道畦谷北尾根・道畦谷南尾根 (お勧め度★★★) 東六甲【4-10】 |
荒地山は市街地の近くにあって、スリルある岩登りと絶景が楽しめるという最高の山である(・・・と自分では思っている)。その荒地山に登れるルートが、道畦谷の南北に位置する尾根筋にあるらしい。今日(平成20年4月27日)は、その尾根筋を訪ねてみたい。 尾根道の正式名称は知らないが、このページでは道畦谷の北東に位置する尾根を「道畦谷北尾根」、その南西に位置する尾根を「道畦谷南尾根」と呼ぶことにしたい。 |
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前方に城山がせまる | |
道畦谷へは、阪急芦屋川の駅から川沿いに北に進む。高座の滝方面に進む道との分岐点(写真上)では、今日も多くの人がロックガーデン方向を目指している。 芦屋川駅から道畦谷の入口までの様子は、以前の記録(その1・その2)を参照していただくこととして、今日は道畦谷の入口から記録を始めたい。 阪急芦屋川駅から50分程で道アゼ谷砂防ダムまでやってきた。この砂防ダムを過ぎると、道は二手に分岐する(写真左)。右はナマズ石方面への道で、左は道畦谷に入る道である。 |
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ナマズ石方面と道畦谷との分岐 | |
今日はこの分岐を左に進み、道畦谷南尾根を登り、荒地山の山頂から道畦谷北尾根を下ってくることにする。 なお、写真上の分岐点を右手側に進んで急坂を登ると、道畦谷北尾根とナマズ石方面の道が分岐している。 道畦谷へ向かう道は、良く踏まれたしっかりとした道で、多くの人がここを歩いていることが窺われる。 |
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航空母艦岩 | |
道畦谷に入ると、すぐに右手側に航空母艦岩と命名された大きな岩が現れる(写真上)。 この大きな岩を過ぎると、道がTの字に分岐する。その分岐点にある石には赤ペンキで分岐表示もされている(写真左)。ここを左に進めば道畦谷南尾根へと道が続く。右に進むと、道アゼ谷第二堰堤を越えて道畦谷に至る。今日は道畦谷南尾根を目指すので、ここは左に進む。 |
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道畦谷南尾根と道畦谷との分岐 | |
先程の分岐を左にとり、しばらく西に向かって進んだ後、道は北方向にターンして、そこからいきなりの急登となった。 そこにはロープが設置してあり、これに頼らなければ、登れないような感じである(写真右)。 アドヴェンチャラスな感じで、アスレチックでもやっているかのような、わくわくするコース展開となってきた。 この先も楽しみである。 |
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道畦谷南尾根の急登 | |
ロープの場所を登り切ると尾根道の登りとなって、すぐに堰堤に至った。 この堰堤は「道アゼ谷第三堰堤」である。 この辺りの尾根道は平坦なやせ尾根となっている(写真左)。 また、この辺りからは東に眺望が開けている。さらに、北方向を望むと、これから目指す荒地山がその雄姿を見せていた(写真左下)。 そこを過ぎると、尾根道は樹木で覆われた薄暗い場所となった(写真下)。しかし、進むべき方向は木の幹に赤ペンキの表示があり、分かりやすい。 |
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やせ尾根となってきた道畦谷南尾根 | |
荒地山を望む | 樹木で薄暗くなった道畦谷南尾根 |
荒地山の山腹の薄暗い場所を越えると、尾根道はまた日のあたる岩場の急登となった。そして次に、ほとんど垂直の大岩が行く手を塞ぐことになった(写真左、左下)。左の写真で山の急傾斜と垂直に垂れ下がったロープがお分かりいただけるだろうか。 ロープと鎖に全体重を預けて、腕力で垂直岩をなんとかよじ登った。そこでほっとしていると、なんと上から1人のハイカーが下ってこられた。この尾根道で人に会うとはあまり思っていなかったので、少し驚いた。 |
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ロープのある急な岩場 1 | |
ロープのある急な岩場 2 | 岩場を下るハイカー |
”ここは、急な岩場なので気をつけて下ってください”と先方に、声をかける。お互いに挨拶を交わして、その場をすれちがった。すれちがって行ったおじさんは、垂直の岩場を慎重に下ったあと、慣れた感じで尾根道を下っていかれた(写真右上)。このルートは地元ではよく認識された道なのかもしれない。 その垂直の岩場から、南方を望むと、木々の隙間から市街地が望めるような高度になっていた。 |
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岩場から望む景色 | |
垂直の岩場を越えた後も、まだまだスリルある岩が連続している。 この辺りは荒地山らしさが存分に味わえるゾーンである。 岩が連続するといっても、急な場所にはロープが張られており(写真左)、前に進めないという箇所はない。この尾根では楽しく岩登りができるのである。 |
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ロープ場 | |
そして、次に登場した岩は、テラス状になった大岩で、その上は展望抜群のビューポイントとなっていた(写真右)。 ただし、この岩は前に少し傾斜しているので(写真下)、展望時に滑り落ちないように注意したい。 この展望テラスからは、芦屋川の渓谷の様子、その前方に広がる市街地と海が一望できて最高である(写真右下)。 |
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岩場のテラス | |
岩場のテラス(全体) | 岩場のテラスからの景色 |
展望のテラスからも、さらにロープの張られた岩場を上り、荒地山最上部の岩場の直下で、岩梯子から登ってくるルートと合流した。道畦谷南尾根は楽しいルートであった。六甲の数ある尾根の中で、最も楽しめるトラックの一つと評価できる。 荒地山上部の岩場で景色を楽しみながら昼食をとった後、道畦谷北尾根を下るべく、山頂の岩場を出発した(12:20)。 まず北に進み、荒地山山頂と芦有ゲート方面の分岐では、右の芦有ゲート方面に進む。すぐに立入禁止の標識が右手側に確認できた(写真右)。 |
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立入禁止を示す看板 | |
この標識の示す方向にも道が続いている。 少しそのルートに進んで探索してみたが、その道は踏み跡が薄く、人はあまり入っていないような感じだった。ただし、標識の柱の部分に「右、道アゼ谷」と記載されている。従前は道畦谷へ下る道として認識されていたのであろう。 もとの道に戻り、さらに進むと、芦有ゲート方面と道畦谷北尾根方面の分岐点となった(写真左)。ここは右に進む。 |
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芦有ゲート方面との分岐 | |
すると、またまた標識が登場した(写真右)。 これには、 「ハイカーのみなさまへ!!このコースは阪神大震災により道が寸断されて危険ですので当分の間閉鎖します。芦屋市」 と記載されている。閉鎖とのことであるが、ルートの踏み跡はしっかりとしており、今でもたくさんの人に歩かれている道であろうことは容易に想像できた。 |
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道の寸断を伝える表示 | |
そのしっかりと踏み跡の付いた山道を少し下ると、北絶景岩を示す表示があらわれた(写真左)。この表示の文字は薄くなっているが ”北絶景岩 5分 行き止まり” と書いてある。5分で絶景が楽しめるのであればと思い、標識の示す方向に進んでみた。 標識の示すとおり、5分ほど進むと絶壁に突き当たり、行き止まりとなった。そこには確かに岩があり、そこから東方に景色は望めるものの”絶景”とまではいえないのでは??と感じた(写真左下、下)。(北絶景岩があるのなら南絶景岩もあるのかもしれない?) |
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北絶景岩への表示 | |
北絶景岩 | 北絶景岩からの景色 |
北絶景岩からもとの道に戻り、更に薄暗い林の中を下っていくと、いきなり頭上が明るくなり、岩の散らばる尾根道となった(写真左)。 前方には景色も広がっているようだ。 絶景が待っているような気がしてスピードを速めた。 |
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道畦谷北尾根 | |
おおおー!!期待通り、そこには素晴らしい景色が広がっていた(写真右、下
12:38)。 そこは大岩の散らばる一帯の中で、ポッカリと広場状になっており、景色を楽しみながらゆっくりとくつろぐことができる空間なのである。 先客が2人、そこでゆったりとされていた。当方もそこで、しばしゆったり仲間に加わった。先程北絶景岩があったが、ここが南絶景岩であろうか??などと考えながら・・・ ゆったりした時間を満喫できたので、そろそろ下り始めることにした。 |
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岩の重なる道畦谷北尾根 | |
道畦谷北尾根からの景色 | 岩に赤ペンキの表示 |
その展望空間から、直に下へ進もうとしたが、どうも道が見当たらない。おかしいな・・と思いながら、少し岩場を登って後戻りすると、下山道は左にカーブして続いていた。ほっとして、その道に従った。更に岩場が続いているが、随所に赤ペンキのルート表示があり、間違うことはなさそうだ(写真右上)。 少し下って、また、薄暗い林の中に突入した。すぐに枝道が左に分岐していった。弁天岩方面に下るルートであろうか。次に、また、分岐点が現れた。ここにはちゃんと弁天岩への分岐と表示されていた(写真右)。 |
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弁天岩方面を示す表示 | |
弁天岩方面への分岐点では岩にも赤ペンキで表示があり、薄暗い林の中だが分かりやすい。 その薄暗い林を抜けると、陽のあたる痩せ尾根に出て来た。そこには四角な石がちょうど椅子のように並んでおり、展望テラスのような感じだ(写真左)。 急な尾根を登ってくる場合は、ここで一休みとなるのであろう。 |
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岩の椅子? | |
岩の椅子を過ぎると、またまた前方に展望が広がった(写真下)。 鷹尾山(城山)から荒地山に続く稜線の山々、芦屋川の渓谷、そしてその向こうに市街地の町並みと・・素晴らしい景色が展開している。 芦屋川の渓谷に沿って続く車道では、小さな車が行き交うのが見える。 |
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痩せ尾根の続く道畦谷北尾根 | |
今日登ってきた道畦谷南尾根がロープや鎖場が連続する野趣溢れるコースとすれば、こちらの道畦谷北尾根は展望の広がる爽快なルートといえる。この尾根も、六甲の数ある尾根の中で、最も楽しめるトラックの一つと評価できる。 荒地山頂上の岩場と、この二つの尾根筋のルートを組み合わせた今日のルートは、1日、山歩きが堪能できる満足のコースといえよう。 その満足のコースも、写真下の石の階段を下ると間もなく、芦屋川沿いに続く山道に合流する。 |
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城山を望む | |
その合流地点もちょっとしたビューポイントである。そこで景色をもう一度楽しんだ後、芦屋川に沿って下っていく。ところで、道畦谷北尾根の下り口には芦屋市により、”道が寸断されて危険”との看板があったが、道中そのような箇所はなかったような気がするのだが・・・。それに道畦谷北尾根の登り口には”寸断”の標識は設置されていない。何で・・と考えながら道を下り、芦屋川駅には2時20分に到着。今日は、4時間半の楽しい山歩きであった。 | |
道畦谷北尾根の石の階段 |
道畦谷の尾根を歩くに当たっては、次のサイトなどを参考にさせていただきました。ありがとうございました。 「六甲山系と丹生山系」・としぼうさんの「あっちに感動 こっちにも感動」・ジュンさんの「神戸背山の道」・ルーンさんの「Loon's Trail(荒地山リトライ〜打越山)」 |
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