金剛山・ツツジオ谷 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-27】

南海河内長野駅(8:45)==金剛登山口バス停(9:10)==黒栂林道口(9:29)==腰折滝(9:40)==ツツジオ谷==国見城跡(10:55)
==一等三角点(11:37)==RW金剛山駅(12:02)==岩屋文殊(12:25)==千早本道==千早城跡(13:23)==金剛登山口バス停(13:43)
(約4時間30分 平成30年4月30日)  
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 金剛山ツツジオ谷ルートは、金剛登山口バス停を出発し、タカハタ谷を登って腰折滝からツツジオ谷に入る。谷に沿って幅が狭い山道が続き、急な岩場やロープ場が連続する。切れ落ちた谷の脇を遡行するスリルあるコースで、登りきると達成感がある。今日(平成30年4月30日)はその金剛山ツツジオ谷ルートから金剛山国見城跡、葛木岳、湧出岳を目指したい。
金剛登山口バス停  今年もGWがやってきた。普段、六甲を中心に山歩きを楽しんでいるが、連休に浮かれて、今日は少しだけ足を延ばして金剛山に登ってみることにした。山と渓谷社の分県登山ガイド「大阪府の山」を参考に、金剛山カトラ谷からお花畑を目指し、ニリンソウを見てみたい。
 電車を乗り継ぎ、南海高野線の河内長野駅で下車する。改札前のコンビニで食料を調達してバス停に急ぐ。バスは11系統金剛山ロープウェイ前行で3番乗り場から出発するが、多くの客が列をなしている。8時45分発のバスが時間通りにやって来たが、列の最後尾の当方は座席はあたらず、通路に立つ羽目に・・・。
金剛登山口バス停
高城茶屋で左折  ぎゅうぎゅうのバスに25分間も揺られ、金剛登山口バス停に到着した(9:10)。 ここで、多くの乗客が下車する。バス停で軽く準備運動をして山歩きをスタートする。
 バス道を少し戻り、山の豆腐、金剛山登山コースの看板の所で右に折れ、川に沿って舗装路を登る。
 突き当りの高城茶屋(525m)で左折する。(右折すると千早本道)
高城茶屋で左折
 更に続く舗装路を登っていく。道端に咲くシャガの花を見ながら進むと杉林の中に入る。その先で閉鎖された橋に突き当たった(写真右 9:29)。黒栂谷は土砂が流出して危険な状況で通行止めと表示してある。 カトラ谷へはこの橋を渡り、黒栂谷道を進む予定であったが、ここでいきなり目論見がくるってしまう。あわてて、スマホの「山と高原地図(金剛山・大和葛城山)」で情報収集すると、黒栂谷道は2017年11月現在通行止めとされている。事前調査を怠っていたが仕方がない。急遽、コースを変更し、ここからタカハタ道に入ることにする。 黒栂林道は閉鎖
黒栂林道は閉鎖
この分岐は右へ ペンでツツジオの表示
この分岐は右へ ペンでツツジオの表示
 閉鎖された橋の手前を右折して林道に入る。すぐに林道から山道が分岐するのでここを右に入る(写真上9:31)。この分岐点のガードレールには「金剛山(ツツジオ・タカハタ)」の案内表示がある(写真右上)。
 ガードレールの案内に従い分岐を入ると、すぐに岩壁沿いの超細道となる。ロープが張ってあるので、それを握って進む。
 次に沢沿いの杉林の中の道になる。数回、徒渉しながら沢沿いの道を登っていく(写真右)。
ツツジオ谷に向かう
ツツジオ谷に向かう
腰折滝  斜瀑のような流れを渡る個所もあり、注意して進む。途中、「この先は、台風被害で危険な状態であり、通行を遠慮するように」案内した掲示(千早赤阪村協議会)があったので、ツツジオ道・タカハタ道も荒れた個所があるのかもしれない。
 その先で、右手側に大きな滝が見えてきた(9:40)。この滝が腰折滝と思われる。山道は、その腰折滝の左側の岩場を急登している。
腰折滝
 腰折滝の登りで、先行する7名のハイカーで渋滞が発生していた。滝の脇の急な岩場の登りで、ロープがあるも危険な感じであり、みな慎重に登っている。
 順番が来るまで、ゆっくり待機することとした。 この岩場の登りは急で、かつ、狭い道となっており、くれぐれも注意したい。
 ロープ場を超えると、木の足場が現れる。すべらないように慎重に木の橋を渡る。その先は、右手側が切れ落ちた絶壁の様相である。ここも慎重を期して通過する。
丸太の橋を渡る
丸太の橋を渡る
交差する倒木を潜って進む  この丸太橋のところが、ツツジオ谷とタカハタ谷の分岐と思われる。橋を渡って右に進んでツツジオ谷に入っていく。
 さらに、沢沿いの杉林を徒渉を繰り返しながら登っていく。沢の川床が一枚の大岩で、斜めの滝のように流れ落ちる箇所では、水音が爽やかだ。また、時に、片側の斜面が切れ落ちた絶壁のような個所を通過するので、注意を怠らないようにしたい。
 更に進むと、台風被害だろうか、倒木が交差している個所を通過する(9:47 写真左)
交差する倒木を潜って進む
 交差する倒木から10分ほど進むと、道脇に水場が登場した(9:59)。パイプから清水が流れ落ち、コップが一つ置いてある。手を浸してみると冷たい水だった。
 その水場の先で、右手側に大きな滝が見えてきた(10:01 写真右)。落差のある滝で、迫力ある。
 先行者がその滝の脇の道を登っているのが遠目で見えている。急勾配な高度感のある登りのように見える。
ツツジオ谷一つ目の滝
ツツジオ谷一つ目の滝
ツツジオ谷二つ目の滝  その滝の登りに近付くと、予想どうりの急な登りで、注意をもって登る。
 その滝を越えると、ツツジオ谷はV字谷の様相で、両側の急斜面に杉の細い木が林立している。
 その谷底を進んでいくと、またまた、前方に滝が見えてきた(10:06 写真左)。
ツツジオ谷二つ目の滝
 この滝も左側から巻いて登るが、岩場の急な登りで、ロープはあるがここも慎重を期したい。ほとんど垂直に近いのではないかと感じるような、斜面を登り切って滝口に立つと、その上流も斜めに急流が滑り落ちていた。この一帯の流れは、なかなか見ごたえのある景色だ。
 その先の山道は、杉林の中を小刻みに切り返しながらどんどん高度を上げていく。大小の岩の露出した箇所もあり、単調な登りでないのがうれしい。
 木の根やロープに助けられながら、体を引き上げていくが、その脇では水流が斜瀑になって流れ落ちている(10:19)。迫力ある景観だ。
急登が続くツツジオ谷
急登が続くツツジオ谷
タカハタ尾根への分岐  その先も、流れをクロスしながらツツジオ谷を進んでいくと、分岐点が登場する(写真左 10:29)。ここで、ツツジオ谷の流れに沿った道と、流れから左に離れ、タカハタ尾根に登る道が分岐している。ここから先のツツジオ谷道は荒れているようなので、左折してタカハタ尾根に向かう登り道に入る。
 10分程、単調な登りと格闘し、タカハタ尾根に登りついた。
タカハタ尾根への分岐
 タカハタ尾根にはしっかりとした道がついている。この道は歩く人が多いのだろう。その尾根道を金剛山頂に向かい進んでいく。
 木の根がむき出しになった坂道を登り(写真右)、ブナの大木を確認しながら(写真下)、金剛山国見城跡に向かう。
 お地蔵さんが6体並んで「ようお参り、お疲れ様です。」と迎えてくれると、国見城跡まではあと少しである(写真右下)。
木の根と笹の坂を登る
木の根と笹の坂を登る
金剛山ブナ林を進む 六地蔵
金剛山ブナ林を進む 六地蔵
カトラ谷通行止め  お地蔵さんを過ぎると、左手側にカトラ谷への分岐道が登場する(10:54)。幅の広いしっかりとした道が延びているが、ロープが張られ通行止めとしてある(写真左)。
 カトラ谷でニリンソウを楽しむ予定だったが「土砂崩れのため、通行できません。」と表記されているので、ここは指示に従う。
 カトラ谷分岐のすぐ先が金剛山国見城跡だった(10:55)。
カトラ谷通行止め
国見城跡直下の芝生  国見城跡直下の桜の咲く芝生広場では多くのグループが桜の下でにぎやかに談笑していた。
 ベンチに腰掛けて、桜を眺める方や、桜を写真に収める方やらで、芝生広場は大賑わいだ。
 国見城跡に進むと、そこは更に多くの人であふれている。
国見城跡直下の芝生    
 国見城跡は摂津、河内、和泉を始め八カ国を見渡せるというところから国見と名がついたらしいが、その通り展望が開けている。大阪方面が一望できる。
 金剛山頂の表示脇の時計は11時5分を指しているので、バス停からここまで2時間弱を要したことになる。
桜に集う行楽者
桜に集う行楽者
金剛山 国見城跡からの展望
金剛山 国見城跡からの展望
 国見城跡では、金剛桜がきれいに花をつけていた。金剛桜の花はうすみどり色で、例年では5月上旬に満開となるらしいが、今年は少し早く満開を迎えている。 金剛桜
金剛桜
うすみどりの金剛桜  国見城跡で小休止を入れたのち、転法輪寺に向かう。
 転法輪寺は、修験道の開祖とされる役小角が金剛山に登って、法起大菩薩を祀る金剛山寺を建立して神仏習合の霊山としたのが開創とされる。明治の廃仏毀釈によって廃寺となったが、戦後に再興された。
 寺にお参りし、登山バッチを買い求め、御朱印をいただいた。御朱印の御本尊、法起大菩薩が修験の道を教えてくれているようだった。
うすみどりの金剛桜
 転法輪寺のHPでは、修験道について要旨次の説明がある。
 「修験道には、尊い教えがたくさんありますが、難しいことばかりでもありません。私達は山を歩きながら、自然と自分がひとつであることに気付いたり、生かし生かされている事に感動し、新しい自分に出会えることが出来るのが、修験の道のひとつだと思います。」
 金剛山に登り、自然によって生かされている自分に気が付いたような気がした。
転法輪寺
転法輪寺
転法輪寺のしだれ桜  転法輪寺の宿坊跡の広場には「しだれ桜」があり、この大木は昭和15年に「大和の巨樹銘木調査表」にも選ばれた樹齢200年のさくらで、ちょうど満開となっていた。
転法輪寺のしだれ桜
 転法輪寺から葛木神社を経て、金剛山ロープウェイ金剛山駅の方に向かってみたい。
 葛木神社へは趣のある道を多くの方とすれ違いながら進む(写真右)。
 その道脇に大きな杉の木が立っている。これが夫婦杉で、注連縄が巻かれている。
葛木神社への道
葛木神社への道
夫婦杉 葛木神社
夫婦杉 葛木神社
 すぐに葛木神社に到着する。葛木神社本殿奥が葛木岳で金剛山の最高峰(1125m)だが、神域であり立ち入りはできない。
 神社にお参りし、葛木神社の脇の新緑まぶしいブナを楽しみながら、一の鳥居方面に向かう。
一の鳥居
一の鳥居
水越峠方面分岐  坂道を下ったところで一の鳥居をくぐる。その一の鳥居の先で道が分岐する(11:30)。ここは、水越峠方面分岐であり、左折して水越峠方面はダイヤモンドトレイルとなる。金剛山ロープウェイ金剛山駅へはこの分岐を右に進む。
水越峠方面分岐
湧出岳山頂  その先で、また道が分岐する(11:31)。小さな道標があり左は「第21経塚 一等三角点」、右は「ロープウェイ 紀見峠」と案内されている。一等三角点探査のため、ここは左に進む。
 急な坂道を登ったところでパラボナアンテナ施設につきあたり、その左側に「役行者第21経塚」が立っている(11:35)。一等三角点は、突き当りを右に進む。
湧出岳山頂
 すぐにに一等三角点に突き当たった(11:37)。ここは湧出岳山頂1112.2mであるが、人の気配はない。にぎやかだった国見城跡とは対照的だ。
 一等三角点からは展望はきかないが、「湧出岳1111.9m」、「一等三角点金剛山」などの札がの周囲に掲げられていた。
一等三角点金剛山
一等三角点金剛山
ロープウェイ金剛山駅  一等三角点からダイヤモンドトレイルでもある金剛山ロープウェイに向かう道に戻り、ロープウェイ金剛山駅を目指して進む。この道は、登山者や、観光客が行き交い、にぎやかな感じだ。老若男女様々な人たちが、山の自然を楽しんでいる。中国語での会話も聞こえてくるので、外国からのお客さんも多そうだ。
 やがて、ロープウェイ金剛山駅に到着した(12:02)。
ロープウェイ金剛山駅
 ロープウェイ金剛山駅では屋上のテラスで、のんびりくつろぐグループが3組いた。展望は霞がかかってもう一つのようだった。
 ロープウェイ金剛山駅からは遊歩道で国見城跡に戻りたい。トイレの横から遊歩道に入る。この道はダイトレの南側に位置する山道で、歩く人の数は少ない。緩やかに坂道を登っていくと、細尾谷道分岐を経て、文殊尾根分岐となった。文殊尾根分岐のすぐ先に岩屋文殊がある(12:25)。岩屋文殊は役の行者や大楠公さんに信仰され、智略を授かったと伝えられる。
岩屋文殊
岩屋文殊
千早本道を下る  岩屋文殊から国見城跡に再び戻ってきた(12:31)。国見城跡からの展望と金剛桜をもう一度確認して、下山を始めることとした。下山路は数ある金剛山登山路の中でも入門コースとされる千早本道を下ることとした(12:38)。
千早本道を下る
 千早本道は階段道で始まった。もう正午を回っているが、まだ下からどんどん登山者が千早本道の階段道を登ってきている。このことからも分かるように、金剛山登山道で一番利用者の多いのがこの千早本道コースである。危険なところはほとんどないが、ひたすら整備された階段が続くので、脚部の疲労度を見極めながら、適した速度で歩きたい。
 整備をされている方々の苦労も多かろうと、その努力に敬意を払いながら、のろし台跡(13:04)、4合目(13:09)と過ぎ、千早城跡分岐まで下ってきた(13:19)。
千早本道は階段の連続
千早本道は階段の連続
千早城跡分岐  千早城跡分岐には「左 楠公城跡」の石碑と、標高634米の表示がある。この分岐を左に登り、千早城跡に向かうこととする。
 5分弱登って、東屋のある平地に到着した(13:23)。ここは、城址一帯で一番高いところで、「主郭(本丸)」と考えられている場所だ。ところで、千早城といえば籠城戦で有名だが、金剛山麓の急峻な山城での籠城はきびしかったであろうと、ここに立ちしみじみ感じた次第である。
千早城跡分岐
 主郭の下に千早神社(千早城の二の丸跡)が鎮座し(13:27)、さらにその下の広場が四の丸跡で、左右には往時はにぎわっていたのであろう売店の古い建物があった(13:30)。
 厳しい階段道を登った先の寂しい城址であったが、当方以外に3組の観光者が千早神社を訪れていた。楠公さんの人気の表れだろう。
千早神社
千早神社
千早城跡  
 千早城跡から、さらに急な石の階段をひたすら下り、麓まで降り着いた(13:43)。そこには鎧武者の人形と共に「日本百名城(千早城)千早城跡 千早神社まで約25分」の看板が立てられていた。
 石階段を下りついたところは、ちょうど金剛登山口バス停の上手で、河内長野駅行きのバスがやってきていた。あわてて、小走りでバス停に向かい、列の最後尾から乗車した。バスは、朝のときより更に混んでいて、ぎゅうぎゅうの押し競饅頭であった。金剛登山は楽しいが、このバスの立ち席はきつい。早めに並んで、座ることを勧めたい。
千早城跡
● カトラ谷方面は以前のルートが崩壊し無くなっています。通行は困難です。また、黒栂谷方面は間伐作業のため通行ご遠慮ください。(「金剛山登山道情報HP」より。http://www.kongozan.com/)平成30年5月4日現在
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