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能勢電鉄妙見口駅 |
吉川八幡神社分岐 |
能勢電鉄妙見線の最終駅、妙見口駅で下車。改札を出て、駅前の広場の自販機で飲料を調達する。その後、広場から車道を左に進んで行く(9:22)。この道は「能勢の妙見さん」への参詣道で花折街道と呼ばれ、江戸時代中ごろ以降には、旅館、茶屋や土産物屋が並び、たいそう賑やかだったらしい。少し進んで、吉川八幡神社参道分岐(9:34)。ここには、道標やら花折街道の石碑などが立っている。
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前方に振野山 |
ケーブル黒川駅跡 |
やがて国道477号線に突き当たり、ここで横断歩道を渡る(9:37)。渡って直進すれば上杉尾根に続くが、ここで左折して国道に沿って北に進む。すぐに、県境を越えて兵庫県に入る(9:38)。ここは大阪府豊能町と兵庫県川西市の境になっている。やがて、前方に山並みが見えてくる。これから目指す振野山が見えているものと思われる。その先で、右手側に「妙見の森ケーブル」の黒川駅がある(9:42)。大堂越コースは、この黒川駅の左側が取り付きとなる。
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ケーブルの車両 |
桃色の花がお出迎え |
ケーブル黒川駅の駅舎には「妙見の森関連事業は全ての営業を終了しました。」の案内表示が掲げてある。ケーブルとリフトは2023年12月3日をもって営業終了となり、もう動くことのなくなったケーブル車両が駅舎の中に止め置かれていた。何度か利用したであろうその車両を右手側に見ながら、大堂越コースに入っていった。コースの入り口では、鮮やかな桃色の桜が出迎えてくれている。今日は、桜の花が楽しめそうだ。
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大堂越コースに入ると、すぐに左手側に流れが見えてきて、これを渡渉する。流れの右岸を登っていくと前方にシニア6名のハイカーが先行していた。能勢の妙見さんにお参りなのだろう。右岸道は、右手側の流れがどんどん下に離れていくので結構急勾配だ。流れには、古い砂防堰堤が複数個並んでいた。 |
大堂越コース |
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台場クヌギ |
岩がごろつく道 |
次にまた流れを渡って左岸道を登ることになる(9:56)。ここで下ってくる2名のハイカーとすれ違う。その先で、「川西市指定天然記念物 黒川字奥瀧谷 台場クヌギ」の看板が登場した。見ると山の斜面に不思議な形状のクヌギが林立している。台場クヌギとは炭を作るために周期的に伐採されたクヌギの木で、土台となった主幹がずんぐりと太って独特の形をしている。次に、ゴツゴツとした岩がごろつく道になって流れの中を進む。
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次に杉林の左岸道を進んだ先で右岸に渡り(10:03)、その先で雑木の中の明るい道になった。さわやかで心地よい水音を聞きながら更に登っていくと、にぎやかに道標や看板が立つ峠の分岐点に至った(10:14)。この峠は大堂越(おおどうごえ)で、妙見山方面と能勢町野間方面の分岐になる。ここには、川西市消防本部の緊急通報板ポイント「大堂越5」がある。 |
大堂越 |
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振野山への急登 |
振野山に到着 |
大堂越の峠からは西に向かい、今日の一つ目のピーク「振野山」を目指すことにする。大堂越から振野山へはしっかりと踏み跡が続いている。それを進むとすぐにモーレツな急登道になる。ほぼ直登の道なので脚部に厳しい。ゆっくりと登ることにする。しばらく急登道と格闘し、杉林から雑木の林に変わったあたりで上空に青空が見えてきた。この辺りから傾斜が緩んでほっとする。やがて、広場のようになった振野山の山頂にたどり着いた(10:33)。
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振野山 |
三等三角点:野間 |
振野山の山頂は平らに広がった雑木に囲まれた開放的な場所だ。落葉樹が葉を落としていることにより明るい感じの山頂だが、周囲に展望はない。周囲にちらほら散在する山桜の花が、”ほっと”気持ちを和ませてくれる。この山頂には、ポツンと三等三角点:野間が設置されていた。三角点を確認した後、振野山の山頂を後にした。
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ジグザグ道の登り |
林道に合流 |
振野山の山頂から急傾斜の道を慎重に下り、大堂越の峠まで戻ってきた(10:48)。ここから次に妙見山を目指す。大堂越から妙見山への山道はよく歩かれたルートだが、雨水で道が深くえぐられている。急傾斜の道なので水の浸食が激しいのだろう。そんな山道をジグザグに登って標高を上げていく。周囲に散りゆく山桜と咲き始めたミツバツツジが対比になって、急登道でも楽しく登れる。やがて、ジグザグの急登道から林道に合流する地点となった(11:05)。ここまでくると能勢妙見山まではあと少しだ。
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桜が満開 |
能勢妙見山 |
左手側に「パノラマ動物霊園」見ながら広い林道を緩やかの登っていくと、前方にリフトの妙見山駅の駅舎が見えてきた(11:14)。駅舎の周囲に桜が咲き誇るが、ここも営業終了で閉鎖され、立入禁止の表示がある。リフトの妙見山駅から鳥居の方に進んで行く。道の周囲は満開の桜花なのに、人の姿はなく寂しい感じ。ケーブル、リフトの廃止で参詣者の数は減少しているのだろう。やがて新滝道分岐を過ぎて、鳥居までやってきた(11:22)。
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妙見山頂 |
四等三角点:妙見山 |
鳥居の周囲にも桜が満開となっている。ここまでくると、駐車場の方からやってくる参詣者が多くなる。桜の花にカメラを向けている者も多い。両側の神馬の像を見ながら坂道を登っていく。道の途中、右手側に三角点の案内表示があるので、それに従う。少し、坂道を登っていくと、そこが妙見山の山頂で、彰忠碑(日清戦争、日露戦争の戦没者慰霊塔)が祀られていた。ここが今日二つ目のピークになる。山頂の彰忠碑の裏側には四等三角点(点名:妙見山)が設置されていた(11:28)。
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桜花の周囲と異なり、妙見山の山頂は静かなところで人の姿はない。そこで三角点の写真を撮っていると、6名ほどのハイカーが登ってきた。妙見さんへの参詣者の中でここに登ってくるのはハイカーだけということだろう。 三角点から信徒会館「星嶺」の方に向かって下っていく。「星嶺」の周囲でも咲き誇る桜花がきれいだ。 |
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「星嶺」と桜 |
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「星嶺」の舞台 |
「星嶺」からの展望 |
「星嶺」には清水寺のそれに似た大舞台があり、大阪平野を一望できる。眼下の山並みの向うに、関西空港から大阪湾一帯、淡路島まで望めるようだ。ここで展望を楽しみながら少し休憩を入れた。
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山門 |
寺務所・庫裡 |
舞台で展望を楽しんだのち、山門の方に向かう。山門は総欅造りで立派な感じ。屋根の上の切竹矢筈十字の紋章が印象的だが、建築年代は不詳らしい。なお、この山門は、大阪府と兵庫県の府県境にある。山門から階段を下り、寺務所・庫裡を過ぎて本殿の開運殿にお参りする。
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妙見さんで景色を楽しんだりお参りしたりして、ゆっくりと時間を過ごした。そろそろ下山とする。山からの下りは上杉尾根コースを進むことにする。上杉尾根コースは妙見さんの古い旧参道で、稜線沿いのコースからの展望も楽しめるはずだ。駐車場入り口の「↑上杉尾根」案内に従い、駐車場に入っていく。 |
駐車場入り口 |
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妙見山地区環境防災林整備事業の看板 |
上杉尾根 |
駐車場端の「妙見山地区環境防災林整備事業」の大きな看板のところが上杉尾根への入口で、「妙見稜線ハイキングコース」の道標に従い、上杉尾根に入る(11:57)。左手側がヒノキ林で右手側が雑木林の歩きやすい道を下っていく。
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上杉尾根の展望1 |
上杉尾根の展望2 |
上杉尾根はよく歩かれた明るい尾根道で、歩きやすい。尾根道の周囲に大きな山桜の木々が満開に花を咲かせている。風が吹くとその花びらが一斉に舞い落ちてきて、桜吹雪の道になる。芽吹き始めた若葉と桜花のピンクの対比も美しい。上杉尾根は楽しめる尾根道だ。稜線の山道からは、右手側や左手側に麓の景色が遠望でき、展望の尾根道が嬉しい。
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展望のベンチ |
秋葉山方面への分岐 |
もう午後の時間になったが、上杉尾根を登ってくる多くのハイカーとすれ違った。小さな子供さんを連れた方からシニアまで、上杉尾根のファンは多いようだ。やがて、道端にベンチが登場して「緊急通報ポイント 上杉尾根9」のポイントまで下ってきた(12:19)。ベンチを過ぎて少し進むと、前方に秋葉山方面への分岐点が見えてきた。
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秋葉山方面への分岐点にも大きな桜の木があり、それを眺めながら腰を下ろして休憩中のハイカーがいた。なお、この分岐には道標があり、左折が秋葉山方面だと案内している。 |
秋葉山方面の道標 |
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上杉尾根の展望3 |
歩きやすい上杉尾根 |
秋葉山方面分岐から更に上杉尾根を下っていく。右手側を見ると対面の山肌一面に山桜が咲き、見事な展望になっている。その素晴らしい景色を前に、腰を下ろしているハイカーが複数いた。
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雨水でえぐれた上杉尾根1 |
雨水でえぐれた上杉尾根2 |
上杉尾根は下るにつれて雨水で深くえぐられた山道になり、少々歩き難いが、周囲の展望や桜の花がきれいで、しばしば足を止めながらの歩行となった。道中、「常夜灯」と彫られた石塔があり、上杉尾根が妙見さんの古くからの参道であることがわかる遺跡も残っていた。その先で上杉尾根は急な下りとなって、一気にそこを下り尾根の取付きまで降りてきた(12:46)。
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花折街道の桜 |
妙見口駅 |
民家の前を通って国道477号線の横断歩道を渡る。花折街道に入って能勢電鉄妙見口駅に戻っていく。途中、花折街道の桜花を楽しみながら、やがて妙見口駅に到着(13:05)。ホームに入ってベンチに座り、帰りの電車を待ちながら今日の山歩きを終えた。桜の季節の妙見さんはなかなか楽しめる山歩きでした。 |