石楠花谷・ダイヤモンドポイント (お勧め度★★☆) 北六甲【2-31】

大池駅(神戸電鉄7:31)==石楠花谷入口(8:00)==石楠花谷第三砂防ダム(8:25)==石楠花尾根道分岐(9:07)==炭焼窯跡(9:29)
地獄谷西尾根合流(10:10)==ダイヤモンドポイント(10:16)==水晶山(10:36)==地獄谷道合流(11:35)==大池駅(12:19)
(約5時間 平成28年5月29日)  
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 にぎわう表六甲に比し静かなコースが多い北六甲。その中でも石楠花谷は特に静かな谷歩きが楽しめる。従前は石楠花谷を紹介するガイドブックも見られたが最近はそれも少ない。地図では道迷いマークが表示され、石楠花谷はルートの見極めが大切な道でもある。今日(平成28年5月29日)は静寂を求め北六甲石楠花谷を歩いてみた。
地獄谷コース案内図  本日は石楠花谷を登り、ダイヤモンドポイントから地獄谷西尾根を下るコースを歩く。
 六甲の石楠花谷、地獄谷方面へは神戸電鉄大池駅が最寄り駅となる。その改札を出て、駅前の道を南に進む(7:33)。
 住宅街の中を道なりに進むと四つ角で「地獄谷行」の表示が登場。ここで右折してさらに道なりに歩く。右手側に「ソレアード北六甲」という住宅が見えたらその角で右折。ここにも「地獄谷行」の表示が立つ(7:46)。
 少し進むと高速「からと西出入口」に向かう車道に合流する。この車道を南に進むとテニスクラブの看板がある。その横には「地獄谷コース案内図」が立つ(写真左 7:51)。この案内図のシャクナゲ谷方面に進む。
地獄谷コース案内図
テニス倶楽部ゲート  テニス倶楽部への道に入ると神港学園の野球グランドがあり、その先にテニス倶楽部の建物がある。今日は早朝でまだゲートが閉まっている(写真左 7:53)。
 ゲート横の兵庫登山界の看板(写真下)によると、通常はテニス倶楽部内の車道を通行できるようだが、ゲートが閉まっていてはしょうがない。その場合は、ゲート脇から神港学園施設のフェンス沿いに踏み跡をたどる。
 その踏み跡はテニス倶楽部の駐車場に出る。駐車場から車道に出て、それを進むと沢に突き当たる。そこは、二つの沢の合流地点で、その二つの沢を渡ると対岸に細い道が登場し、「石楠花谷入口」と書かれた私製看板が迎えてくれる(8:00)。
テニス倶楽部ゲート
 「石楠花谷入口」の看板から林の中に細い道が続いている。
 緩やかな坂道を南に進む。阪神高速の高架をくぐって進むと道が左右に分岐し、左手側には石楠花谷と彫られた石の標識が立っている(写真下 8:08)。
 数年前は石楠花谷の文字は明瞭であったが(写真右下)、今は文字が確認しずらい。おまけに、倒木が石標に覆いかぶさり、無残な状況になっていた。
 そこから林道のような広い道を進むが、道は倒木の数がおびただしい。それが原因で荒れた感じが漂い、石楠花谷道を歩く者が少ないことが伝わってくる。
石楠花谷入口への道順案内
石楠花谷入口への道順案内
石楠花谷入口 石楠花谷入口(平成18年)
石楠花谷入口 石楠花谷入口(平成18年)
後方に阪神高速北神戸線  並ぶ倒木をまるでハードル走の選手にでもなったかのような気分で跨ぎながら、南に進む。
 少し進むと左手側に大きな砂防堰堤が登場する。
 これは、昭和49年築で平成21年に補強された石楠花谷堰堤で、この辺りから北を振り返ると、阪神高速の高架が見える(写真左 8:12)。
後方に阪神高速北神戸線
 石楠花谷堰堤から5分ほど進むと道がY字状に分岐した(写真右 8;16)。
 進路に迷うが、左は誤進入を阻止するかのように枯丸太が横たわっている。右にはテープ表示がある。石楠花谷から外れる感じだが、ここは右に進む。
 やがて、道は石楠花谷第三砂防ダムに突き当たる(8:25)。この堰堤は 右から巻く。ここで、林道は終わり細い山道になる。次に、石楠花谷の流れを渡って(8:31)、その渡ったところには古い「石楠花谷」の看板が残っていた。看板は半分に割れているが、元は立派な看板だったようで、これが設置された頃は石楠花谷道もメジャーなルートだったのだろう。
石楠花谷道 分岐は右へ
石楠花谷道 分岐は右へ
石楠花谷第四砂防ダム  右岸歩きとなって、古い残置テープが残る道を進んでいく。爽やかな流れに沿って進んでいると、水辺の植物に糸トンボが止まっているのに気が付いた。石楠花谷は歩く人が少なくなってトンボに適した自然に回帰したのかも。
 次に、二度、流れをクロスして二段構えの堰堤の前までやってきた(8:41)。手前の堰堤は石楠花谷第四副砂防ダムで、階段道を登って左側から堰堤を巻く。この堰堤には水がたまっている。
 次に、また、階段を登って後ろ側の堰堤を巻く。この階段は相当勾配が急だ。
 登りきると堰堤名の表示がある。「石楠花谷第四砂防ダム」で、高さ20mの大きな堰堤だ(写真左 8:46)。
石楠花谷第四砂防ダム
 石楠花谷第四砂防ダムを階段で下ると次は右岸歩きとなる。この辺りは伏流水なのか水の流れがない。
 次に木々が茂り陽の射さないエリアとなる。暗い森の中の山道を緩やかに登って行く。
 登りきると、また流れに沿った道となる。湿った大きな一枚岩の上を進む個所もあり、慎重に歩を進める(8:54)
 さらに、爽やかな水音を聞きながら右岸を登って行く。この辺りは、谷道でありながら相当きつい登りだ。
石楠花谷の古い表示
石楠花谷の古い表示
石楠花尾根道表示  次に流れが左右に分岐する(9:00)。ここは石楠花谷の表示に従い、左側の流れの方に進む。ここから左岸歩きとなる。
 石楠花谷を示す看板を確認しながら進んでいくと、次第に登り道になってやがて尾根に乗った。右手側に無名の堰堤がある(9:06)。
 次に道が分岐となった。右側には「石楠花尾根道」(写真左)の表示が、そして左側には「石楠花谷」(写真下)の案内表示がある(9:07)。
 ここはその表示の通り石楠花谷の左俣と石楠花尾根の分岐であり、どちらに進もうかと迷いながら、少し休憩をはさむことにした。
石楠花尾根道表示
 少々思案の後、当初の予定どおり石楠花谷の左俣方向に進むことにした(9:17)。
 すぐに左手側に無名堰堤が登場する。この辺りは松葉の積もった山道だ。
 次にまた無名堰堤が登場し、この堰堤を越えたところで堰堤内に下って行く。
 堰堤には水がたまり、その水面は辺りの木々を鏡のように映していた(写真下 9:22)。
石楠花谷表示
石楠花谷表示
石楠花谷の無名堰堤 石楠花谷に残る炭焼窯跡
石楠花谷の無名堰堤 石楠花谷に残る炭焼窯跡
左側斜面に取付く  堰堤内で流れを渡り右岸歩きとなる。ここは小石でガレた道である。
 また、ダイヤモンドポイント方面を示す古い看板が目に入った(9:28)。次に左手側に炭焼窯跡らきものが登場(写真上9:29)。ここは人里からだいぶ離れた山中だが、このような所で炭を焼いていたのかと少々驚く。
 このあたりの流れは、岩肌を斜めに伝う滝のようになっていて、見飽きない景色だ。
 次に沢歩きとなって河床を伝う。岩が滑りやすいので慎重に足を運んでいると、前方に大きな倒木が見えてきた。その倒木の手前の岸には残置テープがありロープもたらされている(写真左 9:40)。 ここで、河床を離れ斜面を登って行く。
左側斜面に取付く
 次にまた流れを渡る場所となる。渡ったところは岩に赤矢印があり「至シャクナゲコース」の白い看板もあった(写真右 9:46)。
 その看板で左折すると、笹の茂る山道となった。
 笹をかき分け山道を進んでいくと、緑のロープのたらされた大岩をよじ登る箇所が登場した。滑落しないように慎重に登る。この一帯はなかなか野趣に溢れている。
至シャクナゲコース
至シャクナゲコース
石楠花谷の滝  次に大きな滝が現れた(写真左9:53)。
 ここは両側に迂回する道があり、これで滝を越えていく。
石楠花谷の滝
 さらに少し進むと谷の流れが二分する(写真右 10:02)。ここは両谷筋の真ん中に進み、左側の谷の左岸を登って行く。
 左側の谷は涸れた谷で、先ほどまで聞こえていた水音がどんどん後方に遠ざかっていく。
 笹の茂る道を踏み跡をたどって登っていくと、薄暗かった山道の周囲に次第に陽が射しこむようになる。石楠花谷道もそろそろ終点か・・・と思いを巡らせていると、その思案通り、地獄谷西尾根に合流することとなった(10:10)。
ここは左俣に進む
ここは左俣に進む
地獄谷西尾根に合流  合流地点には兵庫登山会の「地獄谷西尾根案内」の看板がある(写真左)。それによると、この合流地点は水晶山とダイヤモンドポイントの中間点辺りだ。
 兵庫登山会の看板の横にも古い看板が立っている。これにも地獄谷西尾根と書かれているようだが、文字の判読は困難になりつつある。
地獄谷西尾根に合流
石楠花谷入口の表示  合流地点から今登ってきた石楠花谷方向を振り返ると、「石楠花谷入口」私製の小さな看板も設置されていた(写真左)。ビニールテープの表示もあり、石楠花谷入口はわかりやすい。

 テニス倶楽部のところで谷に入って地獄谷西尾根に合流するまでの所要時間は2時間少々であった。
 合流地点から、次にダイヤモンドポイントを目指す。
石楠花谷入口の表示
ダイヤモンドポイントに到着" ダイヤモンドポイント"
ダイヤモンドポイントに到着 ダイヤモンドポイント
 地獄谷西尾根を南に6分ほど登ってダイヤモンドポイントに到着(写真上 10:16)。
 ダイヤモンドポイントでは先客が一人弁当をほおばりながら景色を楽しんでいた。
 ここから見える裏六甲の景色はなかなか見事で、その綺麗さからダイヤモンドポイントと呼ばれているが、今日は遠景にやや靄がかかり、ダイヤモンドとまでは言えない。残念!!
 しばらく、ダイヤモンドポイントで裏六甲の山々を眺めた後、地獄谷西尾根を下ることにした。
地獄谷西尾根"
地獄谷西尾根
水晶山の表示"  10時23分にダイヤモンドポイントをスタートする。
 階段を下って、5分で鞍部に到着(10:28)。ここは先程、石楠花谷から登りついたところ。
 そこから登り返して一つ目のピーク(720.3m)に到着した(10:31)。
 ここは従前、兵庫登山会の「水晶山」表示があったところ。岩が点在するピークで、見通しは利かない。「水晶山」と掘られてた水晶のような形をした小さな石柱が岩の上に置かれていた(写真左)。

 一つ目のピークを出発して地獄谷西尾根を下る。
水晶山の表示
 一つ目のピークから5分ほどで二つ目のピークに到達した(写真右 10:36)。ここも見通しの利かない場所だ。
 このピークには特に「水晶山」を示すものは何もないが、ここが地形図上の水晶山(710m)と思われる。
 なお、この山頂の山道は左右二つに分かれている。
水晶山の山頂"
水晶山の山頂
 さらに地獄谷西尾根を下っていく。 ルート脇に「地獄谷西尾根」の古い表示も残っている(11:10)。
 何度かピーク状の場所を越えながら尾根筋をどんどん下る。
 途中、地獄谷西尾根を登る方とすれ違った(11:14)。本日、お会いした二人目のハイカーだ。
 ダイヤモンドポイントから下り始めて約1時間少々で地獄谷道に合流した(11:35)。合流地点には、木々に赤ペンキでマーキングがあり、地獄谷西尾根の木札が一つあった。
地獄谷西尾根"
地獄谷西尾根
大池地獄谷道に合流"  少し下って地獄谷の流れに合流する。ここには近辺の登山道マップの大きな看板があり、ハイカーの皆様へとして「地獄谷西尾根は整備したハイキング道ではないので熟練者向き。ルート探しのできない人はご遠慮ください。」と記されている。これで地獄谷西尾根が野趣溢れるコースであることがわかる。
 車道に合流した地点には「大池地獄谷道は途中の砂防ダムに水が溜まり登山道が水没しており通行できません。」の看板が(11:45)。いつの表示か?現在も水没か?不明だ。
 朝来た町並を戻り、大池駅には12時19分に到着。
 石楠花谷は倒木が多く放置された感の漂う道であったが、北六甲の自然あふれる貴重な道であり、少し整備がされて歩く人が増えればいいと思う。
大池地獄谷道に合流
 ●石楠花谷の林道は倒木が多いものの、歩行が極端にに困難というほどではありません。
 ●従前、石楠花谷を歩いた時の記録はこちら(平成18年12月16日)を参照。
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