菊水山・鍋蓋山 (お勧め度★★☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-5】 |
菊水山から鍋蓋山にかけては、その急な登りゆえに六甲全山縦走大会でも難関の一つに数えられる。 しかしその菊水山も鈴蘭台方面から登ると、意外と楽に山頂に立てる。 そこで今日(平成23年3月27日)は、神戸電鉄の鈴蘭台駅からスタートし、省エネ走行で菊水山・鍋蓋山を越えて、再度公園で一服した後、諏訪山方面に下って見ようと思う。 神鉄の車庫前にある菊水山の登山口(写真右)で準備運動の後、10:23にそこをスタートした。 |
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菊水山登山口(神鉄車庫前) | |
まずは鈴蘭堰堤を右から越えていく。この堰堤は平成19年6月の完成であり、まだ新しい。 高さ10mの堰堤を越えると、せせらぎ沿いの登山道となる(写真左)。しばらくはこの小さな流れを何度かクロスしながらの登りである。 登山道はよく整備され、快適な歩行が可能だ。 この辺りで上から下ってくる多くの人とすれ違った。経装備と軽快な足取りからすると、地元の毎日登山の方のようだ。 |
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せせらぎ沿いを登る(平17) | |
15分程登るとアスファルト道に出るが、登山道はこれをクロスして上に続いている。アスファルト道はNTT管理道で、これを登っても菊水山の山頂に立てるが、舗装道は味気ないので、山道の方を登る人が多い。 登山道を更に少し登ると、もう一度アスファルト道に出る(写真右)。この辺りからは右手側に菊水山の山頂が見えてくる。 次に、舗装路沿いに東屋が登場する。「市民山の会毎日登山菊水山署名所」とある。署名ノートを拝見すると、今日は既に84名の方が名を記していた。 |
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いちど車道(NTT管理道)に出る | |
署名所には菊水山登山会の会員名が張り出されている。その数は527名であり、地元の方にとって菊水山が人気の山であることが分かる。 署名所を過ぎると傍らに小さな池が登場する。「いこいの池」と命名されたこの池の所からまた山道に入る(写真左)。 そこからは、少しだけ急な階段の登りが続く。短時間の登りだが、息が少し上がってきた。ここでは急登の菊水山の雰囲気がしばし味わえるのである。 |
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いこいの池から山道に入る | |
菊水山頂(平17) | 菊水山(山名碑と電波塔) |
急な階段を登りきると菊水山の頂上に到着だ(写真上、右上)。菊水山登山口から山頂まで30分で到着した。 山頂のベンチでは、多くのハイカーが休憩している。電波塔の下の展望台でも数名のハイカーが足を休めている。 急登の続く南側から菊水山に登ってくると、どうしても山頂で大休止をとることになるが、当方は北側から簡単に登ってきたので、ここは小休止で出発し、次の鍋蓋山を目指す(10:55)。 |
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菊水山城ケ越(ジョウガゴシ) | |
縦走路に沿って鍋蓋山を目指す。 樹間の道を少し進むと、前方に鍋蓋山が確認できるポイントがある。そこを過ぎると城ケ越とよばれるエリアとなる。この辺りは、岩が点在し楽しく歩ける。 やがて道は、急な下りとなる。そして鉄の網で作られた急階段が二連で登場する(写真左 11:14)。この階段は急であると共に、ステップの幅がせまい。滑り落ちないように慎重に下りたい。 急勾配を下りきって少し進むと天王吊橋となる(写真左下 11:20)。橋の下は有馬街道で、いつも車が数珠繋ぎである。 |
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鉄の急階段を下る | |
天王吊橋(平17) | 天王吊橋から有馬街道を望む(平17) |
橋を渡ると、次は鍋蓋山への急な登りとなる。つずら道が鍋蓋山の山腹を登っている。 六甲縦走では、菊水山をなんとか越えてきた脚が、このつづら道で悲鳴をあげる。しかし、今日の当方は菊水山を省エネで越えてきたので、鍋蓋の登りは余裕である。 また、鍋蓋山への登りでは、岩場もあり(写真左)、結構楽しく登れる。 |
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鍋蓋山の登り | |
鍋蓋山を登り始めて15分程の辺りで、後方に菊水山が確認できる岩場がある。菊水山も、城ケ越辺りの南側斜面で崩落が進み、痛々しい感じになっている(写真右)。なんとか、崩落を食い止められないのだろうか。 次に登場する高圧鉄塔の下を過ぎ、さらに4分程登ると、南側に展望が開けたポイントがある(11:40)。そこからはメリケン波止場が真正面に見えている。踏み跡があるので、見つけるのは容易と思われる。お勧めポイントである。 |
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菊水山を振り返る(平17) | |
鍋蓋山に到着 | 鍋蓋山頂上(平17) |
展望ポイントからは概ね平坦な尾根道となって、5分ほどで鍋蓋山の山頂に到着である(11:46 写真上、左上)。 山頂では、十数名のハイカーがそれぞれ昼食を広げ、休憩していた。 鍋蓋山の山頂には三角点(四等三角点・点名 鍋蓋山)がある。ここの三角点は大部分が土に埋もれている。石柱面に掘られらた「三角点」の表示の「三」から下は土中に隠れている。 |
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鍋蓋山三角点 | |
三角点を確認したのち、鍋蓋山頂上はすぐに出発した。縦走路を東に進む。すぐに七三峠へ下る道が右に分岐する。ここは直進! 次に、鍋蓋北道が左手に分岐する(11:50)。今日はここを左折して鍋蓋北道を北へ進み、洞川梅林へ立ち寄ってみたい。 鍋蓋北道はよく整備された道で歩きやすい。階段で一気に高度を下げたあと、北に向かい幅広の快適な道が続いている(写真右)。 |
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鍋蓋北道 | |
12:00 修法ケ原への道が右に分岐。 12:06 牛の背道が左手側に分岐。 12:09 洞川梅林への道が右に分岐(写真右)。この道を入る。 この辺り一帯は、間伐がされ、明るい里山となっている。 洞川梅林には12:02に到着。もう3月も下旬で、梅の花は咲き終わってしまったのか、ほとんどの木には花がない。しかし、梅の木々をよく見ると、花が咲いていた形跡さえない。木も弱っている感じで勢いもない。今年は寂しい感じの洞川梅林であった。 |
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洞川梅林方面への分岐 | |
洞川梅林の梅 | 洞川梅林の梅 |
わずかに咲いていた紅梅の花を写真に収め(写真上)、洞川梅林はすぐに出発した。次は再度公園に向かう。 12:28 再度公園に到着。 ところで、再度公園には国際都市神戸らしく、外国人墓地がある。そこには開港以来、神戸にゆかりのあった外国人の方々が眠っている(E・H・ハンターやFDモロゾフなどの著名な方々が異国の地で眠りについている。)。再度公園には良く立ち寄るが、外国人墓地は訪れたことがなかった。そこで今日は、その外国人墓地を訪ねてみる。 |
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神戸市立外国人墓地 | |
外国人墓地の内部は遺族やその関係者以外は立ち入ることができないが、入口に向かって左側に周遊路と展望台(一般公開区域)が設けられている。ここは見学が可能である。 この墓地には世界56ケ国の方の墓碑が宗教別に配置され、その宗教数は20余りもあるらしい。 写真上は、ゾロアスター、回教のエリアと説明されている。 昔、学生の頃、社会科の授業で聞いたことのあるような気がする宗教名だが、どんな宗教だったのか??また勉強しておきたい。 |
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神戸外国人墓地(展望台) | |
神戸外国人墓地の展望台には「勇士の慰霊塔」が設置されている(写真右)。 説明板によると、「この像は、第一次世界大戦のとき阪神間に住んでいた英国人および仏国人が祖国のために出征し戦死された19名の慰霊碑であります。なお、この像は神戸外国人団体により出征勇士の慰霊のため1921年8月、春日野墓地に建てられたものを1961年、ここに移設したものです。」とある。 遠く欧州の地で戦われた第一次大戦に、日本在住の外国人が参戦していたとは知らなかった。母国を思う気持ちに頭が下がる。 |
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外国人墓地(勇士の慰霊塔) | |
次に、再度公園(修法ケ原池)にやってきた。 ここには「国指定名勝 再度公園・神戸外国人墓地」の大きな表示が立てられている(写真左)。 池の水は漏水調査のため抜かれていたが、修法ケ原池の周りはいつものように多くの人で賑わっていた。 |
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再度公園(修法ケ原池) | |
さて次は、修法ケ原池の南に位置する再度山に登ってみる。 再度山の登り口は再度公園と六甲全山縦走路を結ぶ「再度越」道沿いにある。踏み跡が付いているので注意して見るとわかる。また、「七十七号」と彫られた石柱が立っているのでそれを目印にしても良い(写真左 12:49)。 従前、この再度山への取り付きには、登り口を示す看板が立てられていたこともあったが、今はない。再度山は神聖な山なので、俗人に踏み込まれるのを良しとしていないのかもしれない。 |
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再度山登り口(再度越) | |
再度山への道は踏み跡がしっかりと付いている。一部、傾斜の急なところもあるので注意して登りたい。 つづらになった急道を5分程登ると再度山の山頂となる。ここは木立ちに囲まれ眺望はない。 特に見るべきものもなく、すぐ下山することにする。 なお、再度山の山頂には神戸市道路公社の基準点No2が設置されている。眺望のない山頂に設置された基準点が、道路工事と何か関係するのだろうか。 さて、再度山からの下山は大竜寺の側に下りることにする。 |
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神戸市道路公社基準点 | |
下り始めると、すぐに「天」と彫られた石に赤い掛け物がなされた、「大杉大天狗」が目に入る(写真左)。 この大杉大天狗辺りから急な岩場の下りが始まるので、十分注意したい。ロープが張られたり、鉄パイプの階段が作られているので、これらに助けられて慎重に下る。 この再度山の下り道は登ってきた道とは異なり、傍らに四国八十八ケ所の石仏が続き、信仰の道となっている。 |
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大杉大天狗 | |
大竜寺の奥の院を経て、境内まで下ってきた。 今日の大竜寺は参拝客も少なく、静まり返っている。 更に、参詣道を下り、自販機の設置された駐車場を越え、毎日登山発祥の地(善助茶屋跡)までやってきた。 今日はここから、その昔、善助茶屋までの毎日登山のルートの一つであった二本松道を下って行こうと思う。この二本松道は、再度ドライブウェー沿いに、堂徳山、市章山、錨山を経て市街地に下る道である。 |
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大竜寺 | |
紅梅と白梅の咲いた毎日登山発祥の石碑前を13:15に出発!ドライブウェーを走る車のエンジン音を聞きながら二本松道を下っていく。 13:30 二本松林道の入口に到着。 13:33 城山、布引方面分岐(写真左)。ここは古い案内表示があり「イカリ山、スワ山」と書かれた方に進む。 5分ほど進んで、右手側の笹の繁ったこんもりとしたピークに薄い踏み跡があるのを発見した。よく見ると、赤テープも続いている。 位置からして、堂徳山のピークではないかと思い、踏み込んでいく(写真左下)。 |
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城山方面分岐 | |
堂徳山への登り口? | 堂徳山頂上? |
笹の繁る中に薄い踏み跡が続き、2分程でこの辺りで最も高い場所と思われるところに到達した。古い桜の木が立つところである。木々に赤テープのマーキングがある。 堂徳山を示す表示は何もなかったが、ここが堂徳山のピークだろうと勝手に納得する(写真上)。 ピークから下り、少し進むと、すぐ、右手側にベンチの設置された高台が登場する。以前は、ここを堂徳山のピークと考えていた。参考 |
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堂徳山南尾根への分岐 | |
更に進むと、堂徳山南尾根への分岐に到着した(写真上 13:45)。 案内表示では、右の車道の方に下ると「市章山・錨山」と表示され、直進は「行き止まり」と案内されているが、行き止まりの方には、どう見ても行き止まりにはなりそうにない立派な道が伸びている。 そこで今日は、これを行ける所まで進んでみることにする。 この道は、堂徳山の南側の尾根筋なので、以後勝手に「堂徳山南尾根」とよぶことにする。 |
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快適な堂徳山南尾根 | |
堂徳山南尾根に入るとすぐに口一里三角点が路傍に登場する。従前はこの三角点のところで、前に進めないような雰囲気があったが、今は立派な山道が南に伸びている(写真上)。周りは間伐もされ、下草も刈り取られている。階段もつくられ、山道としてよく整備されている。 古い石柱も立っており、昔は登山道として親しまれていたものであることが分かる。 しばらく進んで、眼前に景色がパッと展開した(写真左)。神戸の町並みが綺麗に広がっている。 |
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堂徳山南尾根からの景色 | |
更に進んで、道の傍らに「堂徳山国有林の治山事業」と記された林野庁・兵庫森林管理署作成の真新しい看板が登場した。 堂徳山国有林で昭和24年から治山事業が行われてきたことが詳しく説明されている。 これは、一般のハイカーへの説明板と思われるので、この山道が進入禁止ではなく、ウエルカムの道であることが分かる。これで安心して堂徳山南尾根道を下っていくことができる。 |
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堂徳山南尾根 | |
堂徳山南尾根では、勾配が急な箇所には間伐材で階段がつくられている。しかし、これは急ごしらえの感が漂うもので、本格的なものではない。また土の斜面を削って、ステップが切られている箇所もあった。これは、風雨で月日と共になくなっていきそうだ。 堂徳山南尾根は、まだ十分なる整備が完成していないのかもしれない。 更に下っていくと、樹林地帯に入り、薄暗い道となった。この辺りは、急勾配の道に落葉が積もり、滑りやすくてやや危険だ。猪が路面を掘り返し、荒れた場所もある。 |
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悪路となった堂徳山南尾根 | |
最後はつづらになった急な道を、何度か、落ち葉で足をすくわれて、ズズッ!!と滑りながら、何とか麓まで降りてきた。ここにも、尾根の上部にあった林野庁・兵庫森林管理署作成の「堂徳山国有林の治山事業」と記された看板があった。併せて兵庫森林管理署作成の「立入禁止」の表示が木に巻かれていた。 このことは、「道は概ね完成しているが、また十分ではないので歩行は遠慮してね!」という行政の意思表示なのかもしれない。 なお、下ってきた所は北野町4丁目の北野町西公園であった(14:14)。 |
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北野町4丁目に下りてきた |
●このページは、神鉄ハイキングに参加して17/4/30に菊水山・鍋蓋山を歩いたときの記録を掲載していた従来のものを、23/3/27に概ね同様のコースをハイキングしたときの記録で整理し直し、「菊水山・鍋蓋山」(改訂版)として再掲載しました。 ●写真に(平17)の表示があるものは、17/4/30に菊水山・鍋蓋山を歩いたときのものです。 ●なお、今回のコースでは、堂徳山の南の尾根筋が歩行可能となっていたので、その道を堂徳山から北野町西公園まで下ってみました。 |
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