分水嶺越・二十渡渉 (お勧め度★☆☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-24】 |
今日(令和元年9月14日)は、神戸電鉄鈴蘭台駅から六甲を東に進み、鍋蓋北谷、仙人谷、洞川、分水嶺越を巡り、トエンティクロス(Twenty Cross)から布引ハーブ園を経て、布引谷で新神戸に下ってみた。トエンティクロスでは、あじさい広場直下の崩落現場の確認をしたが、崩落斜面がむき出しのままで、踏み跡が固まってきたとは言え、危険エリアであるとの感想を得た。 |
神鉄鈴蘭台駅で下車し、駅前のコンビニで食料を調達して出発する(7:34)。鈴蘭台駅の建物は2018年9月に完成で、既に1年も経過しているが、駅前のロータリーの整備が遅々として進んでいない。さっさと仕上げればいいのにと、部外者の者は思うのだが、開発事業には色々事情があるのだろう。 それはさておき、鈴蘭台駅からバス道を有馬街道に向かい歩いていく。 |
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神戸電鉄鈴蘭台駅 | |
バス道は緩やかな坂から急坂となり、神戸親和女子大を過ぎると(9:38)、その先で峠となって急な下りとなる。 下りきると、有馬街道の鈴蘭台東口交差点に至った(7:55)。この交差点は一般に水源地とよばれ、ここで有馬街道を渡り、鍋蓋北谷の舗装路を登っていく。 鍋蓋北谷の舗装路は緩やかに登っていき、道中に「再度公園」方面を示す道標もある(写真左)。 |
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鍋蓋北谷 | |
鍋蓋北谷をそのまま東に登っていくと、鍋蓋北道に出るが、その途中、右手側に山道の取付きがある(写真右 8:01)。なぜか「防犯カメラ監視中」の看板があるが、ゴミ不法投棄の監視用なのか?? この分岐のルートは地理院地形図にも破線で表示があり、鍋蓋北道まで続いている。このルートは、鍋蓋地獄谷の北側にある尾根で、以前、鍋蓋地獄谷北尾根(仮称)として歩いたルートの一部でもある。 |
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鍋蓋地獄谷北尾根分岐 | |
鍋蓋地獄谷北尾根には、送電線「有馬道線」があるので、鉄塔巡視路にもなっている。したがって、比較的しっかりとした踏み跡がついている。 分岐を入ると、すぐに急な登りとなって、それを喘ぎながら登っていけば、すぐに尾根に乗った(8:07)。尾根にもしっかりと道がついているが、蜘蛛の巣が散在しているので、それを払いながらの進行となる。 |
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鍋蓋地獄谷北尾根 | |
送電鉄塔の脇を過ぎ(8:09)、その先、尾根道はアップダウンを繰り返しながら、次第に高度を上げている。尾根には古い石柱(上面に名前が彫ってある)が残り、残置テープや紐の表示も多い。 やがて、鍋蓋北道に合流した(8:30)。合流地点には道標はないが、よく見ると、細い樹木に赤のビニールテープが巻かれ、そこに「↑水源地」の表示があった。文字は消えかかっていて読みにくいが、これが唯一の目印となる。 |
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鍋蓋北道に合流 | |
鍋蓋北道に合流した地点から、鍋蓋北道を北に進む。すぐに、再度公園方面の分岐がある(8:37)。 この分岐には、「災害に強い森づくり(緊急防災林整備)」、「こうべ森の学校演習林」、「少花粉杉植栽」などの表示がにぎやかに立つのでわかり易い。その看板群の中に、一つだけ目新しい看板があった(写真左)。小さい看板で「西山散策路案内図」と表示されている。今日は、この散策路に入ってみることにした。 |
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西山散策路分岐 | |
西山散策路 1 | 西山散策路 2 |
西山散策路は再度公園内に巡らされた遊歩道で、従前から設けられていた。今回、案内看板を設置して、西山散策路をもっと利用してもらおうという目論見のようだ。 西山散策路はあまり歩く機会はなかったが、よく整備されている。再度公園では、修法ヶ原池を周遊する者がほとんどだが、西山散策路の逍遥もいい感じでした。 |
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西山散策路 3 | |
西山散策路からは仙人谷に道が続いているので、次に仙人谷に入っていく。仙人谷から洞川湖を経て、分水嶺越林道に進む予定だ。 仙人谷は名前からすると深山幽谷の感があるが、洞川林道から再度公園への散策路として利用者の多い道だ。 |
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仙人谷コース | |
西山散策路から仙人谷に入った辺りは谷が深く、斜面も脆い岩肌で落石の危険がある。斜面一面にネットが張られ、落石を防いでいる。 修法ヶ原砂防ダムを過ぎ(9:04)、階段道を下って行くと、感じのいい石畳の道になる(写真下)。この辺りは、洞川梅林にも近く、地元の方のジョギングのコースにもなっている。 |
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仙人谷 | |
仙人谷の石畳道 | 洞川湖 |
仙人谷コースは、やがて洞川湖畔の道になる。洞川湖では、空の青を映して群青となった水面に、多くの釣り人が糸を垂らしている(写真右上 9:17)。釣り人は北側の岸辺に集中しているが、何が釣れるのだろう。 洞川湖畔から洞川林道に出て(9:23)、東に向かう。この林道は、奥再度DWに続いていて、時折、車がやってくるので注意する。 |
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洞川林道 | |
洞川林道は、すぐに奥再度DWに突き当たった(9:26)。ちょうど、修法ヶ原橋の架かるところで、学習の森前のバス停がある。ここで、奥再度DWをクロスして、分水嶺越林道に入る。分水嶺越林道の入口は、車止めや鎖があり、車両は侵入できない(写真左)。 | |
分水嶺越林道の入口 | |
分水嶺越林道の入口には、神戸市森林整備事務所設置の看板があり、この林道は車両通行止めだが、ハイカーの利用は自由であることが宣言されている。分水嶺越林道は、トゥエンティ・クロス(二十渡渉)まで通じているので(約1.3km)、ここから二十渡渉に向かうことにする。 分水嶺越林道に入るとすぐ、右手側に再度公園に向かう山道が分岐した(写真右)。次に、左手側に、森林植物園に向かう山道が分岐する(9:30)。いずれも道標があってわかり易い。 |
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分水嶺越林道 | |
分水嶺越林道を更に東に進んでいくと、砂利道から舗装路になって勾配がきつくなる。つづらに切り返して林道は高度を上げ、その先で左に道が分岐していた(9:40)。ここは水道施設がある場所で、北ドントリッジの取付きでもある。 北ドントリッジの取付きを過ぎると、分水嶺越林道は砂利道となって下りとなる。それを、更に東に進むと右手側に山道が分岐している。ここは南ドントリッジの分岐で、その旨の道標がある(写真左 9:46)。 |
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南ドントリッジの分岐 | |
南ドントリッジの分岐から少し進んで、分水嶺越林道は切通の場所を抜ける(写真右 9:51)。この切通の所は、森林植物園東門に向かう山道の分岐であり、ベンチや道標がある。しかし、この分岐点は、夏草が繁茂し、少し藪の様相となっていた。なお、分水嶺越林道の切通しの先に見える緑深い山域は、黒岩尾根の連なりだろう。 | |
分水嶺越林道の切通 | |
更に分水嶺越林道を東に進むと、「迂回路」の表示が登場した(写真左下 9:55)。ここは、高雄山へ登る道の分岐だが、二十渡渉があじさい広場下の崩落で通行止めの為、ここが市ケ原方面への迂回路とされている。 分水嶺越林道をそのまま進んでいくと、道が左右に分岐する(写真下 10:00)。分水嶺越林道は右側に続くのでそのまま進み、大きな木の所で踏み跡を伝って二十渡渉の流れに下る。 |
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分水嶺越林道 | |
迂回路 | 分水嶺越林道は右へ |
分水嶺越林道から二十渡渉の流れに下ったところは、ちょうど河童橋の橋詰だった(写真右 10:07)。河童橋を渡り、周囲を見渡すと二十渡渉の河原一帯に砂が広く堆積し、杉の立木が何本も立ち枯れしていた(写真下)。立ち枯れは、大雨で流出した土砂の被害だろう。 | |
河童橋 | |
さて、河童橋で少し思案する。二十渡渉は、昨年の台風により、河童橋下流のあじさい広場下で山道が崩落したと聞く。よって、河童橋からは、二十渡渉を上流に遡行していくことにした。 河童橋上流でもう一つ小さな木橋を渡って進むと、すぐに森林整備事務所の「注意!」の看板が立っていた。看板は、「あじさい広場下の崩落で通行は危険である。」旨の注意喚起だが、よく見ると、かまぼこ板で作った小さな札が併設され「通行可能」と手書きしてある。 |
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河童橋の周辺 | |
崩落個所が仮復旧したのではと思い、探査してみることにした。そこから二十渡渉を下流に下り始める。 河童橋を再度渡り、すぐに「あじさい広場」に到着した(写真下 10:27)。ここにも「通行危険・う回路利用(森林整備事務所)」の表示がある(写真右)。 |
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う回路の表示 | |
あじさい広場 | 通行可能の標示 |
あじさい広場を先に進むと、こんどは工事現場でよく見る黄色い通行止めのバリケード(A型バリケード)があり、「この先崖崩れがあり登山道が崩落しています。大変キケンです!!(森林整備事務所)」の掲示がある。しかし、よくみると、Aバリの上部にかまぼこ板で「通行可能」の表示もある(写真上)。 その表示に従い、Aバリを越えて高雄山砂防ダムの看板(写真左 10:29)を過ぎると、眼前に無残な崩落現場が見えてきた。 |
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高雄山砂防ダム | |
張り巡らされたロープにつかまりながら急な斜面を下ると、崩落個所の真下に出た(10:31)。ここは高雄山砂防ダムのすぐ下流で、崩落箇所は山肌むき出しの大規模なものである。大小の岩石が露出して、倒木も重なり、悲惨な状況となっている。しかし、崩落から日数が経過し、踏み跡が固く付けられて、問題なく通過は可能だ。ただし、気象状況により、いつ、自然が牙をむくかわからない。ここは、通らないのが正解のように思えた。 | |
二十渡渉崩落現場1 | |
二十渡渉崩落現場2 | 二十渡渉崩落現場3 |
崩落現場を過ぎ、二十渡渉を市ケ原の方に向け下って行く。黒岩尾根分岐まで下ってくると、ここにも「崖崩れキケン」のAバリケードがあった(10:41)。その先、地蔵谷分岐(10:44)、縦走路分岐(10:50)と下ってきた。縦走路分岐の辺りで、高雄山方面を振り返ると、二十渡渉の崩落現場の無残な姿が遠望できた(写真右)。大変であろうが、早期の復旧を望みたい。 | |
高雄山と崩落現場 | |
さて、ここからは縦走路を少し登り、世継山にある神戸布引ハーブ園に立ち寄ってみたい。 縦走路に入るとハイカーも多い。ソロで歩く男性の後方から縦走路の階段を登り、道標「布引ハーブ園」の所で右に分岐する道に入る。すぐに、山道に立つ三角点が確認できた。それは四等三角点で、点名は「山郡」である。ここは縦走路からはずれているので、山郡三角点はひっそりと落葉に囲まれていた。なお、近くの枝には、三角点の北緯と東経を示す小さな札もぶらさがっていた。 |
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四等三角点:山郡 | |
三角点を過ぎて尾根道を進むと、右手側に世継山の山頂が見えてきた(写真右)。世継山の緑の中に、布引ハーブ園施設の屋根も見えている。 布引ハーブ園は世継山の山頂に造られているが、世継山の山頂は普段は入れないようになっている。布引ハーブ園のイベントで、山頂が開放されることもあるらしいが、まだその機会に巡り合ったことがない。 |
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世継山を望む | |
その先で、高圧鉄塔の脇を過ぎて(11:14)、布引ハーブ園に到着した。扉を開けて施設内に入る。 布引ハーブ園は多くの客でにぎわっている。日本人だけでなく欧米系の方も多く来場している。ハーブの名に引かれて、来園されているのだろう。 |
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布引ハーブ園1 | |
布引ハーブ園2 | 布引ハーブ園3 |
布引ハーブ園では、その種類約200種といわれるハーブを観察しながら園内を下って行き、ロープウェイ「風の丘中間駅」のところから園外に出た。車道を下りながら市街地の展望を楽しみ(写真右)、布引の滝を経て新神戸駅まで下ってきて本日の山歩きを終えた。 布引ハーブ園は、いつもながら楽しく園内が散策できたが、まだ少々日差しがきつかった。秋にまた訪れたいと思うのだった。 |
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帰り道の景色 |
● 高雄山砂防ダムのすぐ直下の崩落箇所は、山肌がむき出しで倒木も残り、危険な様相である。気象状況によっては、再度の落石の恐れもありそうで、危険個所との評価が正当だろう。 |
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