雄岡山・トーシン山 (お勧め度★☆☆) 関西の山【7-17】 |
|
神戸電鉄の緑が丘駅で電車を降りる(9:30)。ホームに降り立った乗客は当方を含めほんの数名。ハイキング姿は当方のみの寂しいスタート!! 朝、家を出たときは青空だったが、スタート時点の空は一面に雲が掛かっている。昼からは、雨模様の雰囲気だ。「雨よ降らないで。」と願いながら、急ぎ足で雄岡山をめざす。 駅からゴルフ場側に出て兵庫県道22号の横断歩道を渡る。ここから広野ゴルフ倶楽部のフェンス沿いに南東に進む。すぐに右手側に雄岡山が姿を現す(写真左)。 ここには「雄岡山登山道の表示」があるので、その指示に従い両側をフェンスで囲われた道を更に南に進む。 |
雄岡山はすぐ間近 |
|
|
道はすぐに民家に突き当たり、そこが雄岡山の登山口。「雄岡山登山道入口」の表示があるので分かりやすい(写真左)。 登山口から民家沿いの緩やかな道を登って行くと、すぐに分岐がある(写真下)。 ここにも雄岡山山頂方面を示す表示があるのでそれに従う(9:43)。 |
雄岡山登山道の表示 |
|
雄岡山山頂への道は緩やかな登りで、まっすぐ山頂方面に続いている。 雑木の根が路面を這うように延びているので、これを足場にしてゆっくり登る。 雄岡山の山道は、雨水の水路とならないように、随所で横への水の退避溝が掘られている。手入れが行き届いていることに感心しながら登っていると、山を下ってきた男性とすれ違った。「おはようございます。」と、声を掛けていただく。毎日登山の方だろうか・・。この山は地元の方々によってしっかり守られていることが感じられた。 |
|
|
雄岡山山頂方面の表示 |
|
雄岡山山頂には9時51分に到着。駅からの所要時間は20分ほどであった。 山頂は広場状になっており、ベンチの設置もある。 広場の中央には祠が祀ってある。祠は南を向いて設置されており、ちょうどその方向だけ展望が開けている(写真下)。祠の神様が展望を楽しめるようにとの配慮だろう。 山頂からは真正面に西神中央のビル群が望め、その向こうには淡路島と明石海峡大橋の勇姿が遠望できる。今日は曇天で靄がかかり景色はもう一つだが、澄み渡った日に再訪したいと思う景色であった。 |
雄岡山山頂 |
|
雄岡山山頂には雌岡山毎日登山会の雄岡山支部署名所のBOXが設置してある。これには「雌岡山毎日登山会の会員募集」の張り紙がしてあった。 健康維持に最適な毎日登山ではあるが、最近は加入者が減少しているのだろうか。里山を愛する者の一人として会の繁栄をお祈りしたい。 |
|
|
雄岡山からは南に展望あり |
|
雄岡山山頂には一等三角点の設置もある。一等三角点設置の山には到達困難のイメージがあるが、ここは簡単に登れて有り難い。 一等三角点は小石と落葉に囲まれているが、角か欠けてやや損傷している。埋標は明治の頃のようで、古い三角点である。「たいせつにしましょう。」の標柱も、今はなき建設省の設置で、古いものだった。 |
山頂には雄岡山一等三角点 |
|
雄岡山山頂で一等三角点を眺めていると、五百蔵方面から登山者が一人登ってきた。雄岡山山頂の景色はその方にお譲りして、当方は次に目指すトーシン山に向って、下山することとした(9:58)。登ってきた道を下り、高雄台の住宅地から押部谷町西盛地区を目指すことにする。 雄岡山下山路でも3組4名の方とすれ違った。雄岡山は毎日登山が根付く山と再認識する。 |
|
|
雄岡山一等三角点 |
|
山頂から高雄台の住宅地には5分少々で下ってきた。ここから県道22号に出て南東方面に進む。すぐに業務スーパーの店舗があり、ここで地道に入る(10:19)。 溜池の脇を通り、のどかな田んぼの中の道を進む。 前方には次に目指すトーシン山の山塊が確認できる(写真左)。 |
前方のトーシン山を目指す |
|
|
|
押部谷の集落から雄岡山を望む |
神出山田自転車道を越える |
|
田んぼ道から後方を振り返ると先ほど登った雄岡山の姿が遠望できた。雄岡山は低山なれど、姿良しである(写真左上)。 トーシン山を目指して田んぼ道をさらに進んでいく。兵庫県道83号(平野三木線)を横切ると、トーシン山も間近となる。 次に明石川に突き当たる。ここで明石川沿いに走る神出山田自転車道を横切る(写真上 10:36)。 次に、「にしもりはし(西盛橋)」を渡る。橋を渡るといよいよトーシン山の登り口である(写真左)。 |
トーシン山登り口 |
|
トーシン山登り口には車止めの石が二つ置かれている。(写真上 11:54)。 山に入ると落葉の山道となる。幅の広いしっかりとした道がついている。 途中、道脇に「押部谷明石川リバーウォーク2011」の表示が残されていた。この道では、ウォークイベントも開催されたようだ。 調べてみると、押部谷明石川リバーウォークは「明石川流域を散策しながら、明石川・押部谷地域の自然や歴史・文化といった魅力を再発見できるイベント」ということで、神戸市西区により開催されているもののようだった。 |
|
|
トーシン山への登り道 |
|
トーシン山への落葉の道を登って行くと、すぐに峠状の場所に登りついた(写真左 10:46)。峠状の場所からは左右に道が分かれている。 東が三角点に続く道で、西は西盛城跡(近江寺砦)に続く道と思われる。まず、西盛四等三角点を目指すことにし、西側に向って登って行く。 すぐにピーク状の場所に至り、そこに西盛四等三角点の設置があった(写真下 10:49)。 |
峠状の場所 |
|
西盛四等三角点の隣には石の祠も立っていた。 祠は古そうではあるが、見ると最近の補修の跡が確認できる。新しい文字も彫られている。 文面は、正面に「次郎地蔵尊」・「改修別所氏」とあり、別所氏の家紋も彫られている。 側面には、「山林入手御礼 平成24年」と記されていた。 この山にあったとされる西盛城は別所氏の支城の1つであったようなので、この祠もそれに関連するのだろう。 |
|
|
西盛四等三角点と次郎地蔵尊 |
|
石の祠の隣には西盛四等三角点が設置してある。標柱はなく、落ち葉の中に石柱がぽつんと立っている。 三角点も確認できたので次郎地蔵尊の祠に手を合わせ、このピークを下ることにする。
次郎地蔵尊から尾根伝いに近江寺まで道があるようだが、先ほどの峠の方に下り、次に西盛城跡も確認しようと思う。 峠に戻りついて、次に西盛城跡を求め西に続く道を登って行く。 道はしっかりとついているが、それも高圧鉄塔で行き止まりとなる(写真下 10:59)。 |
西盛四等三角点 |
|
西盛城跡は高圧鉄塔の南側のピークの一帯と思われる。しかし、そこは藪となって人の進入を強固に拒んでいる。冬の山でこの状態なので、夏場は到底侵入はできないだろう。 その状態に早々に城跡探索はあきらめ、下山撤退を決定する。 トーシン山のピーク(国土地理院地形図では164m)も、西盛城跡のいずれも確認できないのは残念だが、あきらめも肝心である。 また、峠に戻り、こんどはここから南に下ることにする(11:05)。 |
|
|
西盛城跡の南側の鉄塔 |
|
峠から山道を南に下り始めると、すぐに遠くから犬の吠える声が聞こえてきた。それも、二頭で吠え合っている。 泣き声は山の麓の方から聞こえてくる。犬の喧嘩か???とも思ったが・・・、行く先に少し不安を覚えてきた。 もしかして、当方の匂いに鋭く反応して、警戒の泣き声をあげているのでは?!。 麓に降りついて、当方の不安は的中していた。山道は麓の民家の脇に出てきたが、声の主はそこのワンちゃん達だった。民家の脇を「お騒がせしました。」と詫びながら通り抜け、車道まで下っていった。 (^。^;) |
近江山近江寺仁王門 |
|
|
相当遠い所から犬は吠えていたので、犬の嗅覚の鋭さに感心しながら、次に近江寺方面に進む。 車一台がやっと・・という感じの細い道路を東に進む。 しばらく進んで、仁王門が見えてきた。「孝謙天皇祈願所 近江山近江寺」という縦看板が建っている。近江山近江寺の仁王門である(11:12)。 仁王様の前には、大きなわらじが奉納されていた。わらじは昭和53年1月の奉納であり、仁王様もこれを履き古したようで、だいぶ劣化していた。次に、近江寺実相院、近江寺本堂(11:20)と通過したが、近江寺本堂は足場が組まれ改修工事中だった。 |
近江山近江寺 |
|
近江寺本堂は、羽柴秀吉の三木城攻めのおり兵火を受けて焼失し、その後に再建されたものであるらしいが、十分に歴史の重みが伝わる様相であった。 近江寺からも、さらに山中に続く細い車道を東に進んでいく。 年末のこんな寒空の下、山中の車道に人気はなく、車も通っていない。寂しい感じの中をテクテクと進んでいくと「吉田酪農組合」の看板が登場した(11:34)。牧場のようだが牛馬の匂いは漂ってこない。そこからすぐに兵庫県道52号に合流する。 |
|
|
南山三角点への取付き付近 |
|
兵庫県道52号を桜が丘の住宅地の方に進む。 この県道沿いには南山三等三角点があるはずである。スマホのGPSをカチャカチャ触りながら、その取付きを探しながら進んでいく。 すると「信号機あり」の道路標識が設置された電柱のやや西に踏み跡を発見した(写真上 11:44)。 県道脇から雑木に向って、注意していればすぐわかるような踏み跡がついている。 |
南山(みなみやま)三等三角点 |
|
踏み跡から突入し、土手のようになった雑木の中に続く山道を進んでいくと難なく南山(みなみやま)三等三角点に至った(11:47)。南山三等三角点は県道脇の雑木の中で、落葉に囲まれて佇んでいた(写真右)。
南山三等三角点から県道に戻る。ここから神戸電鉄の木幡駅を目指して桜が丘の住宅地の中を突っ切っていく。その時、小さな雨粒が、ピチャリと落ちてきた。これはいけないと、速度を上げながら桜が丘を通り抜け、木幡駅には12時16分の到着であった。 年末の寒空の下、三角点を3点確認して、本年のハイクを終えたのであった。(^。^;) |
|
|
三等三角点南山 |