山田道・森林植物園・鍋蓋山 (お勧め度★☆☆) 北六甲【2-39】

谷上駅(8:22)==山田道==丸山(9:14)==山田道==弓削牧場分岐(9:56)==神戸森林植物園(10:15)==
植物園西門(11:27)==学習の森==洞川林道(11:46)==鍋蓋北道(11:52)==鍋蓋山(12:32)
==鍋蓋北道==鍋蓋地獄谷北尾根(12:48)==水呑交差点(13:21)==神鉄鈴蘭台駅(13:45) 
(約5時間 令和2年10月3日)
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 秋も、はや10月。今日(令和2年10月3日)は、秋の草花を求めて神戸森林植物園を訪れた。谷上駅から山田道で植物園へ向かい、「秋草の小径」を散策した後、学習の森、鍋蓋北道を経て、鍋蓋山まで足を延ばした。道中、丸山(西丸山)、神戸植物園の三角点にも立ち寄った。秋とはいえまだまだ暑い一日だった。
谷上駅  谷上駅で電車を降り、駅前広場に出る。振り返って駅舎を見ると、神戸電鉄、神戸市営地下鉄と電鉄名が併記してある。この駅は、神戸電鉄と神戸市営地下鉄が乗り入れ、両社が共同で使用している。ちなみに、谷上駅の標高は244mで、日本の地下鉄駅では最高地点であるらしい(ウィキペディアによる。)。
谷上駅
山田道の表示  駅の自販機で飲料を調達し、山田道に向け出発する(8:22)。山田道へは駅から線路の高架下を、西に進む。「←ハイキング道 山田道〜森林植物園(森林植物園まで50分)」の道標で左折し、線路の高架下をくぐる。
 駐車場の手前で「森林植物園(山田道)」の道標があるのでそれに従う(写真左)。ここから丸山川の右岸を進む。
山田道の表示
 右岸を進み、阪神高速の高架を過ぎると、前方で「頭上注意」の黄色い横断幕が目に入った(写真右)。ここは、送電鉄塔の立替工事の現場のようで、令和3年9月末までが工期であるらしい。頭上を注意して、足早に通り過ぎる。次に、丸山川に架かる小橋を渡る(8:30)。 工事現場で頭上注意
工事現場で頭上注意
阪神高速の高架橋  小橋を渡った辺りで後方を振り返ると、阪神高速北神戸線の高架橋が高いところを通過している(写真左)。これは印象的な景色だ。この景色を見た次が山道になる。山道に入ると、すぐに左手側に堰堤が見えてくる。この堰堤は、丸山堰堤で、平成26年の補強工事で新しくなった。なお、元の堰堤は昭和17年の竣工で、内務省神戸土木事務所の銘板が残っている。内務省は昭和22年まであった行政機関で、官庁の中の官庁とよばれていた。
阪神高速の高架橋
 山道となった山田道は、何度か板橋で流れを渡りながら進んでいくが、一か所だけ、沢渡りの難所がある(写真右 8:45)。ここは階段を下ったのち、適当な箇所で石伝いで流れを渡る。水量が多いときは、十分に注意したい。 石伝いで沢渡り
石伝いで沢渡り
古い石の道標 小倉台分岐
古い石の道標 小倉台分岐
「かがやきの森」入口  石伝いで沢を渡ると、すぐに石の古い道標が道端に立っている(写真左上 8:47)。ここは三ッ下谷への分岐だが、木の道標では「右 行き止まり」とされている。
 更に、山田道を進むと、こんどは小倉台への分岐点となる(写真上 8:51)。
「かがやきの森」入口
 今日は、小倉台の住宅地の北側にある丸山の三角点(三等三角点:西丸山)を確認してみたいので、ここで小倉台の方に進む。山道の先でコンクリの階段となる。階段を延々と登って住宅地に出た。そこはグランドの端っこで、ちょうど少年野球の練習中だった。住宅の中に入る手前に「かがやきの森」の表示がある。丸山は「かがやきの森」のピークと思われるので、その表示の方に進む(写真上 9:00)。 かがやきの径
かがやきの径
かがやきの細径  「かがやきの森」に入るとよく整備された階段道になる。そこには「かがやきの径」の表示がある(写真上)。歩きやすい「かがやきの径」は、地元の方の良き散歩道になっているのだろう。
 少し進むと、「かがやきの径」は分岐となり、踏み跡の薄い方に「かがやきの細径」の表記がある(写真左)。丸山は方向的に「かがやきの細径」の方と思われたので細径に進む。
かがやきの細径
 その先で、「かがやきの細径」は次第に踏み跡が薄くなり、おまけに、蜘蛛の巣の攻撃が激しくなってきた。普段、あまり人が入らない道だと思われた。さらに進むと、踏み跡さえ怪しくなって、薮の様相となる。紐や古い残置テープがあるので、慎重にそれらを拾って進む。
 実は、12年前、この丸山に登っており、その時はしっかりとした踏み跡が続いていたように記憶しているが・・・?
丸山の薮道
丸山の薮道
西丸山三等三角点  蜘蛛の巣と薮や倒木と格闘し、GPSにも助けられながら、なんとか丸山に登りついた(写真左 9:14)。そこで、保護石に守られた三角点(三等三角点:西丸山)が迎えてくれた。白い標柱もちゃんと立っている。三角点を確認した後、丸山を後にして下山を始めた。ところが、薮の中で、踏み跡をロスト。藪と蜘蛛の巣に阻まれながら、右往左往の末、薄い踏み跡に戻りついた。丸山は、登る人のいない藪山に戻ってしまっていた。
西丸山三等三角点
 丸山から小倉台迄下ってきて(9:35)、また、山田道に戻ることにした。小倉台からコンクリの階段を下って行き、山田道に合流(9:42)。ここから山田道を南に登っていく。
 右手側に沢音を聞きながら、歩きやすい山田道を進む。前後には、幾人かのハイカーが歩いている。山田道は谷上から森林植物園への散策路として手軽に利用できる。
山田道
山田道
弓削牧場分岐  左手側に杉林が見えてきたら、山田道はつづらの登りになり、そこを登りきると開けた感じの道になる。左手側に柵があり、その柵に沿って進んでいく。
 前方に10人ほどのグループが歩いている。その方々は、弓削牧場の分岐から(写真左)、牧場の方に下って行かれた。
弓削牧場分岐
柵に沿って進む 車道に合流
柵に沿って進む 車道に合流
 更に柵に沿って山田道を進む(写真上)。柵の向こう側には大きなソーラー設備が並んでいる。数年前、クリーンエネルギーが推進され、そのエネルギーで発電した電気を電力会社が高い価格で買い取ることとされていた。その頃、山や畑地にメガソーラーがたくさん設置された。
 次に、右手側に作業現場、桜台の住宅地と続き、その先で車道(兵庫県道16号線・西六甲DW)に合流した(写真右上 10:15)。ここから神戸森林植物園に向かう。
森林植物園(長谷池)
森林植物園(長谷池)
秋草の小径  入場料金300円を支払い森林植物園に入る。まず、弓削牧場のソフトクリーム(400円)を買い求め、ベンチに座ってクールダウン。次に、おもむろに園内散策に出かけた。
 長谷池では、水面に蓮の葉がいっぱいで、淡いピンクの花が静かに咲いていた。
秋草の小径
 次に「秋草の小径」の道標に導かれ、散策路に入る。ここは北日本区の一画だろうか。散策客はまばらで、ゆっくりと小径をたどる。途中、写真上のベンチの辺りで、三角点のことを思い出した。ベンチの後ろ側の尾根のピークに四等三角点:神戸植物園があったはずだ。刈り取られた下草の中に入り、尾根に向かう。尾根に乗ると、特に踏み跡は無いようだが、歩きやすい疎林の中を進み、難なく、神戸植物園三角点を確認した。ここも12年前に訪れた。 三角点のある尾根
三角点のある尾根
三角点(神戸植物園)  三角点から「秋草の小径」に戻り、花々の競演を楽しむ。
 いろんな花、草木が秋の装いだが、特にススキの根元のナンバンギセルが印象的だった。ツリガネニンジンも淡い紫がきれいでした。
三角点(神戸植物園)
ナンバンギセル ツリガネニンジン
ナンバンギセル ツリガネニンジン
 「秋草の小径」で花々を愛で、その後、園内をぶらぶらと探索した。カモシカ園では、四国産ニホンカモシカ「サチコ」が新しく仲間に加わり、柵内を元気に動き回っていた。「うさぎのくに」では、飼育員さんがちょうど柵内の掃除中で、餌をもらった白い「アナウサギ」たちは食事に大忙しだった。 道標完備の植物園内
道標完備の植物園内
学習の森に向かう  その後、メタセコイア林を経て、植物園西門から園外に出た(11:27)。出たとこは再度ドライブウェイで、その車道を少し南に進むと赤い矢印の所で歩道が右に分岐している(写真左)。ここが学習の森への進路となる。よく整備された山道を進んでいくと、学習の森の中心部に入っていく。
学習の森に向かう
 森林植物園でもらったパンフによると、学習の森は、旧教育植物園といい、1941年に開園した。小学校の観察実習を目的としてつくられたものであったが、1983年に森林植物園に統合され、「学習の森」として一般開放された。 学習の森の曼殊沙華
学習の森の曼殊沙華
学習の森  子供たちの何らかの学習実習として、現在も使われているのかどうかは知らないが、学習の森の中の道は、再度公園周辺のハイキング道として、一般にはよく歩かれている。
 施設の中を散策していると、昔、苗畑として使用されていた畑の跡地で曼殊沙華が真っ赤に咲いていた。周囲の深い緑に対比した紅色が印象に残った。
学習の森
 長い時の流れの中で、朽ち果てつつある「学習の森」看板(写真上)のところから、洞川林道の舗装路に出た(11:46)。舗装路の林道を洞川湖に沿って西に進む。洞川湖では、釣りを終えた人達が、帰り支度でいそがしそうだった。舗装路が仙人橋を渡ったところで、山道が左に分岐していた(写真右 11:52)。ここからは、山道が洞川湖方面、洞川梅林方面、鍋蓋北道方面にのびている。なお、ここには、119ばん通報プレート「き35−1」が設置された道標も立っている。 仙人橋分岐
仙人橋分岐
 仙人橋の分岐から、鍋蓋北道方面に進むことにする。すぐに、119ばん通報プレート「き35−2」のある道標が登場し、それに従い再度公園方面に進む。ここから、鍋蓋北道の階段の登りが始まる。 階段で鍋蓋北道へ
階段で鍋蓋北道へ
鍋蓋北道  鍋蓋北道は、再度公園の西側を鍋蓋山に向かって登っていく道で、その標高差は130mほどある。縦走路に出るまでの登りは意外ときつい。途中、牛の背方面、鍋蓋北谷方面の分岐が西側に下って行った。次に、修法ヶ原への分岐が東に続いていた(12:15)。これらの分岐を見やりながら、鍋蓋北道を登っていく。周囲の樹木がまばらになった個所で、西側の鈴蘭台方面に展望がある個所もあった。景色を眺めながらゆっくり進む。
鍋蓋北道
 やがて鍋蓋北道から六甲縦走路に合流した(12:27)。縦走路に入ると鍋蓋山に向かって、南西に進む。縦走路は多くの者が歩いている。菊水山、鍋蓋山を経て再度公園に向かうルートはハイカーに人気だ。縦走路に入って、もう一登りすれば鍋蓋山の山頂となる。鍋蓋山は南に展望が開け、休憩に最適だ。多くの方がsocial distanceでベンチに腰かけていた(写真下 12:32)。 鍋蓋山
鍋蓋山
鍋蓋山の展望  鍋蓋山で休憩を入れ、景色を眺めたり、三角点を確認したりした。山頂には兵庫登山会の「鍋蓋山」の看板表示が、松の木のずいぶん低い位置に掲げてある(写真上)。従前は、この看板は木の高い位置に取付けられていたような覚えがあるが、・・・。記憶違いだったかもしれない。
鍋蓋山の展望
 そろそろ、鍋蓋山を後にしたい(12:37)。鍋蓋山からの下山路は、鍋蓋地獄谷北尾根を経て有馬街道に下ることにする。鍋蓋地獄谷北尾根は鍋蓋地獄谷の北側の尾根筋で、一部は高圧線の巡視路になっている。
 六甲縦走路を進み、鍋蓋北道に入る(12:42)。鍋蓋北道の階段を下って行くと、根元から3本に幹が分かれた特徴的な木が生えたところで踏み跡が分岐する(写真右)。ここが鍋蓋地獄谷北尾根分岐で、ここで左折する(12:48)。
鍋蓋地獄谷北尾根分岐
鍋蓋地獄谷北尾根分岐
鍋蓋地獄谷北尾根  鍋蓋地獄谷北尾根は雑木の中に踏み跡が続いている。夏季に樹木や草が繁茂し、道が少し荒れたような感じもするが、踏み跡はしっかりしている。こんな感じの道は、蜘蛛の巣も多いものだが、それが全くない。ということは、この道を定期的に利用している方がいるのだろう。
鍋蓋地獄谷北尾根
 鍋蓋地獄谷北尾根では、道中、古い石柱が残っている(写真上)。石柱の頭には名字のような文字(「木村」、「阿部」)が掘られている。何かの境界柱なのだろう。また、鍋蓋地獄谷北尾根は、途中、結構急なアップダウンが待ち受けている。そこは風化した真砂土の斜面で、滑りやすいので注意して進む。やがて、前方に高圧鉄塔が見えてきた(13:06)。その鉄塔の先で道が分岐している。分岐点の細枝には、私製の道標が掲げられていた(写真右)。 私製の道標
私製の道標
関電の「火の用心」  私製の道標では、右が「鈴蘭台東口交差点へ」、左が「水呑交差点へ(尾根道)」と案内されている。ここは左に進んで、水呑交差点を目指す。次に関電の「火の用心」矢印が登場。ここで左折して神戸西No19の方に下って行く(13:13)。分岐から3分ほど下って二番目の鉄塔が登場した(13:16)。この鉄塔には「神戸有馬道西線十九」の表示がある。
関電の「火の用心」
 その先、尾根道を進んでいくと、最後に急な下り道となる。ここはロープが張られているので、それにつかまりながら下って行くと有馬街道の水呑交差点に飛び出した(写真右 13:21)。ここで、有馬街道を渡り、天王谷川を小部橋で渡る。あとは、住宅地の中を舗装路を鈴蘭台駅に向かった。神鉄鈴蘭台駅には13時45分に到着だった。
 今日は森林植物園でのんびりと森林浴が楽しめて、心身が解放された一日だった。
水呑交差点
水呑交差点
● 神戸市立森林植物園 The Kobe Municipal Arboretum
 六甲山をはじめ日本の代表的な樹木や世界各地の樹木を、原産地別に約1200種展示している。各展示林では、植生が単純化しないよう生態系を展示することを意識した整備・管理を行い、植物のみならず動物も含めた豊かな生物多様性を維持している。(神戸市森林植物園ハンフより要旨を抜粋)
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