大蔵山・ナダレ尾山・アザミ谷 (お勧め度★★☆) 丹生山系【6-10】

丹生山系の三角点を探索しながら
大蔵山とナダレ尾山を三年ぶりに再訪してみた。

Route MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 未到の丹生山系の三角点の一つにアザミ谷三角点がある。この三角点は、神戸市北区大池の住宅地に近いところにあるが、未だ訪れていなかった。
 そこで、今日(平成21年11月3日)は、アザミ谷三角点を含め、大蔵山とナダレ尾山の3つの三角点を巡ってみたい。
 スタートは丹生山系の山々へのアプローチに便利な神鉄大池駅からである(10:18)。
 改札を出て有馬街道を渡り、大池聖天から北に向かい地道を進む。
鎌ケ谷川沿いの山道に入る
鎌ケ谷川沿いの山道に入る
ナダレ尾山への登り口  大池聖天から少し進むと、民家の角で道が左に分岐している。アザミ谷三角点へはここを左に入るような気もするが、この三角点の探索はナダレ尾山と大蔵山の三角点を訪ねた後にしたい。
 道なりに民家の間を進んで行く。天下辻への分岐が左手側に登場するが、ここは直進する。
 前方の山がどんどん近づいてきて最後の民家のところで犬に吼えられた。不審者ではありませんので・・・と犬に断わりながら山道に入る(写真上 10:31)。
 山道に入るとすぐ、左右に道が分岐する。ここは左の道を進む。山道は緩やかな登りで、ウォーミングアップにちょうどいい。
ナダレ尾山への登り口
 緩やかな登り道は、途中から石ころ道になる。足元注意で進む。
 やがて天下辻からナダレ尾山を肩越えしてきた道に合流した(10:49)。ここには「太陽と緑の道」の表示に併せて「モトクロスバイクに注意」の表示がある。丹生山系の山道は基本的には静かな山道が続くのだが、その静けさの中に突然モトクロスバイクの轟音が出現するので、これには十分に注意したい。
 合流点からはバイクのタイヤでV字状に掘られた道を左(天下辻方面)に6分程進んで、ナダレ尾山の登り口に到着した(写真上 10:55)。
ナダレ尾山
ナダレ尾山
ナダレ尾山の山名札  ナダレ尾山の登り口からは、急な道を登る。踏み跡は概ね明確であるが、併せて、赤テープ、コンクリートの標柱、赤色のプラスティック標柱が山頂まで導いてくれる。
 山頂には11時に到着した(写真上)。展望の利かない空間の中に大池四等三角点がぽつんと座している。3年前に登った時と何も変っていない感じだ。古い登頂札も何枚かぶら下がっている(写真左)。
 しばし山頂で休憩した後、下りをどうしよと考えた。ナダレ尾山の山頂からは更に北に向かい道が続いているようだが、どこに至るか不明なので今日は来た道を戻ることにした(11:08)。
ナダレ尾山の山名札
水の溜まった山道 左・五社、右・多聞寺方面への分岐
水の溜まった山道 左・五社、右・多聞寺方面への分岐
五社方面へは幅広の山道が続く  ナダレ尾山の山頂から7分で登り口まで下ってきた(11:15)。ここからは、先程歩いてきた道を戻り、東に進む。
 先程確認した「モトクロスバイク注意」の標識の所を更に東(多聞寺方面)に進む。この辺りは、バイクで掘られた穴に水が溜まり、山道は無残な感じだ(写真左上)。
 少し歩くと道の傍らに古い黒色のトラックが廃棄されていた(11:28)。ここはゴミ捨て場ではないのに!!
 トラックを過ぎるとすぐに分岐点となった(写真上 11:30)。多聞寺方面と神鉄五社方面の分岐点だ。ここは五社方面に進む。
五社方面へは幅広の山道が続く
 五社方面への道は幅広の落ち葉道で快適だ(写真上)。ルンルン気分で進んでいると前方に分岐点と共に看板が現れた(11:40)。里山防災林整備を示す「兵庫県・神戸市・兵庫みどり公社」が設置した看板だ。
 これによると、この分岐を右に進むと梶岡山を経て柳谷JCT方面に進むようだ。
 本来はここを左に進み、大蔵山を目指すつもりだが、梶岡山へ足を延ばしたい気もする。しかし、右に行っても確実に梶岡山に至れるかどうか自信がない。迷っていると、突然轟音と共にバイクがやってきて、大蔵山の方へ進んで行った。つられるように当方も大蔵山方面に踏み出していた(11:44)。
柳谷方面と大蔵山方面の分岐
柳谷方面と大蔵山方面の分岐
土が露出した道  ところで、先程の里山防災林整備を示す看板では、県民緑税を活用して里山整備がされていると説明していた。緑の保全のためであれば、これは特に有益な税である。そこで、県民緑税について調べてみた。
 兵庫県では、県民の共通の財産である緑の保全・再生を社会全体で支え、県民総参加で取り組む仕組みとして「県民緑税」を平成18年4月から導入。県民税均等割の超過課税とし個人で800円の上乗せとなる。18年度から22年度までの5年間の課税。県内に住所、事業所等を有する個人・法人に課税。・・・・・県のHPより抜粋
 森林保全等に使途が明確化されている税とのことで、有効に使って後世に緑を残して欲しい。
土が露出した道
 さて、大蔵山方面へと続く道は山土が剥き出したワイルドなルートだった(写真上)。ハイカーには歩きにくい道だが、モトクロスバイクには格好の様相だ(写真上)。
 更に進むと、大きな水溜りに突き当たった。水は濁り、穴の深さは分からないが、穴に落ち込むとどこまでも沈んでいきそうな不気味さを感じる。
 バイクはそんな恐怖は物ともせず、この濁った水面にも平然と突っ込んでいくのだろう。
大きな水溜り
大きな水溜り
運動場のような広場に出た  さらに山中の薄暗い道を進んでいると、前方から女性が歩いてきた。平服で、到底、山歩きの格好ではない。
 こんな山中にどうして??と思いながらも「こんにちわ!」の挨拶を交わしてすれ違う。
 すると、次に目の前がパッと開け、まるで運動場かと見間違えるような広場状の場所に飛び出した(写真左)。
運動場のような広場に出た
 そこでは四駆のオフロードタイプの車が多数集まって、楽しそうに車を走らせていた(写真右)。家族連れも多く、お母さんと共に小さな子供達もはしゃいでいる。先程の女性は、このグループの人だったようだ。
 広い運動場のような場所で四駆の車が縦横に走行しているので、それを眺めていたところ、次に進むべき方向が分からなくなった。そこで、休憩していたドライバーの方に八多方面への道を尋ねることにした。その方は「北に進むと厳しい道なので、西に進んだ方がいいですよ。そちらはすぐ広い道に出ますよ。」と丁寧に教えてくれた。ご教示に従い西に進む(12:15)。
広場に四駆が集まっている
広場に四駆が集まっている
太陽と緑の道の表示  西に進むとすぐに屏風谷から八多の方面に抜ける山道に合流した。その場所には「太陽と緑の道」の表示と共に神戸市119番通報プレート(き91−7)が設置してあった(写真左)。六甲山系でいつも見る通報プレートが丹生山系にも設置されている。
 合流地点から北に進むと、すぐ大蔵山南峠となり、これを越えれば、大蔵山への取り付き路が左手(西)側に登場する。ここは3年前に苦労して見つけたポイントである。かすかな踏み跡がブッシュの中に踏み込んでいるが、特に表示はなく、相変わらず分かり難い場所だ。
太陽と緑の道の表示
 
 大蔵山ピークを目指し、ブッシュに突入する(12:21)。
 道は生い茂る草木でふさがれた箇所が多い。おまけに、シダ(ウラジロ)の群生が行く手を阻む。
 しかし、足元には踏み跡がしっかりとついているし、3年前に通った道でもあり、自信を持って藪を掻き分けて進んでいく。
 上り下りの道を14分程進んで懐かしい大蔵山のピークに到着した(写真下12:35)。
 大蔵山頂上は 大蔵山二等三角点があり、その周りは草木が払われている感じだ(写真右)。
大蔵山三角点
大蔵山三角点
大蔵山の山頂 大蔵山の山名表示
大蔵山の山頂 大蔵山の山名表示
 大蔵山の頂には古い登頂札が数枚ぶら下がっていた(写真右上)。周りは藪に囲まれ景色も望めない。よって数分の滞在の後、山頂を後にした。
 登ってきた道を引き返したが、途中道が左右に分岐した。右が登ってきた道だが、左は未知のルートだ。そこで、下りは未知のルートを選択することにした。
 こちらのルートは薄暗い谷沿いの石ころ道である。急だが赤いテープ表示が続いている。どうやら大蔵山への登頂ルートはこちらが主であり、当方が先程登ったのは裏道だったようだ。
大蔵山への登り口を示す表示
大蔵山への登り口を示す表示
大蔵山付近の山道  10分ほど下って、広い山道に下り付いた(12:49)。そこはちょうど道がヘアピン状にカーブした場所で、大蔵山の登り口を示す小さな表示も木にぶら下がっていた(写真上)。
 さてここからは、広い山道を南に戻っていくことにする。大蔵山南峠から大日如来を経て屏風谷出合へと進み、天下辻を目指す。
 少し進むと後ろから車が登ってきた。軽の四駆である。山中の悪路をものともせず、どんどん進んでいく。午前中に通過した四駆が集う山中の運動場に行くのだろう。
大蔵山付近の山道
 大蔵山南峠(神戸市119番通報プレート き91−6のところ)からは西に分岐して伸びる細い道がある。3年前に見つけた道だ。この道を南西向きにやや進むと、広場状になった見通しのいい場所に出る。今回もそこに立ち寄ってみた(写真右)。そこからは、従前と同様に古倉山、鹿見山方面の山々の連なりを望むことができた。
 またもとの山道に戻り南に進む。すぐに大日如来に至る(写真下 13:19)。ここは地元の方が綺麗に掃除しておられる。古くからの信仰がちゃんと引き継がれていることにほっとする。如来様に手を合わせ、帰り道の安全を祈る。
大蔵山の南にある広場
大蔵山の南にある広場
大日如来 屏風谷出会
大日如来 屏風谷出会
ゴルジュ??  大蔵山南峠辺りまでは車も通れる広い山道であったが、大日如来を過ぎると細い山道になる。右下が深い谷底となっている箇所もあるので注意して歩きたい。
 やがて川を渡る箇所に至る。ここが屏風谷出合と思われる(写真上 13:33)。
 川を渡ってやや道に迷う。踏み跡がなくなったかのように思ったが、ここでは流れを渡った後、少しUターンして岩場を登る。次に、そそり立つ大岩の間を通過していく(写真左)。この辺りは楽しく歩けるエリアだ。
ゴルジュ??
 屏風谷出合からも静かな山道が続く。勾配も少なく歩きやすい道だ。ただし、片側の谷が深くなっている所や、路肩が崩れかけている所もあるので油断は禁物だ(写真右)。
 また、沢を渡る(13:44)。ここには、太陽と緑の道の表示と119番通報プレート(き91−4)がある。
 さらに川沿いの道を進み黒甲越東道との分岐に至る(13:52)。ここで、沢の方に下る。沢沿いの道を天下辻を目指して進む。沢を5回クロスしたところで、流れが二手に分岐していた(14:00)。天下辻へは左に進むが、右はどこへ続くのか遡行してみた。2分程進むと黒甲越東道に登り付いた。また元の道に戻り、天下辻を目指す。
路肩が崩れかけている
路肩が崩れかけている
天下辻  天下辻へは14時17分に到着した(写真左)。ここで、今日の最後の目標であるアザミ谷三角点へのアタックルートを考えた。地形図を見ると、天下辻から鰻ノ手池へ至る道の中途から三角点へ至る道が分岐している。そこで、まず鰻ノ手池方面へ続く道に歩を進めることにした。
 13分程進んで道が左に分岐していた。三角点へは、この分岐を入るのだろうと考え、細い道に踏み込んだ。すぐに広場状の場所となり、そこには神鉄コミュニティーサービスの管理地である旨の看板が設置してあった。ここから東に延びる細い山道があったので、それを進む。
天下辻
アザミ谷三角点  少し進んで、道が左右に分岐した。右は急激に下っている。左は少し下った後、登り返しているようだ。三角点はピーク状のところに位置することが多い。そこで、ここは登っている方向に進むのが正解であろうと見当をつけて、左に進む。すると、思ったとおり、坂を登り切った所でアザミ谷三角点を発見するに至った(写真左 14:54)。
 アザミ谷四等三角点は金属標の三角点であり、比較的新しい感じだ(写真下)。
 三角点を確認した後、下りのルートを考えた。三角点からは更に前方に道が続いているようだが、踏み跡は薄い感じだ。そこで、やって来た道を戻り、先程の分岐点から右に下ることにした。
アザミ谷三角点
 分岐点から右へ下る道は地形図には載っていないが、しっかりとした道がついている。途中、何箇所か分岐があったように思うが、その都度踏み跡の一番はっきりとしたルートを選択した。
 
 山から出て、下りついたところはフェンスで囲われた空き地の一角で、分かり難い場所だった。住居表示は、神戸市北区山田町上谷上ヤンゲンという場所で、新しい住宅が並んでいる。少し下ると大池ヤンゲン北公園という名称の公園があった。片仮名のヤンゲンというのは正式の地名のようだ。
 そこから大池の駅までは10分弱であった。
アザミ谷四等三角点 No105911
アザミ谷四等三角点 No105911
 3年前(平成18年10月21日)に、ナダレ尾山と大蔵山を訪ねたときの記録は、こちら「ナダレ尾山・屏風谷・大蔵山」です。
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