雄岡山・雌岡山 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-3】

今回(平成20年4月6日)は、六甲山系を離れて、神戸市と三木市の
市境辺りに位置する、のどかな低山”雄岡山”、”雌岡山”を歩いてみた。

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 ひさしぶりに六甲山系を離れての山歩きを挙行した。離れたといってもほんの少しだけで、のどかな里山という感じの”雄岡山”と”雌岡山”ハイクである。のんびり山歩きと雌岡山の桜もきれいと聞くので、それらが楽しみである。
 まずは雄岡山を目指す。雄岡山へは神戸電鉄緑ヶ丘駅からのスタートとなる(10:40)。この駅の南側にはゴルフ場が広がる。このゴルフ場に沿って東に進むと、早速、雄岡山を示す看板が現れた(写真右)。雌岡山毎日登山会が設置したものである。初めての者には看板の存在がありがたい。
雄岡山登山道の表示
雄岡山登山道の表示
雄岡山登り口  ・・・んっ!まてよ、これから”雄岡山”を目指すのであるが、”雌岡山毎日登山会”の表示はおかしいのではないか??と疑問に思ったが、深く詮索はせず、先に行く。いずれにしても、毎日登山が実施され、里山が地域の方の健康づくりに役立っているということであるから、それは結構なことである。
 表示に従い道を進み、突き当たった所で右に折れる。するとすぐ、雄岡山登山道入口を示す表示が現れた(写真左 10:45)。子供だけで、山に入らないようにとの注意書きもある。
雄岡山登り口
 登山道は民家を左手側に見ながら緩やかな勾配で登っている。毎日登山の道だけあって、多くの人の足によりしっかりと踏み固められた道となっている(写真右)。
 少し進んで、前方から1人、地元の方であろうか、山を下ってこられている。挨拶を交わしてすれちがう。さらに進むと 、ご夫婦連れであろうか、二人でゆっくりと山道を登っておられる方に追いつく。また、挨拶をして、先に進ませていただく。この山が、地元の方に深く親しまれていることが窺われる。
 10分弱登ると、もう山頂に到着である(10:55)。
雄岡山登山道
雄岡山登山道
雄岡山山頂 雄岡山山頂の祠
雄岡山山頂 雄岡山山頂の祠
 山頂はちょっとした広場状になっている。その広場の南側の木々が一部伐採されて、視界が開けている。ベンチがあり、そこから景色を眺めるのもいい(写真上)。淡路島も見えるというが、今日はもやがかかり、視界はもう一つだ。
 山頂には石の祠(写真右上)と、一等三角点もある(写真右)。一等三角点を見るのは、六甲山最高峰のもの以来で二度目である。しかし、ここの三角点はほとんど土と石の中に埋まり、全容は確認できない。
 又、ここには雌岡山毎日登山会雄岡山支部の署名所がある。登山会の名称は雌岡山であり、雄岡山の方は支部なのである。
雄岡山1等三角点
雄岡山1等三角点
大皿池畔の桜  雄岡山の山頂に5分ほど滞在し、次に雌岡山を目指すことにした。
 登ってきた道とは反対側にも道があるのでそれを下る。
 途中、土橋・松井共有地の表示があった。地元の方に親しまれているこの山は、私有地となっているのだろうか。
 下り始めて7分ほどで、車道まで降りてきた。この車道は左に進む。すぐに、大皿池となり、その湖畔の車道沿いに見事な桜を発見した(写真左)。これは必見である。
大皿池畔の桜
大皿池から望む雄岡山 大皿池から望む雌岡山
大皿池から望む雄岡山 大皿池から望む雌岡山
 この大皿池の堰堤からは、雄岡山の全容が見渡せる(写真上)。
 雄岡山は小さいながら、富士山と類似した容姿であり、なかなか見事である。水面に山容が写り、”逆さ雄岡山”になっている。よくガイドブックに紹介されている雄岡山の姿はここから写したものである。
 そして、後ろを振り向くと、そこには雌岡山も間近に望むことが出来た(写真右上)。こちらは、雄岡山と異なり、山頂が扁平な形である。さらに、雌岡山を目指して車道を進んでいると、これまたきれいな桜を発見した(写真右)。濃いピンク色が鮮やかである。
車道沿いの桜
車道沿いの桜
雌岡山梅林  次に右手側に金棒池が見えてきた。この金棒池には次のような言い伝えがあるそーな!!「雄岡山と雌岡山が金棒を芯にして土を盛って高さ比べをしていたところ、雄岡山の金棒が折れて、二つの山の間にささり、そのあとが池になった。そのために雄岡山(241m)の方が雌岡山(249m)より8m低くなった。」
 また、別の一説では、「弁慶が金棒を両方の山に差し込んで持ち上げたときにふんばった足跡が金棒池である。」 環境省・兵庫県近畿自然歩道の看板より
雌岡山梅林
 この金棒池の端まで歩いてくると、車道が十字に交差しており、そこには歯科医院がポツント建っていた。この歯科医院の、道を挟んで向こう側(一段低くなった所)が雌岡山の登山口である。
 登山口からはアスファルト道が続いている。上り始めると、すぐに右手側が梅林となったが、既に花は散っていた(写真上)。また、この梅林の向こうには、先程登った雄岡山がきれいな雄姿を見せていた(写真右)。アスファルト道を登りつめるとそこは駐車場であり、ここでも桜が満開となっていた。
雌岡山梅林から望む雄岡山
雌岡山梅林から望む雄岡山
神出神社  桜の駐車場から更に一段上に登ると、そこが雌岡山の頂上で、神出神社が建っていた(写真左)。この神社の祭神は、スサノオノミコトとその妻クシナダ姫であり、この二神の孫にあたるオオクニヌシノミコトから八百余の神々が生まれ各地へ散ったので、神出の名が付いたといわれている。このことは、境内の案内看板に記載されていた。
 更にその看板では、雌岡山と雄岡山のことも説明されていた。その説明によると・・・
神出神社
 雌岡山と雄岡山は、大きさも形も瓜二つの山で、その昔、遠くから眺めると子牛の角のように見えたことから、男牛(おこ)、女牛(めこ)といわれていたが、やがて、雄子尾、雌子尾となり、さらに、雄岡、雌岡となった。雌岡山には牛頭天王を祀るので、天王山とも呼ぶ。また、神話によると、雄岡と雌岡は夫婦の神で男神の雄岡が小豆島の美人神に惚れたことから、妻が止めるのも聞かず鹿に乗り、会いに行った。その途中、淡路の漁師に弓で撃たれ、男神と鹿は共に海に沈んでしまった。すると、鹿は忽ち赤い石になり、それが明石の名称の起こりと言われる。 雌岡山山頂からの景色
雌岡山山頂からの景色
裸石神社  この地の歴史の古さが窺えるようだ。
 またこの神社の境内からは、前方に眺望が広がっている(写真上)。ベンチもあるので、時間さえ有ればここでゆっくり楽しむのもいいだろう。
 次に、ハイキングガイドなどで紹介されている裸石神社と姫石神社を訪ねてみることにした。標識に従い、階段を下っていくと、二つの神社は、ちょうど神出神社の山肩辺りにあった。
 裸石神社は、写真左の建物のようだ。一方の姫石神社は、ご神体が剥き出しである(写真下)。
裸石神社
 和合の神々であるこの二神については、次のように説明されていた。
 裸石神社(らせきじんじゃ)彦石・姫石  天王山の神話に出てくる「方丈盤石」という大きな岩がご神体。 見ようによっては女性自身に見えるので「姫石」という。鳥居の折れ端を使って男の形を彫った「彦石」と男女の形がそろっているので「天道裸石」と名付けられ、そこから「裸石神社」となった。4月18日が祭礼で、神楽、湯立て、餅まきがある。西区ふるさと自慢百選(神出町)。
姫石神社
姫石神社
 和合の神々にお参りした後は、雌岡山の北に位置する愛宕山を経由して下山することにした。
 先程の、桜が満開となっている駐車場まで戻り、そこから左に下る急な道に入る。この道はちょうど階段の付け替え工事中で、少々歩き難い状態であったが、10分程度で広場状になった愛宕山に到着した(写真右)。
愛宕山
愛宕山
愛宕山三角点  愛宕山には小さな祠がポツントあり(写真下)、その祠の左後ろには三角点が設置されていた。古神四等三角点である。
 今まで、六甲山系で多くの三角点を見てきたが、それらに比べて、ここの三角点は傷みが激しい。角が欠け落ちて、ボロボロという感じだ。三角点はもう少し大事に扱ってやりたいものだ。
 なお、愛宕山山頂からは、西に一部視界が開けている。
愛宕山三角点
 愛宕山からは更に階段を下り、数分で民家のある所まで下ってきた。そこには、神戸電鉄緑ヶ丘駅まで2.4kmの表示がされていた。
 そこから、のどかな風景の中に続くアスファルト道を30分程歩き、緑ヶ丘駅に到着したときはもう3時を回っていた。
 今日は、神出の歴史と民話、それと、きれいに咲き誇る桜を堪能することが出来た1日であった。
愛宕山の祠
愛宕山の祠
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