稲妻坂・東山尾根  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-14】

「稲妻や天狗でなければ登れない」とされたことから名づけられた???・・
稲妻坂、天狗道を年の初め(平成19年1月8日)に歩いてみた。

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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 今日は布引谷を遡行して、稲妻坂を目指すことにする。
 新神戸駅にあるおなじみの「←市ケ原3.7km、布引の滝0.4km」の表示の前を10:25にスタートする。
 ほんの数分で布引雌滝に到着。しかし、今日の雌滝は水量が少ない。さらに数分進んで布引雄滝に到着。ここも雌滝同様、水の量がチョロチョロである(写真右)。
 雄大さが売りの雄滝がこの様では情けない。昨日は低気圧が発達し、短時間だが激しく雪が降り、麓の平野部でも一時的に雪が積もったと言うのにどうしたことだろう。水量が多い時期の布引の滝はこちら
布引雄滝
布引雄滝
布引貯水池堰堤  滝を後にし、さらに谷道を遡行する。やがて猿のかずら橋が登場(10:43)。次に布引ダムに至る(10:51)。このダムの水位も低い。
 布引ダム湖畔を歩いていると、このダムが「ダム湖百選」(財団法人ダム水源地環境整備センター)に選ばれている事が表示してあった。知らなかった。
 百選と言うと、この布引渓流は「名水百選」(環境省)に選ばれている。また、この布引一帯は「森林浴の森百選」(林野庁他)でもある。そして当然、布引の滝は「日本の滝百選」(環境庁、林野庁、緑の文明学会等)である。
 この辺りは、百選がいっぱいなのである。
布引貯水池堰堤
天狗道分岐  ダムを過ぎてやや進むと、茶屋が右手に見えてくる。
 そしてすぐに市ケ原に到着である(11:06)。
 市ケ原では、今日も多くの子供達が川原で歓声を上げている。ここは、川原遊びの最適地なのだ。
 市ケ原を過ぎると、布引ハーブ園へ続く坂道が右手側に分岐していく(11:09)。ハーブ園まで0.9kmとの記載がある。
 ハーブ園への分岐を過ぎると、稲妻坂・天狗道への分岐点が現れる(11:16 写真左)。右に進むと稲妻坂・天狗道であり、直進はトエンティクロスとなる。
天狗道分岐
 稲妻坂は階段道が続く。
 しかし、この道は、昨年の兵庫国体の山岳競技で使用されたせいか、ウッドチップが敷き詰められ、整備がよく行き届いている。登りの階段でも歩きやすい。
 坂道から振り返って、西方を望むと高雄山のドーンとした山容が望めた(写真右)。快適な山道である。
高雄山
高雄山
稲妻坂  10分程登ってピークに至る(11:26)。
 そこには、「市ケ原方面への下りは新道を利用するように」との表示と共に、柵が造られていた(写真左)。
 今登ってきた道は新道であり、通行止めされた柵の向こうには旧道が続いているようである。旧道とやらは今でも歩けるのかやや興味がそそられる。
 通行止めの柵があったピークから、道は平坦な尾根道となる。この平坦路からは、布引ハーブ園のある世継山が右手側に望める。世継山とこの平坦な尾根道とは標高が同じ程度だ。
稲妻坂
三角点を発見 山郡三角点
三角点を発見 山郡三角点
 やや進んで、右手側に布引ハーブ園続く道が分岐する。そのハーブ園へ続く道を少々進むと山郡三角点があった(写真上)。
 この三角点は、土にほとんど埋もれかけ、おまけに、付近に三角点を示す表示もされてないので、そのうち発見が不能になってしまうのではと心配される。
 稲妻坂は、この三角点の辺りを過ぎると下りとなる。下りきった辺りで、左下に分岐していく道がある。地蔵谷に続く道であろうか?
学校林道と合流
学校林道と合流
天狗道の岩道  次に稲妻坂は、登り道と平坦路を繰り返しながら高度を上げていく。
 途中、頭上を作業用の荷物運搬のためのワイヤーが横切っている箇所がある。鉄骨を組み合わせて囲いが造られており、頭上注意の表示もある。山中の作業は大変そうだ。
 やがて、学校林道が右手側から合流してきた(11:55 写真上)。ここから天狗道となる。天狗道は平坦路で始まるが、10分程進むと、岩場の急登道となる(写真左)。急登といっても、岩場の登りは何となく楽しい。登れそうなルートを探りながら、三点確保で慎重に歩を進める。
天狗道の岩道
 天狗道は急登であるが、ひたすら登るのではなく、たまには振り返って後方に広がる景色も見てみたい。そこには、絶景が広がっている。
 今日は霞がかかり、山々が神秘的な雰囲気で連なっている。(写真右)。
 一番手前が黒岩尾根、その向こうのピークが高雄山、その向こうやや左よりのピークが再度山、さらにその向こうの右よりの山が鍋蓋山、そして、一番奥の、頂にアンテナのようなものが立っているピークが菊水山と思われる。
天狗道から望む山々
天狗道から望む山々
雪の天狗道(その1)  ところで、この天狗道の命名は、山中を駆け巡って修行を行う修験道者の姿を、麓の者が天狗と見間違えたことに由来しているとか。ここ摩耶山は山岳信仰の対象だったのである。しかし、険しい岩道を駆け巡っての修行は大変だったと思われる。
 天狗道も、この辺りになると標高が600m程度で、下界との温度差も大きいようだ。なんとなれば、この辺りには昨日降った雪がまだ残っている。(写真左)。下界では昨日の雪はすべて溶けてしまっているのに!!。既に何人かのハイカーの足跡があり、跡み固められた雪は、すべりやすくて要注意だ。
雪の天狗道(その1)
 岩場を登り始めて10分弱で、大きな反射板が設置されたピークとなる。摩耶山手前の小ピークである。木立の中で眺望はないが、おじさんが3名弁当を広げて談笑されていた。
 このピークを過ぎて一度下りとなり、次に登り返した辺りの雪の中に、道をそれて右側に足跡を把握した。何かと思い、たどっていくと、そこは絶景ポイントとなっていた。南に山々の景色が綺麗に望める。東西南北を示す標識も設置されている。ここで5分ほど休憩し、景色を楽しむ。
雪の天狗道(その2)
雪の天狗道(その2)
雪の掬星台  休憩後、雪道の縦走路に戻り、摩耶山を目指す。12時29分、左にアドベンチャールートへと続く道が分岐していった。その道の雪に踏み後はなく、今日はまだこのここからアドベンチャールートへ進んで行った者はいないようだ。
 更に、10分程、雪道を進んで摩耶山に到着した(12:40)。摩耶山山頂の掬星台も雪に覆われ真っ白になっている(写真左)。
 雪の掬星台ではロープウェーで登ってきたのか、小さな子供連れのファミリーもいる。2歳くらいだろうか、子供は雪でおおはしゃぎである。
雪の掬星台   
 雪の掬星台は、冷たい風の吹きさらしでもある。長居すると、体が芯から冷えてしまいそうだ。20分程、休憩の後、下山することにした。
 今日は青谷道から旧摩耶道を、新神戸方面に下ることにする。
 1時に山頂を出発し、雪の残る青谷道を10分程下って、摩耶山史跡公園に到着した。この辺りには、もう雪は残っていない。
 史跡公園名物の超急階段(写真右)を慎重に下る。
 急階段を下り終えると山門に至る(13:18)。この門は非常に立派なものである。今日は、学生のサークルだろうか。若者数名が、山門を背景に、なにか時代物らしきものを撮影をしていた。
旧天上寺の急階段
旧天上寺の急階段
青谷道  山門を過ぎると道は左右に分岐する。左は上野道、右は行者茶屋方面に続く青谷道である。ここは右の青谷道に進む。
 青谷道はひたすら階段の下りと石ころ道が続く(写真左)。
 行者茶屋近くになって、大きな杉の木にしめ飾りがつけられているのを発見した(写真下)。ここにも山の神がおられて、新年の詣がなされるのであろう。
 やがて行者茶屋あたりの不動明王に到着。ここでは数名の人(行者?)たちが集まり、何か新年の行事をされているようであった。
青谷道
 行者茶屋を過ぎて、青谷道から右に旧摩耶道が分岐する。
 青谷道は行者茶屋あたりから谷筋をどんどん下っていく道となるが、旧摩耶道は山腹に張り付いた水平道である(写真下)。
 境界を示すのであろうか、なにやらコンクリートの杭が連続して立っている。
しめ飾りの大木
しめ飾りの大木
旧摩耶道 青谷道への下り口
旧摩耶道 青谷道への下り口
危険な路肩の旧摩耶道  旧摩耶道から青谷道への下り口もある(写真上)。この辺りでは、旧摩耶道と青谷道の高度差が大分ついており、青谷道への下りは急な道となっている。
 旧摩耶道は麓に向かってゆるやかに下り続けるものと思いがちだが、意外にもピーク越えが2回もある。また、山腹に張り付く道であるが故、片方の路肩が崩れ落ち、滑りやすくなった箇所もある(写真左)。砂地で足場も悪く、滑落しないように要注意である。
危険な路肩の旧摩耶道
 行者茶屋からスリル満点の旧摩耶道を進むこと約25分で学校林道の合流地点となった(写真右)。ここには標識と地図の案内看板もある。
 ここは、また、山中の十字路でもある。ここから右に下っていくと、旧摩耶道が雷声寺方面に続く。左に進むと東山尾根である。この尾根は今まで歩いたことがないので、今日は左に進むことにする。
 すると、すぐに左右の分岐点となる。右が東山尾根、左は砲台跡との表示がある。ここは、東山尾根方面に進む。
学校林道が合流
学校林道が合流
絶景が広がる東山尾根  東山尾根に入るとすぐに高圧電線の鉄塔の下に出る。これをくぐって先に進むと、一気に眺望が広がった。
 尾根筋の前方に神戸の町並みが見下ろせ、感激の景色が目の当たりになる(写真左)。これはお薦めのコースである。
 東山尾根は高圧線が下る尾根でもあるので、木々が電線に触れぬよう刈り込まれているのであろう。さえぎる木立ちのない尾根筋からの眺めは最高である。
 (^-^)V
絶景が広がる東山尾根
 東山尾根も眺望のある場所を過ぎると雰囲気が一変し、急な岩場の下りとなる。
 また、左右が切り立つ痩せ尾根状の箇所(写真右)もあるので、ここは注意して進みたい。
 さらに尾根を下ると、2つ目の高圧電線の鉄塔が現れる。この鉄塔も下をくぐるのであるが、短足の鉄塔であり、頭を打たないよう注意したい。
痩せ尾根の東山尾根
痩せ尾根の東山尾根
麓から望む東山尾根  さらにもう一つの鉄塔をくぐって、尾根筋から人家のある場所に下りてきた(14:37)。
 この場所には、東山尾根への入口表示はなく、地元の者以外には分かりにくいかもしれない。住居表示は「中尾町15」とされている。
 ここから、新神戸の駅までは歩いて20分弱であった。
 住宅街から振り返って見た東山尾根は、雲の多い冬空に鉄塔を突き上げていた(写真左)。
麓から望む東山尾根
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