樫ケ峰・社家郷山・行者山 (お勧め度★★★) 東六甲【4-6】

今回(平成19年3月31日)は、ガイドブックなどにはあまり紹介されていない、
行者山から、東六甲縦走路を経て、社家郷山、樫ケ峰山に戻ってくるコースを歩いてみた。

ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 行者山へは光ガ丘や青葉台からも登れるようであるが、今日は西坂逆瀬台から取り付くことにする。
 阪急逆瀬川駅からバスに揺られ、宝塚西高前で下車する。そこから少し東に引き返して、大きなマンション(アヴェルデ)を右から巻くようにして裏に回る(写真右)。咲き始めた桜を眺めながら立体駐車場にそってやや西に進むと、行者山ハイキングコースの地図が現れる(10:10)。ここが、行者山登山道西坂逆瀬台口である。
 ここは大きなマンションのすぐ裏に山が迫っており、住人の方は、散歩がてらに山歩きが楽しむことができ羨ましい限りだ。
アヴェルデ
アヴェルデ
甲山を望む  登山道はよく整備されていいる。若葉が芽吹き始め、新鮮な緑の空気を感じながら緩やかな坂を登っていく。振り返るとマンションの後方には深谷貯水池と甲山が綺麗に望める(写真左)。
 少し進むと、堰堤に突き当たる。ここは右から巻いて越える。やがて道は尾根筋となる。ここから左手側の下方に高校のグランドが望める。元気な高校生の声が聞こえてくる。この声に力をもらって、次第に急勾配となった尾根に食らいついた。
 急な尾根道にはロープも張られている。急坂に、額に汗がにじみ始めた頃、尾根道は平坦となり視界が開けた(10:39)。ここには「行者山東観峰南テラス」との表示がある。
甲山を望む
 行者山東観峰南テラスからは、南東に視界が開けている。また、南テラスでは、青葉台口と北逆瀬台口からの登山道も合流している。
 しばしここで息を整える。
 南テラスから、更にもう一登りすると、展望の良い尾根筋となり、その先に行者山東観峰があった(写真右 10:45)。
 東観峰では、先客が景色を楽しんでおられた。それはご夫婦のハイカーで、先週始めてここに来て感激したので、今週も登ってきたのだと言う。自宅がここから見えるかもしれないと、ご夫婦で前方を指しながら景色に見入っておられた。お邪魔虫になるといけないので、ここは早々に立ち去ることにした。
行者山東観峰
行者山東観峰
行者山東観峰から望む宝塚  立ち去りながらも東観峰からの絶景を一枚写真に収めさせてもらった(写真左)。
 成る程、東観峰からの景色は感激ものである。その字のとおり、東側の眼下一面に宝塚の町が広がっている。
 標高は383mなれど、この峰からの展望は抜群である。
 次に行者山頂上を目指す。東観峰から行者山へは、西に向かって山道が続いている。進み始めてすぐに光ケ丘口へと下っていく道が右手に分岐していった。行者山は、幾筋もの登山路が整備されている。
行者山東観峰から望む宝塚
 東観峰からの道は緩やかに下った後、緩やかに登り返す。この登り道の尾根筋からは、左手側に樫ケ峰方面の山々が、また、右手側には譲葉山、岩倉山などの六甲東縦走路の山々が綺麗に望める。岩倉山の反射板も見えている。
 東観峰から5分ほどで、行者山東展望台(400m)に到着した(10:55)。ここからは、甲山が望める。また、後ろを振り返ると、先程、通過してきた行者山東観峰が、宝塚の町並みを背景に緩やかな傾斜を見せていた(写真右)。
行者山東観峰を望む
行者山東観峰を望む
行者山頂上  行者山東展望台から緩やかな稜線をたどること3分で行者山頂上に到着した。行者山の頂上は木々に覆われ眺望はない(写真左 10:58)。
 行者山頂上の松の木には、何枚かの登頂札がつけられていた。また、ケルンのような石積があり、それとは別に、大小の石が地面に半分埋まっていた。これらの石は、その昔、行者が何かの修行のために使ったものであろうか。
 とも一瞬思ったが、それらはどう見ても単に土中の岩石が風雨で半分露出しただけのようである。その昔の、行場を感じられるようなものは、現在、何も残されていないようだ。
行者山頂上
 次に、東六甲縦走路を目指して下っていく。
 すぐに道が左右に分岐した。右は光ケ丘口へと続く道である。東六甲縦走路へは、ここを左折する。
 するとすぐに2つ目の分岐点が現れた(11:05)。左はゆずり葉台口、白瀬川源流コースへと続く道である。よってここは、Uターンするように右折する(写真右)。
 ところで、行者山は、ここまで随所に案内看板や地図が設置されていた。従って、この山では初めてのハイカーも道に迷うことなく絶景を楽しみながら山歩きができるだろう。登山道の整備関係者の方には感謝の次第である。
東六甲縦走路への分岐点
東六甲縦走路への分岐点居
東六甲縦走路への山道  道は東六甲縦走路を目指しての登り道となった。この道は、やや石ころは多いが幅広のしっかりとした道である(写真左)。
 緩やかな登り道を進んで行くと、道が左右に分岐した。右は岩倉山反射板へと続く道である。(11:13)。ここは左の主脈を行く。
 更に、だらだらとした登り道を進み、一汗かいたころ、東六甲縦走路へと合流した(11:21)。縦走路は西に進み、次は譲葉山を目指す。
東六甲縦走路への山道
 譲葉山は、前回ここを歩いたときにピークが確認できなかった山である。Webで調べてみると、どうも譲葉山には514mと526mの2つのピークがあるらしい。この情報と地図をたよりに赤子谷へと下る分岐を過ぎた辺りのそれらしき場所を探索したが前回以上の成果はなく、空しく時だけが過ぎていく。今回もピークの確認はあきらめるざるを得ないようだ(^_^;)
 東六甲縦走路に戻って、更に西に進む。
 次に、右手側に岩原山へ続く道が分岐する箇所で、左手側に踏み跡を発見した。もしやと思い、ここにも踏み込んだ。しかし、道は少し登ったところで行き止まりとなった。また、時間をロスしてしまった。
 譲葉山はあきらめ、大谷乗越を目指して西に進む。(写真右)
東六甲縦走路
東六甲縦走路
小笠峠へ下る尾根からの景色  大谷乗越で車道を渡り(12:05)、急階段を上った後も登り道が続く。
 やがて、大平山の大きなアンテナが眼前に現れた(12:19)。ここも前回、三角点のピークが確認できなかった場所である。早速ピークの探索に着手する。東側のアンテナ施設の周りでは何の発見も無かった。次に西側の大きなアンテナに挑む。ムム・・!!前回確認できなかった踏み跡を把握した。しっかりとした踏み後がアンテナの東側に回りこむように続いている。そして、とうとうアンテナの東の小高い場所でピーク表示と三角点を発見した。(*^o^*)充実した気持ちで大平山を後にしたのは言うまでもない(12:46)。
小笠峠へ下る尾根からの景色
 大平山でピーク探しに20分以上費やしてしまった。大平山を過ぎても、やはり道はだらだらとした登り道が続く。この辺りでは、多くのハイカーとすれ違った。六甲最高峰から下ってくる人たちであろう。やがて左手側に小笠峠への分岐点が現れた(12:52)。今日はここを下って、次に社家郷山を目指す。
 小笠峠へと続く尾根道は馬の背のような痩せ尾根で始まった。次に急な下りとなり、どんどん高度を下げていった。途中、右手側に木々の間から少し視界の開けた箇所があった(写真上)。風情のある枯れ木の向こうに見えるのは小天狗山だろうか。また、この尾根で、一箇所、前方に展望の開ける箇所もある。そこからは社家郷山の連なりの向こうに甲山が見えている。
小笠峠へ下る尾根道
小笠峠へ下る尾根道
棚越新道から振り返る  尾根道は、次に岩場で足元が不安定な場所となった。ここは慎重に下っていく。
 痩せ尾根に丸太で階段が作られているが、勾配は相当急であり、足元から目が離せない(写真上)。また、尾根の左下には幾つもの砂防用の堰堤が現れる。その周囲の岩肌は荒れて崩落も激しいようだ。急勾配と、崩落でこの尾根は、下りには不向きかもしれない。
 何とか谷底まで下りてきた(13:15)。ここから、逆瀬川の源流と思われる沢に沿った道となる。この辺りは暗くて陰気な感じである。
 やがて沢沿いの道は車道(棚越新道)に付きあたった。その辺りから振り返って、今下ってきた谷筋の様子を眺めると写真左のような感じである。
棚越新道から振り返る
 車に注意して車道(棚越新道)を渡り、50mほど北に進むと、ガードレールの切れ目に樫ケ峰方面への登り口を示す表示があった。ここから、小笠峰への急な登りが始まる(13:26)。
 大平山から小笠峠まで急な尾根道を下ってきた足には、小笠峰への登り斜面はやや応える。なんとか踏ん張って10分で小笠峰の頂上に至る(13:36)。頂上には「小笠峰標高490.3m」の表示柱が立っていた(写真右)。急な斜面を登ってきたものの、この山頂は雑木に囲まれていて眺望がないのは残念である。
小笠峰
小笠峰
社家郷山  小笠峰の頂上からは、概ね平坦な尾根道が東に向かって伸びている。5分ほど進んで、「外れ峰出会・西三ツ辻出会」との表示のある分岐点となった。社家郷山方面へ進むには、ここは直進である。更に6分程進んで社家郷山頂上に到着した。そこには「社家郷山489m」の表示と共に、「社家郷境界」と記載された古そうな石柱も立っていた。石柱にある社家郷とは、西宮町、広田町、越水村、中村のことを指すとのことで、ここはこれらの町村の合有地となっていたのであろう。社家郷山の頂上からは、先程通過してきた大平山の電波塔が遠くに見えている(写真左)。
社家郷山
 社家郷山で5分ほど休憩した後、「社家郷展望ルート」と記載された尾根道を東に進んで行った。緩やかな尾根道が続くのかと思っていたが、さにあらず、ロープの張られた急坂もある。そこを下ると平坦な尾根道となり、すぐに逆瀬川源流へと下る道が左手側に分岐していった。その分岐を過ぎて尾根伝いにやや登るとピーク状の箇所となり、そこからも右手側に「キレット展望台」と表示されたルートが下っていった(14:06)。この辺りは分岐が多い。
 更に岩場もある尾根道を10分程進んで「馬の背岩展望台」に到着した(14:15 写真右)。
馬ノ背岩展望台
馬ノ背岩展望台
馬ノ背岩展望台からの景色  馬の背岩展望台はその名のとおり、馬の背のような細い尾根筋にある展望台である。ここからは、南北に大パノラマを堪能することが出来る。
 特に北側に連なる東六甲の山々は、圧倒的な存在感で見るものに迫ってくる。その感じが、左の写真でお分かり頂けるであろうか。また、眼下には、逆瀬川上流の切り削がれたようなザレ場の尾根筋が荒々しい形相を見せている。しばし、呆然として、その景観に見入ってしまった。
 北側ばっかり見ていたようで、南側にどのような景色が広がっていたのか覚えていないのが残念。(^_^;)
馬ノ背岩展望台からの景色
 午後も2時を過ぎるとハイカーも少なく、馬ノ背岩展望台では絶景を独占である。
 感動した北側の山々の連なり具合を、ここに記しておく。
 一番左手には船坂峠から伸びる東六甲の稜線が、次に、頂上にアンテナのある大平山が、その右には大谷乗越辺りの車道の切れ込みが、そして、岩原山、エデンの園(老人ホーム)の裏山である譲葉山と続く。
 右端には、今日の朝登った行者山が間近にせまる(写真右)。
行者山を望む
行者山を望む
樫ケ峰  名残は惜しいが景色も堪能できたので、そろそろ馬ノ背岩展望台を出発することにする(14:23)
 すぐ、前方に、次に向かう樫ケ峰が見えてきた(写真左)。樫ケ峰へ向かう尾根道では、西宮市公共基準点も設置されている。あれ、ここは西宮市なの??と一瞬考える。どうやら、この尾根筋は、西宮と宝塚の市境のようである。
 馬ノ背岩展望台を出発して3分程で樫ケ峰の頂上に至った。頂上は雑木の中で展望はない。ここにも石柱が立っている。しかし、そこに彫り込まれている文字はなぜか「社家郷山」である。??? この山も、社家郷の入会地だったのであろうか。・・
樫ケ峰
 樫ケ峰を過ぎると尾根道は下りとなり、一気に前方に視界が開ける。ここからの景色も中々のものである(写真右)。南東側には、ゴルフ場の先に甲山がその特徴のある姿を見せている。北側からは、行者山がどんどん近づいてくる感じだ。
 やがて道はT字の分岐となる(14:38)。右はゴルフ場へ続くのでここは左折する。
 次に、プラ板の味気ない階段道となる。ここは急な階段が続く。
 階段を下りきって、東に向かって進むと、ゆずり葉緑地手前の車道に至る(14:55)。車道沿いは、まるでごみ捨て場ではないかと思われるぐらい粗大ゴミが捨ててある。これにはがっかりである!!。
樫ケ峰下り道からの景色
樫ケ峰下り道からの景色
ゆずり葉緑地の砂防モニュメント  前方に、ゆずり葉緑地の『砂防モニュメント』が見えてきた(写真左)。
 この『砂防モニュメント』は、逆瀬川が我が国の砂防事業発祥の地とされていることからこの地に建てられたという。
 先人達の砂防の努力で、荒廃地であった逆瀬川流域が今のような素晴らしい住宅地になったのだといわれる。先人の苦労を思いながらゆずり葉緑地をぬけ、宝塚西高前からバスに揺られ、帰途についたのであった(15:17)。
 今日は、絶景に大満足の山歩きであった。(*^o^*)
ゆずり葉緑地の砂防モニュメント
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