三ツ谷東尾根・北ドントリッジ (お勧め度★★☆) 北六甲【2-20】 |
今年2度目の山歩きとなる今回(20.1.26)も、未踏のルートを目指して六甲山中に踏み込むことにする。 今日は、三ツ谷東尾根を登り北ドントリッジを探索してみようと思う。 神戸電鉄の花山駅を9時30分に出発する。スカイレーターに乗り花山東団地に入る。団地の南東端に建つ24棟を左に巻くと駐車場がある。この手前から幸陽町に続く歩道があり、この道に入る。 一戸建ての住宅街を少し進むと三ツ谷川に出た。この川に沿って南に進み、山に突き当たったところが三ツ谷東尾根への取り付きとなる(写真右 9:48)。 |
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三ツ谷東尾根への入口 | |
花山東団地の中を歩いていたときから少し気になっていたが、六甲山の裏側となるこの辺りは気温もだいぶ下がるようで、霜なのか雪なのか、路面がうっすらと白くなっているのである。山中はどうなのかと心配していたが、結果として心配は的中であった。 阪神高速北神戸線の高架をくぐって山に入った途端、1センチ弱程度の雪が積もっているのである(写真左)。山上の積雪の程度が問題だが、久しぶりの雪も味わいあるかも・・・、と思い山中に突入した。 |
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三ツ谷の雑木林 | |
山に入るとすぐ分岐がある。右は、方向的に双子山に続く道だろうか・・。三ツ谷東尾根へは、ここを左に進む。 有刺鉄線沿いに少し上ると、道は東に向かうことになる。しばらく進むと又分岐となる(9:57)。左は石楠花谷方面に続く道なので、ここは右にルートをとる。 ここからは、南に向かって進むことになるが、落葉と雪で踏み跡が分かりにくい。しかし、随所にテープ表示があり、道をはずすことはないようだ。 |
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雪の積もった三ツ谷東尾根 | |
テープに導かれ3分ほど進むと、またまた道が分岐した(10:00)。右は下りとなっている。三ツ谷に下るルートであろうか。 更に進んで尾根筋に登り着いた。ここからが、三ツ谷東尾根になると思われる(写真上)。 尾根筋に入ると急に登り勾配がキツくなった。通常のペースで登っていくと、すぐ息があがってしまいそうな登りである。しかし、今日は雪道である(写真左)。おまけに次第に積雪の量も深まってきた。 雪景色を楽しみながら、また、滑り落ちないように足元注意の登りは、そんなにしんどさを感じない。 |
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雪深くなった三ツ谷東尾根 | |
それに、足元注意で登っていたら、新雪のルートと思っていた尾根筋になんと、動物たちの足跡が続いているのだ(写真右)。 大きな足跡から小さな可愛いものまで数種類の跡があるようだ。獣たちも人の歩く山道を歩いていることが確認できた。・・・ん!いや違う。小さな足跡は、人では決して進めないであろうと思われる谷沿いの急斜面に入り込んでいた。 こういうのが獣道なのか・・・、と感心しながら、しばらくその足跡の先の谷底に見入ってしまったのであった。 |
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雪に残る動物の足跡 | |
やがて、左下に大きな砂防ダムが見えてきた。ダムもその斜面も雪をかぶっている(写真左)。ダムの底との高低差に足もすくむ感じだ。誤って滑り落ちるといけないので、ここは早々に退散とする。 さらに急勾配な尾根筋を登っていくと、やがて笹が生い茂るルートになってきた(写真下)。笹の葉にはたっぷりと雪が乗っかっている。垂れ下がった先が雪に埋もれた笹は障害物以外の何者でもない。非常に歩きにくい道となってきた。 |
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雪を被った砂防ダム堰堤 | |
雪と笹に悪戦苦闘しながら何とか斜面を登りきった(写真下 10:42)。 この辺りも、ものすごい笹の中である。 傍らに立つ小木に看板が掲げられている。なんだろうと思い近づくと野村貿易との表示である(写真右下)。この辺りは私有地なのかもしれない。 また、別の小木には、テープが巻かれ、そこには、今登ってきた尾根が「三ツ谷東尾根」とまた、東は「シャクナゲ谷西尾根」である旨が表示されていた。西に向かっても道が続いているがこちらには表示が無い。シャクナゲ谷西尾根は、又、下ってしまうことになるので、ここは表示のない西方面に進むことにした。 |
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笹道となった三ツ谷東尾根 | |
三ツ谷東尾根を上りきった辺り | 野村貿易の表示 |
西方面に進むと、雪が更に深くなり、笹の量も多くなって進むべき道が不明瞭となってきた。 「これはまずいぞ!」と思いながら、周囲を見回し残置テープの発見に努めることにした。すると、やや左前方に赤色テープを発見した。こういう時には先達の配慮を本当にありがたく思う。 テープ表示に従い雪と笹を掻き分けて進んでいると、何やら足が冷たいゾ!と感じてきた。足元を見ると、ズボンの膝より下が雪でビショビショになっていた。悲惨な状態である。しかし、進まなければならない。 |
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ものすごい笹道 | |
更に10分ほど、雪と笹を相手に格闘を続け、やっとの思いで車道(西六甲ドライブウェー)に出てきた(11:00 写真右) 地図によると、この辺りに阿弥陀塚があるらしいいので、これを探索すべく、ドライブウェーを東に進んでみた。 道路脇にはカーブNo.61との表示がある(写真下)。 車道は、アイスバーン状態の箇所もあり、滑って相当危険である。車がスリップして、道路脇に衝突したようなタイヤ跡が何箇所もある。 |
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西六甲ドライブウェイに出て来た | |
時折やってくる車に危険を感じながらも、阿弥陀塚を求めてドライブウェイから斜面の踏み跡を探し回った。何箇所か踏み跡を見つけ、そこに入り込んでみたが、やはり積雪と笹に阻まれ、探査は思うように進まない。山肌は笹と雪でものすごい様相なのである。 ずぶ濡れとなった足の消耗も激しいので、30分ほどで阿弥陀塚の探索は諦め、先に進むことにした。 |
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西六甲ドライブウェイ(カーブNo.61) | |
次は、獺池からシェール道、徳川道と進み、北ドーントリッジを目指してみる。 こんどは、ドライブウェーを西に進む(写真右)。 凍りついた路面が多く、へっぴり腰で牛歩の歩みとなる。見ると、前方からも3名のパーティーがゆっくりとこちらに向かい歩いてきた。こんな歩き難い雪の中なれど、同好の士はいるものである。 やがて獺池に到着した(写真下 11:51)。 |
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雪の西六甲ドライブウェイ | |
積雪の獺池堰堤 | 雪の獺池 |
見慣れたかわうそ池の堰堤もすっかり雪化粧である。三ツ谷尾根と異なり、こちらの雪面には既に人の足跡が数人分ついている。 いつもなら湖面に周辺の緑を映している獺池も、今日は氷に覆われ、その上に雪が積もっている(写真上)。 しばらく雪のかわうそ池を眺めた後、マムシ谷に歩を進める。 マムシ谷も雪に覆われている。 雪のマムシ谷を慎重に進み、やがてシェール道となる。(12:07)。この辺りに来ると雪も少なくなってきた(写真左)。 |
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シェール道 | |
更に進み、徳川道となる(12:21)。ここまで来ると、もう雪は残っていない(写真右)。 やがて植物園東口に到着。ここから、トエンティークロスに入る(12:44)。 トエンティークロスでは多くのハイカーとすれ違う。ここは、人気のハイキングコースなのである。 やがて、分水嶺越道への分岐点となった(13:07)。ここから右折し分水嶺越道に入る。前回確認した、水道局の施設(神戸市水道局修法ケ原浄水場)には1時30分に到着した。今日も門は施錠されている。 |
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徳川道 | |
水道施設の門の北側から、いよいよ北ドーントリッジに足を踏み入れた。 急な山肌に踏み跡とテープ表示が続いている(写真左)。急な斜面には落ち葉も深く積もっている。上り始めてすぐ、この落ち葉に足を滑らせて、すってんころりんと尻餅をついてしまった。油断大敵である。 少し進んで石柱が現れた。南ドーントリッジと同じものである。このことからも、このルートが北ドーントリッジであることが確認できる。 |
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北ドントリッジの取り付きの急登 | |
北ドントリッジは急斜面で高度がどんどん上がっていく。振り返ると回りの山々も、どんどん下に位置するようになる。潅木に覆われていた尾根は、いつしかもろい岩場の道となった(写真右)。こういった岩場が北ドントリッジでは何回か登場する。 | |
北ドントリッジの岩尾根 | |
北ドントリッジに続く石柱には何が記載されているのかと思い、比較的文字が残っていそうな柱を観察してみた。するとそこには「神戸区」との表示がされていた。区の字は旧字体である。神戸区とは解せない。何であろうと思い、調べてみると、まだ市制が敷かれる前の1879年に八部郡神戸村、兵庫村、坂本村が合併して神戸区が発足したとされる。この時の「区」は行政区ではなく、地方自治体の一つ であるとのこと。市制が施行され神戸市となったのは1889年であるから、この石柱は100年以上も前のものということになる。よって、北ドントリッジの石柱は区の境界を示していたのであろうか。 | |
北ドントリッジの石柱 | |
急な登りと平坦な個所を何度か繰り返したあと、東側に視界が一気に開けた。その場所からは、黒岩尾根がドーンと見渡せるのである(13:35 写真右)。 この場所が、北ドントリッジの急登を登ってきた後だけに、いきなり広がる雄大な黒岩尾根の景色は絶景に思えてしまうのである。おまけに、この尾根道はあまり人も入ってこないルートなので、この景色を独占してゆっくりと見渡せることが尚いい。 |
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北ドントリッジから望む黒岩尾根 | |
黒岩尾根の絶景は見飽きないものであったが、まだ先は長い。引き続き北ドントリッジを登っていく。 黒岩尾根が見えた場所から少々進んで、道が東西に分岐するような場所に出た。まず、西に進んだが、すぐ道がなくなった。次に東に進むと、藪状の中に道が続いていた。石柱もちゃんと続いている。 北ドントリッジは、ここからも急な岩場の下りや、カミソリ状になった痩せ尾根などが続き、野性味溢れる飽きないコースである。 |
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北ドントリッジ | |
わくわくしながら進んだ北ドントリッジは、やがて神戸森林植物園の中に至って終了した。ちょうど、ヨーロッパ区の青葉トンネルが左下に見える場所(海の見える展望台の近く)に出て来た。 この場所は何度か来た事が有るが、ここが、北ドントリッジへの入口とは知らなかった。特に表示もないので一般には分かりにくいだろう。 |
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藪の中に続く北ドントリッジ | |
ここからは、南に下り、また分水嶺越道に出てきた。さらに南に続く山道に入り、外人墓地から再度公園へとやってきた。 冬空の下、公園には人もまばらである。公園からは大竜寺を経て大師道を下り諏訪神社の西側奥に出た(15:40)。 神社からは地下鉄県庁前の駅が近かったので、同駅から地下鉄に揺られて帰途についたのであった。 |
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石柱が続く北ドントリッジ |
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