赤子谷中尾根・赤子谷左俣東尾根 (お勧め度★☆☆) 東六甲【4-27】

JR生瀬駅(10:52)==生瀬高台(11:12)==三角点(生瀬)(11:27)==西宝橋(11:48)
==ケルン(11:54)==赤子谷中尾根==譲葉山北峰(13:02)==岩倉山(13:24)==縦走路==
赤子谷左俣東尾根==赤子谷左俣ゴルジュ(14:13)==ケルン(14:32)==生瀬高台(14:53)==JR生瀬駅(15:07)
(約4時間 平成29年1月7日)  
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 赤子谷は左俣、右俣の遡行が一般的だが尾根筋にも多くのルートがある。赤子谷の滝やゴルジュもいいが尾根からの景色も山歩きの楽しみといえる。そこで、今日(平成29年1月7日)は、赤子谷中尾根を登って六甲縦走路を目指し、譲葉山、岩倉山を経て、赤子谷東尾根を下ってみたい。赤子谷入口へは生瀬高台団地を経由する。途中で、未踏の 四等三角点 :点名生瀬も探索したい。
生瀬駅前  JR生瀬駅の改札を出て(10:52)、駅前のコープで飲料を調達する。
 今日は晴天で山歩きにはグッドだが、出発が遅くなってしまい、もう11時に近い。この時間では生瀬駅から赤子谷を目指すハイカーは誰もいない。
 駅前から、少々急ぎ足で生瀬高台団地に向かう舗装路を登っていく。急な坂でどんどん高度が上がる。
 途中の階段を登りきった場所から北側に目を向けると、宝塚の市街が背後の山腹の中腹まで伸びている様子が遠望できた。
生瀬駅前
生瀬高台団地の南西端  住宅地をてくてく歩き、生瀬高台団地の南西端まで登ってきた(11:12)。
 ここから赤子谷に向かう山道があるが、フェンスで仕切られている(写真左)。
 しかし、フェンスの左側には開口部があり、そこから山道には入れる。大きなトラックの脇をすり抜けて進む。
 すこし進むと道が左右に分岐する。赤子谷方面はここを左だが、今日はまず近くの三角点を探索したいので、分岐を右に進む。近くの鉄塔のあるピークに三角点(生瀬)が設置されているので、その取付きの探索から始める。
生瀬高台団地の南西端
 すぐに山道は分譲菜園の南西端に出て、そこにはフェンスが設置されていた(写真右 11:19)。
 三角点への取付きはそのフェンスの外側の様であり、やむなくフェンス脇をすり抜けて外側に出た。
 すると、すぐ、明確な道が山を登っているのが確認できた。それは鉄塔の看視路で、しっかりとした道となっている。
三角点(生瀬)への取付付近
三角点(生瀬)への取付付近
三角点(生瀬)からの景色  急で、落ち葉の積もった道を数分登ると高台に建つ鉄塔下に出た(11:27)。ここはなかなかの景色良しだ(写真左)。中国道の高架から名塩の住宅地が遠望できる。しばしその景色に見入ってしまい、三角点の探索を忘れていた。我に返って周囲を見渡すも、三角点の痕跡が見当たらない。
 探索範囲を広げて行くと鉄塔西側のススキの茂みの中に三角点生瀬が設置されていた(写真下)。
 夏草が被る頃は、この三角点生瀬は藪の中で、確認しにくくなるだろう。
 三角点の探索を終え、ピークを下り、菜園のフェンスを越えて、もとの道に戻ることとする。
三角点(生瀬)からの景色
 道が左右に分岐している地点まで戻り、こんどはその分岐を左に下って行く(11:39)。
 雨水の浸食で少し荒れたところがあるが、しっかりとした道が西に続いている。
 10分ほど進んで、小さな流れを渡る細い一本の板橋が登場した(11:46)。この橋は乗ると大きくたわみ、危なっかしい感じがする。急いで通りすぎる。
  その板橋を過ぎると薄い踏跡が左に分岐する。ここが赤子谷東尾根の取付きと思われるので、今日の最終は、ここに下りつく予定である。
三角点 点名生瀬
三角点 点名生瀬
赤子谷入り口のケルン  さらに進んで西宝橋を渡り(11:48)、そこで左折して赤子谷の入り口方面に進む。
 やがて、赤子谷左俣、右俣の分岐点のケルンに到着した(写真左 11:54)。
 ここから赤子谷中尾根を目指す。
 ケルンの右側、右俣と表記された方に進むと急な坂道となり、これを一気に登ると尾根に乗った。次に、リッジのような細道を進んでいく(11:59)。
赤子谷入り口のケルン
 やがて、左右に道が分岐する(写真右 12:00)。
 右は赤子谷右俣への下りであり、赤子谷中尾根は左側の道を登って行く。
 赤子谷中尾根の細い尾根道では、細木に赤紐が結ばれ、道を誘導してくれている。
 左右分岐から、急な坂道を3分ほど登ると、やや傾斜が緩みほっとする。しかし、すぐにまた急な登りとなる。シダの茂る斜面の中を急傾斜な道が縫うように登っている(12:07)。
 一帯は深く落葉が積もって滑りやすく、下りだと難渋するかもしれない。
赤子谷中尾根と右俣の分岐
赤子谷中尾根と右俣の分岐
赤子谷中尾根  やがてロープ場が登場する。まるで壁面ではないかと思うような急傾斜な道をロープにすがりながら登って行く。
 なんとか急坂を登りきって、尾根に立った(12:09)。ここで今まで概ね西に向いて登ってきた道が、やや南に向かい始めたような気がした。
 更に、路面に木の根が張り付いたリッジ道を進んでいく。木の根は、ちょうど足場の役目を担って、登りを助けてくれる(写真左 12:14)。
赤子谷中尾根
 さらに急な登りが続くが、いつしか路面が風化して砂交じりとなり、すべりやすくなる。ここは下りでは要注意だろう。
 次にロープが登場して、一層勾配が急となった(写真右)。ここも壁面のような登りだ(12:19)。
 ロープが無ければ登坂困難である。ルート整備の先人に感謝しながら、ロープを頼りに体を引き上げる。
急斜面のロープ場
急斜面のロープ場
 足場のよさそうな所で、後方を振り返ると、冬枯れの樹木越しに景色が遠望できるようになっていた(12:23)。
 赤子谷中尾根も、だいぶ高いところまで登ってきた感じだ。
 次に、ガレた急斜面となり、ロープが縦横に張られている(写真右)。急斜面が小石と落葉で滑り、すこぶる登りにくいが、ここもロープに助けらる。
ロープが縦横に張られた急斜面
ロープが縦横に張られた急斜面
赤子谷中尾根からの景色(琴鳴山)  多くの人にすがりついたロープは劣化もひどいが、ビニールテープで補修されたり、複数設置されたりと、大事にされているようすが見て取れる。
 ここのロープは必須であり、設置者、管理者の方には感謝したい。
 ロープ場を過ぎても急な道が続き、木の枝や幹につかまりながら、体を持ち上げて進む。
 急斜面と格闘しながら、なんとか平坦な所まで登り詰めた(12:40)。そこは、北側に絶景が広がる展望の場所となっていた(写真左、下)。ここで景色を楽しみながら5分ほど休憩を入れた。
赤子谷中尾根からの景色(琴鳴山)
 展望の場所からは道は平坦となり、落ち葉の道で歩きやすい。赤や白の紐が適度な間隔で続き、進む方向を示してくれている。
 やがて、道が左右に分岐した(写真下 12:50)。この分岐は、おそらく譲葉山北峰の北側あたりと思わる。ということは、右に登れば譲葉山北峰で、左に進めば北峰ピークを肩越えして縦走路に続いていることになる。
 ここは譲葉山北峰を目指し、右側の道を登って行くこととした。
赤子谷中尾根からの景色(名塩方面)
赤子谷中尾根からの景色(名塩方面)
譲葉山北峰の北側の分岐  すぐに小さなピークを越え、そこを下ったところは峠状の場所で、白い小さな案内表示が設置されていた(写真左下 12:55)。
 その案内表示は、ここが赤子谷右俣、生瀬、譲葉山方向の分岐点であることを示していた(写真下)。ここから 赤子谷右俣にも下れるようだ。生瀬方向とは、今登ってきた赤子谷中尾根を示していると思われる。
  ここからは譲葉山方向に進み、北峰を経て縦走路を目指したい。
譲葉山北峰の北側の分岐
白い案内表示の分岐 白い小さな案内表示
白い案内表示の分岐 白い小さな案内表示
譲葉山北峰の南側の祠  その分岐からもうひと登りしたところが譲葉山北峰の北側の祠のピークで、祠にはお水が供えられていた(13:02)。
 譲葉山北峰の北側のピークは広場状の場所で、その昔は祭事場であったのかもしれない。
 北側のピークからさらに南に進み、譲葉山北峰の南側の祠のピークに至る(写真左 13:06)。こちらの祠には石碑が三柱納められている。
 譲葉山北峰からは縦走路に出て(13:09)、東に進む。
譲葉山北峰の南側の祠
 13:13 すぐに譲葉台へ下る分岐が南側に登場した。ここには、六甲縦走路の案内表示NO34がある。
 13:17 次に赤子谷左俣へ下る道が北側に登場する。ここには大きな鉄塔が立っているので分かりやすい。
 13:19 赤子谷左俣分岐の次は、南側に踏み跡が登場する。この踏み跡の先には絶景ポイントがあり、南方から東方に景色が広がる。
 13:22 次に、縦走路から北側に慈癒の小径が分岐する。この道は三柱の大神を祀る祠を経て岩倉山へ続くルートである。なお、祠の三柱は、右から猿田彦大神 水神諏訪大明神 白龍大神と記されている(写真右)。
三柱の大神を祀る祠(岩倉山)
三柱の大神を祀る祠(岩倉山)
岩倉山  13:24 慈癒の小径から岩倉山山頂の祠に至る。
 岩倉山の名は山頂の磐座に由来すると思われるが、その祠内には「大山祇神」、「天照大神」、「磐座社」などの神々等の名が見られた。神聖なる山であるが、山頂からの展望はない。
 なお、岩倉山の祠の前には三角点が設置されている。三角点は祠に向かってやや斜めの向きになっている。三角点の正面は南に向いているので、祠の方が少々南東向きという事か・・。
 岩倉山から縦走路に戻り、次に赤子谷東尾根への取付きを目指す。
岩倉山
 六甲全山縦走路を東に進み、案内表示NO35の標識に至る(13:28)。この分岐には、細い木に「ナマゼ」と彫られているので分かりやすいが、傷ついた木の様子が痛々しい。
 この分岐からは鉄塔看視路でもある生瀬に続く道を辿り、途中から赤子谷東尾根を下って行きたい。
 下り始めは、しっかりとした道である。ここは、以前(5年前)にも歩いた道であるが、あまり記憶にない。
 そんなことを考えながら下っていると、分岐となった(写真右 13:35)。木に二本の赤テープが巻いてあるところだ。右ははっきりとした道で下っている。左は落葉の量が多く歩行者が少ないことを示している。
赤テープ二本の分岐
赤テープ二本の分岐
赤子谷東尾根と思ってしまった道  ここで迷ったが、右が生瀬への鉄塔道で、左が赤子谷東尾根だろうと思い、左に進む(13:38)
 分岐を左に進むと、最初は快適な落葉道(写真左)であったが、すぐに急下りとなる。そして鉄塔(新神戸線24)に下りついた。
 この鉄塔の先にも尾根沿いに薄い踏み跡が下っている。深く考慮もせず、その踏み跡に従う。
 すぐに道は灌木帯の中の急な下りとなった。しかし、そこには踏み跡があり、青色の紐がルートの誘導をしてくれている(写真下)。
 その紐に従い、急勾配を下って行く。
赤子谷東尾根と思ってしまった道
 次第に勾配はきつくなり、木々にすがりながら下ることになった。
 尋常でない急な下りからして、この道はいわゆる「バリエーションルート」のようだ。危険度が高くて一般的でない道に入り込んでしまった。
 方向からすれば、赤子谷左俣方向に下っている。下り続けるかどうか思案したが、踏み跡と青紐を信じて進むこととした。
 勾配は急だが、細い木々が適度にあり、それを頼りに斜面をズッ、ズッ、ズッーという具合で下って行く。
急傾斜に青い紐が続く
急傾斜に青い紐が続く
 さらに勾配が急となり「登りはとても無理だな!!」と思えるような状況となってきた(写真右)。しかし、適度な間隔で青紐が依然としてルートを示し続けている。
 急斜面では風化した真砂土の上に落葉がかぶり、はなはだ滑りやすい。
 ずり落ちてしまわないよう、慎重に慎重に、足元を確認しながら下って行く。やがて、下方に谷筋の流れが見えてきた。少しだけ緊張が緩み、ほっとした。
赤子谷左俣東尾根
赤子谷左俣東尾根
赤子谷左俣  谷筋の流れは見えるものの、その流れに降りるための最後の斜面が壁面の様相で、下れそうにない。
 急な山肌をヘツルようにトラバースして、何とか降りれそうな場所を見つけて、流れに下りついた(14:00)。
 下りついたところは、何となく見覚えのある場所のような気がして周囲を観察した。すると、そこは、3か月ほど前に歩いた赤子谷左俣の上流部だった。ということは今下ってきた道は「赤子谷左俣東尾根」とでも呼ぶのだろうか。
赤子谷左俣
 赤子谷左俣東尾根は、好事家のみが入り込む危険度の高い道だった。後で確認したところ、新神戸線24の鉄塔で右折する道があったようだが、その道を見落として赤子谷左俣東尾根に入り込んでしまったようだ。赤子谷左俣に下りついて、地形図を確認しながら、慎重なルート確認の必要性を再認識したのだった。
 さて、ここからは、赤子谷左俣を下って行く。赤子谷左俣は登ったことはあるが、下りは初めてなので、慎重に進みたい。
 細い流れを下って行くと、大きな斜めに滑り下るような滝に至った(写真上)。ここは左側の岩壁にロープが張られている。それにすがり、ヘツりながら慎重に下る。
赤子谷左俣のゴルジュ
赤子谷左俣のゴルジュ
ゴルジュの壁が迫る  次に著名なゴルジュに到達した(14:13)。ゴルジュは適度な水量で、楽しく通過することができた。
 二度目のゴルジュであるが、その岩壁の圧倒感は変わることなく、感激ものだった。
 岩壁の次に赤子滝が登場し、これはロープで越える(14:27)。
 赤子滝から5分で、赤子谷左俣、右俣分岐のケルンに戻ってきた(14:32)。午前中、このケルンの通過時間は11時54分だったので、2時間半ほど経過していた。
 ケルンからは、午前中に歩いてきた道を逆に戻り、生瀬高台団地を目指す。
ゴルジュの壁が迫る
 西宝橋を渡り(14:39)、生瀬高台へ向かう山道に入った。
 すぐに、一本板の橋に至る(14:46)。今日の計画では赤子谷東尾根を下って、この板橋のところに下りてくるはずだったので、恨めしい気持ちで橋を通り過ぎた。
 更に、生瀬高台への道を進んでいくと、散歩中の老婦人とすれ違った。ここは、地元の方の格好の散策ルートでもあるようだ。生瀬高台の住宅地に入り(14:53)、生瀬駅を目指して更に坂を下る。
 途中、生瀬高台の住宅地からは、青葉台辺りの住宅地であろうか、宝塚の市街と背後の山の連なりが見えていた(写真右)。
 生瀬駅には15時07分の到着で、本日は約4時間の山歩きであった。
生瀬高台からの景色
生瀬高台からの景色
 ●今日の下りルートの赤子谷左俣東尾根(新神戸線24鉄塔から先の下りルート)は、急傾斜で危険度の高い道です。一般のハイカーには全く適さない道であることを注記しておきます。
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