天王谷西尾根  (お勧め度☆☆☆) 表六甲【1-21】

有馬街道が走る天王谷の西側に険しい尾根がある。
この尾根の正式な名称は知らないが、一般には天王谷西尾根と呼ばれているようだ。
その尾根には未到の草谷三角点もあるので、その探索も兼ねて天王谷西尾根を歩いてみた。

Route MAP
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 国道428号線(有馬街道)が神戸の街から北に向かい六甲の山並に入る所に祇園神社がある。ここから有馬街道は天王谷の渓谷を遡行する。その祇園神社から国道を挟んで西側に平野展望公園がある。この公園の北側は天王谷の西側の稜線であり、急峻な尾根筋がアップダウンを繰り返して北に延びている。
 この尾根は、一般に天王谷西尾根と呼ばれているようで、稜線には山道もあるらしい。そこで今日(平成22年1月11日)は、この天王谷西尾根を探索してみたい。
 またこの尾根には草谷三角点が設置されているので併せて探索したい。
平野展望公園(多目的広場)
平野展望公園(多目的広場)
平野展望公園(頂上部展望台)  スタート地点の平野展望公園には12時20分に到着した。今日は遅めの山歩きスタートとなった。
 この公園はすべり台やブランコのある多目的広場(写真上)と、その上部にある頂上部展望台(写真左)から構成されている。
 頂上部展望台からは神戸の町並みが見渡せる。ここからは展望公園の名前にふさわしい景色が楽しめる。
 この頂上部展望台の北端から踏み跡が山中に伸びている。ここが天王谷西尾根の入口である。
平野展望公園(頂上部展望台)
天王谷西尾根(上方向) 天王谷西尾根(下方向)
天王谷西尾根(上方向) 天王谷西尾根(下方向)
 笹の多い急斜面を明確な踏み跡が登っている。結構この尾根にも人が入り込んでいるようだ。しかし、この急な道には半端でない量の落葉が積もり、滑りやすくなっているので注意が必要だ。
 道沿いには白や赤のテープ表示があり、それに従い登っていく。
 少し進み、勾配がさらに急となった。しかし、あり難い事にそこにはロープが設置してあったので(写真上、右上)、それに助けられ、何とか登ることができた。この斜面は、滑る落ち葉と急勾配で、このロープが無いと、登るのは相当困難と感じられた。
落葉の積もる天王谷西尾根
落葉の積もる天王谷西尾根
3級基準点(六甲砂防事務所)  8分ほど急斜面と格闘して尾根に登りついた(12:33)。ここからも稜線をアップダウンしながら踏み跡が続いている。
 やがてちょっとしたピークにたどり着いた(12:43)。ここには国土交通省六甲砂防事務所の3級基準点(No1117)が設置してある(写真左)。
 ここが地形図にある220mピークと思われる。
 右下には山麓有料道路の天王谷ICが見えている(写真下)
3級基準点(六甲砂防事務所)
 さらに進むと、足元に太いワイヤーが何本も登場した。
 どうやらこれは、下を走る有馬街道のきりたった斜面の落石、崖崩れ防止用のネットを固定しているものらしい。
 足を引っ掛けないように注意して進む。
右下に高速の料金所が見える
右下に高速の料金所が見える
笹が繁茂する天王谷西尾根  次第に笹の丈が高くなってきた(写真左)。踏み跡も薄くなって来たような感じだ。しかし赤いテープ表示は続いているので、道を誤ることはないだろう。
 次のちょっとしたピーク状の所にはこの尾根で2個めの3級基準点があった。この基準点は土に埋もれかけて、分かり難い。
 この尾根筋には古い石の標柱も点在している(写真左下)。よく見ると、石の頭部に「田畑」と掘られている。山の所有者を示すものなのだろうか。はたまた、境界柱なのであろうか。
笹が繁茂する天王谷西尾根
天王谷西尾根には標柱が続く  次に尾根道は急な下りと、その先に超絶な登りが登場した。勾配は半端ではないが、意を決して下り始める。滑り落ちないように、笹をつかんで、少しづつ下っていく。それでも滑って何度か尻餅をつきそうになった。
 何とか下り終えると、次は超登りである。おまけに笹(竹)の丈が身長以上もある。ルートもはっきりしないが、何とか笹(竹)をつかんで体を引っ張り上げた。ここは笹を持たなければ登れないような急勾配であった。
 登り付いたところには、六甲砂防事務所の3級基準点(No1119)と、神戸市道路公社の基準点(No6)が設置してあった(13:17)。
天王谷西尾根には標柱が続く
 基準点が2個設置してあったピークの次も、激下りと激登りであった。しかしここの登りには細いロープが張ってあった。これを掴んで体を引き上げたが、ロープには磨耗して切れそうになった箇所があったので要注意である。
 登り切ったあたりから、小ピークを二つほど越えて進んだが、その辺りも背丈以上の笹が繁り、歩き難いことこの上ない感じであった。
 その笹を掻き分けて進んでいると、やがて前方に反射板が見えてきた(写真右)。
反射板が登場
反射板が登場
反射板が建つ294mのピーク  反射板は何の目的のものか知らないが(国土地理院の点の記には「ソーラーシステム」と記載がある。)、菊水山の方向を向いて立っている。どうやってこんな山上に資材を運んできたんだろうとの疑問が頭に浮かんだ。今、私が歩いてきた急勾配の尾根筋を運搬したとは到底考えられない。??である。
 ところで、この反射板の脇には草谷四等三角点が設置してあった(写真下 13:35)。三角点を示す白い標柱はなくなっていたが、その一帯は笹が刈り取られている感じであった。
反射板が建つ294mのピーク
 草谷四等三角点のピークは笹と木々に覆われ、あまり景色は望めない。
 そこで、休憩も早々に切り上げ、帰路をどうするか考え始めた。
 先程、越えてきた急勾配の上り下りを引き返すのはあまりハッピーではない。見ると、三角点のピークから更に北に向かい薄い踏み跡が続いているような気もする。そこで、進めるだけ進んでみようと思い、北に向かって歩き始めた(13:41)。
 緩やかな下りを進むと、1分もしないうちに目の前がパっと開けた(写真下)。
草谷四等三角点
草谷四等三角点
ペット霊園  そこはペット霊園であった。まだ建設途中なのか資材が放置されている。
 建物もあり、コンクリートの車道もここまで登ってきている。
 あっ!!、そうだったのか。先程の反射板は、この車道を使って資材が運ばれたものだったのか・・・!。頭の中のもやが晴れた気がして、なにやらほっとした。
 ペット霊園からは、急勾配のコンクリート道が山を下っていた。途中「私有地」の表示もあったので、先程のペット霊園は立ち入り禁止だったのかもしれない。そうであれば、申し訳ありません。
ペット霊園
 急勾配のコンクリート道を下って出て来た所は、有馬街道の草谷バス停だった(13:58)。そこから、有馬街道(旧道)を歩き、出発点である平野展望公園まで戻ってきた(14:20)。有馬街道の旧道は、車の通行は少なく、たまにやってくる、路線バスに気をつければよい。
 天王谷西尾根は、踏み跡があるとは言うものの、アップダウンがきつく、笹も生い茂り歩き難いルートであった。一度歩けば、それでいいと思うコースといっておこう。
 写真右は、烏原貯水場堰堤から天王谷西尾根を望んだもの。
烏原貯水池から望む天王谷西尾根
烏原貯水池から望む天王谷西尾根
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