丹生山田の里・つくはら湖 (お勧め度★☆☆) 丹生山系【6-2】 |
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先日、KOBE8マスターズウォークのパンフを手に取った。「いつもの街も、気になる街も、歩けばもっと好きになる!」これはウォークの標語らしい。いい言葉じゃないか・・、ということで、今日はKOBE8マスターズウォークに参加して丹生山田の里を歩いてみることにした。 パンフでは、ハイキングは10時から10時30分に谷上駅をスタートとなっている。 当方は、少し余裕をみて、9時40分前に谷上駅に降り立った。谷上駅のホームから改札のフロアに降りると多くのハイカーでごった返している。トイレや乗越精算機の前で、すごい列が発生しているのにやや驚く。 |
スタートを待つ長蛇の列 |
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今日の参加者は多そうだなー・・・と感じながら改札を出て、係員の誘導に従いスタート地点の方面に進む。 そこで、又々驚いた。駅南側の通路はスタート待ちの人で長蛇の列となっている(写真左上)。 列の最後尾まで進んで、係員に今日の参加者数を尋ねると「千人位でしょうか!!」との返事。KOBE8マスターズウォークの参加者は半端ではなかった。 スタートの列が限界を超したと判断されたのか、ハイキングは9時40分前に早くもスタートとなった。当方もハイキング参加賞のバッジをもらって、にんまりしながら9時45分頃にスタートした。 |
県道15号線を西に進む |
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駅前をスタート後、兵庫県道15号線・神戸三田線(有馬街道)を西に進む。県道は車が多いが、歩道があるので安心だ(写真上)。 コーナンの前を過ぎ、味平の丸い建物の前を過ぎ、県道をどんどん西に進む。 空は秋晴れで雲ひとつないが、紫外線がキツそーだ。 |
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空は秋晴れ |
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10:04 兵庫カンツリー倶楽部へと続く道が北に分岐する有馬街道北勝交差点を過ぎてすぐの所から細い地道を北に入る。 ここからは細い道で、地元の方しか知らないような道になる(写真左)。 道沿いの畑ではカボチャの葉が残暑の陽光を受けながら一杯に茂り、地面を覆いつくしていた(写真左)。 くねくねと続く人家の裏の細い地道を進んで行くと、山田中学校の裏手になり、その先は天彦根(あまつひこね)神社だった(10:12)。 |
谷上集落の地道に入る |
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天彦根神社には下谷上農村歌舞伎舞台がある。この舞台は、江戸時代末の天保11年(1840年)に神社境内に建てられた村芝居の舞台である。 説明書によると、「江戸時代には原則として農民が芝居を見たり演じたりすることは禁じられていたが実際には各地で農民たちは歌舞伎を楽しんでいた。この舞台は、花道や回り舞台など多種類の舞台機構を備え規模が雄大であることなどから、国指定の重要有形民族文化財に指定されている。」との記載がある。 昭和52年に不審火で損傷したらしいが、文化財は大切に管理して、後世に残していってほしい。 |
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下谷上農村歌舞伎舞台 |
歌舞伎舞台は神社境内に対しちょうど横を向くような形で建っている。すなわち、演じられる歌舞伎は、神様に奉納するというより、見物する者の見やすいような形状だ。ここの歌舞伎が村人の大きな楽しみであったことが窺われる感じがする。 天彦根神社からは国道428号線に出て、大滝口交差点方面に進む。 10:27 大滝口交差点。 大滝口交差点の少し西の地道を北に入る。民家と田んぼの間の細道を進んで行くと道脇にソーラー発電が設置してあった。エコの時流を写した風景だ。 ハイクの列はソーラーの後方の坂道を登っている。 |
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ソーラー発電の後方の坂道を登る |
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さらに進むと、道脇の田んぼでは稲穂が実り、その重みで自らの頭を垂らしていた(写真左)。
実るほど頭を垂れる稲穂かな。
稲穂の脇の畦には彼岸花が今を盛りと伸びている。 秋景色満載の風景である。 |
頭を垂れる稲穂と彼岸花 |
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山田の里の地道を更に進むと、道脇の柿の木に実がついていた(写真右)。 まだ、熟していない青柿であるが、もう少々で美味しく色づくのだろう。これも懐かしい秋景色だ。 |
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柿の実はまだ熟さず |
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山田の里の地道から、又、国道428号線に出た(10:45)。 この国道を横切り、更に地道に入って西に進む。 すぐに芋掘り畑の横を通過した(写真左)。芋掘りの料金は600円との看板が立っている。畑の奥の方では小さな子供連れの家族が歓声を上げながら芋掘りに興じていた。 山田の里では、秋景色が次々と視界に飛び込んできて、ゆったりとした気持ちに浸ることができる。 |
芋掘り畑の脇を進む |
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里の道をゆったりと進んでいると、道脇に大きな石碑が登場した(写真左 10:51)。これは新兵衛石という。 新兵衛石とは・・「徳川10代将軍家治の時代、このあたりの領主が領内巡見の際、この石の陰から当時の庄屋の子村上新兵衛(15歳)が突然飛び出して、年貢の軽減を訴えた。日照りの害が多いにもかかわらず、租税が高かったからである。直訴は大罪である。新兵衛は直ちに捕らえられ尋問された。しかし、若年であるにもかかわらず理の通った新兵衛の言い分を聞いた領主は感心し、その勇気を賞して罪を問うことなく許した上、年貢の軽減を聞きとどけた。村人の喜びの記念として此の石を据えた。」 |
新兵衛石 |
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村上新兵衛の勇気に感心しながら進んでいると、道脇に「稲木(稲掛け)」が登場した(写真右)。 刈り取った稲を束にして天日干しにするためのもので、これも懐かしい風景だ。 しかし、ここの稲木(稲掛け)に掛けられている稲束は穂が脱穀された後のものである。稲藁を何かに利用するために干しているのだろう。 |
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稲木(稲掛け)が登場 |
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稲木(稲掛け)を過ぎると、すぐに六條八幡宮に到着した(写真左 10:59) 六條八幡宮は神社でありながらその境内にりっぱな三重塔が建っている。 塔の説明書きには「仏教建築である塔が神社にあるのは、神仏は一体であるとの考えの現われであるが、明治以降は区別され神社にあった塔の多くは姿を消した。今、全国で18、兵庫県下で3箇所残っているが、その1つがこれである。」と記載がある。ここは境内に三重塔がある珍しい神社の一つなのだ。 |
六條八幡宮 |
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六條八幡宮を過ぎて更に地道を進む。 普段は人通りも少ないであろう山田の里の細道を、今日はハイキング参加者が蟻の行列をなしている。 里の人々も、何事かと、さぞびっくりされているのだろうなーーー、などとのん気に思考をめぐらせながら歩を進めていく。 前方遠くに、山頂に鉄塔の立つ山が望めるようになってきた。あれはシブレ山で、その山の北側の麓が「つくはら湖」だ。 つくはら湖畔が今日の昼食ポイントと聞いていたので、このあたりで早くもおなかがすいてきたゾ。 |
前方遠くにシブレ山 |
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次に、道脇にコスモスが登場した。まさに咲き乱れているといった感じで、風に揺れている(写真右)。 コスモスは秋桜とも言われるが、花びらの形が桜に似ているということかなー?? また、コスモスはラテン語では星座の世界を意味するらしいが、ここの花の乱舞は、星の散らばりのようにも思えてきたゾ。 |
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コスモスの群生 |
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やがて里道は丹生山の登り口に至った(11:19)。 ここの角には丹生宝庫が建っている(写真左)。この倉庫には、昔、丹生山にあった明要寺の遺品が納められているという。 清盛所縁の品もあり、歴史好きには見逃せない場所である。 |
丹生宝庫 |
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丹生宝庫からは、つくはら湖を目指して西に進む。 道端の紅色をした彼岸花の群生が目に入る(写真右)。 盛りを過ぎて鮮やかさを失った紅色もあるが、その下からは次々と新芽が伸びてきている。植物の息吹を感じる景色でもあった。 やがて、ハイキングの列はサイクリングロードに出て、ここからはこの自転車道を進むこととなる。 |
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彼岸花の群生 |
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サイクリングロードは県道神戸社線に沿って進んで行き、やがてサイクリングターミナルに到着(写真左 11:39)。サイクリングターミナルではトイレに長蛇の列ができていた。 サイクリングターミナルからも、つくはら湖畔に続くサイクリングロードを進んでいく。 のんびり自転車をこいでサイクリングを楽しもうとする行楽客にとって、今日のサイクリングロードはハイカーで溢れており、面食らったことだろう。 |
サイクリングターミナル |
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サイクリングロードを進んで行くと「昼食ポイントでーーーす!」と言う係員の声が聞こえてきた。 この辺りから、つくはら大橋までの間で五箇所ほど昼食ポイント(写真右)を設定しているのだという。 おなかはすいたが、つくはら大橋まで進んで昼食をとることにする。 |
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つくはら湖畔の昼食ポイント |
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長閑なたたずまいのつくはら湖畔をハイカーの列が進んで行く。 このつくはら湖は志染川を堰き止めて造られた人造湖で別名「呑吐ダム」ともいう。この地域の水不足解消を目的として計画された呑吐ダムは、平成元年に竣工した。 つくはら湖の北側にはシビレ山があり、その周囲には静かな山道が数多く残されている。いろいろと巡ってみたいルートはあるが中々機会がないままでいる。この秋から冬には歩いてみようと思っているが・・・。 やがて、前方につくはら大橋が見えてきた。昼食が近づいたということだ(写真左)。 |
つくはら橋が見えてきた |
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つくはら湖は、その上を山陽自動車道がクロスしており、横切る大きな橋の名前を「つくはら橋」という。 その橋の脇にはサイクリングロード(神出山田自転車道)のために「衝原大橋」がかかっている。 この衝原大橋の北詰には12時9分に到着した。 ここが最後の昼食ポイントとなっているので、ここで昼食をとることとする。ハイキングの先頭がスタートするのは12時30分とのことなので、ここで20分ほど休憩できる。 |
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衝原大橋を渡る |
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つくはら橋 |
つくはら湖畔の歩道を進む |
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昼食後、12時30分にハイキングがスタートとなった。大集団が衝原大橋を渡り始める。 当方は、その最後方からさらに遅れて、パラパラとゆったり歩くハイカーの中を進むことにする。 衝原大橋を渡り、つくはら湖と県道85号線にはさまれたサイクリングロードを西に進んでいく(写真上)。 県道はせわしなく車が行き交うが、つくはら湖の水面はゆったりとして時の流れを忘れさせてくれるたたずまいだ。 |
さくら橋 |
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更に、サイクリングロード沿いに進んでいくと、さくら橋で県道85号線を横切る(12:53 写真上)。ここには北神戸サーキットがあり、従前は凄いエンジン音が響き渡っていたが、今は閉鎖され、サーキット内は寂れて静かな様相だ。 ここからも、ひたすらサイクリングロードを進む。住居表示が神戸市北区から西区に変わるとサイクリングロードは下りとなり、やがてテントが建つKOBE8マスターズウォークのゴールの人並みに飲み込まれることとなった(13:19)。ゴール地点は神出山田自転車道栄休憩所の広場であった。 |
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KOBE8マスターズウォークゴール |
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ゴール地点では、スタンプ台紙に押印してもらう。 谷上駅を9時45分のスタートだったので歩行時間は凡そ3時間程度だろう。約16kmのコースだから普通に歩いてこれたことになる。 ゴールの神出山田自転車道栄休憩所から神鉄栄駅までは5分ほど。駅の狭いホームでは、多くのハイカーが電車の到着を待っていた。このローカルな駅がこんなに人で溢れるのまずない光景だ。やがて電車がやってきて、車中の人となり、今日のハイキングを終えたのでした。 今日は長閑な里の秋景色に大満足の一日でした。 |
ゴールを祝す後援社の旗 |
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