ハチノス谷西尾根  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-23】

ハチノス谷東尾根は以前歩いたが、ハチノス谷西尾根は未到である。
そこで今日は、そのハチノス谷西尾根を訪ねてみた。

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 ハチノス谷は杣谷からまっすぐ北に向かい長峰山(天狗塚)に向かい伸びる谷筋である。この谷の左右に長峰山の稜線を目指し尾根が登っている。東側の尾根はハチノス谷東尾根で、この尾根は以前登った(ハチノス谷東尾根)。西側の尾根がハチノス谷西尾根で、こちらの尾根はまだ未踏である。そこで今日の(平成22年3月22日)山歩きはこのハチノス谷西尾根を目指してみる。
 阪急王子公園駅を10時8分にスタートする。王子公園の桜はまだまだ固い蕾のようだ。
 灘区の住宅街の中を杣谷の入り口である灘円山公園を目指して進む。
灘丸山公園の桜
灘丸山公園の桜
杣谷堰堤内  駅から25分程歩いて灘円山公園に到着。この公園の見事な桜は今年も桃色の花びらを満開にしていた(写真上)。
 永峰堰堤前のパイプから湧き出る清水で手をすすぎ、堰堤を左から越える(11:40)。さらにその後方に位置する杣谷堰堤も越えて、その堰堤内に降り立つ(写真左)。
 今日は晴天で、ここからカスケードバレイを目指して進むハイカーが数組前方に確認できる。ハチノス谷西尾根は、このカスケードバレイを少し登ったところから右に入り尾根に取り付くようである。その取り付きを目指し、当方もカスケードバレイに足を踏み入れた。
杣谷堰堤内
ハチノス谷西尾根への分岐  カスケードバレイに入って数分で右手側に119ばん通報プレート(な25−5)が設置された案内柱が登場した(写真左 10:51)。
 ここから右側に踏み後が分岐し、尾根に向かって登っている。ここがハチノス谷西尾根への分岐点である。
 119ばん通報プレートのある案内柱に表示された白い矢印の部分に小さな文字で「ハチノス西尾根」と落書きがあるので、ここがハチノス谷西尾根への分岐であることが確認できる。
ハチノス谷西尾根への分岐
 カスケードバレイから右に入り、2分程斜面を登るとすぐに尾根筋にたどりついた。ここからハチノス谷西尾根の稜線を登って行くことになる。
 ハチノス谷西尾根の稜線に出たところは、南側に眺望が広がっている(写真右)。
 眼下は長峰霊園で、今日は彼岸なので多くの方がお墓参りをされている。線香の匂いが、この尾根にもかすかに流れ着いてくる。
ハチノス谷西尾根へ到達
ハチノス谷西尾根へ到達
ハチノス谷西尾根 第一番目の鉄塔
ハチノス谷西尾根 第一番目の鉄塔
 ハチノス谷西尾根は明るい感じの尾根道で始まる(写真上)。尾根にはしっかりとした道が北に向かい続いている。このことからハチノス谷西尾根には多くの人が足を踏み入れていることが分かる。
 尾根を登り始めるとすぐ一番目の高圧鉄塔が登場した(写真右上)。この鉄塔は大きな岩の上に立っている。ハチノス谷西尾根道はこの鉄塔の下を潜り抜けて続いている。
 一番目の鉄塔を過ぎると、急勾配の山土の道となった。おまけに土の上に落葉が積もり非常にすべり易い。慎重に登る。
 ふと見ると、傍らにはツツジが咲いている(写真右)。この尾根は日当たり良いのでツツジの開花も早いのだろう。
ハチノス谷西尾根に咲くツツジ
ハチノス谷西尾根に咲くツツジ
第二番目の鉄塔 山火事のあったところ?
第二番目の鉄塔 山火事のあったところ?
 ツツジの花を楽しみながら更に尾根道を登ると、ハチノス谷西尾根で二番目の鉄塔に到着した(写真上 11:08)。ここからは西側に摩耶ケーブル虹の駅と摩耶観光ホテル跡が見えている。
 第二鉄塔を過ぎると何やら松が立ち枯れになって荒れた感じのエリアとなった(写真右上)。ここは従前、山火事があったところらしい。火事があると、なかなか緑が回復しないのだろう。
 次に右下のハチノス谷から爽やかな水音が聞こえてきた。小滝からの水音のようだ。
第二鉄塔を振り返る
第二鉄塔を振り返る
岩の多いハチノス谷西尾根  更に尾根を登って第二鉄塔を振り返ってみた。鉄塔の後方に広がる神戸の町並みが綺麗である(写真上)。
 この辺りから、また岩の多い尾根道となってきた(写真左)。
岩の多いハチノス谷西尾根
 ハチノス谷西尾根道の前半は、陽光の降り注ぐ明るい感じの道で、快適に楽しく歩ける道と感じた(写真右)。
 二番目の鉄塔辺りから伺い見ることができた摩耶観の廃墟も、高度が上がるにつれ、さらにはっきりと確認できるようになってきた。
 摩耶観は、アールデコ風の特徴的な建物で、かつてホテルとして利用されていたが廃業となり、現在は立入禁止である。
明るいハチノス谷西尾根道
明るいハチノス谷西尾根道
第三番目の鉄塔  やがてハチノス谷西尾根道は明るい尾根道から見通しのない樹間の道になった(11:16)。勾配のきつい登りが続き、枯れた松葉が積もって歩きにくい。
 その樹林帯を登り続けていると、前方にハチノス谷西尾根の第三番目の鉄塔が見えてきた(11:37)。この鉄塔は今までの二つの鉄塔に比べ、相当大きい。
 ハチノス谷西尾根はあまりハイキング本などでは紹介されていないのに、しっかりとした道が続いているのは、この鉄塔の看視道として利用されているからであろう。しかし、プラ階段などの人工物はほとんど設置されてなく、自然な感じで好感が持てる。
ハチノス谷西尾根 第三番目の鉄塔
 第三鉄塔から更に尾根筋を登ったところで道は薄暗い広場状の所に至った(11:47)。写真右の大きな岩のある場所である。今まで明瞭であった踏み跡がここで分かりにくくなった。
 しばしこのエリアでまごついたが、よく見ると道は大岩の左を進み、左側の尾根に登っている。
 左の尾根に登ると赤いテープ表示があり、再び明瞭な踏み跡が登場した。
 少し進むと、椿の木が多く生えたエリアとなった。
 薄暗い樹間に沢山咲いた赤い椿の花に気の和む感じがした(写真下 11:53)。
大岩の左を進む
大岩の左を進む
ツバキが咲いている 根が張り出した尾根道を進む
ツバキが咲いている 根が張り出した尾根道を進む
 椿のエリアを過ぎると、木の根が地面を這う尾根が登場し(写真右上)、次にハチノス谷西尾根の最後の激登りの坂となった(写真右)。木立の間を真っ直ぐに急坂が登っている。
 疲れた足にこの最後の登りは相当キツイ。
ハチノス谷西尾根 最後の急登
ハチノス谷西尾根 最後の急登
「火の用心」が登場  なんとか急坂を登りきると、広場状の場所に至った。
 ここには関電の「火の用心」の表示があり(写真左 12:10)、そこから西下に薄い踏み跡が下っていた。下り口には枯木が横たわり、それはハイカーの侵入を阻止しているようにも見えるが、道があるのは間違いない感じだ。
 きっとカスケードバレイに下れるものと思い、帰り道はここを下ることにした。
「火の用心」が登場
 関電の「火の用心」から少し登り、ハチノス谷西尾根道は伯母野山から長峰山に登る道に合流した。
 そこには119番通報プレート「な48−6」が設置された場所である。
 長峰山への道では多くのハイカーが歩いており、それはハチノス谷西尾根で一人のハイカーにも会わなかったのと対照的である。
 その合流点から少し進み長峰山に到着した。しかし、長峰山の頂上の大岩(天狗塚)は複数のハイカーで満員であり、登れる雰囲気ではない。そこで長峰山の登頂はあきらめ、先程発見した「火の用心」からの下りルートを探索してみることにした。
伯母野山からの道に合流
伯母野山からの道に合流
「火の用心」から下り始める  「火の用心」からの下り始める(写真左 12:18)。
 まずは急な勾配で、滑り落ちないように慎重に下る(写真下)。
 下り始めて思ったが、ここには道らしきものはあるが、テープ表示が一切ない。どんなマイナーなルートでも、人が歩いたルートであれば、先輩が残したテープがあるはずだ。そのことが気になったが、とりあえず下ってみることにする。
「火の用心」から下り始める
 途中から路面は猪に掘り返されてボコボコの状態になってきた。獣道の様相である。
 不安を募らせながら進んでいると、傍らに飛び出した木の枝が払われた形跡を発見した。このルートに人の手が入っていることがはっきりした。また、安心して下り始める。
激下りの山道
激下りの山道
振り返ると天狗塚(長峰山)が  激下りの滑りやすい道が終わり、やや勾配が緩やかになってきた。しかし、依然として路面は猪の掘り返しでボコボコの状態である。
 ふと振り返ると、木々の間から先程目指した長峰山のピーク辺りが垣間見えている(写真左)。さらに下ると、真正面に摩耶山掬星台の建物が見えてきた。南西方向に下っていることは間違いない。「カスケードバレイはまだかいな。」と考え始めた頃に前方に高圧線の鉄塔が登場した(写真下)。悪い予感が頭をよぎった。そしてその予感は的中した。高圧鉄塔のところで道は終わりを告げたのである(12:33)。
振り返ると天狗塚(長峰山)が
 鉄塔の足場の周りを何度も確認したが、これ以上は下に続く道は無いようだ(写真右)。
 あきらめて、下ってきた道を登り返すことにする(12:44)。
 下っているときに「こんな急な道は登りには使いたくないな。」と思っていたが、登りに使わざるを得ない状況に置かれてしまった。
 急斜面にあえぎながら、20分ほどで元の「火の用心」のところまで戻ってきた。
鉄塔の所で行き止まり
鉄塔の所で行き止まり
天狗塚(長峰山)  行き止まりとなっていた道が気になったので、家に帰ってネットで調べてみると、火の用心の標識にNo13「いってこい」と書かれているそうで、その道は行き止まりで、誰も行かない道であると説明されていた。
 なんてことだ。当方は「いってこい」の表示を見落としてしまい、常人は行かない道を進んでしまったようだ。
 意気消沈であった。
天狗塚(長峰山)
 また長峰山頂上近くまで登り返してきたので、もう一度天狗塚を目指してみることにした。
 天狗塚のピークは、こんどは数名のおじさんのみであったので(写真上)、ご一緒させていただき、360度の眺望を楽しむことが出来た。
 ここからだと、表六甲ドライブウェイが、丁字ケ辻に向かい蛇行しながら登っているのが良く見える(写真右)。
天狗塚(長峰山)からの景色
天狗塚(長峰山)からの景色
長峰山下り道からの景色  さて、天狗塚(長峰山)で360度の眺望も堪能できたので、そろそろ下山を始めることにする。ここから展望のよい尾根を伯母野山町に下ろうと思う。
 途中、笹が刈り取られ眺望の開けた場所がある。グリーンベルト整備事業の実践場所なのかもしれない。しかし、植林されたであろう木々が勢い良く成長している様子はない。そのおかげで、ここからの眺めは良好である(写真左)。
長峰山下り道からの景色
 更に下って麓の「天狗塚を経て杣谷峠」の標柱の場所まで下ってきた(13:49)。ここにはコース案内図も設置されている。通常ここで右折して、伯母野山町の急勾配のアスファルト道の方に進むのだが、今日はここを真っ直ぐに進んでみる。正面の鉄塔の下をくぐって、道が伸びているのである。
 その鉄塔を過ぎると道は右折し、斜面を下って住宅地に下りついた(13:54)。篠原台21の表示のある場所だ。高級そうな住宅の立ち並ぶ道を下っていく。途中で後方を振り返ると、一ケ谷尾根に立つ鉄塔を望むことができた(写真右)。この鉄塔は今日歩いたハチノス谷西尾根の鉄塔に繋がっているのだろうと考えながら阪急六甲の駅を目指して歩いたのであった。
篠原台から一ケ谷尾根を望む
篠原台から一ケ谷尾根を望む
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