ドントリッジ・高雄山 (お勧め度★★☆) 北六甲【2-19】 |
六甲山の山歩きを記録し始めて3年近くになる。概ね、くまなく歩いてきたように思い、この正月に今まで歩いたルートを振り返って見た。すると、意外にも、未踏のルートがたくさんあることに気が付いてしまった。まだまだ、六甲山の山歩きに於いては若輩者ということだ。 そこで、今年の歩き初めは、未だ数ある未踏ルートの中から北ドントリッジを歩いてみることにした。 コースは山田道を経てドントリッジに入り、高雄山から布引谷を下るものとする。 |
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山田道の石の道標 |
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谷上駅から西に進み、山田道に入る(9:08)。山田道は古道の趣で、路傍には昔からの石碑も残されている(写真上)。このあたりは林の中の快適な山道である。 早朝登山の方なのか、もう山から下ってきている人もいる。 20分ほど進んで小倉台への分岐道が現れた(9:30 写真左)。この分岐の右手側(西側)の山が丸山で、一度頂上を目指したいと思っているが、未だに登り口がよく分からないでいる。 更に進み、工事現場らしきところを過ぎて、車道に出た(9:56)。この車道から左手前方に、神戸森林植物園の入口が見えている。 |
小倉台への分岐 |
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神戸森林植物園の入口で「四季トリコロールカード」を買って入園した。このカードを持っていれば1年間植物園への出入りが自由である。園の入口には新年を祝う子年の飾りが置かれていた(写真右)。 植物園ではまず、展示館に入ってみた。すると、そこには、今日これから目指そうとしているドントリッジの関係者・・H.E.ドントが創刊した貴重文献「INAKA」が展示されていた。我が国最初の組織的登山団体「神戸わらじ会(後に神戸徒歩会、KWS)」の登山機関誌「ペデスツリヤン(pedestrian)」も展示されている。興味を持って見入ってしまった。 |
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神戸市立森林植物園 |
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「INAKA」はVol.XIV 第14巻が展示されていた。この雑誌に付された解説では、「大正4年から同13年にわたりゴルフコースの18ホールにちなんで18巻まで発行された。内容は六甲山から日本アルプスへの登山活動やゴルフの記録等を記載したもの。」と説明されている。 さらに、W.ウエストン著 「THE JAPANES ALPS」明治29年8月発行もある。 いずれも貴重な資料ばかりである。 |
神戸植物園四等三角点 |
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次に、植物園内にある神戸植物園四等三角点を目指すことにした。この三角点は北日本区のさくら園近くにあるらしいのだ。 植物園入口でもらった園内ガイドマップに従い、さくら園を訪れた。そこは小山状になっており、その頂きには東屋がある。東屋から西側を見ると、ちょっとしたピークが確認できた。 ピークの麓に近づいてみると、ブッシュの中にかすかな踏み跡が続いていた。その跡を辿っていくとすぐに四等三角点を発見した。 四等三角点は繁みの中にひっそりと座していた(写真上)。 |
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森林植物園の中に続く山田道 |
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さて次はドーントリッジである。園内ガイドマップを開くもドーントリッジ方面の表示はない。・・・ん!しかし、ガイドマップを見ていて次のことに気が付いた。ドーントリッジ方面の表示はないが、「山田道」の表示があるのだ。山田道とは谷上駅から植物園までの道のことであろうと思っていたが、なんと、その道は植物園内にまだ続いていたのだ。 さっそく山田道を進んでみることにした。ガイドマップに従い進んでいく。園内の山田道の入口には「自然観察路(山田道)」の表示もあった(写真上)。 |
森林植物園の中に続く山田道 2 |
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園内の山田道はよく整備された歩きやすい道だ(写真上)。この道は、尾根沿いに南に進んでいる。ひょっとして、ドーントリッジ方面に続いているかもしれないと考え、期待をもって進む。 途中「柿ノ木塚」なる表示も出て来た。それはどんな塚なのであろうと興味を持ち、更に進む。しかし、塚らしきものは何も現れない。おかしいな・・・!と思っていると、「柿ノ木塚 ありません」との表示が登場した(写真右)。意気消沈である。存在しないのであれば、案内表示も変更されることを切に希望する。 |
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柿ノ木塚の標識 |
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存在しない柿ノ木塚を通過して山田道を更に進んで行くと、「海の見える展望台」なる場所に至った。ここからは再度山や黒岩尾根がキレイに望める。 この展望台から道は更に続いているので先に進んで行った。すると、知らないうちにどうも植物園の外に出てしまったようだ。奥再度ドライブウェイから分水嶺越に続く山道に合流してしまったのだ(写真左)。 この辺りでは、ドーントリッジの取り付きは確認できなかった。そこで、全縦マップ(神戸市発行)で、北ドーントリッジの表示がある植物園の東門から取り付く道を進んでみることにした。 |
分水嶺越へと続く道 |
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引き返して植物園の中にまた戻ってきた。今日は、四季トリコロールカードがあるので、公園への出入りは自由なのだ。 やがて、植物園の中心に位置する長谷池まできた。冬場の池は水がほとんど干上がっている(写真右)。ここからカモシカ広場、野鳥の森とたどり植物園の東門までやって来た。 この辺りではいつも多くのハイカーとお会いする。野鳥観察を趣味とされる方が多いのであろう。 |
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水の涸れた長谷池 |
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さて、全縦マップで北ドーントリッジとの表示がある道の入り口には、「分水嶺越林道を経て市ケ原」との標柱があった(写真左 11:23)。 ここから、山道に取り付く。 杉林で始まった山道はよく整備されている。高雄山管理道との表示があり、ベンチも設置されている。 |
北ドーントリッジの入口 |
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北ドーントリッジの急階段 |
北ドーントリッジの尾根道 |
道は山腹に張り付いた水平道だ(写真右)。小さな谷を迂回するような場所もある。 また、時折急な登りもあるが(写真上)、概ね平坦な道が続く。これは、どうみても”リッジ”という感じではない。 地図を見てみると、尾根筋はどうもこの道の西側の上部のような気がする。 この山道は良く整備されているが、見所はあまりなく、ハイカーも入ってこないような気がする・・・と、思っていたら前から1人のハイカーがやってきた。こんなとこで人に合うとは・・といった感じでお互いに少々びっくりぎみに挨拶を交わしたのであった。 |
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山腹に張り付く道 |
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30分程度で、北ドーントリッジとされる山道から分水嶺越道に出て来た(写真左 12:00)。ここは、ちょっとした広場のようになっており、ベンチも設置されている。 ここから分水嶺越道を西に進み、真の北ドーントリッジと思われる山道の入口を探索してみることにした。
分水嶺越道は、車も通れる林道であり、歩く人も多いようだ(写真下)。 |
分水嶺越道へ合流 |
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2分ほど進んで、左手側に南ドントリッジの取り付きが現れた。 北ドントリッジの取り付きもこの辺りであろうと辺りを見回すと、右手側にコンクリートの道が分岐しているのが確認された。さっそく、この道に入っていく。 回り込むように続く道の先には、神戸市の水道施設があり、危険、立ち入り禁止との看板が掲げてあった(写真下)。 |
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分水嶺越道 |
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この施設の門には、「神戸市水道局修法ケ原浄水場」とかかれていた。こんな山中に浄水場が造られている。 さらに、北ドントリッジの取り付きを確認すべく、水道施設の門の北側の山肌を注意して見てみた。すると、どうもかすかな踏み跡があるような気がする。良く見るとテープの表示もされている。 登ってみようかとも思ったが、今日は南ドントリッジにも足を延ばしたいので、この場所での探索は次回に譲ることにした。 |
修法ケ原浄水場 |
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また、分水嶺越道に戻り、先程通過した南ドントリッジの取り付き点までやってきた。 ここに立てられている標柱には「南ドーント・リッジ」と明確に記載されている。ここからが南ドントリッジであることは明らかだ。 やや登りとなったこの入口から、南ドントリッジに取り付いた(12:15 写真右)。 こちらは、先程歩いた北ドントリッジとされるルートとは全く異なり、見通しのある尾根筋となっている。まさにリッジと呼ぶにふさわしい。 |
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南ドントリッジの入口 |
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南ドントリッジに入って次のことに気が付いた。この尾根筋では古い石柱が延々と続いているのである(写真左)。何を意味するものなのかは知らないが、古くから歩かれていた道であろうことが感ぜられる。 また、この尾根筋は景観も良く、歩いていても快適だ。それだけに訪れる人も多いようで、道には多くの靴跡が残っている。 尾根の入口から10分ほどで分岐となった(12:25)。右は再度公園と表示がある。ここは高雄山めざして左に進む。また、5分ほど進んで分岐点が現われた。このあたりからは、右手前方に再度山が綺麗に望める。 |
南ドントリッジの石柱 |
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南ドントリッジの尾根道 1 |
南ドントリッジの尾根道 2 |
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更に5分ほど進んで、また分岐点となった。ここで右に進むと蛇ケ谷に下る旨の表示がある。そして、この分岐点から3分ほど進んで高雄山の頂上に至った(12:41)。 市が原から高雄山に登ったときは、結構、勾配がきつかったように記憶しているが、今日のルートだと、高雄山に比較的楽に登れる感じだ。 高雄山の頂上は樹木に囲まれ眺望はない。ただ、三角点と、尾根筋に続いていたものと同様の石柱が、ぽつんと立っているだけである(写真左)。 |
高雄山頂上 |
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山頂からは市ケ原に下ることにする。下り初めてすぐに石柱が1本あったが、その後は確認できなかった。先程の登りルートに石柱が多数立っていたのとは対照的だ。 こちらの尾根はやはり勾配が急である。また、尾根からの展望もないし、足場が悪い箇所も多いので、ひたすら足元注意で下るのみである。 20分程で市ケ原まで下りてきた(13:06 写真右)。ここには、この尾根筋が「展望コース」である旨の案内表示があるが、これは誤りである。 市ケ原からは40分程で新神戸の駅まで下ってこれた。 |
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市が原に下りてきた |