高雄山・七三峠・平野谷東尾根  (お勧め度★★☆) 表六甲【1-6】

11月も最後の土曜日となったこの日(平成17年11月26日(土)、天気も良かったので
六甲山の紅葉を求めて布引谷、市ガ原、再度公園、七三峠そして平野谷東尾根を歩いてみました。
平野谷東尾根は結構アップダウンがあって、歩き応えのある山道でした。

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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。

 今年もはや11月、紅葉もそろそろ終わりかなと思いながら迎えた土曜日の朝、天気予報では、今日は一日中晴れとのことだったので、さっそく準備を整えて六甲山の山歩きに出かけることにした。
 今日は布引谷から、市ガ原、再度公園、七三峠へと歩を進め、六甲の紅葉を楽しむことにする。
 神戸市営の地下鉄で新神戸駅に到着。駅の一階に出て、新幹線のガードをくぐり、山側に進むと、「神戸森案内図」の大きな案内板がある。この案内板で本日のルートを再確認した後、布引の滝を目指すことにした。
 ところで、布引の滝の上には、新神戸の駅から裏山の世継山山上にある「布引ハーブ園」までロープウエイが運行している。写真右は、布引の谷底からロープウエイのゴンドラの方向を撮影したものである。山際で、宙に浮いているように見えるのがゴンドラである。
布引谷から城山方面を臨む
布引谷から城山方面を臨む
布引雌滝 布引雄滝
布引雌滝 布引雄滝
布引ダム堰堤の紅葉  新神戸の駅から布引の滝に向かって歩き始めると、すぐに橋(砂子橋)を渡ることになる。この橋を渡ると道が上下に分かれているが、滝を廻りながらのハイキングは下の道を進むことになる。
 川沿いの山道を約100m程進むと「布引雌滝(高さ20m)」に到着した(写真左上)。
 さらに上流へ200m程進むと、「布引雄滝(高さ50m)」に到着する(写真上)。雄滝は先程の雌滝に比べて雄大である。
 布引の滝は、ほかに「夫婦滝」、「鼓ガ滝」があり、これら4つの滝を総称して布引の滝という。
布引ダム堰堤の紅葉
 市街地からほんのすぐのところにこのような幽谷の美をたたえた滝があるとは、まさに感動ものである。
 滝の鑑賞を終え、雄滝からの階段を上って布引ダムへ続く山道へ出てきた。この雄滝からの階段を登ったところのやや南側には、展望台がある。この展望台からは神戸の町並みが手にとるように臨まれ、なかなかのビューポイントとなっている。
 滝を過ぎて更に山道を登っていくと、やがて布引ダムに到着する。このダムの堰堤側にはみごとなもみじがあり、これが真っ赤に紅葉していた(写真上)。
布引ダム
布引ダム
布引ダム湖畔の紅葉  布引ダムは明治33年にできた我が国でもっとも古い上水道施設であり(写真上)、水質、味ともに素晴らしい水とされている。

 外国航路の船舶では、この水は幾日経っても腐らない良質の水として有名であったという。
布引ダム湖畔の紅葉
 また、布引ダム沿いの道はよく手入れされており、道沿いの落葉樹は葉の色を見事な秋色に染めていた。(写真上)


 さらに、ダム沿いに進んで行くと、やがてダムに流れ込む渓流に出会うことになるが、この渓流の水の色は青く澄んでおり(写真右)、透明な水の流れを見ながらの山歩きはとてもすがすがしい気持ちになる。
市ガ原の清流
市ガ原の清流
市ガ原から見た高雄山  新神戸の駅を出発して約1時間ほどで市ガ原に到着した。
 この便利さから、ここは休日ともなると家族連れや大勢のハイカーで賑わい、あちこちでバーベキューをしている。今日も既に多くのグループが焼肉の煙をたてていた。
 写真左は、バーベキューでにぎわう市ガ原から、これより目指す高雄山方面を望んだものである。
市ガ原から見た高雄山
 市ガ原の石ころだらけの川原を、飛び石伝いに対岸に渡ると、そこには再度山大龍寺方面への道でもある六甲山全山縦走路が続いている。
 また、すぐ北側には高雄山への登り口もある。
 その登り口には高雄山を示す表示と、もみじの木が立っている。もみじの木は、紅葉のピークはやや過ぎていたものの、木の上下を紅色に染め上げていた(写真右)。
高雄山への登り口
高雄山への登り口
高雄山の急な登り  市ガ原から高雄山登り口へとりついた。
 先程までの市ガ原の賑わいに比して高雄山には人の気配が全くない。
 それもそうだろう。高雄山の登りは急峻で、ちょっと登ってみようという気にはならないかもしれない。
 写真左でその急峻さが分かっていただけるだろうか??(ちなみに、当日、高雄山に登って、蛇ケ谷に降りてくるまで、一人のハイカーにも会わなかった。)
高雄山の急な登り
高雄山の登りで見つけた紅葉  ところで、高尾山へのこの登りは、神戸市発行の地図(六甲全山縦走マップ)では「南ドントリッジ」と書かれている。
 また、高尾山を北に越えて、分水嶺越からトエンティクロスの上流に続く道は「北ドントリッジ」とされている。
 この「ドントリッジ」の意味は何なのか気になって調べたところ、大正の頃、ユニークな山岳誌「INAKA」を発行した外国人ドント(H.E.Daunt)にちなんでいるらしい。
 なお、高雄山の急な登り道にも秋色に染まった木があった(写真左)。
高雄山の登りで見つけた紅葉
 高雄山に登り初めて約10分強程度で一度平坦な尾根道になる。しかし、尾根道はすぐに終わりとなり、再び急な登り道を進むことになる。この急な登りも約10分ほど続き、再度平坦な尾根道となる。この尾根道を少し進むと分岐点となり、そこには写真右の案内標識が立っている。この分岐を左方向に進むと、高尾山を左に巻くようにして分水嶺越に続く道となる。今日は高尾山のピークを目指すので右の登り道を進んでいく。
 高尾山へ登るハイカーは少ないせいか、登山道はやや荒れている。昔は、杭を立て、木を渡して土止めをした階段道が整備されていたようで、その名残がみられるが、今はその痕はむなしい限りで、かえって剥き出しの鉄の棒が飛び出していたり、針金が散乱していたりで、危険さえ感じる。再度の整備が望まれる。
分水嶺越方面への分岐
分水嶺越方面への分岐
高雄山から見た鍋蓋山 高雄山の三角点
高雄山から見た鍋蓋山 高雄山の三角点
高雄山山頂  先程の分岐点から7分程度進むと、西側に見通しのきく箇所に出る(写真左上)。そこからは、再度ドライブウェイの両側に並び立つ再度山と鍋蓋山が望める。左側の山が再度山で、右側が鍋蓋山である。
 その見通しのきく箇所から更にほんの数分で、高雄山山頂に到着する(写真左)。高雄山山頂からは残念ながら眺望は望めない。
 高雄山山頂には、三角点(四等三角点:点名 高雄山)が立っている(写真上)。
高雄山山頂
 高雄山山頂からは、蛇ケ谷方面に下ることにした。
 下り始めてすぐに写真右の分岐点にでた。
 これは、登りの時にも遭遇した高尾山を左に巻くようにして分水嶺越に続く道との分岐点である。
分水嶺越方面への分岐
分水嶺越方面への分岐
高雄山下りの分岐  さらに5分ほど下ると十字路になった分岐点に出た(写真左)。
 ここには何の表示もなかったが、地図で蛇ケ谷方向を確認して、その方向に下っていった。
高雄山下りの分岐
 高雄山頂上から13分ほどで蛇ケ谷に下ってきた(写真右)。
 蛇ケ谷にはそのいわれを説明した看板が立っている。
 それには次の通り記載されている。
 「旧蹟 蛇ケ谷和気清麻呂公遭難の地 神護慶雲年間清麻呂公塔建立の為再度山へ登る途中、道鏡の刺客に今にも殺されんとした時大龍が現れて救われた。かくて頂上に清麻呂公建立の寺を大竜寺と名づく。延暦年間弘法大師この山に二度登って修法されたので、再度山修法ケ原と名づけた。」
蛇ケ谷
蛇ケ谷
修法ケ原池  蛇ケ谷からは右手の方向(北方向)に進むと、再度ドライブウェイに突き当たり、その下をくぐって進むと再度公園に出ることができる。
 再度公園の修法ケ原池は、水量は少なくなっていたが、その水面に、湖畔の木々の紅葉を写して美しく輝いていた。
 この公園も六甲山の中では人気のスポットであり、湖畔では多くのハイカーが弁当を広げていた。
修法ケ原池
 再度公園にはたくさんのもみじが植えられており、この車道沿いのもみじも美しく紅葉していた(写真右)。
 再度公園からは、公園の西方にある「弘法大師修法の地」の碑の前を通って、鍋蓋北道に出てきた。この道を南に向かって進み、六甲山全山縦走路を目指した。鍋蓋北道は歩きやすい山道であるが、再度公園から全山縦走路に進む道は、やや登りの道となる。
 再度公園から30分ほど歩いて鍋蓋山に到着した(写真下)。従前、鍋蓋山に登ったときは、その前方にあまり眺望が開けているとは思わなかったが、今日は前方に素晴らしい絶景が広がっていた。
 鍋蓋山山頂には三角点もある(写真右下)。
修法ケ原の紅葉
修法ケ原の紅葉
鍋蓋山頂上 鍋蓋山三角点
鍋蓋山頂上 鍋蓋山三角点
尾根道から望む鍋蓋山 1  鍋蓋山山頂から少し全山縦走路を再度公園側に戻ると、南に向かって七三峠から平野谷東尾根へと続く道が延びている。
 今日はこの尾根道を下ることにする。

 七三峠のやや手前から、今登った鍋蓋山方面を振り返ると、紅葉した尾根道の後方に鍋蓋山の頂きあたりを望むことができた(写真左、左下)。
尾根道から望む鍋蓋山 1
尾根道から望む鍋蓋山 2 七三峠
尾根道から望む鍋蓋山 2 七三峠
七三峠付近の山道  下り始めてすぐに七三峠に到着(写真上)。ここにはベンチもあり、峠の美しい姿を眺めながら2人のハイカーが休憩していた。
 また、この峠は、極楽谷や二本松林道方面への分岐点でもある。
 七三峠は笹の原っぱでのどかという言葉が似合いそうな峠である。ゆったりとしたカーブの小道がなんともいえない癒しを与えてくれる(写真左)。
 また、峠道の左右には、赤や黄色に美しく染まった木々も並び立ち、これがさらに癒しの度合いを増してくれる(写真左下)。
 とはいうものの、この尾根道も歩を進めるうち、アップダウンがきつくなってくる。
 アップダウンを繰り返しながら、鍋蓋山をスタートして約30分で二本松林道へ合流した(写真下)。
七三峠付近の山道
平野谷東尾根の紅葉 尾根道から二本松林道に出たところ
平野谷東尾根の紅葉 尾根道から二本松林道に出たところ
平野谷東尾根の急な上り下り  二本松林道は、東に進めば猩々池、西に進めば有馬街道へ至る。今日は二本松林道には進まず、南に向かって平野谷東尾根を下っていくことにする。
 平野谷東尾根は二本松林道に出るまでも結構なアップダウンであったが、二本松林道を越してからは、更に、アップダウンがきつくなる。しかし、急な上り下りの道には、丸太で土止めをして階段が整備されており、歩きにくさを感じる箇所はあまりない。写真左は平野谷東尾根道のすごいアップダウンの一つを撮影したものである。
 更に歩を進めていくと、左手側に東隣の尾根が見えてくる。この尾根は大師道を挟んで東隣に位置する尾根であり、錨山、市章山から諏訪山を擁するハイカーに人気の尾根道である(写真下)。
平野谷東尾根の急な上り下り
 更に、平野谷東尾根道を進んで行くと、途中で進入禁止の表示が出てきた。
 この先危険と書かれ、廃道であるから侵入しないようにとの表示もある。
 しかし、地図上では、尾根道をもう少し進んだところに三角点があるようなので、そこまで進んでみることにした。
平野谷東尾根から見る諏訪山方面
平野谷東尾根から見る諏訪山方面
平野谷東尾根の三角点  数分進んで三角点を発見した。(写真左、同下)
 ところが、なぜか三角点は頭部が赤く色塗られていた。(だれかのイタズラか・・)
 また、尾根道は、先程表示があったとおり廃道となっており相当荒れている。
 尾根はこの先急な下りとなっており、このまま進むのは危険である。
平野谷東尾根の三角点
 そこで、先程の進入禁止の表示のあった場所まで戻り、そこを左折して大師道に合流し当日は帰途についた。

 平野谷東尾根道は、そのまま進めば奥平野浄水場の辺りに出てこれるようであるが、なぜ廃道にしているのであろうか????。
三角点のある場所
三角点のある場所
 平野谷東尾根は現在廃道になっており、歩行に適しません。注意願います。
 なお、現状確認探査のため、24/10/20に平野谷東尾根に入ったときの記録はこちらです。
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