歩道らしき道があるが、柵で閉鎖された雰囲気であまり利用はされていないのだろう。貝谷大池から更に県道65号線を北に進む。途中で細い地道を右に入って進めば石戸橋で伊川を渡る(9:51)。そこから北に向かうと兵庫県道16号に出た。県道を渡って伊川谷町前開の集落の中を進む。やがて路傍で、「太陽と緑の道 寺谷・木幡駅 木津」の道標を発見(写真右上)。ここから太陽と緑の道:コース27に入る(9:57)。

 
大きな五輪塔 「太陽と緑の道」の道標
大きな五輪塔 「太陽と緑の道」の道標
 民家の間を抜けて山の方に進むと、田んぼの中に大きな五輪塔が立っている。この地域は、近くに太山寺という国宝の建物を有する古くからの寺院があり歴史を有するところなので、誰か由緒ある者に因む五輪塔かもしれない。五輪塔を過ぎて坂道を登っていくと、墓地の脇の道となる。墓地を過ぎて、さらに山道を登っていく。道脇には、随所に「太陽と緑の道」の道標がある。

  
北太山寺橋  落葉が積もった歩きやすい道を進んで行くと阪神高速7号北神戸線と交差する箇所となる。ここは北太山寺橋で渡る。北太山寺橋から東側を見ると前開ICから高速に入ってくる車が見えている。
北太山寺橋
権太郎小橋 疑似丸太の階段が続く
権太郎小橋 疑似丸太の階段が続く
 北太山寺橋を過ぎると、又、山道になる。道の脇に小シダが茂っているが、きれいに刈り払われている。保守、整備がなされた山道は歩きやすい。その先で太陽と緑の道は兵庫県道65号と交差する。ここは権太郎小橋で県道を越える(10:18)。権太郎小橋を渡って少し登った先で、疑似丸太の急階段を一気に下る。鞍部を過ぎると次に階段を登り返す。その先も、幾度も急階段の上り下りが繰り返し、脚部に負担が増してくる。

  
池畔の道を進む  階段の連続はきついが、山道はふかふかの落葉が積り歩きやすい。やがて右手側にため池が見えてきた。静かな水面には数羽の黒色のバンが泳いでいる(10:32)。バンは鴨の仲間のように見えるが、ツル目に属するらしい。時折、「キョン、キョン」と鳴き声を出している。この辺りで地図を確認すると、ここはちょうどゴルフ場と二つの池に挟まれているようだ。
池畔の道を進む
落葉の階段が連続 竹藪の中の道
落葉の階段が連続 竹藪の中の道
 ゴルフ場と池の間をアップダウンの階段道が続いている。中でも140段ほどの登り階段があり、そこが最もきつい。140段を登りきった先は尾根道になって、さらに緩やかに階段道が登っている。次に馬の背のような細い尾根になり、そこから下を見下ろすと木々の間からゴルフ場(隨縁カントリークラブ)のグリーンが見え隠れしている。グリーン上からゴルファーが談笑する声も聞こえてくる。その先で、太陽と緑の道は竹藪の中の道になったり、雑木林の中を進んだりと、次々に植生が変わる。

  
「高畑城跡」の案内看板 高畑山の山頂
「高畑城跡」の案内看板 高畑山の山頂
 少し進んで道脇に「高畑城跡」の案内看板が立っていた(11:05)。この看板の説明によると、ここは標高234メートルの高畑山で、山頂には文明十八年(1486年)に伊川荘の代官職に任命された明石氏が構築した高畑城があったとされる。ハイキング道から山頂に向かい回り込むように踏み跡がついていたので、それに従い山頂に登って城跡を訪ねてみた。

 
高畑城跡の削平地 鉄塔の脇を通過
高畑城跡の削平地 鉄塔の脇を通過
 5分ほどで高畑山の山頂に到着した。そこは山を平らに削って造成した削平地になっている。木々が刈り払われているので、時々整備されているのだろう。高畑城は三木合戦の折、羽柴秀吉側に属し、三木落城後、城は廃されたと案内看板で説明されていた。削平地に立つと、ここがいかにも城跡とわかるような地形で、城郭ファンの方々を引き付けるのだろうが、ここまでの距離は結構厳しい。
 高畑城跡を過ぎ、さらに太陽と緑の道を進む。やがて竹藪の中で鉄塔の脇を通過(11:22)。太陽と緑の道No.27は何度も竹藪を通過する。

 
寺谷分岐 弁慶の「よきとぎ石」
寺谷分岐 弁慶の「よきとぎ石」
 鉄塔を過ぎて数分で太陽と緑の道の分岐点に至った(写真左上 11:28)。この分岐まではコースNo.26とNo.27が重複していたが、ここでコNo.26は北に向かっている。道標では「寺谷バス停 2.6km」と案内されている。一方、No.27はそのまま東に向かっている。今日は、コースNo.27を進み、堂屋敷洞窟や仏谷岩窟を訪ねてみることにする。コースNo.27に入って寺谷分岐からほんの数分で「弁慶のよきとぎ石」に到着した(11:32)。これは、一の谷方面に向かう際に弁慶が斧を砥いだ岩という伝説なのだろうが、岩は落葉に飲み込まれつつあった。

 
空に高圧電線 竹藪の中の道
空に高圧電線 竹藪の中の道
 弁慶のよきとぎ石を過ぎると、山道は開けた感じの場所になった(11:36)。空に高圧電線が架かっていて、木々がそれに触れないように切り払われていた。切り倒して放置された樹木の様子に心が痛む。そこを過ぎると、右手側が神戸市環境局布施畑環境センターの敷地になって、立入禁止の看板が立っている。太陽と緑の道もこの辺りから笹が茂り始め、整備がされていない道に変わってくる。笹を踏み分けながら進んで行くと、古い太陽と緑の道の道標が笹に飲み込まれるように立っていた。ここで、付近の小ピークに三等三角点「寺谷」があることを思い出し、その探査を試みたが物凄い笹の藪を前にしてすぐに断念。

 
 次に、山道脇に布施畑環境センターの構築物があって、それを過ぎると分岐点となる。ここには太陽と緑の道の道標や堂屋敷洞窟の案内看板が立っている(11:50)。
 この分岐で少し休憩を入れた後、分岐を下って堂屋敷洞窟に向かうことにした。
堂屋敷洞窟分岐
堂屋敷洞窟分岐
堂屋敷洞窟看板 堂屋敷洞窟
堂屋敷洞窟看板 堂屋敷洞窟
 堂屋敷洞窟は広い道を下った先の草原の広場の奥まった先に口を開けていた。入口は狭く、しゃがみ込まないと入れない。中は真っ暗で不気味な感じがして、とうとう中には入れなかった。なお、看板によると、要旨、次のように説明されていた。「堂屋敷洞窟は、入口は高さ1.5m、幅2m、奥行き15mほどあり、 奥に行くほど広くなり、最も奥まった所に祭壇を設け数体の地蔵を祀り、その横には白蛇の石造物も祀られている。昔より寺谷大師と呼ばれ、かつては地蔵盆に祭礼も行われ、明石西国の番外札所としても賑わいを見せた。」

 
前方にソーラー施設 仏谷洞窟分岐
前方にソーラー施設 仏谷洞窟分岐
 堂屋敷洞窟から分岐まで戻り、更に、太陽と緑の道 コース27を進むことにする(12:05)。車の轍が残る広い道を進んで行くと、左手側にソーラー発電が設置されていた。そこを過ぎると、物凄い堆肥の匂いが一面に漂うようになる。太陽と緑の道は、神戸グリーンという有機肥料の工場の脇を進んでいる。その時、道脇に古い道標があるのに気がついた。文字が薄れているが「仏谷洞窟」と書いてある。早速、仏谷洞窟に向かうことにした。

 
谷底に下る 仏谷洞窟
谷底に下る 仏谷洞窟
 道標に従って山道を下っていく。谷が近づくと、谷底へ向かって急な斜面の下りとなる。段差があって危険な箇所もあるので慎重に下る。下り着いた谷底は、じめっとして一面に霞がかかったような感じの場所になっている。片側に池(佛谷池)があり、それと反対の方向に進んで行くと、ぱっくり口を開けた岩窟が見えてくる。そこが仏谷洞窟だった(12:22)。小さなお堂が建ち、周囲の岩壁には多くの石仏が祀られていた。一面に霊気が漂う雰囲気の中、お堂や石仏に手を合わせて早々にそこを後にした。

 
木津方面への道標  仏谷洞窟から急登の斜面を登り返し、物凄い有機肥料の匂いの中に戻ってきた(12:30)。ここから、更に、太陽と緑の道コース27を進みたい。少し進んで有機肥料の工場の入口近くで、太陽と緑の道の古い道標を発見した。道標で「木幡駅・木津」と表示された山道に入っていく。しかし、ここで山道はほぼ歩かれていない状態であることに気がついた。進めるのかどうか躊躇したが、行けるところまで進むことにした。
木津方面への道標
黒いパイプが敷設 太陽と緑の道27
黒いパイプが敷設 太陽と緑の道No.27
 少し進んで、山道は落葉の道になって道は歩きやすくなったが、山道沿いに黒いパイプが敷設され、様子がおかしい。山道沿いに「太陽と緑の道」の道標は続いているが、山道はパイプ敷設のために藪や笹が払われたようで、地面に鋭い切り株が残置している。踏み抜かないように足元を注意して進んで行く。

  
黒パイプは新しい 急斜面
黒パイプは新しい 急斜面
 黒いパイプは新しそうで、最近になって、木々を払って設置されたもののようだ。その黒パイプに沿ってさらに進んでいくと急斜面の道になった。黒いパイプは通過しているが、明らかに山道は整備がなされていない。急斜面に古いロープが垂らされているものの、信頼できるのか頼りない。この斜面は、樹木をつかみながら滑落しないように慎重に下った。

 
舗装路に出てきた 藪に埋もれる道標
舗装路に出てきた 藪に埋もれる道標
 その先も、太陽と緑の道 コース27は危なっかしい場所が続き、そこを何とか通過して進んで行くと、前方に舗装路が見えてきて民家のある場所(西区押部谷町木見)に飛び出した(13:04)。出てきたところには太陽と緑の道の道標が竹藪に飲み込まれるようにして立っていた。ここまできて、スマホで、太陽と緑の道 コース27の情報を神戸市のHPで調べてみると、そのコースは休止中とされていた。道の整備がされていないのが納得できたが、事前調査を怠ったことを反省した。なお、コース27は西神戸ゴルフ場の脇を通過しているが、そのゴルフ場は閉鎖されて物流施設に生まれ変わるらしい。黒パイプはその準備のためのものかもしれない??

 
道脇の道標  その先、西区押部谷町木見の集落の中を進む。田んぼの中の道を歩いていると、道脇に「太陽と緑の道」の道標が残っていた。コース27は休止中なので、この道標をみて荒れた山道に踏み込むハイカーがいないことを祈る気持ちになった。
道脇の道標
木津駅歩道橋 神戸電鉄木津駅
木津駅歩道橋 神戸電鉄木津駅
 押部谷町木見の集落から木見東の交差点に出て、そこから見津が丘の神戸テクノ・ロジスティックパーク内を木津駅の方に進んだ。ここは、神戸市が施行者となって開発した複合産業団地で、進出企業は80社以上あるらしい。その団地内を抜けて、やがて、神戸テクノ・ロジスティックパークと木津駅を結ぶ木津駅歩道橋までやってきた(13:46)。歩道橋を渡って、木津駅に到着して本日の山歩きを終えた(13:48)。今日、歩いた太陽と緑の道 コース27は後半のルートが休止中で道が荒れ果てていて残念だったが、沿線の史跡「高畑城跡」、「堂屋敷洞窟」、「仏谷洞窟」を訪れることができ良い一日だった。 
このページTOPへ

HOME 1表六甲 2北六甲 3西六甲 4東六甲 5鵯越周辺 6丹生山系 7関西の山
 
linelineline