大和葛城山(天狗谷道・弘川寺道) (お勧め度★★★) 関西の山【7-28】

近鉄富田林駅(9:20)==葛城登山口バス停(10:10)==天狗谷==弘川寺道出会(11:39)==(11:43)大和葛城山(13:00)
==弘川寺道==碓井谷林道交差==弘川寺歴史と文化の森(14:12)==弘川城址分岐(14:27)==河内バス停(14:50)
(約5時間 平成30年5月5日)  
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 大和葛城山は奈良県御所市と大阪府南河内郡千早赤阪村の境に位置する山で、ツツジの群落で有名である。さらに、山頂付近が草原状の広々とした台地で展望もすばらしい。今日(平成30年5月5日)はその大和葛城山に天狗谷道で登り、弘川寺道で下ってみたい。南面に広がるツツジの群落が山を染めているはずだ。
葛城登山口バス停  今日は本年のGWのしめに、六甲から少し足を延ばして大和葛城山に登ってみる。山と渓谷社の登山ガイド「大阪府の山」を参考に、天狗谷道で大和葛城山に登り、弘川寺道で下ってみたい。
 電車を乗り継ぎ、近鉄長野線の富田林駅で下車する(9:20)。改札を出て水越峠行きのバスのりば(2番乗場)に急ぐ。バスは9時50分発で、まだ出発30分前にもかかわらず、多くの者が並んでいる。最後尾に並ぶと、その後からもどんどん列は伸び、皆バスに乗れるのかと心配になる。前もって、乗車券の販売があり、全員それを買い求める(金剛バスはICOCAが使えない。)。
葛城登山口バス停
葛城山を目指して出発  すると、発車10分前にバスがやってきて、臨時便で葛城登山口、水越峠に直行便を出すという。今日は乗客が多いので、特例なのだろう。列の先頭から、順次、乗りこむも幾人かを積み残して臨時便は出発した(9:40)。当然席にはありつけず、立ったまま葛城登山口バス停を目指すことになった。しかし、臨時便は途中での停車がないので、順調に進んで所要時間30分で葛城登山口バス停に到着した(10:10)。 半数弱の者が、ここでバスを降りた。軽く準備運動をして、山歩きに出発する。
葛城山を目指して出発
 バス道から石の階段を登り、切り返えして地道を登っていく。 民家の間を縫うように緩やかな坂道を登っていくと分岐点となる(写真右 10:18)。ここには「葛城山」を示す道標があるので、それに従い左に登る。 葛城山は左へ
葛城山は左へ
段々畑の脇を登る  段々になった田んぼの脇を登っていくと杉林の中に入る(10:24)。道脇の水路を勢いよく流れる水を見て、田植えが近いことを感じる。
 田んぼの向こうに見えているのは金剛山の山すそで、青崩道か中尾の背あたりだろうか(写真左)。
段々畑の脇を登る ペンでツツジオの表示
 やがて天狗谷に入り、谷川にそって右岸を進むことになるが、周囲は倒木やら流出した土石で、痛々しい風景になってきた(10:28)。この辺りから天狗谷道は相当荒れた感じとなっている。
 倒木や土砂崩れで、本来の山道が至る所で寸断されている。昨年の台風による被害なのであろうが、先人の多くの踏み跡が、堆積した土砂等を回避したり、乗り越えたりしながら、新たな道を作り上げている。 その踏み跡をたどりながら、自然の猛威で破壊された山道を登っていく。
倒木が重なる天狗谷道
倒木が重なる天狗谷道
天狗谷の川床を登る 崩落が激しい天狗谷道
天狗谷の川床を登る 崩落が激しい天狗谷道
 その先、崩落して無くなった山道に代え、川床のなかの小石を踏み越えて進む道となる。 野趣あふれる感じで、これはこれで楽しく歩ける。
 時に、片側が崩落して切れ落ちた、危なっかしいい細道を進む箇所もあるので、注意を怠らないように進んでいく(写真右)。
片側が崩落した天狗谷道
片側が崩落した天狗谷道
ガレ場となった天狗谷  その後も、崩落個所と、崩落を免れた道とが交互に登場し、そこを踏み跡を確認しながら登っていく。
ガレ場となった天狗谷
 やがて、天狗谷道は荒れた谷筋を離れ、きりかえすように山腹に張りつく階段道の登りとなる(10:54)。丸太の階段道が、杉林の中をつづらに切り返しながら登っている。 天狗谷から尾根へ
天狗谷から尾根へ
前方に葛城山  杉林の中をひたすら登っていくと、「山を美しくしましょう」の看板と共に「葛城山 40分」の道標が登場した(11:09)。そこから少し登ったところで薄暗い杉林から、明るい笹の道に変わり、傾斜も緩やかになった。
 しかし、緩やかな道はすぐに終わり、また、杉林の急登道となる。その先で、再度、笹道で傾斜が緩んだ(11:19)。そして、前方に連なる山並みが見えてきた(写真左)。目指す、葛城山の山頂あたりだろうか。まだ、まだ、山頂までは距離がありそうだ。
前方に葛城山
 そして、また、山道が杉林の中に入ると、こんどは山腹に張りつく道となって、山肌を大きくトラバースしている。この辺りは私有地なので、道を外れないようにとの注記がある。
 更に、杉林の中を進んでいくと、道脇に丸太で組んだ小さな砂防堰堤がある(写真右 11:33)。この堰堤の上部はショウジョウバカマの群落らしいが、今はもう花はない。その先で弘川寺道に合流して天狗谷道は終了した(11:39 写真下)。
丸太造りの堰堤
丸太造りの堰堤
弘川寺道に合流  弘川寺道に合流したところには大きな看板があり、付近の地図と大和葛城山の説明がなされている。それによると、大和葛城山について要旨次の説明がある。「大和葛城山は金剛山と並んで役の小角が修行した葛城修験道第2の高峰で、春には南斜面を赤く染め上げるツツジが見事です。」
 府下最大のヤマツツジが一面を赤く染めているであろうと期待が膨らむ。
弘川寺道に合流
 弘川寺道に合流して右に進むとキャンプ場の下を通って、ダイヤモンドトレールとロープウェイ駅からの道が交わる四つ辻に至る(11:43 写真右)。
 ここからは、奈良県側に一部展望が開ける(写真下)。展望のなかった天狗谷道を登ってきたので、ここでの景色に感激する。ロープウェイ駅から歩いてきた方々も景色に見入っている(写真右下)。
ダイヤモンドトレールに合流
ダイヤモンドトレールに合流
奈良側の展望 展望を楽しむ山客
奈良側の展望 展望を楽しむ山客
大和葛城山の山頂へ向かう  四つ辻から葛城山上に向かう。
 白樺食堂の前を過ぎると、右手側に草原状の斜面が広がる(写真左)。パッと開けて、開放感がある景色にまたまた感激を覚える。
大和葛城山の山頂へ向かう
 すぐに大和葛城山の山頂に到着。山頂は広々とした広場状の場所で、開放的である。多くの方々で山頂はにぎわっている。リュックを背負ったハイカーよりも、ロープウェイで登ってきた行楽客の方が、がぜん多そうだ。
 「葛城山頂」と書かれた山名表示のモニュメント前では、写真撮影の順番を待つ列が長くのびていた。
大和葛城山山頂
大和葛城山山頂
三角点 点名:篠峰山  さて、大和葛城山の山頂では、三角点も確認しておきたい。
 三角点のそばに、国土地理院の白い標柱がたっているので、三角点の所在はすぐに確認できる。しかし、三角点は、ほとんど土に埋没しており最上部の「+」の面のみがかろうじてその所在を示していた。
三角点 点名:篠峰山
 大和葛城山の三角点
 点名:篠峰山 等級種別 二等三角点
 冠字選点番号  人16
 標高 958.55m
 所在地 南河内郡千早赤阪村大字水分字篠峰山1284-2
 選点 明治34年6月14日

 葛城山の三角点は大阪側に設置されている。
大和葛城山の三角点
大和葛城山の三角点
大和葛城山山頂の草原  大和葛城山山頂は広大だ。東西南北に移動しながらパノラマの景色を楽しむことができる。
 広い山頂からは、大阪平野と奈良盆地が一望であり、遠く、大峰の山並みも望めるらしいが、大峰山脈はどの山だろうか?!
大和葛城山山頂の草原    
大和葛城山の展望(奈良県側) 大和葛城山の展望(大阪側)
大和葛城山の展望(奈良側) 大和葛城山の展望(大阪側)
ツツジの向こうに金剛山 葛城山のツツジ 1
ツツジの向こうに金剛山 葛城山のツツジ 1
 大和葛城山のヤマツツジは、「一目百万本」と称され、山の斜面が赤色に染まる。この時期、葛城山ロープウェイには長蛇の列ができ、相当の待ち時間らしい。
 ツツジだけでなく、山頂からの大展望も葛城山の魅力であり、葛城山から見る金剛山の姿も見応えがあった。大満足の大和葛城山であった。
葛城山のツツジ 2
葛城山のツツジ 2
葛城山のツツジ 3 葛城山のツツジ 4
葛城山のツツジ 3 葛城山のツツジ 4
 大和葛城山で大展望と紅に染まったツツジを楽しんだので、そろそろ下山を始めたい(13:00)。下山路としてダイトレから水越峠に下るのも選択肢の一つだが、ぎゅうぎゅうのバスに揺られるのは避けたい。よって、今日は弘川寺道を下り、河内バス停から富田林駅に向かいたい。
 幅広の林道の弘川寺道を下り始めると、すぐに青崩(天狗谷道)分岐となる(13:05)。ここは直進して、電波塔の脇を過ぎると下り道となる。簡易舗装の道をどんどん下っていくと、やがて車止めのゲートに突き当たる(13:27)。
弘川寺道の車止め
弘川寺道の車止め
弘川寺道  弘川寺道はこの車止めのゲートのあたりから、左手側に小さな沢が登場し、心地よい水音が聞こえてくる。
 杉林の中の舗装された林道が続く弘川寺道は全く味気ないが、この水音ですこし気分が安らぐ。
 このゲートを越えて少し進むと、坂道の連続だった弘川寺道は平坦な土の道となる。弘川寺道は、坂道でないところは舗装されていない。
弘川寺道
 さらに弘川寺道を下っていくと、碓井谷林道と交差する十字路となった。ここで休憩している4人組を追い越した。
 十字路では、特に意識もしないで、舗装路を下っていったが、途中でどうも方向がおかしいことに気が付いた。地図とGPSで現在地を確認すると、弘川寺道を外れて、碓井谷林道を下っていることに気が付いた。あわてて、坂道を登り返して、十字路迄戻ってきた(13:59)。だいぶ時間をロスしてしまった。
 碓井谷林道交差の十字路には、よく確認すると道標もあり、弘川寺道は舗装路から外れ、土の山道に入るのが正解であった。十字路で少し休憩を入れ、山道に入る(14:08)。
碓井谷林道交差
碓井谷林道交差
弘川寺歴史と文化の森 歴史と文化の森の山道
弘川寺歴史と文化の森 歴史と文化の森の山道
 山道に入ると、すぐに分岐があるがここは右に登って進む(14:12)。すぐに、「弘川寺歴史と文化の森周辺案内図」の大きな看板が登場する。看板を過ぎると緩やかな階段の下りとなる。この辺りは杉の木の間から麓の景色が遠望できる。その先に、展望の良い場所があり、一服する。
 展望場所の先は、つづらになった一気の下りである。
 ここ、弘川寺歴史と文化の森は、住民参加による雑木林の保全と里山文化の継承を目的とし、里山の保全活動が行われている。豊かな森づくり活動の一層の推進に期待しながら、弘川寺歴史と文化の森を下っていく。
歴史と文化の森の展望
歴史と文化の森の展望
弘川寺  やがて山道は弘川城址分岐の所で簡易舗装路に合流した(14:27)。ここからは、激下りの舗装路となる。きつい下りが、脚部に負担をかけるので、速度を緩めてゆっくり下る。坂道脇に咲くモチツツジを愛でながら下っていくと、弘川寺に下りついた(14:47)。弘川寺は西行法師終えんの地として知られ、さくらの名所でもある。広い駐車場も桜の頃には一杯になるというが、今は静寂の境内である。寺院内を散策したかったが、弘川寺道の激下りで、脚部の疲労を考慮し、あきらめてバス停を目指す。
弘川寺
河内バス停  弘川寺から河内バス停に下っていく。バス停につくと(14:50)、小さなベンチがあり、そこに深く腰を掛ける。次のバスは、15時30分までやってこない。碓井谷林道交差で道迷いがなければ、一本前のバスに乗れたかも・・・、と思いを巡らせながらバスを待つ。バスを待っていると、葛城山から他に2人のハイカーが下ってきた。時間通りにやって来たバスは、乗客その3名のみで、富田林駅に向かったのであった。富田林駅には所要時間20分で到着でした(15:50)。
河内バス停
● 弘川寺道は、杉林の中を簡易舗装の林道が続き、激坂もあり山歩きとしては面白みに欠けます。ただし、里山文化の保全が進む弘川寺歴史と文化の森エリアと歌聖西行法師ゆかりの弘川寺は一見したい場所です。
● 河内バス停からは休日でも富田林駅前行バスが、一時間に一本(毎時30分)あり、便利です。
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