須磨名水の森・天井川東尾根(お勧め度★★☆) 西六甲【3-7】 |
今日(平成23年9月18日)は、須磨アルプスの南に位置する「須磨名水の森」の一帯を散策した。 須磨アルプス一帯には、南に下る枝道が多数あり、従前からどこに出るのか気になっていた。そこで、須磨区水野町の北にある「須磨名水の森」の入口から入山し、天井川沿いに遡行して、その枝道の何本かを探索してみた。 |
山陽電車の月見山駅を8:30にスタートする。 すぐ南の細い道を東に進む。住宅街に細道が迷路のようにつながっている。 やがて、阪神高速第二神明の高架下に出る。そこからは高架下を北に進む。 須磨離宮植物園の南の信号で車道を渡り、さらに高架下を高尾台へと続く車道を進んで行く(写真左)。 |
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天井川(第二神明高架下) | |
すぐに、左手側に「須磨名水の森」の表示が目に入る(8:55 写真左)。 駅からここまで約25分である。 「須磨名水の森」案内図(2006年2月設置)には、付近一帯のハイキングコースの地図が示されている。家族向き散策コース、探検コースと、各ルートの難易度が示されているので参考になる。この地図で本日のルートの概要を確認する。 また、ここには「天井川憩いの広場」と表示された案内看板に天井川周辺地図の表示もある。こちらの地図の方がやや詳細だ。 |
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須磨名水の森 | |
「須磨名水の森」の広場(憩いの広場 写真右)は、草刈がなされ、手入れが行き届いていた。 この広場から天井川の遡行の旅が始まる。 まずは天井川の右岸を進む。 右岸はすぐに高度を上げて高さ12mの水野第二堰堤(昭和27年3月完成、高さ12m、長さ40m)を左から越える(9:05)。 |
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須磨名水の森(憩いの広場) | |
水野第二堰堤を越えると窪地に降りつく。 そこは天井川の右俣と左俣の分岐点である(写真左)。 案内表示があり、左俣は栂尾山・横尾山へ、右俣は須磨アルプス馬の背に登って行く旨表示してある。 天井川右俣は以前歩いたので、今日は天井川左俣を遡行する。 |
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天井川分岐点 | |
清らかな流れに沿って、感じの良い天井川左俣の谷道を進む(写真右)。 ところで、須磨名水の森の入口にあった地図の案内では、この道は「須磨の名水」までは家族向きの散策コースと案内されている。その先は探検コースとなっていた。 なるほど家族向きだけあって、道はよく整備され、歩きやすい感じである。 その家族向きの散策コースを5分少々進むと水野第六堰堤が登場した。この堰堤は左から越える。 |
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天井川左俣に入る | |
先ほど登場した堰堤は第二だったが、ここでいきなり第六堰堤となるのは解せないが、順序の不連続は天井川右俣や東天井川にある堰堤も含めて付番していることに基因するものと思われる。 水野第六堰堤の所で上流から下ってきた人とすれ違う。毎日登山の地元ハイカーといった感じの軽装の方である。 水野第六堰堤の内側は写真左のとおり砂が深く堆積していた。 |
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水野第六堰堤 | |
さらに天井川を時折クロスしながら5分ほど進むと分岐点が登場した(9:18)。 ここを左折すると、離宮公園北口(有料)と案内表示されている。この道は、離宮公園北口から栂尾山展望台の方に続く道である。ここは直進する。 その分岐を過ぎるとすぐに天皇池に到達した(9:20 写真右)。 須磨離宮(武庫離宮)は大正3年に造営されたそうだが、その離宮へ良質の水を供給するために天井川をせき止め、水を溜めたのがこの「天皇の池」の発祥である。当時は池の周囲に鉄条網が張り巡らされていたと説明板に解説がある。 |
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天皇池 | |
先ほど越えてきた水野第六堰堤は、その内側に砂が厚く堆積していたが、この天井川は砂が多く、それでろ過された水が名水となり、須磨離宮に送られていたのであろう。 なるほど天皇池を覗き込むと、水は澄んで底の砂地が見えていた(写真左)。 その澄み切った水面を見ると、たくさんの小さなごみが浮いて揺れ動いている。何だろうと目を凝らすと、それはアメンボであり、元気よく飛び回って遊んでいるのだった。 天皇池でも一人のハイカーとお会いした。この付近の道はよく整備されているので歩く人も多いようだ。 |
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天皇池の澄んだ水面 | |
天皇池の脇に続く細い道を更に北に進んで行く。すると池の北側のすぐ傍らに石造りのトンネルが目に入った。 これは先ほどの天皇池の説明板によると、「トンネル(隧道)は、大雨の時に土砂水の迂回路として掘られたようです。」とある。 天皇池には澄んだ水を保つために色々と工夫が施されていたようだ。 |
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須磨の名水に到着 | |
天皇池からさらに気持ちの良い谷道を少々進むと、堰堤に通されたパイプから清水が流れ落ちる場所に到達した(9:26 写真上)。 ここにはベンチのようなものも設置されている。ここが「須磨の名水」である(写真左)。 須磨の名水のある堰堤は右側から越えて行く。 「須磨名水の森」の入口にあった地図では、ここまでが家族向け散策コースである。須磨の名水から先は探検コースとなる。 |
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須磨の名水 | |
須磨の名水の堰堤を越えると、道は右岸の高いところを進むことになった(写真右)。右足の遥か下に谷底の流れ見がえている。ここは滑り落ちないように気をつけて進みたい。 おまけに、この辺りからクモの巣がやたら顔に当たり始めた。ということは、先ほどすれ違った2名の方は、この道を歩いていないことになる。おそらく須磨の名水で口を漱がれて、帰途に着かれたのであろう。 また、クモの巣の道は探検コースだけあって、やや荒れた感じだ。枯れた小枝が小道に散らばっている。ただ、道はしっかりとしており、よく歩かれている道とわかる。 |
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天井川右俣道(振返って撮影) | |
クモの巣が繁茂し、かつ高度感のある谷道は次の堰堤のところまで続いていた(9:40)。この堰堤は高さがあり、これを越えるために高度感のある道が付けられていたのである。 この辺りで、前方から、2本のステッキを顔の前で振り回しながら歩いてきた方とすれ違った(9:44)。聞くと、クモの巣をはらうのが大変だとのこと。顔前でステッキを振り回していたのは、クモの巣と格闘しておられたのであった。 2本ステッキの方のおかげで、しばらくはクモの巣に邪魔されずに進むことができた。さらに谷筋にある踏み跡に従って進む(写真左)。 |
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天井川右俣道(上流) | |
しかし、谷筋を進む途中で踏み後が不明瞭になり、気が付くとクモの巣にも突き当たるようになってきた(9:49)。 「あれ??!変だな。」と思い、周囲を再確認すると、明確な踏み跡は谷から左に離れ、斜面を登っていた。見ると青ペンキで木の幹に丸印の表示もある。 それに従って、斜面を登ると4分で縦走路に合流した(9:53)。合流地点は横尾山のやや西で、「宮」マークの石柱が立っているところである(写真下)。 なお、縦走路への合流地点の近くには、シロオニタケが数本、顔を出していた。キノコの季節と相成った。 |
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シロオニタケ | |
縦走路に合流した地点のすぐ近くには、水野町に下る案内表示が立っていた(写真左下)。これは今登ってきた天井川左股を指しているのだろう。 ところで、この水野町に下る案内表示のある場所で、横尾山方面に向かい縦走路が二股に分かれている(写真下)。 全山縦走路は、ここを左(青シャツの方の方向)に登って行くのだが、右に進むとどこに行くのか、いつも気になっていた。 そこで、今日はこの二股を右に進んでみることにした。 |
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縦走路に合流 | |
水野町方面を示す表示 | 縦走路が二股に分岐 |
二股右の道もしっかりとしたルートである(写真右)。多くの人が歩いていることがわかる。 すぐ土砂崩れの場所があったが、たいしたことはない。 土砂崩れの場所を過ぎると、右下に下る道が分岐していた。分岐点には黄色テープの表示もある。ここを下るとおそらく先ほど登ってきた須磨の名水の道に合流するのだろう。 |
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縦走路から分岐した道を進む | |
さらに二股右の道を進むと、その道は横尾山手前で、又、全山縦走路に合流してしまった(10:21 写真左)。 この道はたんなる縦走路の迂回路でしかなかったのだ。全山縦走の渋滞時には利用できるかもしれないが、普段はあまり使われないのだろう。 ←写真の左下から登っているルートが今歩いてきた道 上から下っているのは縦走路である。 |
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再び縦走路に合流 | |
横尾山には10:25に到着。 せまい山頂は20名ほどのパーティーで大賑わいである。 そこは早々に通過し、次の須磨アルプスを目指す。 須磨アルプスには10:41に到着。ここも今日は大賑わいである(10:41 写真右、右下)。 行く人、来る人の交差で、須磨アルプスの急階段は渋滞である。 |
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須磨アルプスが見えてきた | |
須磨アルプス(馬の背) | 須磨アルプス |
須磨アルプスも早々に通過し、東山手前までやってきた。 東山の手前には119番通報プレート「ち1−15−34」の設置された標識がある(写真左 10:47)。ここから明瞭な道が南に下っている。この道はどこに降りつくのか従前から気になっていたので、今日は下山路としてこの道を下ってみようと思う。 その前に、東山で昼食をとることにして、東山に登って行くことにした。 |
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天井川東尾根入口 | |
しかし、東山も今日は満員である(10:51)。 東山の山頂からは西は須磨アルプス方面が、東南には神戸の町並みと海が見渡せる(写真右)。 なかなかの景色であり、それを眺めながらここで休憩する人は意外と多い。 ゆっくりと弁当を広げられる雰囲気ではないので、5分ほど小休止して、東山を後にすることにした。 |
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東山頂上 | |
東山を出発し、先ほど、今日の下山路と決めた分岐点まで下ってきた。 この分岐点を11:02に出発する。 明瞭な道に従い下っていく。 下り始めてすぐ、左手側に景色の開けた岩場を発見した。ここからは神戸の町並みが見渡せる(写真左)。これは絶景ポイントである。 その絶景ポイントを独占しながら、岩場で昼食をいただくことにした。 |
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天井川東尾根からの景色 | |
昼食で5分ほど休憩した後、また下り始める。 この下り道は、地図には載っていないがしっかりとした尾根道である(写真右)。 ただし、神戸市による表示(119番通報プレートなど)はないし、テープ表示も特にない。しかし、しっかりとした道が続いており、このルートの利用者は多いものと思われる。 下り始めの位置から考えて、おそらく天井川右俣の東側の尾根道と思われるので、以後、このルートを天井川東尾根と勝手によぶことにする。 |
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天井川東尾根 | |
天井川東尾根道は命名したとおりの典型的な尾根道である。尾根筋を忠実に下っている。 藪となった箇所も無く、快適に歩ける。 木々に囲まれ、展望は利かないが、夏場は直射日光が遮られて返って好都合だ。 天井川東尾根道は、小ピークを何度か越えながら徐々に高度を下げて行く。 下り始めてから20分くらいの所で、右下に道が分岐していた(11:27)。ここは、石柱(境界柱?)があるし、木に赤紐の表示もあるのですぐわかる(写真左)。この分岐は、天井川右俣に下る道であろう。 |
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天井川東尾根の分岐点 | |
さらに天井川東尾根を下っていくと、尾根道は突端のところで一気に高度を下げ、やがて川の流れるところに下り着いた(11:42)。そこは今朝出発した憩いの広場であり、東天井川の畔が天井川東尾根道のゴールであった。 そこは倒木がありややわかりにくいが、階段も付けられているので、従来からある山道なのだろう。 憩いの広場で汗だくとなったシャツを着替え、須磨寺駅を目指して住宅街を下っていった。住宅街の細道では道に迷うわ、行き止まりに悩まされるわで散々であった。何とか駅に到着した(12:05)が、今日は山中より、住宅街の中で迷ってしまったのだった。 |
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須磨名水の森(憩いの広場)に到着 |
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