高取山・梅ノ木畑周遊路 (お勧め度★★☆) 西六甲【3-13】 |
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今日の山歩きは、六甲山系登山詳細図・西編(吉備人出版:2017年6月15日発行)にある高取山一帯の西山コース、禅昌寺ルート、勝福寺ルートをたどってみる。出発は神戸電鉄の神鉄長田駅からとする(8:19)。 神鉄長田駅の改札を出て南に進むと、車道に架かる歩道橋に至る。この歩道橋から西の方向に、本日、目指す高取山が見えている(写真左)。 |
高取山を望む |
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歩道橋の階段を下り、車道を西に進む。途中にコンビニがあるので、そこで飲料を調達し、更に西に進む。 宮川町9丁目交差点をこえ、西山町に入ったあたりで右に入る(写真左 8:38)。そこから西山町の住宅街をさまようが、どうも高取山への取付きが分からない。西山公園近くの民家の方にお尋ねしたところ、西山公園の西の取付き道路の登り口にある階段が、高取山への取付きである旨教えていただく。ご教授をありがとうございました。 |
西山町に入る |
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取付きが分かったので、まず西山公園に立ち寄った後に、山に入っていくことにした。 西山公園に向かう坂道の道路脇には桜の木が並んでいる(8:47)。もう、花は、ほぼ散ってしまっているが、古くから植えられていた桜のようで、満開の頃はキレイだったと思われる。(写真右)。 |
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西山公園に向かう |
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早速、西山公園をネットで調べてみると、この公園は桜の名所で、開花の時期には山一面がピンク色に染まるらしい。もう少し早い時期に来るべきだったと思いながら、桜の名残を楽しむ。 高台になった公園からは、市街地の展望も見事だ(写真左)。しばらく、西山公園で休憩を挟んでから、高取山に向かうことにする。 |
西山公園 |
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西山公園で休憩した後、先ほどおしえてもらった高取山の取付きに向かう。 取付きは、カーブミラーのある電柱横のコンクリートの階段だ(写真右)。ここから高取山西山コース(梅ノ木畑周遊路)が始まる。その階段を登り始めると(8:53)、すぐに伸びた笹が行く手を阻む。この取付き道は、あまり歩かれていないようで、笹が伸び放題となっている。 |
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高取山取付き |
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荒れた感じの階段を登った先は、阪神自動車航空鉄道専門学校(前神戸学院女子短大の校舎)の裏門となっていた。 この門は閉鎖されて、使われている形跡がない。廃屋感が漂う建物に挟まれた細い路地を登っていく。 |
阪神自動車航空鉄道専門学校 |
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阪神自動車航空鉄道専門学校の裏門の先で山道となって、次に右手側からも山道が合流してきた(8:57)。その合流してきた道は長田箕谷線の林山町のバス停あたりから登ってきた道で、ここから先は、荒れた感じではなく、歩かれた感じの道となる。 なお、この合流地点には、梅ノ木畑国有林周辺の高取山ハイキングコースの看板(写真右)と道標があり、ここから高取山山頂までは1.6kmの表示がある。 |
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梅ノ木畑国有林の看板 |
合流地点から梅ノ木畑国有林の中を疑似丸太の階段道が続き、それをゆっくりと登っていくと尾根に乗った(9:04)。そこにはベンチが二つ設置してあるが、ベンチからの展望はない。ベンチから更に整備された階段の登りが続く。今日は晴天で、気温も上がり、この階段道で汗が吹き出してきた。 その先で、階段道は堀切町から登ってきた広い道に合流した(写真右 9:11)。 |
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堀切町からの山道に合流 |
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堀切町から登ってきた広い道は、道脇に生えた笹が刈り取られ、よく整備されている。歩き易い道になり気分よく快適に進む。 その先で、階段を登った小ピークにベンチが設置してあった(写真左 9:16)。 |
三角点のある小ピーク |
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ここは展望のないベンチだが、この小ピークには三角点の設置がある。それは、四等三角点:点名梅木畑(174.41m)で(写真右)、三角点脇の道標の表示では、高取山山頂までは、あと1.0kmとなっている。 |
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四等三角点:梅木畑 |
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疑似丸太の急階段 |
豊春神社からの道が合流 |
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三角点の小ピークから疑似丸太の階段を緩やかに下ると、その先は、急な登りとなっていた。急な登り道の脇には頭を赤く塗られた石柱が続いている(写真左上)。その急登を登り切った先の小ピークでは、豊春神社から登ってきた道が合流してきた(写真上 9:28)。ここにはベンチがあり「高取山まであと0.8km」の道標も立っている。 そのベンチのあるピークを過ぎて少し下ったところが白川神社であった。白川神社で高取神社表参道の広い道に合流することとなる(写真左 9:31)。 |
表参道に合流 |
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白川神社は赤い鳥居が印象的だ(写真右)。その鳥居を眺めていると、急に足元を何者かがよぎった。何だ、と思ってビビりながら確認すると、それは猫ちゃんだった。白川神社境内にはかわいい猫ちゃんが多数住み着いていた。 また、白川神社には「御岳山大和本宮別格」の表示もあり、厚い信仰が窺われる。 |
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白川神社 |
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高取神社表参道 |
表参道からの展望 |
白川神社を出発し、表参道から高取神社に向かう。表参道を登っていくと、多くの方が下ってこられる。すでに神社参拝を終えられた毎日登山の方たちだろう。皆さん、元気に声掛けをしてくれる。挨拶を交わしながら清々しい気持ちで、参道を登る。 途中、参道から東に展望が開ける箇所が何ヶ所もある。菊水山、摩耶山や市街地が遠望できて、気分が爽快になる。 |
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安井茶屋 |
その先で、安井茶屋のある広場に登りついた(写真右上 9:39)。ここでは、茶屋の内外で多くの方が集って談笑されている。参道の掃除をされている方もいる。高取山が地域の方に愛されている山であることがわかる光景だ。なお、ここからは六甲縦走路や高神滝への道が分岐している。(高神滝への道は崖崩れで閉鎖されていた。)。 |
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月見茶屋 |
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安井茶屋を過ぎると、すぐに月見茶屋になる(写真上 9:48)。月見茶屋では、その店先に置かれた黄色のポリバケツに猫ちゃんが背伸びして前足を掛け、溜まった水で水分補給をしていた。 安井茶屋を過ぎると「高取神社神域」の表示で鳥居をくぐる(写真左 9:50)。 |
高取神社神域 |
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高取神社に到着 |
高取神社 |
次に急な石階段を登りきると高取神社本宮境内に登りつく(写真上 9:52)。 他の参拝者と共に、二礼二拍手一礼の作法で本殿に拝礼し、会釈をして退いた。 次に、高取神社奥之宮に向かう。高取神社奥之宮に登る石階段前に立つ立派な「六甲全山縦走路」の道標を確認し(写真右)、次に急な石階段を登る(写真下)。石階段の上の高取神社奥之宮、金高神社からの展望は息をのむ(写真右下)。 |
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六甲全山縦走路の表示 |
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高取神社奥之宮への階段 |
高取神社奥之宮からの展望 |
高取山山頂の広場にある神々にもお参りした後、大灯籠に向かう。大灯籠は高取神社奥之宮から南に下ったところにある。 大灯籠:「明治四十三年建立より灯明絶えざりし大灯籠は大東亜戦争にて消灯した。平成元年に「平和の灯」として再点灯したが平成七年兵庫県内部地震により点灯部分が倒壊し、以後仮に点灯を続けた。平成十三年高取神社御鎮座千八百年記念事業の一環として再建復興した。」(大灯籠の銘板から) |
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大灯籠 |
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高取神社の次に西隣の荒熊神社に向かう。縦走路を西に進んで、荒熊神社境内に入ると赤い鳥居が連続している(写真左)。その鳥居をくぐって進んだ先に荒熊神社本殿がある。荒熊神社では「→須磨・高取山頂上」の案内表示が目に入る。高取山は、神戸市須磨区と長田区の区界に位置する山であり、先程の高取神社の山頂(328m)が長田区側の山頂で、こちらは須磨区側の山頂(312.8m)ということらしい。 |
荒熊神社の赤鳥居 |
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須磨区の山頂(312.8m)に登ってみると、そこはNHKテレビ中継の放送設備が立っており、その傍らに「ここは高取山須磨側の山頂です。明治二十三年計測三角点(高取山)がありましたが、現在三角点標石は下の境内に移設されています(国土地理院)。」の表示があった(写真下)。 なお、移設後の高取山三角点は、南に展望の利く一等地に設置されていた(写真右下)。 |
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荒熊神社 |
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高取山:須磨側の山頂 |
三等三角点:高取山 |
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高取山三角点の確認後は、荒熊神社からの景色を眺めに行く。荒熊神社からの展望も高取神社のそれに劣らず、すばらしい。休憩できるベンチがあるのでそこに向かう。掲示してある眺望図によれば、横尾山、淡路島、須磨アルプス、栂尾山、鉄拐山、鉢伏山が一望のようだ。他に参拝者はおらず、絵葉書のような見事な景色を一人独占した。 |
荒熊神社からの景色 |
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荒熊神社で景色を堪能したので先に進むことにする。ここからは、禅昌寺ルートで高取山を下って、禅昌寺から四等三角点板宿のピーク(154.48m)に登り返し、そこから勝福寺ルートで板宿に下って行くことにする。 荒熊神社境内下の禅昌寺ルート(禅昌寺西尾根)の分岐(道標あり)から下り始める(写真右 10:31)。 |
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禅昌寺ルート分岐 |
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禅昌寺ルートはしばらく雑木の中を下って行く。流水で溝状に彫られた急な下り道で、歩きにくい箇所もあるので慎重に下っていく。右手側には、須磨アルプス方面の景色が見え隠れしている。 下るにつれて雑木がまばらになり、前方に麓の景色が見えるようになる。この辺りから禅昌寺ルート(禅昌寺西尾根)は展望の尾根に変容していく。 |
急下りの禅昌寺ルート |
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須磨アルプス方面の展望 |
禅昌寺ルート |
岩尾根の禅昌寺ルート(禅昌寺西尾根)は概ね歩きやすいが、一部、風化が進んで滑りやすい箇所もあるので注意して下る。下方には、岩尾根の上に立つ高圧電線の鉄塔が見えている。 岩尾根からは展望がよく、須磨アルプス方面がきれいだ(写真上)。また、ツツジなど春の花が咲き始め、展望に彩を添えてくれる。白い花もきれいだが、何の花だろう(写真右)。 |
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市街地の展望 |
岩尾根は展望に優れるが、直射日光の直撃を受ける。今日は雲一つない天気で、下り道なのに汗ばんできた。 日光を浴びながら、下方に見えていた鉄塔の所まで下ってきた(写真右 10:57)。ここで、禅昌寺ルート(禅昌寺西尾根)を登ってきた6人のパーティーとすれ違った。6人の内、3人は少年で、皆元気に岩尾根を登って行った。 |
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禅昌寺西尾根の鉄塔 |
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鉄塔を過ぎると岩尾根だった禅昌寺ルート(禅昌寺西尾根)は雑木の道になる。日陰になった山道にホッとする。その先、堰堤の脇に出て、次に民家の前の細い道となって、住宅地の中の路地道に出てきた(写真左 11:07)。ここは口の川自治会の掲示板と電柱が立つところで、特に禅昌寺ルート(禅昌寺西尾根)を示す表示はない。 |
禅昌寺西尾根の取付き |
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そこから、住宅地の中を禅昌寺の方に進み、禅昌寺の前で右折してバス道に出る(11:14)。そこにはちょうど「禅昌寺バス停」がある。ここで横断歩道を渡ると、山の斜面に鉄製の急階段が付けられている(写真右)。この鉄階段が「板宿四等三角点」への取付きとなっていて、階段脇の道標では「須磨アルプスを経て横尾山、高倉台、旗振山」と案内されている。その急階段を登っていく。 |
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板宿三角点への取付き |
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鉄階段を登ったところからも急登が続く。一帯は、急傾斜地で、ロープが張られた登りが続く。ここはゆっくりと登ることにする。 10分弱、急登を登ると尾根に乗る(11:24)。その尾根を少し進んだ先の小ピークは灌木が伐採され、開放的な場所になっていた(写真左)。小ピークは、東に向かい展望があり一休みにピッタリの場所になっている。ここでも小休止を入れる。 |
板宿三角点手前のピーク |
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展望の小ピークからは、先ほど登った高取山の全貌が見えている。小ピークからも、歩き易い道が続く。気持ちよく快適に進んでいると、突如、道脇に三角点が登場した(写真右 11:34)。この三角点が四等三角点:点名板宿だが(154.48 m)、板宿四等三角点には標柱もなく、忘れられたようにポツンと道端にある三角点だった。 |
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板宿四等三角点 |
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板宿四等三角点を過ぎ、少し下ったところが板宿方面と須磨アルプス方面の分岐点となっている(11:39)。ここには「→板宿八幡神社」の表示があるので、その方向に進む。ここからは、更によく歩かれた道になる。この道は須磨アルプスから板宿に下る道として多くの利用者がある。 そのよく歩かれた道を5分少々進んだ所で、また、道が分岐する(11:46)。ここも道標があり、「←勝福寺」と書かれているが、古い道標で文字が読みにくくなっている(写真左)。 |
勝福寺ルートの分岐 |
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勝福寺への分岐に入り、ここから勝福寺ルートで寺まで下って行きたい。分岐に入るとすぐ道の真ん中に石碑が立っている。「高野山奥の院さんけい道」と書かれているようだ。どういうことだろうと考えながら先に進んでいると、前方から二人のご婦人ハイカーがやってきた。挨拶してすれ違うと、その先で、道が分岐した(写真右)。ここは左に下って行く。 |
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この分岐を左へ |
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ここから、山道沿いに石仏が登場する。この山道は、桂尾山八十八ケ所と呼ばれ、道中に四国各寺八十八体の石仏が祀られていた。麓の勝福寺の裏山では、山歩きをするだけで四国八十八ヶ所巡りができるというありがたいコースになっている。次々と登場する石仏に目礼しながら、つづらに下る山道を降りていく。 |
四国八十八ヶ所巡りの石仏 |
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四十八番からスタートし一番の石仏で麓まで下ってきた。そのまま進んで、勝福寺にお参りする(12:16)。このお寺は、高野山真言宗の寺院で山号は桂尾山。勝福寺は清盛が経ヶ島を築造した際協力したとされ、平家所縁の寺院でもある。勝福寺からは板宿駅を目指して住宅地の中を進む。勝福寺から10分少々で山陽板宿駅に到着して、本日の山歩きを終えた(12:34)。今日は高取山で展望を堪能し、充実の山歩きでした。 |
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勝福寺 |