高取山・口ノ川東尾根・禅昌寺西尾根 (お勧め度★★☆) 西六甲【3-12】 |
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山陽電車に揺られ、板宿駅までやってきた。妙法寺川沿いから高取山へのアプローチは板宿駅が起点となる。ここから、兵庫県道22号 神戸三木線の口ノ川バス停を目指す。県道22号は道幅が狭く、車も多いので歩行に適さない。よって口ノ川バス停までは、妙法寺川沿いに住宅地の中の路地を進む。 駅を9時20分にスタート。板宿商店街のアーケードを抜け、突き当たりのダイエーを裏に出る。すぐに右手側に瀧川学園の正門がある。その前を北に進路をとる。 途中、妙法寺川沿いの民家の桜が満開であった(写真左)。その後方遠くに高取山が頭をのぞかせている。 |
妙法寺川沿いに北に進む |
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妙法寺川沿いの住宅地の中の路地はやがて県道22号に合流する。 その合流地点が口ノ川バス停で、そこから車に注意して県道を10m程北に進むとコンクリートの坂道が切り返している(写真左 9:44)。 板宿駅からここまで24分ほど要した。 この坂道が口ノ川東尾根取付きへの導入路である。 |
口ノ川東尾根の取付き |
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坂道を登って、道なりに突き当たりまで進むと広場状の場所となる(写真右)。広場の奥に電波塔が見えている。その電波塔が口ノ川東尾根取付きとなる。工事用の重機の脇から電波塔の方に進んでいく。 足元の笹は刈り取られて、道は明瞭である。 電波塔の設備には「妙法寺 はげ山 NTTドコモ」(はげは、円周率のπのような漢字。)と表記されている。ここはドコモの携帯基地局のようだ。 |
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電波塔の方に向かう |
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携帯基地局を過ぎると、すぐに踏み跡のはっきりとした尾根道になる。 ミツバツツジがもう咲いていて、気をよくして進んでいると、急な登りとなった。写真左で、その斜度のキツさが伝わるだろうか。 灌木の中に山道が登っているが、落ち葉も積もり滑りやすいので慎重に歩を進める。 |
急傾斜の口ノ川東尾根 |
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阪神高速神戸山手線が真下に |
露岩の口ノ川東尾根 |
急勾配を登り切ると、風化が進んだ露岩のやせ尾根となった(写真右上)。 ここは、ちょうど阪神高速神戸山手線が真下に見えるところである(写真上 9:53)。高取山の下をくぐってきた高速が、ここでトンネルから出てきている。 露岩の尾根には阪神高速道路公団の三角点(A-13)、六甲砂防事務所の三級基準点(No1112)が設置されていた。その三角点と基準点以外にも同様の形で頭に「+」の表示がされた標柱が二つあり、さながら、ここは基準点銀座といった雰囲気だ。 基準点の露岩からは傾斜が緩む。 |
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口ノ川東尾根の鉄塔 |
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阪神高速神戸山手線から聞こえてくる車の走行音を後方に聞きながら尾根道を進む。 勾配がまた急になって、ガレて小石の散乱した坂を上っていく。 この辺りは露岩帯で後方を振り返ると周囲の風景が遠望できる。咲き始めたツツジと併せて、何かと楽しく歩ける尾根道だ。やがて高圧鉄塔の場所に上りついた(10:03 写真上)。 高圧鉄塔を過ぎた辺りも周囲の景色が楽しめる。先ほどまで近くに見えていた阪神高速神戸山手線が、だいぶ遠くになっている(写真左)。 |
横尾町方面を遠望 |
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10:07 小ピークに至る。小ピークからは山上(荒熊神社)のテレビ電波塔が見えている。 小ピークを越えると道は灌木の繁みになってきた。しかし、適度に枝が払われており、歩行に困難はない。 急な灌木の登り道の合間に、露岩から景色が望める場所もある。林立するマンションや山間の丘陵地を宅地開発している景色が望める。 10:10 露岩尾根から落ち葉の積もる雑木の急斜面になる。枝に古い残置テープが巻かれているが、一筋の尾根道で迷うことはない。 10:26 口ノ川東尾根は最後につづらに登って縦走路に合流した。合流地点には白と黄色のテープ表示があるが、わかりにくい場所だ(写真右)。 |
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縦走路への合流点 |
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口ノ川東尾根が縦走路に合流した地点から2分ほど登ると、心願成就の荒熊稲荷神社に到着した(10:28)。荒熊神社からは須磨アルプス方面に素晴らしい景色が望める(写真左)。 荒熊神社には稲荷らしく赤鳥居が連なっている。眩しい朱色が印象的だ。 鳥居の数が重なっているのは、狐が稲荷の鳥居をくぐるたびに出世を重ねるという言い伝えからきているらしい。当然、小生も荒熊稲荷神社の赤鳥居を全部くぐり、出世を祈願してみたが、その願いは叶うのだろうか・・・ (^ ^;))) |
荒熊神社からの景色 |
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荒熊神社裏のピークには関西民放神戸妙法寺放送局とNHK神戸妙法寺テレビ中継放送所の施設が建っている。以前はこのピークの隅にひっそりと三角点があったが、現在は下の荒熊神社境内に移設されている(写真下)。 三等三角点高取山は裏から表に出てきたわけだが、裏のピークでは、皆が三角点を素通りしてしまうので、寂しがり屋の三角点のために、晴れやかな場所に移設されたのだろう。めでたし、めでたし!! (^ ^;))) |
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荒熊神社境内 |
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荒熊神社から高取神社の方に縦走路を進む。途中、写真下のような案内看板が立てられている。 その表示の通り、荒熊神社と高取神社の間には神戸市須磨区と長田区の区境が存在する。 須磨区側は、字π(はげ)山、長田区側は、高取山という地名である。はげ山という地名は、先ほど登ってきた口ノ川東尾根で確認できたように、一帯が風化した露岩帯が多く、樹木の少ないエリアが広がっていることに由来するものと思われる。 |
三等三角点 点名:高取山 |
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また、この案内看板には、高取山の別称が「神撫山」と説明されている。 これは、その昔、長田に上陸した神功(じんぐう)皇后が、大きな石を席にして座って休息された際に、かたわらの大きな石を撫でられると、その石は急にむくむくと大きな岩になり、ついには高い山になったことに起因するという。 神功皇后が撫でて出来たので、神撫山と名付けられたのだという。 |
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須磨区、長田区の区境 |
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神撫山と記された案内看板のところから、六甲縦走路の枝道が左に分岐している。 この枝道を東に行けば、高取山の山頂(328m)に直行できる。 その途中、左手側(北側)に180度の展望が広がる(写真左)。 西は名谷方面から東は菊水山、丸山(長田)方面までのパノラマが一望である。 |
妙法寺、名谷方面を望む |
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高取山頂上には10:50に到着。 高取山では、頂上のすぐ下の「高取山随一の景勝地・写真撮影好適地」とされる場所に進み、展望を楽しむ(写真右)。 そこからの景色は、「写真撮影好適地」とされるだけあり、素晴らしい風景が南東側に広がっていた。南側一帯に広がる景色は、時間を忘れてゆっくりと眺めていたいと思うこと請け合いだ。ここはお薦めの展望場所である。 |
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高取神社からの絶景 |
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高取山からの展望を楽しんだ後は、禅昌寺西尾根を禅昌寺方面に下ることにする。 荒熊神社まで戻り、境内下の六甲縦走路から分岐する禅昌寺西尾根の下り口までやってきた(写真左 11:07) 下り口には119番通報プレート「ち 1-13-4」が設置された標柱が立っており、その「←禅昌寺町」方面の案内に従って分岐を下って行く。 |
禅昌寺西尾根への分岐 |
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禅昌寺西尾根を下り始めてすぐに麓から登ってきた男性ハイカーとすれ違った。地元の方らしく軽装のいでたちだ。 禅昌寺西尾根は豪雨時の雨水の流路のように深く溝状に彫られた道で始まる。急勾配で段差もあり、歩きにくいので慎重に下っていると、先ほどすれ違った軽装のハイカーに追い越されてしまった。登頂後、すぐに下ってきているし、足取りも軽いので、おそらく毎日登山家、または、それに類する方なのであろう。 当方は、のんびりと禅昌寺西尾根のツツジや眺望を楽しみながら下って行くことにする。 |
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左:禅昌寺東尾根 右:西尾根 |
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禅昌寺西尾根は雑木林の中にしっかりと道が付けられている。
5分ほど下って、道が分岐した(写真上 11:13)。禅昌寺西尾根はここを右に下る。分岐を左に下るのは禅昌寺東尾根と呼ばれるルートと思われる。 禅昌寺西尾根でもツツジが咲き始めており、中には満開に近い枝もある。桜(ソメイヨシノ)の薄いピンクも良いが、ツツジのピンクも味わい深い(写真左)。 |
禅昌寺西尾根 |
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さらに下って行くと、禅昌寺西尾根はガレた小石のばらつく下りとなった。露岩の風化も進み、滑りやすいので慎重に足を進める。 次に、尾根道は大きな一枚岩の塊の上を下ることとなった。ここはフリクションがきいている。 この一帯は開放的なエリアであり、日影がないので、夏の日照りのきついころの歩行は避けた方がよさそうだ。 下方には板宿辺りの街並みも見えてきた。
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露岩の禅昌寺西尾根 |
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この辺りの露岩帯からは西側180度に展望が広がる。 麓の須磨区妙法寺円満林辺りの集落の家々がまるでジオラマ(情景模型)のように並んで見えている。 瓦が青色の家が多く、かわいらしい景観だ。 |
妙法寺円満林方面を望む |
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今、下っている禅昌寺西尾根は、先ほどから露岩帯が続くが、周囲を見ると、南側にも並行して露岩の尾根が横たわっている。その尾根が禅昌寺東尾根と思われる。 11:30 禅昌寺西尾根のはげ尾根に、三級基準点が登場した。六甲砂防事務所設置の三級基準点(No1111)である。 11:34 露岩の尾根に鉄柵が登場した。転落防止用と思われるが、ここまで禅昌寺西尾根には人口の工作物は見られなかったので、稀有な感じだ。 |
禅昌寺西尾根を振り返る |
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前方に鉄塔が見えてきた |
鉄塔の岩は急傾斜 |
鉄柵の場所を過ぎ、下方に高圧鉄塔が見えてきた。 その鉄塔下まで下ってくると、鉄塔は大きな一枚岩の上に立っていた(11:40)。その岩は急傾斜であり、フリクションはきくものの下りは十分に注意したい。 高圧鉄塔を少し下ったあたりで、また3級基準点を発見した。こちらも、国土交通省六甲砂防事務所のもので、「3011」の刻印がある。 高圧鉄塔を過ぎると禅昌寺西尾根は露岩帯から灌木帯となり、そこでもツツジがきれいに咲いていた(写真右)。 |
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ツツジ咲く禅昌寺西尾根 |
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さらに下ると堰堤の脇に出て、その先は民家の前の細い道となっていた。その細道を下ると、朝方通過した住宅地の中の路地道に出てきた(写真左 11:52)。そこは、口の川自治会掲示板が立つところで、右手側には小さなお堂が祀られていた。 ここには、禅昌寺西尾根の登り口を示す表示はないので、初めて訪れる場合はわかりにくいかもしれない。 そこからまた住宅地の中を板宿駅を目指して進み、駅には12時10分の到着であった。 今日は展望と野趣のあふれる尾根道でツツジも楽しめて、充実の一日となった。 o(^-^)o |
下りついたところ |
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