行者山東観峰・行者山 (お勧め度★★☆) 東六甲【4-37】

阪急逆瀬川駅(8:22)==西山団地バス停(8:29)==ゆずり葉の森ピーク(8:52)==行者山東観峰南テラス(9:22)
==行者山東観峰(9:28)==行者山(9:42)==慈癒の小径==千石ズリ取付き(10:06)==宝塚エデンの園バス停(10:20)
(約2時間 令和元年6月22日) 
 ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 宝塚を流れる逆瀬川の上流の西山団地から行者山東観峰に囲まれた一帯が「ゆずり葉の森」として整備されている。このエリアは住宅地に近く、ハイキング道も縦横に繋がり、六甲縦走路にも合流できるので散策者も多い。今日(令和元年6月22日)は、この「ゆずり葉の森」から行者山東観峰、行者山を巡ってみたい。さらに、千石ずり、焼石ヶ原と呼ばれるエリアの探索も目指す。
西山団地バス停  今日(令和元年6月22日)の山歩きは、「ゆずり葉の森」として整備された行者山の山域の散策から始めたい。ゆずり葉の森は、北摂里山博物館が魅力ある里山等として位置づけた「北摂里山30」の中の一つである。
 阪急逆瀬川駅で下車し、駅西側のバス停で宝塚西高前行のバスに乗り込む(8:22)。バスの乗客はほぼ高校生で、スクールバスのようだ。そんなバスに7分ほど乗車して、西山団地バス停で下車する(写真左 8:29)。
西山団地バス停
ゆずり葉の森道標  バス停からバスを追いかけるように、ゴルフ場と団地に挟まれたバス道を少し西に進むと、「ゆずり葉の森 →50m」(北摂里山博物館)のりっぱな道標が登場する(8:35 写真左)。
 標示に従い、ここで右折する(8:35)。
ゆずり葉の森道標
 突き当りに「ゆずり葉森の広場」の大きな表示があるので、車止めの柵の間から広場に入る(写真右 8:37)。
 広場には「行者山ハイキングコース西逆瀬台口」の道標があり、それには行者山ハイキングコースの地図が設置してある。その地図でコースの概要を確認して、山道に入っていく。
行者山ハイキングコース西逆瀬台口
行者山ハイキングコース西逆瀬台口
ゆずり葉森の広場  整備された広い道を少し進むと分岐があり、道標が設置してある(写真左)。道標では、直進は「県宝谷経由東観峰」、左折は登りで「コバノミツバツツジ回廊」と表示してある。ツツジの花は咲き終わっているが、ここで左折して「コバノミツバツツジ回廊」に進む。
ゆずり葉森の広場
 コバノミツバツツジ回廊への階段道を登っていくとすぐに尾根に乗る。尾根の整備された道をさらに進む。周囲の木々には、その名称などが書かれた小さな説明札がつけられている。設置者は「櫻守の会・逆台小緑の少年団」とされている。随所に道標もあり、これらは北摂里山博物館の活動の一つだろう。 ゆずり葉森の広場を進む
ゆずり葉森の広場を進む
ゆずり葉ピーク  少し進んで道が「ゆずり葉の森ピーク」と「白瀬川支流沿い散策路」の分岐になった(8:47)。ここは「ゆずり葉の森ピーク」の方に進む。
 疑似丸太の階段を登っていくと(写真上)、やがて「ゆずり葉ピーク」に到着した(写真左 8:52)。
ゆずり葉ピーク
 ゆずり葉の森ピークからは、東側に宝塚高校の建物が見下ろせる。
 高校のグラウンドの向こうには仁川の競馬場が見えている。西側では逆瀬台アヴェルデと宝塚西高のグランドが見えているが(写真右)、ここは、展望抜群とまでは言えない。
ゆずり葉ピークの展望
ゆずり葉ピークの展望
東観峰への梯子道  「ゆずり葉ピーク」から少し下ると山道が十字路となっている(8:55)。ここは左折して「東観峰・行者山」の方に進む。すぐに西山堰堤の北側を西に進む道になり、次に北に向かって道が分岐する(8:58)。どちらを進んでも「東観峰・行者山」に続くが、当方はショートカット道を進んだ。
 「東観峰・行者山」に続く道は、その先で次第に勾配がきつくなる。息も上がって汗が吹き出してきた。次に梯子とロープが登場して(写真左 9:07)、一層急勾配となる。
東観峰への梯子道
 梯子を登りきると、陽の射す尾根道となって、麓の展望が一気に開ける。宝塚西高の建物や逆瀬台アヴェルデの大きなマンション、そして、宝塚ゴルフ倶楽部、甲山が一望となってきた(写真右)。 甲山方面の展望
甲山方面の展望
行者山東観峰南テラス  さらに、そこからも急な登りが続き、もう一度、急な梯子とロープを登った先で、分岐点になった(9:15)。ここでは、北逆瀬台口から登ってきた道が東側から合流していた。
 急登はここで一段落し、ホッとする。その先、少し下って次にまた登り返すと、行者山東観峰南テラスに到着となる(写真左 9:22)。
行者山東観峰南テラス
 行者山東観峰南テラスは南側に180度の展望で、開放感がある。ここにも「行者山ハイキングコース」の地図があり、それを見ていると北逆瀬台口から登ってきた方に追い越されてしまった。
 行者山東観峰南テラスは行者山東観峰手前の小ピークで、ここからはガレた小石の登りとなる(写真右)。やや歩きにくいが、傾斜は緩いので苦ではない。
東観峰南テラスのガレ場
東観峰南テラスのガレ場
行者山東観峰  東観峰南テラスから3分ほど登ると、そこが行者山東観峰であった(写真左 9:28)。行者山東観峰は標高383mで、標高415mの行者山より低いが、その名の通り展望に優れる。
行者山東観峰
東観峰の展望(北) 東観峰の展望(北東)
東観峰の展望(北) 東観峰の展望(北東)
東観峰の展望(東)  行者山東観峰はパノラマに展望が広がる。
 東観峰の展望:北側は、東六甲の連なりの中に岩倉山の反射板が見えている。
 東観峰の展望:北東側は、宝塚の中心部が一望だ。
 東観峰の展望:東側から南東にかけては、密集する住宅とゴルフ場、仁川の競馬場が遠望できる。
 東観峰の展望:西側は、行者山が間近に見え、その後方は六甲の山並みが重なっている。東観峰で、ぐるぐる周回しながら全方位の展望を楽しんだ。
東観峰の展望(東)
 なお、行者山東観峰には、西宮土木事務所の2級基準点「2−3」が設置されている。
 行者山東観峰で景色を楽しんだ後、行者山に向けて出発した(9:32)。行者山へは、一旦下って登り返しとなる。西側、前方にはこれから目指す行者山が見えている。
 
行者山を望む
行者山を望む
行者山東展望台から望む東観峰  よく歩かれた山道に従って進む。
 行者山に登っていく途中で西宮土木事務所の2級基準点「3−15」を発見。ここからは南に展望がある。
 更にその先で行者山東展望台に到着した(写真左 9:40)。行者山東展望台からは、東側に先ほど越えてきた行者山東観峰が望め、南側には甲山が見えている。
行者山東展望台から望む東観峰
 行者山東展望台は周囲の木々が成長し、以前に比べ展望が利かなくなっているように感じた。
 行者山東展望台から、片側にシダが繁茂した道を登っていくと、突如、道標が登場した(写真右 9:42)。そこが、行者山のピークで、その道標に「行者山 415m」と記されていた。行者山の山頂は、その道標がないと山頂とは気付かず、通り過ぎてしまうようなところだった。
 なお、行者山は周囲を木々に囲まれ、全く展望がない。
行者山山頂
行者山山頂
行者山のササユリ  展望のない行者山はすぐに出発し、北西に向かい下って行く。よく歩かれた山道を一気に下っていると、途中、一輪のささゆりが道脇に花をつけていた。野にあって輝いているササユリの白い花に、気持ちが和む。
 更に下って道標に突き当たる(9:53)。ここは行者山ハイキングコース「ゆずり葉台口」と「光ヶ丘口」登山口方面の分岐となっている。この分岐は、「ゆずり葉台口」方面に進む。
行者山のササユリ
 更に下って、また分岐で道標が登場した(写真右 9:56)。ここは東六甲縦走路に向けて登っていく道が分岐している。
 この分岐も、「ゆずり葉台口」の方に下って行く。
東六甲縦走路への分岐
東六甲縦走路への分岐
 その先で、木の枝に「慈癒の小径」の表示が確認できた。「慈癒の小径」は麓のゆずり葉台とゆずり葉山の祠若しくは岩倉山の磐座を結ぶ、参詣道のようだ。 慈癒の小径の表示
慈癒の小径の表示
慈癒の小径  
 ところで、スマホ版の「山と高原地図」の六甲・摩耶を見ると、この慈癒の小径の西側に「千石ズリ」、「焼石ヶ原」という変わった名の表示がある。今日は、「山と高原地図」の「千石ズリ」、「焼石ヶ原」の表示がある辺りを少し、探索してみたい。
 「千石ズリ」、「焼石ヶ原」の字面からすると、やたら石ころの多いエリアを示していると想像できるが、慈癒の小径の道脇にも小石がごろつくようになってきた(写真左)。
慈癒の小径
 山と高原地図では「千石ズリ」に向かい山道が伸びている。その山道の分岐までやってくると、「火の用心(宝塚市西消防署)」の白い看板が立っていた(写真右 10:06)。地図では、ここから広い山道が譲葉山に向かっているが、実際は木々が茂る中に薄い踏み跡がある程度だ。その踏み跡に突入を試みる。 千石ズリの取付き
千石ズリの取付き
千石ズリへの道は藪の中  地図の表示通り、確かに踏み跡はあり、白い残置テープの表示もあって(写真左)、従前は山道があったものと思われた。しかし、現在は周囲が薮の様相で、ほんの数分進んだ時点で酷い薮に阻まれ、進行を断念した。古くは堰堤工事か何かで、道があったものが、今は自然に戻ったものと思われた。
 逆瀬川水系は武庫川の氾濫を抑えるため砂防工事が盛んだったと聞くので、その工事がこの「千石ズリ」でもなされたのであろう。大雨が降ると、山から千石もの土砂が流れ出たことから、この辺りが「千石ずり」と呼ばれるようになったらしい。
千石ズリへの道は藪の中
 帰宅後、古い「山と高原地図(1999年版)」で千石ずりを確認すると、そこには史跡・名勝・天然記念物の地図記号が付され「千石擢」の表示がされていた。この辺りは砂防先進地であり、千石擢はその関連の史跡という位置づけだったのかもしれない?。そうであれば、ぜひ千石擢を確認しておきたいので、冬枯れの季節に再訪を期したい。
 なお、ミウラ折り六甲・摩耶(2000年)地図でも、千石擢の表記がされていた。
ゆずり葉台に向かう
ゆずり葉台に向かう
ゆずり葉台の住宅地  千石ズリの探索を強制終了し、ゆずり葉台の住宅地の方に下って行く。周囲に石ころの目立つ山道を下って行くと、洒落た民家の脇からゆずり葉台の住宅地に飛び出した(10:13)。ここからゆずり葉台の邸宅を眺めながら宝塚エデンの園に向かう。
ゆずり葉台の住宅地
 宝塚エデンの園には10時20分に到着した。まだ十時過ぎだが、今日の山歩きはここで終えることにして、「エデンの園」バス停で阪急逆瀬川行のバスを待つことにした。
 今日は、千石ズリ、焼石ヶ原(別冊山と渓谷「ヤマケイ関西」Vol.1.2001付録地図では、「焼石河原」)という変わった名称に興味をひかれたので、冬季に再訪したいと思いながら、一時間に二本のバスを待ったのであった。
宝塚エデンの園
宝塚エデンの園
●千石ズリ
 昔の六甲山は全山荒廃地で、今のゆずり葉台から奥は『千石ズリ』と呼ばれ、『ひと雨降れば千石もの土砂がズリ落ちて来る』というのが謂れだそうです。先人たちは長い年月を掛けて、上流部の崩れ易い山肌に一本々々木を植え付けて、その成長を見守り、川筋には何十箇所もの堰堤を設けて流速を緩めた結果、『逆瀬川砂漠』とも称された下流域を素晴らしい住宅地に変えて行き、これによって「逆瀬川は我が国砂防事業発祥の地である」という名誉を得ている。《「ゆずり葉だより」新春・第42号(平成18年1月1日発行)より》 
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