新・丹生山系縦走ハイキング (お勧め度★★★) 丹生山系【6-6】

超健脚コースといわれる、春恒例の丹生山系縦走ハイキングにチャレンジして、
神戸電鉄栄駅から大池駅まで23Kmの山道を歩いてみました。
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 今なお静けさを保つ道、歴史の道ともいわれる丹生山系の山道を縦走する春恒例の丹生山系縦走ハイキングは、知る人ぞ知る、ハイカーに人気のイベントである。
 今年は、本来の実施日(平成18年4月2日)が雨で中止となり、9日(日)に順延されて実施された。
 昨年までは神戸電鉄の藍那駅から岡場駅までの27Kmコースであったが、今年からは、新・丹生山系縦走ハイキングと銘打たれ、コースが神戸電鉄栄駅から大池駅までの新しいものとなり、距離も23Kmとやや短縮された。
 六甲山系と異なりまだまだ静けさの残る丹生山系の山道は私のお気に入りでもあり、この縦走ハイキングには是非参加したいと思っていた。今回はじめてのチャレンジであり、出発前から気持ちがウキウキ!!である。
縦走ハイキングスタート
縦走ハイキングスタート
呑吐ダム  ■8:15 スタート(写真上) 
 スタートは、神戸電鉄栄駅の北西にある自転車休憩所(神戸市西区)。ここからサイクリングロードに沿ってまずは北に進む。
 ロード沿いには桜が植えられており、まだ満開とはいかないものの淡いピンクの花びらがハイカーを出迎えてくれた。
 また、桜ばかりではなく、道沿いには既にツツジまでもが花開いており、こちらは桜とは対照的に濃いピンクの花びらが朝の風に揺れている。
呑吐ダム
衝原大橋  ■8:25 神戸市北区に入る
 山に入ると、いつしかサイクリングロードは階段状の登り道となり、この階段を登り切ると道は神戸市の西区から北区に入ってきた。道沿いの木々からは新芽が吹き出しかけており、春の息吹を感じる。
 さらに進んで行くと右手側にサーキット場(北神戸サーキット)が見えてきた。今日はまだ朝が早いのでさすがに車は走っていない。
 そして、サーキット場を過ぎると、眼前に、ここ数日間よく降った雨水を溜め込んだ呑吐ダムの湖面が見えてきた。(写真左上)
衝原大橋
 ■8:42 呑吐ダム 
 サイクリングロードは、しばらく呑吐ダムの南側湖畔を東に進む。このあたりからは、前方に丹生山系の山並みを綺麗に望むことができる。歩きやすいサイクリングロードを快適にとばして行く。

 ■9:00 衝原大橋
 やがて道は湖面を横切る大きな橋に至る。
 これは山陽自動車道の衝原大橋であり、並ぶようにしてサイクリングロード用の橋もかかっている(写真上)。
シビレ山への登り道
シビレ山への登り道
三角点(点名、対洞 標高 235.58m)  ■9:05 山道となる
 橋を渡りきって左に折れ、アスファルトの道を少し進むと右手側にシビレ山への登山路が現れた。
 山道は、最初雑木林の中の緩やかな道であったが(写真上)、やがて急な登りの道となった。
 ■9:20 四等三角点(点名、対洞 標高 235.58m)
 登り道となって5分ほどで対洞の四等三角点に到達(写真左)。ここからは西方に視界が開けており、多くのハイカーが景色に見入りながらしばしの休憩をとっている。
三角点(点名、対洞 標高 235.58m)
 三角点を過ぎると、道は風化した花崗岩が露出した尾根道となった。

 ■9:35 左シビレ山(急登)の表示
 尾根道を進んで行くと、左手側にシビレ山への分岐点が現れた。案内の表示板にはシビレ山への登りは急登である旨書かれている。その表示を過ぎたあたりから縦走路の登りも急なものとなってきた。
 この登り道から後ろを振り返ってみると、今登ってきた山の斜面の向こうに素晴らしい眺望が広がっている。何度も振り返って景色を楽しみながらシビレ山の頂上を目指していく。
シビレ山登り道からの景色
シビレ山登り道からの景色
シビレ山の尾根道を行く  シビレ山への山道は、このあたりから、登り道と平坦路(写真左)を織り交ぜながら高度を上げていった。
 高度が上がると、それにつれて南方に広がる眺望も一層素晴らしいものとなってきた。
シビレ山の尾根道を行く
雄岡山・雌岡山を望む  衝原湖の湖面やその向こうに雄岡山、雌岡山の美しい山容が望めるようになってきた(写真左)。

 ■9:50 前方に丹生山を望む
 シビレ山に近づくと道は更に急となる。この道を、一歩一歩足場を確認しながら登っていくと、右手側に丹生山が望めるポイントに出た(写真下)。
雄岡山・雌岡山を望む
 ■10:00 トラロープが張られた急登
 頂上に近づくにつれて道は更に急登となる。ロープの張られた登り道も数箇所ある。路面も滑りやすいマサ土であり、ここはロープを利用して無理をせず登ることにする。
 ■10:12 シビレ古代祭祀跡
 急登を上りきって、縦走路を少し左に入ると、シビレ古代祭祀跡と書かれた岩の集積する不思議な場所に到着した。以前、シビレに登った際、ここまでは来たものの、結局シビレ山の頂上がどこだか分からず、残念な思いをしたことがあったので、今日はここから更に進んで頂上を探索してみることにした。すると、そこから3分ほど進んだところにシビレ山の頂上があった。
丹生山を望む
丹生山を望む
 ■10:15 シビレ山頂上
 シビレ山頂上は木立に囲まれ眺望は全く望めない(写真右)。
 シビレ山頂上から引き返し、次に朝日山を目指す。縦走路に戻るとすぐにロープの張られた急な上りが待っていた。この坂を登り切ると平坦な尾根道となり、そのまま少し進むと道が左右に別れる。左に進み、ブッシュの道を少し登れば朝日山の頂上となる。
 ■10:25 朝日山頂上
 せまい朝日山の頂上では早くも昼食の弁当を広げているハイカーもいた。朝がよほど早かったのだろうか・・??。食事の邪魔をしないようにすぐに頂上から出発する。
シビレ山頂上
シビレ山頂上
丹生山頂上  朝日山を過ぎて5分ほど進むとロープの張られた急な下り道となった。下りきるとすぐに勝雄不動滝方面に続く道と合流する。ここは右折して丹生山方面に進む。するとすぐに淡河本町方面に続く道が左手側から分岐して下っている。ここも直進して丹生山方面を目指す。山道はやがて山腹に張り付くような細くて頼りない感じになる。右手側では急斜面が底深くまで続いている。ここは踏み外さないように注意して進まなければならない。次に帝釈山への分岐が現われ、ここも直進するとやがて丹生神社に到着した。
 ■10:45 丹生山頂上(丹生神社)
 丹生山は標高515mの山であり、その頂には丹生神社がある。丹生山のいわれは、ここが丹(朱土・水銀の原鉱)を生む(出土する)山であったからといわれている。このことから、丹生山田は、水銀の産地であったともされる。
 ■10:50 丹生神社出発
丹生山頂上
 丹生神社では昼食を広げるハイカーが多くいたがまだ11時前。食事は早すぎると思い、次の帝釈山を目指して出発する。丹生山から帝釈山への道は急な登りで始まった。しかしその後の山道は緩やかな上り下りを繰り返して進んでいく。途中、西帝釈山と書かれたビニールテープが張ってある小高い箇所があった。木立に囲まれた繁みの中であるが、ここでも一人のハイカーが木々の間で窮屈そうに弁当を広げていた。「こんな所で食べなくても・・・。」と思ったが、先方にしてみれば「どこで食べようが大きなお世話!!」であろう。
 ところで、話は変るが、栄駅を出発して、シビレ山の南の斜面を登っている頃まではツツジが綺麗なピンク色の花を咲かせていたが、シビレの頂上を越えてからここまで、ツツジの花を全く見かけないことに気づいた。同じ山域でもこうも異なるのかなどと考えながら進んで行くと、やがて山道は大小の岩が剥き出しになった急な登り道となった。この急坂を息を切らせながら登り切ると、そこは帝釈山の頂上だった。(写真右)
帝釈山頂上
帝釈山頂上
雑木林を下る  ■11:20 帝釈山頂上
 帝釈山頂上は前方に眺望が開けているので、多くのハイカーが昼食を取っていた(当日は黄砂の影響か、視界は霞がかかったような状態であったが・・。)。
 ここの頂上には祠などもあり、ちょっとした広場の様になっている。しかし、今日はハイカーで溢れかえっており、立錐の余地もない。よって、ここでの昼食は諦めて先に進むことにした。
 なお、帝釈山頂上には二等三角点(点名:帝釈山 標高 585.93m)がある。
雑木林を下る
岩谷峠  帝釈山の下りは岩が剥き出しの急な坂道で始まった。
 いきなりロープの張られた急な下り道となるのである。このまま一気に下っていくのかと思いきや、次にはロープの張られた急な登り道も待っていた。
 さらに進むと、道は、いくつかの小さなピークを上り下りしながら、全体としては、だらだらと緩やかに高度を下げていくことになった(写真左上)。
岩谷峠
 ■11:55 岩谷峠
 帝釈山を下りきると岩谷峠に出てきた(写真上)。ここからは国道428号線を少し南に下って次に稚子ケ墓山を目指すことになる。

 国道を5分ほど南に下ると、左側に稚子ケ墓山との表示が現れた(写真右)。
 ここには主催者が簡易トイレを設置している。主催者のいろいろな準備や心遣いには、まさに「感謝」の一言である。
稚子ケ墓山への分岐
岩谷峠 稚子ケ墓山への分岐
双坂池  ■12:05 双坂池
 国道428号線を稚子ケ墓山の表示にしたがって左折するとすぐに双坂池となる。
 このあたりで、時刻もちょうど十二時過ぎとなり、おなかも減ってきたので昼食とする。
 双坂池の土手は、春の日差しの中で絶好の昼食ポイントである。池の回りにある木々の新緑が水面に反射して池全体が綺麗に輝いている。周りの木立の中からは鶯の鳴く声も聞こえてくる。
 ここはお薦めの昼食ポイントである。
双坂池
稚子ケ墓山への登り口  ■12:25 双坂池スタート
 20分ほど昼食休憩をとり、次に稚子ケ墓山を目指して出発した(写真左)。稚子ケ墓山への登り道は、ものすごい石ころの道である。大小の石ころが谷あいに重なり合っており、この歩きにくい谷筋をひたすら登っていく。上り始めて10分ほどで石ころ道は終了する。次に落ち葉の積もった道を5分ほど登ると平坦な尾根道に出てくる。このあたりから、右手(南側)に無動寺・岩谷川方面への道が分岐して下っていく。ここを過ると、上り道と平坦路が交互に現われ、最後にロープの張られた急な登りが登場する。これを登りきると、やっと稚子ケ墓山の頂上となるのである。
稚子ケ墓山への登り口
稚子ケ墓山  ■12:50 稚子ケ墓山頂上
 稚子ケ墓山は標高 596.33mで、丹生山系の最高峰である。
 この山の頂上には三等三角点(点名 稚子ケ墓)がある。
稚子ケ墓山
 山頂からは特に見通しも利かず、頂きの場所も狭い。なのに、ハイカーが所狭しと休んでいる。石ころの急な山道を登ってきて、皆、相当疲れているようだ。
 人波を掻き分けて何とか稚子ケ墓山の山名板と三角点を撮影した(写真上、右)。

 ■12:54 稚子ケ墓山スタート
 稚子ケ墓山は休む場所もなかったので、すぐにスタートする。
稚子ケ墓山三角点
稚子ケ墓山三角点
 2分ほど進むと稚児の墓があった(写真右)。ここからは南に眺望が開けている。谷あいに広がる村の家々が良く見渡せる。
 ところで、この稚子ケ墓山にある稚子の墓については、次のように言い伝えられているそーな!。
 天正年間の三木合戦の時、三木城への物資の補給が丹生山の僧侶や童子によって続いていた。そのため、秀吉は怒り、丹生山明要寺を一山ほとんど焼き払った。僧侶も、童子も皆殺しとした。そのとき殺された稚児たちの命運を里人が哀れみ、この山に石を積んで墓をつくったのだと・・・。

 稚子ケ墓山の下りもきわめて急である。ロープを張った急な下りが3箇所ほど続く。滑りやすいので十分足元に注意して下りたい。
稚児の墓
稚児の墓
肘曲り  ■13:00 みのたにグリーンスポーツホテルへの分岐
 山頂から道を5分ほど下ると、右手側にグリーンスポーツホテルへの分岐道が下っていく。縦走路はここを直進する。
 やがて山道は谷川沿いの石ころ道となる。せせらぎの音を聞きながら、ぬかるむ道を注意しながら下っていく。
 ■13:10 肘曲り
 山頂から下ること約15分で肘曲りに到着(写真左)。この交差点は左折して、これまた石ころだらけの志久道を北に向かい進む。
 ■13:15 花折山方面への分岐
 志久道から右に分岐する道をとり花折山方面へ進んでいく。このあたりでやっと石ころ道から開放された。歩きやすい尾根道を快適に進む。
肘曲り
 ■13:20 花折山山頂への分岐
 花折山の麓にやってきた。縦走路は花折山の頂上には進まないで、山の北側を巻くように続いている。この辺りの道は沢の中のぬかるみ道であり、しばらく泥跳ねに注意しながらの登りとなる。花折山山頂への分岐点から10分ほど進むと舗装道路に出てきた。この道は兵庫カンツリー倶楽部の道であり、しばらくはこの道路を車に注意しながら進むことになる。
 ■13:45 金剛童子山への登り口出合い
 舗装道路を進むとやがて左手側に金剛童子山が見えてくる。さらに進むと、黒甲越方面への分岐(13:55)となり、次に、鰻ノ手池が左手側に見えてきた(写真右)。
鰻ノ手池
鰻ノ手池
林道を行く  鰻ノ手池の先には、左手側に広く整備された林道が分岐しているのが見える。
 縦走路はこの林道に入って進み、天下辻へと続いている(写真左)(14:00)。

 この林道に入って15分ほど進むと、右手側から花山駅方面への分岐道が南へ下って行った。
林道を行く
 ■14:17 六甲山方面のビューポイント
 花山駅方面への分岐路からやや進んだところには、六甲山方面へのビューポイントなる場所が用意されていた(写真右)。
 2人のハイカーがここで六甲山の景色を眺めながら談笑していた。
 ここから、更に数分進んだところで、縦走路は左折して幅広の林道から山道に入っていった(14:20)。
 この山道には、オフロードバイクが掘り返したと思われる溝が道の真中に深く刻まれ、そこに水が溜まって歩きにくくなった場所が何箇所かあった。ここは、足をとられないように注意して進みたい。
ビューポイント
ビューポイント
大池聖天  ■14:30 天下辻
 やっと天下辻に到着した。ここからは急な坂が九十九になって下っている。「過ちは易き所になりてかならずつかまつる」ものであるので、23km最後まで気を抜かず進むことにする。
 ■14:45 大池聖天(ゴール)
 天下辻から5分ほどで民家のあるところに出てきた。更に10分ほど進んで本日のゴールである大池聖天に到着した。
 まだまだ多くの自然が残された丹生山系の山々を堪能することができた23km縦走ハイキングであった。感激!感激!
 (*^o^*)
大池聖天
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