鎌倉峡・百丈岩(お勧め度★★☆) 関西の山【7-2】

神鉄二郎駅(8:57)==セミナーハウス(9:34)==鎌倉峡出会い(10:37)==百丈岩南尾根(12:08)==百丈岩(12:39)
==静ヶ池(13:05)==金〆三角点(13:30)==新名神のトンネル(14:09)==JR道場駅(14:33)
 (約5.5時間 令和3年10月23日) 
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 三面が垂直の絶壁となった高さ60mの奇岩、百丈岩。小さなゴルジュが連続する景勝の鎌倉峡。船坂川流域のこれら名勝は新名神高速道路の完成で従来の山道が様変わりしているらしい。探索を兼ねて、今日(令和3年10月23日)は十数年ぶりに鎌倉峡から百丈岩をたずねてみる。百丈岩の近くの静ヶ池にも足を延ばしたい。
神鉄二郎駅 パン屋で左折
神鉄二郎駅 パン屋で左折
 神鉄二郎駅で下車(8:57)。この駅はホームが一つでのどかな感じ。下車したのは当方一人で利用者は少なそう。改札を出て、駅前の空き地に「近畿自然歩道」の看板が立っている。百丈岩、鎌倉峡の概略説明と付近の地図があるので本日のコース確認をする。二郎駅からは県道15号神戸三田線に出て南に進む。パンプキンのパン屋とローソンに挟まれた地道を左に入り(9:10)、そのまま東に進む。 

   
落合歩道橋 神戸セミナーハウス
落合歩道橋 神戸セミナーハウス
 一本道を進むと坂道になって小高い山並みを一つ越えると山口町名来の集落に出る。そこから有馬川沿いの国道176号に出て、落合橋(落合歩道橋)で有馬川を渡る。橋を渡ったところに近畿自然歩道の道標があり、それが示す「百丈岩(3.9km)/鎌倉峡」の方向に進む。また舗装路の一本道になり、だらだらと続く坂道を登っていく。登りついたところが神戸セミナーハウスとなる(9:34)。

  
お地蔵様  神戸セミナーハウスのところで道がT字路になっている。ここを右に進むと神戸市水道局平田配水池で、その近くに三角点(東山1)が設置されているので、まずその三角点探索に向かう。平田配水池の手前で鎌倉峡への道が左に続いている。三角点は配水池の右側手前の石垣の上を進む。周囲は笹や草が茂るが、石垣の上はきれいに草が払われている。石垣を過ぎるときれいに草刈りがされた山道になって、お地蔵様の広場に至る。お地蔵様の前に三角点がある。
お地蔵様
三等三角点:東山1  お地蔵様への道も、三角点の周囲も、笹や草が払われてきれいにされていた。地蔵様へは地元の方がお参りに来るのだろう。お地蔵様に手を合わせて今日の山歩きの安全をお願いしたのち、神戸セミナーハウスのところのT字路に戻る。T字路から左に進むとショートカットで百丈岩に行くことができる。よって、今日は、左回りで百丈岩に向かいたい。
三等三角点:東山1
 T字路から近畿自然歩道をセミナーハウスの方に進む。セミナーハウスの後方には、山の緑の中に突き出たかのような百丈岩がその異形を見せている。幅の広い林道のような近畿自然歩道を進んでいくと、近畿自然歩道の道標が登場した(写真右 10:00)。しかし、その道標がが示す百丈岩の方向はフェンスで遮られ、フェンスの扉には「立入禁止(西日本高速道路)」の表示がある。十数年前にここに来たときは、この道標の通りに進んだが、高速の工事で道がなくなっている。 道標の方向は立入禁止
道標の方向は立入禁止
 立入禁止の表示の少し先には新たな下り階段が作られていて(写真右)、それが百丈岩の方に続いていそうに思えたので、階段を下ろうとしたところ、下方から一人のハイカーの方が登ってこられた。そこで、その方に情報をお聞きしたところ、この階段を下っていくと駅の方まで戻って大回りになるのではないかとのご指摘。そこで、急遽、予定を変更して、百丈岩へは鎌倉峡経由で進むことにした(10:08)。 新名神高速道路
新名神高速道路
青石古墳 名来神社方面分岐
青石古墳 名来神社方面分岐
 歩いてきた道を平田配水池まで戻り、次に平田配水池の門扉の左端に続く山道に入っていく(10:18)。山道の周囲は熊笹が覆うが、足元は下草が刈られて整備されている。雑木に覆われた樹木のトンネルのような道を進んでいく。5分ほど進んで右手側に笹に覆われた白い看板が目に入った。それは、青石古墳の説明看板で、近くに笹にほぼ飲みこまれた古墳の穴が確認できた。参考:青石古墳 青石古墳から更に3分ほど山道を進むと、山火事注意の看板の立つところで道が分岐する。ここには、太陽と緑の道の道標もある。この分岐は、右に進むと名来神社方面、左に進むと鎌倉峡となる。ここは左の鎌倉峡方面に進む。

  
鎌倉峡出会い 船坂川
鎌倉峡出会い 船坂川
 分岐から緩やかに山道を下っていく。前方にゴルフ場(神戸グランドヒルGC)のグリーンが見えている。その先、右手側に細い流れが見えてきて、傍らに立つ太陽と緑の道の道標を確認しながら進んでいくと、やがて船坂川に合流して鎌倉峡出会いとなる(10:37)。鎌倉峡出会いの辺りは河原に草が繁茂し、この先ちゃんと歩けるのか少し不安を覚えたが、草が茂っていたのはそこだけで、先は大丈夫だった。参考:鎌倉峡 

  
左岸の岩場  鎌倉峡に入って船坂川の左岸の岩場を進む。大きな岩を越えたり、河原を歩いたりと、スリルあるコースを進んでいくと、5分ほど経過したところで親子二人のハイカーとすれ違った。その先、左岸の岩場をヘツルようにして進む。危なっかしくてドボンしそうな個所もあるが、ロープの設置に助けられながら進んでいく。その危なっかしい岩場で、3人の女性ハイカーとすれ違った。お互いに「気を付けて」と声掛けをした。
左岸の岩場
斜め傾斜の岩場 ロープ場が続く
斜め傾斜の岩場 ロープ場が続く
 次に、斜めになって流れに滑り込みそうな一枚岩が登場。ここは岩に打ち込まれた金具で越える。その先、ほぼ垂直の岩場が出てきて、ここは張り巡らされたロープによって何とか通り抜けた。このような難所が次々に登場するので、鎌倉峡では気を緩めることはできない。時に、進むべきルートがなくなるが、その時は左岸の草むらに踏み跡があるので、しっかりルートを確認しながら進みたい。

  
鎌倉峡  しかし、写真左の大岩を越えたところで進路がなくなる(11:30)。そこは両側から岩の壁が迫りくるゴルジュになった個所で、深い水の流れに入る以外に進むべき道が存在しないように思われる。ここが鎌倉峡の核心部で、前方に兵庫登山会設置の「鎌倉峡」の看板が小さく見えている。
鎌倉峡
鎌倉峡の核心部  鎌倉峡核心部のゴルジュでは、そのまま岩場を進むことは困難で、かつ、左岸は絶壁となっていて到底登れそうにない。ここは、写真左上の大きな岩の手前で右岸に渡り、右岸の高いところに巻き道があるので、これを見落とさないようにしたい。
鎌倉峡の核心部
右岸の巻き道 絶壁の下り
右岸の巻き道 絶壁の下り
 右岸に渡って踏み跡に従い斜面を登り、岩場に張られたロープに沿ってカニ歩きでそろりそろりと進む。左下で鎌倉峡の核心部の流れが音を立てている。ロープに沿って慎重に進んだ先は、絶壁の下りが待ち構えている。ここは岩に打ち込まれた金具とロープに助けられて下っていく。90度の斜面なので慎重にも慎重を期する。

  
 90度の斜面を下った先は右岸の踏み跡を進む。ここで一人の男性とすれ違う。その方から、百丈岩の「やまびこ茶屋」までは、あと15分程とご教授いただいた。草の茂る山道を進み廃墟になった茶屋跡の脇を過ぎると、にぎやかに道標が掲げられた分岐となった。ここは、百丈岩南尾根登山口と書かれている。「百丈岩が正面に見えます。」との案内があるので、寄り道してみることにした。 百丈岩南尾根登山口
百丈岩南尾根登山口
 百丈岩南尾根の急な坂道を5分ほど登っていくと、左手側(北東側)が急に明るくなった(12:08)。そこには、「おおっ!」と思わず声をあげたくなるような展望が広がっていた。百丈岩が前面に展開している。よく見ると、何組かのクライマーが百丈岩の岩壁に挑んでいるのが確認できた。
 しばらく、ここで百丈岩を眺めながら、お茶休憩を入れた。参考:百丈岩
真正面に百丈岩
真正面に百丈岩
「百丈岩」の石碑  お茶休憩の後、百丈岩南尾根を下って「やまびこ茶屋」に向かう。やまびこ茶屋には12時20分に到着。茶屋の前には「百丈岩」の石碑と道標が立っている(写真左)。「やまびこ茶屋」のトイレの脇から百丈岩に向かう道に入る。
「百丈岩」の石碑
 山道への取付きに「百丈岩コース案内」(兵庫登山会)の看板がある。それによると、「百丈岩頂上まで350m、タイム20分」と案内され、さらに、「クサリあり」の表示もある。厳しい登りが想定される。
 つづらに急な山道を登った後、すぐに厳しいロープ場が登場したが、4分ほど登ると右手側に百丈岩の異形がせまってきた(写真右)。圧巻な姿に感激!!
百丈岩がせまる
百丈岩がせまる
ロープ場を登る 百丈岩看板
ロープ場を登る 百丈岩看板
 その先も、クサリやロープが続く岩場の登りが連続している。ほぼ垂直に近い岩場を滑り落ちないように、鎖を頼りに三点確保で登っていく。
 麓から10分少々登ったところで、左手側に道が分岐して下っていた(12:32)。この分岐から百丈岩北尾根の山道が下っているものと思われる。その、百丈岩北尾根分岐を過ぎると道は平坦になって、その先もうひと登りで百丈岩の山頂となった(12:39)。

  
百丈岩先端 百丈岩看板
百丈岩先端 百丈岩から鎌倉峡
 百丈岩の天辺には二人のクライマーの姿があった。近づいてお話をお伺いすると、ちょうど今、岩壁を登ってきたところだとのこと・・。「すごいですねー。怖くはないですか」とお伺いすると、「大丈夫・・、誰でも登れるようになりますよ」とのお返事。そうなのか・・!!、と思いながら百丈岩天辺の岩に乗ってみたが、目がくらむような高度感に圧倒され、当方には無理だと実感した。

  
四等三角点:水久野 JR道場分岐
四等三角点:水久野 JR道場分岐
 百丈岩天辺の近くで、しばらく大岩を眺めながら休憩したのち、次に静ヶ池に向かうことにした(12:46)。山道を進むと、すぐに道脇の三角点が目に入った。ここに、四等三角点:水久野が設置されている。三角点の周囲には、「百丈岩」と書かれた数枚の札がぶら下がっていた。
 三角点から、さらに山道を進む。よく整備され歩きやすい山道で、快適に進んでいくと、前方に白い看板と道標が見えてきた(写真右上 12:55)。ここではJR道場駅に下る道が分岐していた。JR道場駅へ下る道は、看板のメモ書きで「新名神尾根・快適な山道」と案内されていた。

  
静ヶ池に向かう山道  更に、静ヶ池に向かい進んでいると、二人のハイカーとすれ違った。百丈岩から静ヶ池に向かう道は整備され歩きやすい山道なので、ここを歩くハイーカーは多いのだろうと思われた。
 その先で、またJR道場駅に下る道が分岐していた(12:59)。この分岐からJR道場駅に下る道は、「新名神谷底ルート」と看板にメモ書きされていた。
静ヶ池に向かう山道
 「新名神谷底ルート」分岐から5分進んで静ヶ池に到着した(13:05)。ここにもJR道場駅に下る道の道標があったが、その示す方向は少し藪の状態だった。静ヶ池でその静かな湖面を見ながら少し休憩を入れた後、次に四等三角点「金〆」の探索に向かう。 静ヶ池
静ヶ池
静ヶ池の分岐 歩きやすい山道
静ヶ池の分岐 歩きやすい山道
 静ヶ池を出発するとすぐに分岐となる(写真左上 13:11)。ここは、どちらに進んでも生野高原の住宅地の方に続く道だが、三角点へは左の道になる。すると、一旦、静ヶ池の池畔に出て、次にすぐ山道に入る。さらに、歩きやすい山道を進んでいくと、また分岐点となった(13:23)。ここは、右手側が「尼信グランド」、左手側が「生野高原住宅」との道標がある。三角点へ向かうには左の道に進む。

  
金〆三角点に到達  その先、歩きやすいが薄暗い山道になったところで、道の傍らの細い木に白テープが巻かれている場所に至った(13:25)。テープをよく見るとマジックで「金〆山 三」と書いてある。ここが、三角点への取り付きということらしい。特に、踏み跡は確認できないが、歩きやすそうなところを選んで、山の斜面を登っていった。
金〆三角点に到達
四等三角点:金〆  疎林の中をさまようように、歩きやすい場所を確保しながら上へ、上へと登っていく。GPSの示す方向も確認しながら、4分ほど藪と格闘して少し開けた場所に出てきた。周囲を見渡すと三角点の白杭が確認できた。ここで、「四等三角点:金〆(かなしめ)」へ到達となった(13:30)。展望もなく、寂しげなところで、三角点ハンターしかやってこない場所だった。なお、ここが本日の山歩きの中で標高の最高地点となっていた。
四等三角点:金〆
JR道場方面分岐 新名神のトンネル
JR道場方面分岐 新名神のトンネル
 三角点の確認を終えたので、帰路につくことにする。ここからは、JR道場駅の方に下っていきたい。やってきた道を戻っていく(13:39)。
 尼信グランド方面分岐(13:41)、静ヶ池(13:50)と通り過ぎ、JR道場方面分岐まで戻ってきた(写真左上 13:57)。ここで右手側に下っていく。林道のような広い道をどんどん下って、やがて新名神が目の前に登場した。ここはトンネルがあるので、そこを進む。出てきたところで道が左右に分岐している(14:09 写真右上)。ここはどちらを進んでもJR道場駅に行けるようだが、今日は左に下って行った。急な下りを過ぎ、やがて人家が見える里に出てきた(14:19)。

  
道場町の風景 JR道場駅
道場町の風景 JR道場駅
 その先、道場町の長閑な風景を眺めながら、JR道場駅に向かう。船坂川の橋を渡り、次に生野橋で武庫川を渡った。やがてJR道場駅に到着となった(14:33)。百丈岩、静ヶ池から生野高原住宅界隈の山道は歩きやすい山道で、適度に道標もあって迷わない感じだったので、再訪して探索したいと思いながら、本日の山歩きを終えた。 
● 以前、百丈岩・鎌倉峡を探索した時の記録はこちら。平成19年2月10日訪問の古い記録です。
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