釣鐘山・石切山 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-32】

JR川西池田駅(10:15)==感謝坂(10:45)==釣鐘山(11:06)==石切山(11:26)==展望のポイント(11:36)
==満願寺(12:00)==満願寺山門(12:12)==平井四等三角点(12:34)==最明寺滝(13:04)==阪急山本駅(13:30)
 (約3時間 平成31年1月13日)  
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 北摂里山トレイルに最明寺滝と満願寺を巡るコースがあり、歴史を感じるルートとして人気である。今日(平成31年1月13日)はこれに釣鐘山と石切山の二つの里山を加えて宝塚、川西市の低山を巡ってみた。長い石階段の続く釣鐘山を越えた先の石切山は展望抜群で、景色と歴史が満喫できる満足の山歩きとなった。
 
川西池田駅前からの展望  本日の山歩きは、JR川西池田駅からスタートする。
 寒さが厳しいが今日は青空がまぶしい。
 改札を出たところのコンビニで飲料等を調達し、駅前を出発する(10:15)。まずは、釣鐘山を目指すが、駅前から北西に見えている山影が釣鐘山であろうか(写真左)。山頂近くまで住宅地が続いている様子が窺える。
川西池田駅前からの展望
花屋敷荘園の急階段  駅前から栄南団地横の車道を北に進み、阪急の高架線路をくぐる。
 新花屋敷団地を過ぎて花屋敷荘園の急階段を登っていく。物凄い急階段で、早々から息が上がる。
 その先、坂の多い花屋敷の住宅街で行き止まりの袋小路に難儀をし、散々道迷いを繰り返しながらも、釣鐘山の見え隠れする方向に進路をとる。
花屋敷荘園の急階段
 駅前から住宅地をさまようこと約30分で、やっと釣鐘山登り口の石階段前に到着した(10:45)。
 釣鐘山山頂に至る道には感謝坂、懺悔坂、精進坂の三道があるらしいが、この石階段は感謝坂で、ここが感謝坂の入り口になる。感謝坂はここから長い階段が登っている。
 石階段を登り始めるとすぐに「釣鐘山慈光林」の大きな石柱が登場する。この山は仏教の霊地とされ、その浄域の林ということだろう。
階段途中の観音像
階段途中の観音像
行者供養塔  太陽をちょうど背に受けながら、急な石段を登っていくと、多くの石仏や供養塔が目に入る。それぞれが、よく手入れされ、花が手向けられている。
 約10分で階段を登りきると、そこも多くの石仏が祀られており、寺院建物も立っていた(10:56)。ここで左折して、よく清掃された階段を登っていくと、行者供養塔に突き当たった(写真左 11:02)。
行者供養塔
 行者供養塔を過ぎると、その先は通常の山道になる。
 落葉の積もった山道を少し進むと、そこが釣鐘山の山頂であった(写真右 11:06)。釣鐘山の山頂は広場状の場所で、宝塚市の基準点の設置があり、サンテレビの中継放送所の構築物が建っている。
釣鐘山
釣鐘山
釣鐘山からの展望(北側) 釣鐘山からの展望(南側)
釣鐘山からの展望(北側) 釣鐘山からの展望(南側)
   釣鐘山は、標高205mで、山頂からは少しだけ展望がある。山の南側を見やると、山頂付近まで住宅が押寄せているのが目を引く。 テレビの中継アンテナ
テレビの中継アンテナ
石切山への登り  釣鐘山で少し休憩を入れた後、次の石切山を目指して出発した。落葉の降り積もった山道を少し下り、次に登り返しの道になる。
 すぐ、右手側に道が分岐する(11:13)。この分岐を右に下れば「北雲雀きずきの森」の表示がある。
 北雲雀きずきの森は、石切山、釣鐘山北側の裾野にある都市緑地で、2010年にオープンした。森林浴が楽しめる森ということで、また、機会があれば訪ねてみたい。
石切山への登り
 石切山への登りは、思っていたより急な登りで、大きな岩が露出した野趣あふれる道である(写真上)。
 登り道の右手側では、葉を落とした木々の間から能勢の山並みも望め、楽しく歩ける(写真右)。
能勢の山並を望む
能勢の山並を望む
石切山の展望ベンチ  岩が露出した坂道と格闘し、やがてベンチが二つ並ぶ展望場所に登りついた(写真左 11:23)。ここが石切山の展望場所であった。
 石切山は、標高284mで南東側に景色が開けている。大阪市街の方まで望めるようだが、ちょうど逆光で見通しが悪いのが残念だった。新猪名川大橋ビッグハープや蛇行して流れる猪名川が遠望でき、陽光の方角が良ければ絶景となるだろう。景色を眺めていると、その中を伊丹空港に離着陸する飛行機が横切っていった。
石切山の展望ベンチ
石切山展望ベンチからの景色 石切山の表示札
石切山展望ベンチからの景色 石切山の表示札
三等三角点 長尾山(石切山)  石切山の山頂はベンチの展望場所から少し登ったところで、そこには三角点が設置してある(11:26)。山道の真ん中に三角点があり、それが無ければ、ここが石切山のピークとは分からないだろう。石切山の三角点ピークは展望がないが、私製の山名表示が一枚掲げられていた(写真上)。
 三等三角点 長尾山:宝塚市切畑字長尾山1番1
 明治36年6月22日設置
三等三角点 長尾山(石切山)
 石切山の三角点から少し進んだ所にも展望場所があったが、そこはワンちゃんと子供連れのご家族ハイカーが展望を楽しんでおられた。挨拶して先に進む。 三角点は山道に設置
三角点は山道に設置
 石切山の山頂を後に、満願寺方向へと尾根道を下る。尾根道はよく整備されていて歩きやすい。山道の手入れを定期的にされておられる方がいるのだろう。
 尾根道を少し進んだ所で、右側に下る道が分岐していた(11:31)。方向からすれと、分岐道は北雲雀きずきの森に下って行くものと思われる。
満願寺方向への尾根道
満願寺方向への尾根道
石切山展望のポイント  北雲雀きずきの森に下る分岐から5分程進んだ所で、北側に展望が開けたポイントがあった(写真左 11:36)。ここで露岩に乗って景色を楽しむ。山名の同定はできないが、能勢の山々が遠望でき、休憩にもってこいだ。川西・猪名川の住宅地と三草山辺りが見えているのだろう(写真下)。
展望のポイント
川西・猪名川の住宅地 能勢の山々を遠望
川西・猪名川の住宅地 能勢の山々を遠望
 展望のポイントから少し下ると、満願寺へ下る分岐が左折している(写真右 11:40)。ここで左折してみたが、介護施設に入って舗装路に出そうな感じであったので、また、元の山道に戻り、それを西北に進む。
 この辺りの山道もよく歩かれた感じで、快適に下って行く。やがて、お墓の脇でゴルフ場横の舗装路に飛び出した(11:54)。ここから舗装路を南に進み満願寺へと向かう。
分岐
分岐
 舗装路を5分弱で「満願寺参道」と書かれた満願寺への分岐道が登場した(写真右 12:00)。ここから、満願寺の境内に向かう。
 すぐに、満願寺境内に入り、そこはちょうど金堂の横であった。さっそく、満願寺金堂に手を合わせお参りする。
 満願寺は、「信者すべての願いは必ず聞き届けるという満願の仏の功徳をもって大衆を救おう」と発願された寺とされる。よって、願いはどんなことも叶う・・はずだ。
満願寺への分岐
満願寺への分岐
満願寺金堂  また、満願寺は高野山真言宗の寺院であり、古く平安時代には多田院を創建した源満仲が帰依したとされ、源氏ゆかりの寺院でもある。
 さらに、満願寺は紅葉のスポットでもあり、秋には多くの参拝客でにぎわうらしいが、真冬の今日は参拝人もまばらだった。
満願寺金堂
満願寺観音堂 長い石畳の参道
満願寺観音堂 長い石畳の参道
 満願寺金堂に続き、毘沙門堂、観音堂とお参りし、次に、長い石畳の参道を山門に向かって歩く。途中、「手打ち満願寺蕎麦」の幟が気になったが、そこは通過して山門をくぐる(12:12)。
 山門の金剛力士像は迫力ある姿である。これは、元多田院南大門にあったものを明治初年の神仏分離令によりここに移転されたものと聞く。
 なお、満願寺の所在地は川西市であるが周囲は宝塚市であり、ここは川西市の飛地になっていた。
満願寺山門
満願寺山門
 さて、満願寺を後にして、次に、この近くの小ピークに設置されている三角点(四等三角点:平 井)を訪ねてみたい。その後は、最明寺滝まで足を延ばすことにする。
 平井四等三角点は満願寺の西の高圧線の鉄塔の立つピークにある。満願寺からふじガ丘の住宅地に入って舗装路を進む。緩やかに舗装路を登っていくと前方に鉄塔の立つピークが見えてきた(写真右)。
ふじガ丘の住宅地
ふじガ丘の住宅地
ふじガ丘から山道へ  住宅地の西の端(ふじガ丘6-17)まで進むと、コンクリートの擁壁のところから山道が始まっていた(写真左 12:25)。
 山道に入るとすぐに鞍部となり、関電の「火の用心」が三つ設置されているのが目についた(写真下)。この鞍部で、中山連山縦走路と合流となり、その縦走路を下って行くと最明寺滝へと続くが、まずは平井四等三角点を目指し、その後、最明寺滝へ向かいたい。
ふじガ丘から山道へ
 鞍部からNo19の「火の用心」が示す方向に踏み跡を登り始めた。つづらに登る踏み跡に従うと、ほんの数分で鉄塔の立つ場所まで登りついた(写真下)。 火の用心の鞍部
火の用心の鞍部
鉄塔のピーク  鉄塔の下は草が刈り取られ、よく整備されている。その鉄塔の奥の草地に四等三角点(点名:平井 標高 231.84m )が設置されていた(写真下 12:34)。
 四等三角点は草の中で、今は冬枯れで三角点の確認は容易だったが、草の繁茂する時期は発見が難しいかもしれない。
 平井四等三角点 標高231.76m 所在地:宝塚市切畑字長尾山6番5
 昭和42年8月19日設置
鉄塔のピーク
平井四等三角点 三角点は草の中
平井四等三角点 三角点は草の中
 平井四等三角点から更に先に踏み跡が伸びている。何だろうと思い進んでいくと、そこは展望の岩場であった。ここは展望が優れている。日当たりもいいし、この岩場で昼食休憩とした。 展望の岩場
展望の岩場
展望の岩場から西を望む  平井四等三角点の展望の岩場から、西を見やると山並みに包まれた宝塚の住宅地が望め、他方、東側では木立の間から満願寺の甍が窺えた。
 すばらしい展望で名残は惜しいが、昼食も終えたので、ここを出発することとした。次は、この展望の岩場の南側にある最明寺滝に向かいたい。
展望の岩場から西を望む
最明寺辰巳橋  平井四等三角点を下り始め(12:45)、約2分で「火の用心」の鞍部に下ってきた(2:47)。ここで中山連山縦走路に合流し、次に最明寺滝へと下って行く。
 「不動明王参道」の石柱や堰堤(切畑川堰堤)越えのための階段などを通過して、最明寺辰巳橋の手前まで下ってきた(写真左 13:01)。
最明寺辰巳橋
 最明寺滝はこの辰巳橋を渡らず、左折となる。
 「下馬」と書かれた石柱に従い流れを遡行していく。
 よく整備、清掃された渓流沿いの道を3分程進むと、前方に注連縄の巻かれた大きな岩が見えてきた(写真右)。その先が、最明寺滝であった(13:04)。
 最明寺滝は以前、一度、訪ねたことがあり、周囲の巨大な岩壁に圧倒された記憶があるが、その記憶通りの姿で、最明寺滝と再会することができた。
最明寺滝に到着
最明寺滝に到着
最明寺滝 最明寺滝には来訪者はおらず、静寂の中に瀧音だけが、響いていた。
 滝の落差は10メートルほどあるらしいが、間近で流れ落ちる滝は迫力万点である(写真左)。この最明寺滝は、古く鎌倉時代に、北条時頼が出家して最明寺入道を名乗って、この地で修行をしたことがその名の由来とされる。
 この修行の地では、それぞれの石仏にロウソクの灯りがともされ、神秘さに満ちていた。
最明寺滝
 最明寺滝奥の切り立った岩の割れ目にある祠に手を合わせ、最明寺滝を後にすることとした(13:11)。
 渓流沿いを辰巳橋の方に戻っていく。ここで、最明寺滝に向かう団体さんとすれ違う。十数名のグループのようで、にぎやかに最明寺滝を目指して行かれた。
 辰巳橋を渡って「大聖不動尊」と書かれた石積みで唐様の門をくぐる(13:14)。宝教寺、普徳寺の脇を過ぎ、住宅地に出てきた(13:20)。その先、宝塚市平井の閑静な住宅街の中を、阪急山本駅に向かい下って行く。
最明寺滝の絶壁
最明寺滝の絶壁
山本駅前貝尻池広場  住宅街の中を10分弱で、阪急山本駅前に到着した(13:30)。この駅前には広い運動場のような広場がある。一角に立てられた看板で、ここがその昔貝尻池という溜池であったことが説明されていた。宅地化が進み、灌漑用の貝尻池は役目を終え、埋め立てられたようだ。
 山本駅で阪急電車に乗り込み今日の山歩きを終えた。今日は、釣鐘山と石切山の二つの里山で気分をリフレッシュし、最明寺滝と満願寺を巡って心を清めた満足の山歩きであった。
山本駅前貝尻池広場
● 釣鐘山と石切山の二つの里山は低山で、歩きやすいルートですが、釣鐘山から石切山への登りが露岩の急登であり、ここは慎重に注意して登りたい。
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