瑞宝寺谷西尾根から六甲山最高峰  北六甲【2-48】

神戸電鉄有馬温泉駅(9:10)==瑞宝寺公園(9:30)==太鼓滝(9:43)==筆屋道展望デッキ(10:07)==瑞宝寺谷西尾根
==六甲山最高峰(11:35)==魚屋道==筆屋道分岐(12:20)==炭屋道分岐(12:27)==有馬温泉駅(13 :08) 
(2023年11月19日 約4時間 約10.3km)(お勧め度★☆☆) 
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 最近、急に寒くなって紅葉の時期が到来。そこで今日(2023年11月19日)は、六甲の紅葉の名所”有馬の瑞宝寺公園”に行ってみることにした。そこから、六甲山最高峰に登ってみる。コースは瑞宝寺公園から瑞宝寺谷を遡行し、展望デッキから瑞宝寺谷西尾根を登る。下りは魚屋路をのんびり歩いた。瑞宝寺公園はにぎわっていたが、瑞宝寺谷西尾根は野趣あふれるコースで、人にも会わず静寂を得た。深まりゆく秋を感じた山歩きになった。
有馬温泉駅 有馬温泉
有馬温泉駅 有馬温泉
 神戸電鉄に乗って有馬温泉駅に到着。駅のベンチで身支度を整え、山歩きをスタートした(9:10)。駅前から太閤橋を過ぎ、有馬川の流れにそって坂道を登っていく。有馬川沿いでは観光客の姿は少ない感じ。まだ午前10時過ぎという時間のせいだろうか。車道をゆっくり登っていき、まずは瑞宝寺公園を目指す。

 
瑞宝寺公園1 瑞宝寺公園2
瑞宝寺公園1 瑞宝寺公園2
 瑞宝寺公園には有馬温泉駅から約20分で到着した(9:30)。駅前では少なかった観光客だが、ここでは少し様子が違う。公園内は結構な人出になっている。インバウンドの波がここまで押し寄せている感じで、いろんな国の言葉が飛び交っている。人の少なそうなエリアで、紅葉を写真におさめた。

 
瑞宝寺公園3 瑞宝寺公園4
瑞宝寺公園3 瑞宝寺公園4
 その紅葉の具合は、今年はもう一つの感じだ。紅色に鮮やかさがない。暑かった夏のせいなのか、まだ時期が少し早いのか・・・、などと考えながら公園内を巡って、次に太鼓滝、癒しの森の方に向かうことにした。

  
癒しの森方面の看板  公園の南側に「癒しの森方面→」の看板があり、そこから公園を出る(9:39)。なお、看板には「癒しの森はあくまで自然の森であり、急な坂や川の中を渡る場所もあります。山行きに適した服装、靴でお楽しみください。」の表示がある。公園の散策者が誤って、山中に入らないようにするため、注意喚起している。
癒しの森方面の看板
太鼓滝 瑞宝寺谷の堰堤
太鼓滝 瑞宝寺谷の堰堤
 公園を出ると瑞宝寺谷の流れに突き当たる。 そこで流れを渡って上流に進むと、太鼓滝となる(写真左上 9:43)。太鼓滝を右から巻くようにして癒しの森の山道が続いている。その先は瑞宝寺谷の流れの左岸を進む。谷の流れには多くの堰堤が連なっている。これらは砂防目的と、雨水をダム内に溜めて水量調整の目的があると、看板に説明があった。堰堤から聞こえる水音がさわやかで心地よい。

  
瑞宝寺谷右岸  その先で流れを渡って右岸を進む。右岸を進んでいると「この先危険! この先は登山道ではありません。(有馬警察)」の表示が登場する(9:59)。トラロープも張られていて、瑞宝寺谷をここから上流に遡行することが禁止されている。ここで流れを渡って左岸に進み、そこから瑞宝寺谷の西側の尾根に登っていく。
瑞宝寺谷右岸
筆屋道展望デッキ 展望デッキからの景色
筆屋道展望デッキ 展望デッキからの景色
 丸太で整備された筆屋道の急な階段道をどんどん登っていくと、その先で展望のデッキが待っていた(10:07)。筆屋道の途中にある展望デッキは、北に向かい有馬温泉方面を望むことができる。ここからは有馬六景の一つ、有馬富士が望める。デッキで展望を楽しんでいると、筆屋道を散策するハイカーが何人もやってきた。デッキで5分程休憩し、次に、瑞宝寺谷西尾根を登っていくことにした。なお、展望デッキからは筆屋道が西のととや道方面に向かっているが、瑞宝寺谷西尾根へはデッキからそのまま南に登る。

  
瑞宝寺谷西尾根 残置テープの表示
瑞宝寺谷西尾根 残置テープの表示
 瑞宝寺谷西尾根には整備された道はない。先人がたどった踏み跡に従い、ひたすら急な斜面をよじ登る。急傾斜の山肌には落葉が積り、ズズズッ・・と、ずりおちる。慎重に、小さな木につかまりながら、体を引き上げていく。時折、残置テープの表示が登場するので、しっかりとルートを拾いながら進む。

 
岩尾根を進む 竜の背中のような岩尾根
岩尾根を進む 竜の背中のような岩尾根
 瑞宝寺谷西尾根は等高線が密で急登の連続だが、時折傾斜の緩む尾根になり、そこで休憩をはさみながらゆっくりと登る。尾根を登っている途中で東側からバイクの爆走音が聞こえてきた(10:28)。東側の十八丁尾根のDWを走るライダーのようだ。展望デッキから25分程、急登をよじ登って尾根に乗った(10:33)。ここから踏み跡のルートがはっきりしている。竹笹のジャングルのような箇所を越え、竜の背中のような岩尾根を通過する(10:40)。岩尾根は左手側が切れ落ちているので慎重に進む。

 
 瑞宝寺谷西尾根はその先でも急登が続く。頻繁に休憩を入れながら登った先で物凄い笹のエリアに突入した。急な登り道で笹薮は厳しい。笹の中をくぐる感じで登っていく。 笹の瑞宝寺谷西尾根
笹の瑞宝寺谷西尾根
尾根道でも笹が続く 車道に飛び出した
尾根道でも笹が続く 車道に飛び出した
 急な登りを克服して何とか頂上部の尾根に乗った。しかし、瑞宝寺谷西尾根は更に深い笹道が続く。物凄い笹でほぼ足元が確認できない。笹に埋もれた倒木や岩で何度も躓きそうになる。笹の中はゆっくり進まないと危険だ。深い笹道と15分少々格闘して、何とかそこを脱出した(11:26)。飛び出したところは、六甲山上の車道で、車道の対面は黒岩谷への下り口のところだった。黒岩谷への下り口には「119番通報プレート な1-1-13」の道標がある。

 
六甲縦走路の車道 六甲最高峰トイレ
六甲縦走路の車道 六甲最高峰トイレ
 ここからは車道を西に少し進み、六甲山最高峰に向かう。 車道から六甲山最高峰のアンテナが見えている。六甲縦走路である車道はハイカーが多い。秋晴れの今日は山歩き日和だろう。一軒茶屋から、最高峰に向かい舗装路を登り始める。魚屋路の下り口に新しいトイレができて、その前の広場で多くの人が休憩している。新しいトイレは2020年に竣工したらしい。

 
最高峰からの眺め1 最高峰からの眺め2
最高峰からの眺め1 最高峰からの眺め2
 六甲山最高峰に向かって登る舗装路からは、途中で大展望が広がる。ここから西側に広がる景色をながめると、いつも感動を覚える。阪神競馬場、大阪国際空港(伊丹空港)が望め、その向こうに千里の街並みが見えているのだろう。他のハイカーの皆さんも、皆、ここからの景色に歓声をあげていた。

 
六甲山最高峰のアンテナ  景色を楽しん後、最高峰に向かう。さらに舗装路を登っていくとアンテナ設備が見えてくる。これは、自衛隊のアンテナ設備で、何年か前に最高峰に登った際、ここで自衛隊のトラックとすれ違ったことがある。定期的に整備、点検があるのだろう。
六甲山最高峰のアンテナ
六甲山最高峰 最高峰から北側に下る
六甲山最高峰 最高峰から北側に下る
 そのアンテナ設備の先が六甲山最高峰となる(11:35)。今日は晴天で、六甲山最高峰は多くの登山者であふれている。「六甲山最高峰」と書かれた標柱の前では、写真撮影の順番で列ができていた。写真撮影の時に、「山」と「峰」の文字を手で隠して撮ると「六甲最高」になるよ・・・と、誰かが説明していた。六甲山を愛する方が考え付いたアイデアなのだろう。good!

  
笹原の中に階段道 最高峰から北側に下る
笹原の中に階段道 魚屋道に入る
 山頂で一等三角点などを確認した後、にぎわう六甲山最高峰を後にした(11:41)。最高峰から北側に下っていくこととする。道標「←魚屋道(有馬方面)」があるので、それに従う。北側に下っていくと、笹原の中に階段道が整備されていた。これは以前にはなかった道で、最近、造られた道のようだ。その階段道を下っていくと、2020年に竣工した新しいトイレの前の広場に下り着いた(11:48)。そこから魚屋道に下る道があったので、そちらに進んで魚屋道に入る(11:48)。

 
魚屋道 迂回の金属階段
魚屋道 迂回の金属階段
 魚屋道は、その昔、東灘の深江の浜で採れた魚を行商人が背にして、六甲山を越え有馬温泉に運んだことからこの名が付いた。昔話では、「この道を越えていた魚屋が余った魚を飢えた山犬に与えたところ、そのお礼に山犬が魚屋を狼の群から守ってくれた。」という話も伝えられていらしい。この道は六甲越えのメインのルートになる。広い道だが、最近の自然災害で、迂回のルートが何か所もつくられている。

 
う回路の道標  ロープが張られた迂回路では、神戸市建設局・森林整備事務所による「台風被害により通行できません。迂回をお願いします。」の表示の箇所があった。ここ数年のゲリラ豪雨で古くからの歴史の古道も、多くの被害を被っている。う回路整備の担当当局に感謝しながら、そこを下っていった。
う回路の道標
魚屋道の道標 癒しの森分岐
魚屋道の道標 癒しの森分岐
 幾人かのハイカーとすれ違いながら魚屋道を下っていき、やがて癒しの森分岐までやってきた(12:20)。ここで筆屋道が分岐して瑞宝寺公園に向かっている。筆屋道は、ここから午前中に通過した展望デッキを経て公園までは1.3km、30分の距離との表示がある。

 
炭屋道の分岐 鳥地獄
炭屋道の分岐 鳥地獄
 筆屋道分岐を経て魚屋道を進むと、その先、六甲最古のトンネル跡の表示があり、それを過ぎると休憩小屋の東屋となる(12:22)。3名が東屋では休憩中。さらに魚屋道を下って、炭屋道の分岐が登場(12:27)。ここから有馬温泉駅までは2.5km40分の道標がある。
 炭屋道の分岐から約25分で麓の有馬温泉まで下ってきた(12:52)。そこには、鳥地獄と虫地獄の史跡がある。噴き出した炭酸ガスで、虫や小鳥などが死んだのでこの名がついたとの由来がある。

 
有馬川親水公園 有馬温泉駅でゴール
有馬川親水公園 有馬温泉駅でゴール
 そこから、大賑わいで人があふれる有馬温泉街を通過し、有馬川親水公園まで戻ってきた。午前中と異なり、親水公園では有馬川と触れ合う人の姿が多かった。そこから神戸電鉄の有馬温泉駅にたどり着いて、本日の山歩きを終えた(13:08)。今日は瑞宝寺公園で紅葉に接し、瑞宝寺谷西尾根でワイルドに接し、最高峰で豪快な展望に接して、楽しい秋の山旅でした。
●瑞宝寺谷西尾根は踏み跡程度のルートであり、整備された道ではありません。急傾斜な道と凄い笹薮が続くバリルートで、一般の山歩きには適さないコースです。
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