天狗松・布見竜王山 (お勧め度★★☆) 関西の山【7-29】 |
宝塚西谷の森公園の近くの山に布見竜王山と天狗松がある。いずれの山にも社が祀られている。そして、その2つの社は山道で繋がっているらしい。その山道はそれぞれの社の裏側に出るので裏参道なのだろう。竜と天狗という名称の山が裏で繋がっているとは、いかにも興味がわく。今日(平成30年6月3日)は、布見竜王山と天狗松という2座に丸山湿原と宝塚西谷の森公園をからめ、北摂の初夏を楽しみたい。 |
JR福知山線でのどかな山間の道場駅までやってきた(8:16)。駅前では数組のチームが山行きの準備をしている。千苅(せんがり)貯水池から大岩ケ岳を目指すのだろうか。 当方は、今日の目的地が天狗松と竜王山なので、大岩ケ岳のピークは回避して、その東側を迂回しながら丸山湿原方面を目指すこととする。 駅前の車道を左に進み、武庫川にかかる橋の手前を左折する。 |
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JR福知山線道場駅 | |
福知山線の踏切を渡ると「近畿自然歩道」の大きな看板があり、地域の名所、旧跡が案内してある。この近くでは、鏑射寺 太福寺の表記がある。この地域では、身近に歴史や自然と触れ合えるのであろう。 「近畿自然歩道」の看板から武庫川沿いに千苅貯水池方面に進む。 周囲の田んぼは田植えを終えたばかりで、小さな苗が少しだけ水面から頭を出している。 |
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田植えを終えた道場町の水田 | |
やがて神戸市水道局千苅浄水場前を過ぎる(8:35)。 浄水場の先で右折し細い路地を進むと、東山橋(8:38)。東山橋からは、平成30年3月18日(日曜)に開通したばかりの新名神高速道路が見えている。 東山橋を渡って羽束川を越える。越えたところで道が左右に分岐する。ここは右に進んで山道に入る。 |
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東山橋からは新名神が見える | |
薄暗くジメジメした感じの山道を進むと、やがて右手側に小さな流れが登場する(8:43)。
この辺りは、露岩の箇所が多いので滑らないように進む。
周囲の樹木が繁茂し、陽の光があまり差し込まないので、鬱蒼とした道になっている。 少し進むと、上空を覆っていた樹木がまばらとなり、明るい感じの道になってきた(写真左 8:53)。良く歩かれた山道なので快適に進むが、路面が湿地となった個所も多いので、泥跳ねに注意して進んでいく。 |
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良く歩かれた山道を進む | |
次に、小さな流れを渡る個所となる(8:56)。ここからも、新名神の高架が見えている。高速を走る車の音も聞こえてくる。 そのすぐ先で、左側に道が分岐していた(9:00)。笹や夏草が茂り分かり難いが小さな道標も掲げられている(写真右)。それによれば、直進は川下川ダムと風吹岩方面で、その道は従前(平29・2・4)歩いた。 左折は崩落個所があるようだが、丸山湿原方面に続いていそうなので、ここで左折する道に入る。 |
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小さな道標で左折 | |
左折すると、また薄暗い道となる。雑木が密集していてあまり陽が差しこまない。右手側に小さな流れが見えている。やがて、その流れを石伝いに渡る(9:04)。その後、何度か流れと交差しながら、山道は北東方向に続いている。 分岐から12分進んだところで道標に書いてあった崩落個所となった(写真左 9:12)。斜面が崩れ倒木が重なっているが、歩行できない状態ではない。 倒木を避けながら先に進む。この崩落個所でも流れをクロスする。 |
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崩落個所を進む | |
その先でも何度か流れを渡りながら(写真右)、落葉の山道を進んでいく。 道はしっかりとした道で、赤色の残置テープも時折登場する。 |
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薄暗い道を進む | |
関電の火の用心 | プラ階段を登る |
次に関電の赤い「火の用心」が登場した(写真左上 9:15)。ここから先は、関電の鉄塔巡視路のようで、一層明確な山道となった。「火の用心」の場所から頻繁に流れをクロスして山道は進んでいく。 次に、前方にプラ階段が見えてきて、山道は登りとなった(写真上 9:17)。 延々と続くプラ階段をひたすら登ると尾根に乗った(9:22)。尾根道は明るい道で、気分も明るくなる。その尾根では高圧鉄塔が立っていた(写真左 9:25)。この鉄塔をくぐって進む。 |
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高圧鉄塔を潜って進む | |
鉄塔の先で、小さな流れを渡ると、T字路に突き当たった(9:27)。この合流点には関電の「火の用心」と共に、119番通報プレート(き200ー4)も設置されていた。 また、この合流点には小さな道標もあり、その道標では合流した道は「関電メンテナンス路」と記されている。 このT字路で進路を左にとり、引き続き北東方向に進む。 |
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T字路にも関電「火の用心」 | |
すぐに、Y字の分岐となる(9:30)。この分岐にも小さな道標があり、それによれば、分岐を右に進めば川下川ダムで、左は三等三角点と表示されている。ここは、左の三角点方向に進む。 次に明るく開放的な雰囲気の尾根道になる。高圧鉄塔が尾根に続いているのが確認できる。その尾根道の脇で、先ほどの道標が示していた三角点が確認できた(写真右 9:32)。 この三角点は四等三角点(点名:丸山)であり、三角点からは周囲になかなかの展望が広がる。なお、先ほどの道標では三等三角点と案内されていたが、四等の表記誤りと思われる。 |
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四等三角点(点名:丸山) | |
三角点で少し休憩を入れたのち、先に進むとすぐに丸山湿原のエリアとなる。木の柵の先の小橋を渡って丸山湿原に入る(写真左 9:39)。 緩やかに坂道を登っていくと第一湿原西分岐に至る(9:43)。ここで左折して、展望デッキに進む。 展望デッキの前面には、鬱蒼と茂る夏草の湿原が風に揺られていた。周囲の木立から鶯の鳴き声も聞こえてきた。丸山湿原ではゆったりと時間が流れていて、浮世の憂さが解放される感じがした。 |
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丸山湿原エリアに入る | |
第二湿原展望デッキ | 丸山湿原第二湿原 |
展望デッキにある丸山湿原の説明 丸山湿原群は宝塚市北部西谷地区の丸山(標高328.4m)の南西側の山間に位置する5つ湿原からなる湿原群です。県下随一の面積と生物多様性を誇る湧水湿原で、湿原に特有のさまざまな生き物がみられる非常に貴重な場所になっています。そのため、現在では「地域の宝物」として、地域住民、企業、行政などが一緒になって丸山湿原群を未来に残していくための取り組みが進められています。 |
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第一湿原北分岐 | |
湿原の中の周遊路をたどり、第一湿原北分岐から第三湿原の方に向かう。 丸山湿原では、分岐ごとに道標が設置され、散策しやすく整備されている。当方以外にも散策を楽しむグループが第一湿原の先に見えていた。 第三湿原に入ると木道が敷設され、湿原らしさが増している(写真左)。 |
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丸山湿原第三湿原 | |
丸山湿原は植物153種、動物89種と、県下一の動植物確認数をほこるらしい。貴重な自然が保護され、将来に引き継がれていくことを望むものである。 第三湿原から、さらに丸山の西側の麓を北に進んでいくと、丸山湿原北側の出口となる。ここは丸山南分岐とされる所で、ここで柵を過ぎ、小橋を渡って湿原外に出た(9:58)。 なお、この湿原北側出口からは、大岩ケ岳に登る道が分岐している。 |
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丸山南分岐 | |
さてここからは、道標で「境野バス停」と案内された方向に進んでいく。 すぐ、道脇に「←東大岩岳尾根ルート」の小さな表示が確認できた(写真右 10:05)。ここで踏み跡が左に登っている。東大岩岳尾根に登る道のようで、まだ歩いたことがない。また、いつか歩いてみたい。 更にその先で丸山湿原の駐車場に出て(10:06)、そこからはアスファルト道になる。 |
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東大岩岳尾根ルート分岐 | |
アスファルトの車道からは、宝塚西谷の森公園に向かう。ゆるやかに舗装路を下っていくと、右手側に境野大池が見えてきた(10:15)。 更に、舗装路を進んでいくと水田が見えてきた。境野地区でも田植えを終え、水が張られたたんぼは青空を映していた(写真左)。 その先で舗装路はT字路となり、右に曲がったところで宝塚西谷の森公園に到着した(10:30)。西谷の森公園の東の谷管理棟の脇から公園内に入っていく。 |
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境野地区の水田 | |
西谷の森公園の東の谷管理棟 | 峠の東屋 |
西谷の森公園の東の谷管理棟の裏手にある保与谷池の土手で左折し、峠の東屋に向かい坂道を登っていく。 保与谷池からの登りは急である。尾根に乗ってさらに緩やかに登っていくと、東の谷管理棟から15分で峠の東屋に到着した(10:45)。ここからは、黒岩展望台に向かう。 途中、馬の背という大きな一枚岩の上を進む(写真右 10:50)。その先で一登りすると黒岩展望台に到着となる(写真下 10:55)。 |
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馬の背 | |
黒岩展望台は標高約350mで、四方に展望が広がる。西側では布見ケ岳、羽束山が存在を示している。北側では、布見竜王山が間近にせまる。その左側後方に大舟山も見えている。東側には大原野、境野の集落が小さく見えている。 | |
黒岩展望台 | |
展望台(西側の展望) | 展望台(北側の展望) |
黒岩展望台では六甲山系や大峰山まで見渡せるといい、景色は見飽きないが、そろそろ出発とする(11:00)。ここからは展望台からも見えている布見竜王山に向かう。 展望台から尾根道を東に向かい少し下り、次に急登を登り返す(11:04)。登りついたところはベンチがあり(写真左)、そこから麓の大原野であろうか、集落が見えている。 |
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ベンチのあるピーク | |
このベンチのピークには道標があり、それで「竜王山まで270m」と案内されている方向に進む。山道に入るが、そこからは公園外であり、道は急に細い山道となる。視界の利かない雑木の中を北に向かって尾根道を進むが、小ピークを越えると西に向かっての下りとなる。その下りの途中でコンクリートの小さな標柱K431を確認した(写真右 11:08)。ネット情報によれば、ここが天狗松に向かうルートの分岐点らしい。薄い踏み跡らしきものが分岐しているようだが、明確ではない。 | |
K431の標柱 | |
まず、この先の布見竜王山のお社にお参りした後、またここまで戻ってきて探索することとしたい。なお、このK431の標柱の箇所には「特定猟具使用禁止区域」の赤い看板もある。 K431標柱から更に下り、次に登り返してピークとなったところが布見竜王山である(11:12)。布見竜王山の山頂には祠がある(写真左)。ここまで無事到着したことを感謝し、社殿にお参りする。 |
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布見竜王山 | |
布見竜王山で少しの休憩を入れ、次に先ほど登ってきた道を下っていく。そして、布見竜王山に登る途中で確認した小さな標柱K431まで戻ってきた(11:16)。 ここが天狗松への分岐点であるが、そのことを示す表示は何もない。道があるような、無いような感じで、最近はほとんど人が入っていないことが伺われた。大丈夫かな・・・?と、思いながらも意を決して薄い踏み跡に突入した(11:17)。 |
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天狗松への分岐 | |
片側がシダに覆われて、ほとんど藪状態の中でK433の標柱が確認できた。シダの先で道は下りとなり、そのあたりから踏み跡が明瞭になってきた(写真右)。K440、K449と標柱が確認できたので、このルートは地域の境界となっているのだろう。 次々に登場するK番号の標柱を確認しながら下っていくと、K453の標柱の場所で薄い踏み跡が交差しているように思われた(写真下)。この時は、深く考えもせず、狭い間隔で続く標柱に導かれるようにどんどん下っていった。そして、傍らに池を確認し、その先で広場に飛び出した(写真右下 11:30)。 |
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天狗松への踏み跡 | |
K453の分岐 | 下りついた広場 |
飛び出した広場の位置を地図で確認すると、宝塚市大原野新田あたりに下ってきてしまったようだ。調子に乗って進んでしまい麓まで下ってしまった。 間違いに気づき、しばし考えて、K453の標柱の場所で薄い踏み跡が交差していたことを思い出した。 K453の標柱で左折して登り返すところを、そのまま下ってしまったようだ。気を取り直して、今、下って来た道を登り返す(11:35)。 |
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天狗松に到着 NHKのアンテナ | |
再度、踏み跡を登っていき、8分でK453の標柱の場所に登りついた(11:43)。ここで、何らかの道標がないのか確認したが、それらしきものは何も存置しなかった。踏み跡の状況からして、最近はあまり人が歩いた様子がうかがえない感じがした。 GPSで方向を確認し、天狗松に向かい登っていく。落ち葉の積もった急な登りで、踏み跡も細い感じで頼りない。 K453の標柱から7分で天狗松手前の小ピークに登りついた(11:50)。その先を4分で天狗松のピークとなった(11:54)。天狗松には三等三角点と、大原野のTVアンテナ(宝塚大原野テレビ中継放送所)が立っていた。眺望は全く利かない。 |
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天狗松 | |
三等三角点:天狗松 | 天狗松の山頂 |
天狗松の三角点は三等三角点で点名も天狗松(てんぐまつ)である。「大切にしましょう」と書かれた三角点の白い標柱が三角点の後ろで倒れていた。 天狗松山頂には、新しそうな登頂札が一枚掲げられていた。見ると、「山崎独歩会」さんが2018.6.3に登頂されていた。先ほど、この辺りの山道を「最近はあまり人が歩いた様子がうかがえない感じ」と記載したが、なんと本日この山に登ってきた人がいた。奇遇な感じで、天狗松のピークを後にした(11:57)。 |
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妙見宮への薮道 | |
三角点のピークから、次に、妙見宮のピークに向かう。踏み跡はあるが、一帯は薮に近い状態である。「山崎独歩会」さんが通過されたのであろうが、普段はやはり人が入り込むことはないようだ。当方のような物好きな者か、ピークハンター若しくは三角点マニアの方くらいだろう。傾斜が急な下り道を、時たま登場する赤色の残置テープに導かれながら下っていくと、シダのジャングルのような個所から妙見宮の裏手に飛び出した(写真右 12:02)。 三角点のピークから妙見宮のピークまでは5分程の距離だった。妙見宮は石組の基礎をもつ丁寧な造りの祠である。 |
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裏から妙見宮に到着 | |
社の前は広場になっていて、ベンチが二つ並べてある。地元の集落の祭りの日には、この広場も参拝の者でにぎやわうのだろう。 妙見宮で少し休憩を入れて、麓まで下ることとした。 お社からの下りは参道が整備されているのだろうと勝手に思っていたが、そうではなく、普通の山道がその先も続いていた。やはり、あまり歩かれた感じがない道だ。 古くは人の暮らしは自然と共にあり、その自然を敬って、山の社を崇拝した。しかし、現代の生活では自然を敬うことが減少した。結果、山のお社に参る者は減ってしまったのだろう。お社までのきびしい道を登るのは大変で、致し方ないことなんだろう。 |
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妙見宮にはベンチが二つ | |
そんなことを思いながら山を下ると、麓では獣除けの電気柵が道を塞いでいた。取っ手のところで電気柵を開き、山から麓に帰還した(12:15)。 集落の中を歩き、バス便の多い県道33号線の松葉屋バス停まで舗装路を15分歩いた(12:30)。バスは4分前に出たところで、次のJR武田尾行は45分後である。幸い、日除けのあるバス停であったので、青空の下、ゆったりと次のバスを待つことにした。 時間通りにやって来たバスに乗り込み、JR武田尾駅を目指した。到着した武田尾駅の橋上ホームからは、緑深まる北摂の山並みが「また来いよ。」と言ってくれてるようだった。 |
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JR武田尾駅 |
●布見竜王山の小さな標柱K431からK453の標柱の分岐を経て天狗松に至る道は、歩行者が少ないようで、踏み跡が薄くなりつつあるようでした。 |
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