丹生山・帝釈山・シビレ山・コウモリ谷
(お勧め度★★☆)丹生山系【6-5】

今日(平成18年1月28日(土))は、源平の合戦や戦国時代の歴史を感じることのできる
丹生山や帝釈山の周辺を歩いてみました。

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 私は、丹生山方面に行くには、いつも藍那古道を抜けることにしている。今日も神戸電鉄の小さな駅である藍那駅から藍那古道を目指すことにした。
 ところで、この藍那駅に降り立ったときいつも気になるものがある。それは、駅の北側に立っている七本の石の卒塔婆のようなものである(写真右)。今日も、これは何だろうと思いながらハイキングをスタートした。
 藍那古道は、現在神戸市の「太陽と緑の道」に指定されており、随所に案内の標識がある。また、神戸電鉄の「丹生山系縦走路」の標識もあり、これらを確認しながら進んでいけば迷うことはない。
 藍那古道は藍那から山田町の東下(ひがししも)までの約5キロほどの歩きやすい山道である。義経が進軍したと伝えられ、歴史を感じることのできる道ではあるが、途中、不届きな者が捨てたと思われる車が2台ボロボロになって横たわっているのには興ざめである。(∋_∈) 何とか整理できないのだろうか。
七本卒塔婆
七本卒塔婆
藍那古道から見る丹生山系  藍那駅から古道をあるき初めて10分位のところに、「藍那の野鳥(夏鳥)」の案内板がある。このあたりに住む野鳥が図説してある。バードウォッチャーの方には参考になるのではないだろうか。また、その案内板には、「ウソ」とか「イカル」とかの鳥も掲げられている。聞いたことのない名の鳥である。「そんなやつ(鳥)はいないダローーー。」とか思いながら今日の山歩きをスタートさせた。

 藍那駅をスタートして約50分でこれから目指す丹生山系の山々が望めるところに出てきた(写真左)。雲が多いものの、青空ものぞいており、快適にハイキングを楽しむことができそうだ。
藍那古道から見る丹生山系
丹生山と丹生神社の鳥居 丹生山登り口の竹やぶ
丹生山と丹生神社の鳥居 丹生山登り口の竹やぶ
 さらに進んで藍那駅から1時間くらいで、丹生神社の一の鳥居に到着した。上の写真では左端辺りに写っている。そして、後ろにそびえるのが山頂に丹生神社を擁する丹生山である。
 鳥居をくぐり進んで行くと、丹生会館、丹生宝庫が並んでいる。丹生宝庫の前には、「丹生山まで2.8キロ」の標識もある。その標識を過ぎるとすぐに丹生山の登り口となる。丹生山の登りは竹やぶの中の急な登りで始まる(写真右上)。しかし、その登りは5分ほどで終わり、すぐ、平坦な林道となる。
 登り始めて15分程度で、丹生橋から登ってくる林道が左から合流し、そしてすぐに帝釈山へ続く鉱山道が右に分岐する。(写真右)。このあたりは、ちょっとした広場になっている。丹生神社表参道はここを左に進んでいく。案内表示もあるので迷うことなく進んでいける。
帝釈山への分岐
帝釈山への分岐
丹生山表参道への分岐 表参道の坂道
丹生山表参道への分岐 表参道の坂道
 帝釈山への分岐から平坦な道が10分ほど続いた後、登り道となる。そして、登り始めてすぐに表参道と裏参道の分岐がある。やはりお参りは表からだろうと思い、迷うことなく表参道へ進む。この表参道へ入ると本格的な登りとなる(写真右上)。
 この分岐点には延命地蔵がまつられてある。また、丹生山が「兵庫森林浴50選」(昭和59年10月16日兵庫県指定)である旨が書かれた看板も立てられている。
 ところで、丹生山への登山道には、石丁が立っている(写真右)。この石丁は登り始めの竹林の辺りからずっと続いている。言い伝えでは、平清盛が1丁ごとに建てたものだという。登り始めの丁石は山頂から24番目の丁石であり、「従丹生山廾四丁」の文字が刻まれている。これに続いて1丁ごとに「従丹生山ニ丁」までの丁石が続くそうである。丁石は二の鳥居手前の「自丹生山丁」の石で終わる。
 表参道と裏参道の分岐点から15分ほどは登り道が続く。この登りは結構急であり、真冬の寒空の下ながら額に汗してしまった。
表参道の石丁
表参道の石丁(六丁)
義経道との分岐  ところで、丹生山の参道に並ぶ丁石を見ながら、今日、歩き始めに見た藍那駅の北側に並ぶ七本卒塔婆のことを思い出した。
 丹生山の丁石と藍那駅の七本卒塔婆はどことなく形が似ている。そこで、七本卒塔婆は丹生山の参道に並べた丁石の残り(予備)をそこに保存したのではないかと自分なりに整理してみた。聞くところによると、そういう説も確かにあるらしいが、詳細は分かっていないようだ。この一帯は、なにやら神秘的な地域である。
 参道の登りも五丁の石丁あたりで終了する。そして、その五丁の石丁が立つ辺りで、箱木千年家から登ってくる山道と合流する(写真左)。この箱木千年家から登ってくる山道は義経道とも言われ、平家追討の義経軍が鵯越に行く途中下って行った道であると伝えられている。
 丹生山山頂手前の参道は、竹やぶのトンネルのようになっており(写真左下)、ここを過ぎると明要寺跡の石碑の立つ広場に出る。(写真下)
義経道との分岐
丹生神社手前の竹やぶ道 丹生山明要寺跡
丹生神社手前の竹やぶ道 丹生山明要寺跡
 明要寺跡の北側にはニの鳥居があり、その奥に丹生神社がある(写真右)。
 明要寺は、仏教伝来以前に起源をもつ古い寺で、欽明天皇のころ、百済の行者が創建したと伝えられている。とても由緒のある寺であったようだ。平安の末期には、清盛の庇護を受け大いに栄え、多くの僧兵を擁したという。清盛は、福原に遷都した際、その福原京の鎮護として丹生山に日吉山王権現を勧請して月詣でをしたとされる。よって、ここは「山王さん」ともよばれていたそうだ。すなわち、丹生神社は明要寺の鎮守社であったことになるが、明治維新のときの廃仏毀釈で明要寺が廃寺となり、明治2年に丹生神社と改称された。
 また、明要寺は三木合戦のおり、別所方に味方したため豊臣秀吉に焼き討ちされたことは有名な話だ。
 丹生山頂上は眺望は利かないものの、神社境内は絶好の昼食ポイントのようで、数組のハイカーが弁当を広げて談笑していた。
丹生神社(丹生山頂)
丹生神社(丹生山頂)
帝釈山への山道  当方も、丹生神社でしばし歴史の余韻に浸った後、次に帝釈山を目指すことにした。
 丹生山から帝釈山へはアップダウンを繰り返す山道を進むことになる。
 また、丹生山から帝釈山への山道は丹生山系のコースの中でも人気のある箇所のようで、ここで5組のハイカーとすれ違った。丹生山系の山道ではあまりハイカーとは出会うことはないので、やや驚きである。(オーバーか???)
 丹生山を出発して約30分で帝釈山に到着した。
 写真左は、丹生山と帝釈山のちょうど中間辺りにある西帝釈山頂上である。ただし、木立に巻きつけてある黄色いテープにそのように書いてあるだけであり、ここが本当に「西帝釈山」と呼ばれる山かどうかは定かではない。
帝釈山への山道(西帝釈山頂?辺り)
 帝釈山は高さ586メートルの山で、山頂には山名板(写真右)と三角点(写真下)がある。小さな石の祠も2つ祀られている。
 帝釈山の山名のゆらいは、同山に明要寺の奥の院が建立され、そこに梵帝釈天を安置したためだといわれている。ここも丹生山と同様歴史を感じる山である。

 また、帝釈山からの眺めは最高であり、西は雄岡山、雌岡山、淡路島そして明石海峡大橋から東は大阪湾までまさに一望できる。併せて、六甲山系の連なりも眼前に広がっている。しばし、時間を忘れてその眺めに浸ってしまった。(写真右下)
帝釈山頂上
帝釈山頂上
帝釈山三角点 帝釈山からの景色
帝釈山三角点 帝釈山からの景色
朝日山山頂  帝釈山からの180度のパノラマを楽しんだ後、再び丹生山に戻り、次は朝日山から更にシビレ山を目指すことにした。
 朝日山、シビレ山へは、丹生山から淡河町勝雄方面に続く山道を進んでいくことになる。もともと丹生山への参道は山の北側、志染町の戸田から登ることとなっていたともいわれ、この北側の山道もしっかりと踏み跡のついたものとなっている。しかしアップダウンは相当きつい。傍らにロープが張ってあって、それに頼らなければ足が滑って登れないような箇所もある。
 その急な登りをロープにしがみつくようにして登りきると、辺りの視界が一気に開けたものとなった。そして、すぐに朝日山との分岐に出た。この分岐を右手にとってブッシュに覆われた山道を5分ほど登ると朝日山頂上に到着だ(写真左)。
朝日山山頂
 朝日山頂上には三角点がある(写真右)。この三角点は四等三角点であるが、国土地理院の「三角点・多角点情報表示」によると点名はシビレ山となっている。
 シビレ山はもう一つ北側の山であり、この山は朝日山であるから当然三角点の点名も朝日山とすべきではないか?などと考えながら朝日山頂上でしばしの休憩をとった。
朝日山三角点
朝日山三角点
朝日山からの景色  朝日山頂上で休憩をとったのは、この山上からの眺めもなかなかのものだからである。(写真左)
 写真中央辺りに立つ送電線の鉄塔の辺りがシビレ山であり、その後方には三木方面、西神戸方面の町並みが広がっている。更に後方には、淡路島から瀬戸の海まで見渡すことができる。これは、十分に絶景といえる。
朝日山からの景色
 朝日山頂上での景色を堪能した後、次はシビレ山を目指してスタートした。
 朝日山頂上から、ややブッシュにおおわれた山道を下るとすぐ幅広の山道に合流する。更にその道を進んで行くとまたまたロープが張ってある急な下り道となった。朝日山、シビレ山辺りのアップダウンは結構厳しいものがある。ここもロープにつかまりながら慎重に降りていく。
 朝日山頂上から5分程度進んだ辺りでコウモリ谷への分岐の表示を発見した。しかし次に目指す山はシビレ山なのでここは直進する。するとすぐにちょっとした広場に到着した(写真右)。何の変哲もないところであるが、ここがシビレ山の頂上かと思い、山名等の書かれた標識の存在を確認すべく辺りを探し回ったが何も見つからず。
シビレ山頂上か?
シビレ山頂上か?
シビレ山祭祀跡  がっかりして更に歩を進めると、こんどは奇妙な岩石の密集した箇所を発見(写真左)。こここそシビレ山の頂上かと再度標識を探すも、山名の標識はなく、あったのは「シビレ古代祭祀跡」と記載された木片だけであった。
 どうもすっきりとしないが、ここら辺りをシビレ山と自分の中で整理をつけ、次に、コウモリ谷への標識に従い進んでいくことにした。
 なお、ここら辺りは眺望も全く利かず、密集した岩石以外に見るべきものは特にない。
シビレ古代祭祀跡
 シビレ山からコウモリ谷へと続く道はしっかりと踏み跡のついた道であり、昔からある山道であろうと思われた。尾根伝いのその山道からは所々東方に視界の開けたところがあり、今登ってきた朝日山とか(写真右)、丹生山の方面を眺めることができる。
 なお、丹生宝庫から丹生山そしてシビレ山を通って西方の志染町三津田方面に続く山道は「山陽自然歩道」として指定されており、随所にその標識が掲げられている。
シビレ山下り道から見た朝日山
シビレ山下り道から見た朝日山
シビレ山からの急な下り  山陽自然歩道に指定されているとはいえ、シビレ山からの下りはいたって急であり、歩行の助けにロープを張ってある箇所が2ケ所もあった(写真左)。

 シビレ山祭祀跡から下ること約20分でコウモリ谷への分岐点に出た(写真左下)。
 ここを直進すると山陽自然歩道が続き、左に下るとコウモリ谷となる。
 今日はコウモリ谷を目指すので、ここは左折して谷底を目指して進んでいった。
シビレ山からの急な下り
コウモリ谷への分岐 コウモリ谷への下り道
コウモリ谷への分岐 コウモリ谷への下り道
石ころだらけのコウモリ谷  コウモリ谷への下り道は、最初は落ち葉の敷き詰められた歩きやすい山道で始まった(写真上)。しかし、道はすぐに浅い谷川沿いの山道に変った。谷川沿いの山道は石ころ道でもあり、この辺りは、足元に要注意である。
 何度か谷川を右左と渡りながら道は続いている。この辺りでは何箇所か進むべき方向が「?」となりそうな場所もあるが、随所にテープや紐で表示がされており、それを確認しながら進んでいく。
 下り始めて15分程度でコウモリ谷と衝原湖への分岐点に到着した(写真左)。
石ころだらけのコウモリ谷
 コウモリ谷方面と衝原湖方面の分岐点には、「コウモリ谷道は危険」との表示がある。この表示にややビビリ、衝原湖方面へ進もうかとも考えたが、すぐに考え直し、ここは所期の目標どおりコウモリ谷を下ることにした。
 しかし、その判断はすぐにやや無謀なものであったことに気が付いた。コウモリ谷は大きな岩石が自然のままに剥き出しになっており、高低差のある箇所や、急な角度の岩壁を下っていかなければならない(写真右)。
 ロープが張ってありそれに頼りながら慎重に降らなければならない箇所もある。
 何箇所かテープの表示はあるものの、ルートファインディングが大変である。
 大きな岩石が重なり合って、その隙間のトンネルのようになった箇所をくぐり抜けていく箇所もある。普通の山歩きでは考えられない!!
巨岩が連なるコウモリ谷
巨岩が連なるコウモリ谷
コウモリ谷の岩壁 1 コウモリ谷の岩壁 2
コウモリ谷の岩壁 1 コウモリ谷の岩壁 2
コウモリ谷  何度か前方に進めなくなり、引き返したり進んだりを繰り返してなんとか下まで下ってきた。この谷には初心者は入らない方がいい。特に下りは危険である。
 谷下りの最後の辺りに大きな岩壁が現れた(写真左上、上)。
 クライマーが喜びそうな岩壁である。しかし、今日はこの壁に取り付いているクライマーはいなかった。

 大きな岩壁を過ぎた辺りに「コウモリ谷」の表示板があった(写真左)。また、ここには「この付近には岩登りをする人が居ます。上からの落石に注意してください。」との表示もある。やはり、この岩壁には多くのクライマーがやってくるのだろう。
コウモリ谷
 山陽自然歩道からコウモリ谷へ分岐した点から約45分かかって何とかコウモリ谷を下り終えた。「やれやれ。」との表現がまさに当てはまる谷下りであった。

 コウモリ谷の最後は一本の細い木の橋で終わる(写真右)。この細い木を綱渡りをするように渡りきって、さらに、サイクリングロードの橋の下をくぐって、つくはら湖側からサイクリングロードに出てきた。
 今日は、ここから市バスの衝原バス停(終点)まで行き、神戸電鉄の箕谷駅までバスを利用し、箕谷駅から電車に揺られて帰途についた。
コウモリ谷から出てきたところ
コウモリ谷から出てきたところ
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