天井川中央尾根・須磨アルプス (お勧め度★★☆) 西六甲【3-11】 |
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山陽電車にゆられ月見山駅で下車(9:29)。天井川中央尾根を目指して出発する。 今日は晴天で青空がまぶしい。 駅から東に進み、阪神高速3号神戸線の高架下で、進路を北にとる。ここから天井川に沿って進む。 須磨離宮公園の入口を過ぎると、天井川沿いの道はやがて高尾台の住宅地に続く車道となる。 そして右手側に市営水野住宅が見えてくると、すぐに「須磨名水の森」の入口となる(9:42)。 |
山陽電車月見山駅 |
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須磨名水の森入口から、天井川憩いの広場に入る。 須磨名水の森から北側は「みどりの聖域」で緑地の保存区域になっている。 須磨名水の森の天井川には、六甲破砕帯から湧き出た清水が流れ、ホタルも成育されているらしい。それは、天井川憩いの広場に立つ看板(写真左)に「ホタルの里」の表示とともに、ホタル、カワニナの放流をしているとの記載があることで分かる。 天井川を美しくする取組みを実践されている方々に心からエールを送りたい。 |
須磨名水の森入口 |
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天井川憩いの広場から天井川右岸道を進んで行くと、上流から下ってきたハイカーとすれ違った。住宅地から近い須磨名水の森の一帯は、地元の方々の手軽な散策エリアでもあるのだろう。 右岸道はすぐに高度を上げて水野第二堰堤(高さ12m)を左から越えた(9:49)。 水野第二堰堤を越えて下った所は天井川の右俣と左俣が合流する場所で(写真右 9:52)、ここからは複数の山道が分岐する。 天井川の左俣は栂尾山・横尾山へ、右俣は須磨アルプス馬の背に登って行くが、今日のコース(天井川中央尾根)は右俣と左俣に挟まれた尾根筋を進む。 |
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天井川右俣、左俣の合流地点 |
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天井川中央尾根の斜面に取り付き、登り始める(写真上の黄色の線 9:53)。 この斜面は急で、滑落しないよう注意を要するが、うまい具合に木の根が生えていて、それにつかまり体を引き上げて行く。 上りきると、ナイフリッジの痩せ尾根道となる。左右の直下は谷底で、高さは10m以上ありそうだ。 幅30cmほどの細いリッジを過ぎると、道は登りとなる。 枯れ枝と落葉が積もった登り道は滑りやすく、勾配も急で、ゆっくりと登ることにする。 急勾配の足元に注意を集中していると、顔面をクモの巣が襲ってきた。今日、この道は、まだ誰も歩いていないということになる。 |
一つ目のビールケース |
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天井川中央尾根の道は地図に表示がないルートだが、しっかりとした道がある。 天井川中央尾根に取り付いてから12分ほど登ったところで、右側からしっかりとした道が合流してきた。天井川右俣から登ってきた道と思われる。 そしてすぐに小さなピークとなって、そこにはなぜか麒麟ビールの古いケースが置いてあった(写真上 10:06)。何かの目印だろうか。 ビールケースの場所からは、だらだらとした登りが続く。それを登って行くと小ピークとなった、ここで又々ビールケースが登場した(写真右 10;09)。これもキリンのケースだ。この、天井川中央尾根では、小ピーク毎にビールケースが置いてあるみたいだ。 |
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二つ目のビールケース |
第2のビールケースを過ぎると道は少し下ったあと、次にまた登りとなる。 それを登りきってピーク状のところにつくと、そこには又々ビールケースが置いてあった(写真右 10:15)。 どうやら、ピーク毎に目印としてケースが置かれているのに間違いないようだ。 ただ、第3のケースはビールではなく清酒のケースだった。 清酒ケースのある第三のピークからは、西に道が下っていた。下り道には白いテープ表示もあり分かりやすい。天井川左俣
に下っていく道だろう。 |
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三つ目は酒瓶ケース |
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第三のピークを過ぎると緩やかな登りの次に急登となり、ここでお助けロープが登場する(写真左)。 ロープを掴みながら坂を登りきると、そこは小さなブリキ板の破片で区画整理をした一角となっていた(写真下 10:25)。ここは、どなたかが、樹木を植えたり、整地したりと、管理をされているエリアのようだ。 なお、ここにも清酒のケースが置いてあった。 |
天井川中央尾根にロープが登場 |
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区画整理をした一角からも、急な道が西に下っていた。ロープも設置されていて人の手が入った道であり、これも天井川左俣に下っていくのだろう。
第一のピークから、この区画整理された場所まで、ビールケースやら清酒のケースで目印らしきものが付けられているということは、この天井川中央尾根は酒屋さん、若しくはその関係者の方が開拓、整備されているルートということになるのだろう?? |
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四つ目の酒瓶ケースがある広場 |
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区画整理をした一角を過ぎると道は下りとなる。 ザレ場の下りで、いたって滑りやすいので、ここは慎重に下る。 下りきると、次は登り。少し登ると南側に景色が開けてきた(写真左 10:32)。ここは、ロープを張って岩場から滑り落ちないようにしてある。 |
後方に景色が見えてきた |
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更に登っていくと、右手側の樹木越しに須磨アルプス方面がちらほら見えるようになってきた。 更に、急な登りが続くので、ゆっくりとしたペースで登って行く。 すると、突然、樹木の無い岩場に飛び出した。そして、そこは須磨アルプス方面が一望できる展望の場所だった(写真左 10:37)。 須磨アルプス方面が間近に迫る。これは見事な景色である。 天井川中央尾根はなかなか展望良しである。 岩場には爽やかな秋の風が吹き、心地よい。秋晴れの天気の中で気分爽快となる。 |
須磨アルプス方面の絶景 |
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展望の場所を過ぎると岩場を少し下ることになる。 次に眼前に大きな岩が登場する。この岩は左側から巻いて登る。 登ったところから南側に踏み跡が分岐していた。 どこに行くのかと少し進んでみると、そこも展望の場所だった。南側に展望が広がり、神戸の町並みと須磨浦の海が一望である。 誰かが、間伐材で手製のベンチを作成しており、簡易展望台となっている(写真右)。格好の休憩場所である。 天井川中央尾根は歩く人は少ないので、この展望をゆったりと独占できる。 |
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天井川中央尾根展望ベンチ |
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簡易展望台の後ろの小木には蒲鉾板が二枚ぶら下がり何か文字が書いてあるようだが、古くて判読できなかった。 ベンチを作られた方が、何か説明書をされていたのであろう。 展望台の名称でも書いてあったのかもしれない。 簡易展望台からは、須磨アルプスも間近に迫る(写真左)。 須磨アルプスは、この静けさに包まれた簡易展望台とは異なり、賑々しく多くの人が行き交っている感じだ。 |
須磨アルプスが間近になる |
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今日、須磨アルプスを行き交うハイカーには家族連れも多いようで、小さい子供たちの歓声がここまで伝わってくる。 スリル溢れる須磨アルプスの探索は、子供たちにとって最高の思い出になるだろう。 そんなことを思いながら簡易展望台で5分ほど休憩した後、天井川中央尾根を更に進む。 すると、簡易展望台から1分も進まないところで天井川中央尾根は六甲縦走路に合流した(写真下 10:55)。 |
須磨アルプスは大賑わい |
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合流地点は写真右の場所で、写真の右側から下ってきて縦走路に合流となる。 縦走路は、ここから左下に下っていく。 ところで、この合流地点には特に何の案内表示も無いが、縦走路を進む者が誤ってこの分岐を右に進むケースもあるだろう。その先は、ナイフリッジのようになった場所に至り危険なので、この分岐には何か案内表示がほしいように思うが・・・。 |
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六甲縦走路に合流 |
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須磨アルプス・名勝馬ノ背 |
須磨アルプス |
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須磨アルプスは、前からも、後ろからも多くの人がやってくる。お互いに道を譲り合いながら交差して行く。
須磨アルプス・名勝馬ノ背の表示が登場して(写真左上)、次に幅の狭いリッジとなる。 恐怖を覚える狭い道をちょうど小さな女の子が通過していたが、元気一杯に通り過ぎていた(写真上)。 男女共同参画の時代、女子は頼もしい限りだ。 |
東山から望む須磨アルプス |
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須磨アルプスを過ぎ、東山に到着(11:13)。ここは、須磨アルプスを目指す人と、須磨アルプスを越えてきた人でいつも満員である。 東山からは須磨アルプスがきれいに望めるし(写真上)、南側にも展望があって、昼食ポイントにもってこいの場所だ。
混雑する東山は通過することとして、板宿方面に下っていく。よく整備された道を、快適に下る。 途中、木に「板宿」の表示が付けられているので、そこで右折する(写真右)。 |
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板宿方面の表示 |
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東山、板宿間の山道は、地元の方々の健康ハイクのためのルートのようであり、よく手入れされている。 途中、景色の良いところにはベンチが設置されており(写真左・写真下)、ゆっくり休憩しながら山登りが楽しめる。 温度計が設置されているポイントもあって、気温を確認しながら、歩くペースを決めることができる。ちなみに今日の気温は22.5度で、汗ばむ陽気だ。 |
東山から板宿方面に下る |
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更に下って、ベンチ、鉄棒や腹筋を鍛える設備が設置してある公園のよな場所まで下ってきた(写真下 11:41)。 ここは地元の健康ハイクの方々が整備と管理をされている場所のようで、掃除が行き届いている。 鉄棒の前には 「チョット一休み 東山まで往復は、元気な人 三十分〜四十分」 と記載された看板も設置されていた。 ここをベースとして、東山への往復を日課とする方々がいるのだろう。 |
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またまた絶景ポイント |
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チョット一休み |
禅昌寺方面分岐 |
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鉄棒の公園の出口のところで道が分岐する。 案内表示があり、右が板宿方面、左が禅昌寺方面と記載してある(写真上 11:43)。 今日は、ここを禅昌寺方面に進んでみる。 少し進むと、道端に三角点を発見した(11:45 写真左)。板宿四等三角点である。 この三角点には表示もなければ、保護石も無く、見過ごしてしまいそうだ。四等三角点に対する世間の扱いは、冷たく非情なのか・・・。 (^。^;) |
板宿四等三角点 |
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禅昌寺方面への道は、笹と山土が掘れたような場所が交互に登場しながら高度を下げて行く。 板宿方面との分岐点から7分ほど進んで、鬱蒼と茂っていた雑木林が突然に開け、パッ・・と明るい場所に飛び出した(写真右 11:50)。
その一帯は、樹木が間伐、伐採され、西南方面に展望が広がっていた(写真下)。 |
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伐採エリアは景色良し |
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思わぬところで展望が開け、ここでしばし休憩する。 東側の高取山の尾根筋がちょうど真正面に見えている。岩肌の尾根に踏み跡のようなものが見え、そこにルートが存在することを示している。 また、高取山にも登ってみようと考えながら、周辺の景色にしばし見入る。
休憩後、間伐、伐採エリアから更に進んでいくと、道は樹木の密集地帯に入っていく。間伐する前はこんな感じだったのかという感じで鬱蒼と木が茂っている。 |
板宿方面の景色 |
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次にロープが登場し、急な下りとなる(写真右)。急傾斜地の下りである。山土が雨水でV字に掘られたルートに丸太で階段が作られているが、土で埋まってすべりやすい。ここは慎重に下りたい。 最後に鉄製の梯子のような急階段を下って車道に降りついた。そこはちょうど禅昌寺バス停のところだった(12:06)。 ここから、住宅地の間の細い道を板宿駅まで歩いて下る。20分ほどで板宿駅に到着した。 今日のコースは、人で溢れる須磨アルプスと人の気配が全く無い天井川中央尾根と、対照的な山道だった。 |
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禅昌寺への急下り |