妙号岩 (お勧め度★★☆) 鵯越・鈴蘭台周辺【5-2】

150年近く前に「南無阿弥陀仏」の妙号が彫られたという
妙号岩(名号岩)を尋ねて新湊川ウォークに参加しました。(平成18年11月19日)

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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。

 妙号岩に彫られた「南無阿弥陀仏」の妙号は、岩の下からでなければ確認できない。しかし、石井ダム工事のため、一般の者は妙号岩の麓に近づくことができないので、普段はその妙号を見ることは不可能である。
 ただし、毎年11月実施の新湊川ウォーク(神鉄主催)に参加すれば、それを拝することができる。
 そういうことで、今日を逃すと、又、いつ妙号を見ることができるか分からないと思い、今にも雨が降り出しそうな空模様にもかかわらず、このウォークに参加することにした。
神戸電鉄車庫前
神戸電鉄車庫前
神電電車とハイキング路  神戸電鉄鈴蘭台駅から線路沿いに南に進み、ハイキングのスタート地点である菊水山登山口を目指す。
 午前10時にハイキングスタート。
 すぐに、右手側に神戸電鉄の車庫が見えてきた(写真上)。
 今日は休日で、電車もお休みのものが多いのか、多くの車両が並んで止まっている。
 中には、屋根の無い変てこな電車も並んでいるゾ。(敷石運搬用の車両だろうか ^_^;? )
 ハイキングコースは線路沿いに続くので、隣を電車が通り過ぎていく(写真左)。
神電電車とハイキング路
妙号岩への路 見えてきた妙号岩
妙号岩への路 見えてきた妙号岩
親水広場辺りの橋から望む妙号岩  少し進むと前方に菊水山が見えてきた(左上の写真で、中央前方の山が菊水山)。
 更に進むと、妙号岩のある山塊も見えてきた(写真上)。この辺りには工事関係者のための駐車場もある(ただし、一般の者は車では入れないとのこと。)。「妙号岩も前年の湊川ウォーク以来か!!この機会でなければ見れないしネー」なんてつぶやきながら進んでいると、傍らに立て看板があった。
 それには「このコースは、今日11月19日午後1時から一般に開放されます。」と表示されていた。
 エエッー!何だよ。これからはいつでも通れるの!!・・と、少しがっかりしたものの、すぐ気を取り直して、目的の妙号岩を目指して進むことにした。
親水広場辺りの橋から望む妙号岩
 妙号岩に到着した(写真右)。
 この山は、全体が大きな岩で構成されている感じであり、その中で、道に面してよく見える箇所に妙号が彫られている。
 妙号岩は、高さ55メートルの岩壁である。「南無阿弥陀仏」の妙号は1.2メートル角の大きさで、約150年程前に旅人の安全を祈った僧により彫られたとものといわれる。
妙号岩
妙号岩
イヤガ谷東尾根方面から望む妙号岩(南峰) 岩に彫られた妙号
イヤガ谷東尾根方面から望む妙号岩(南峰) 岩に彫られた妙号
妙号岩(南峰)の頂  妙号岩は石井ダムを挟んで菊水山のちょうど西側に位置しており、古くからクライマーに愛されてきた岩場であると聞く。
 妙号岩の岩登りルートは、文字の左右の側を登るものと、文字上を登るものの3ルートがあり、「南無阿弥陀仏」の文字上を登るルートのことを通常「バチアタリルート」と言うそうだ。
 妙号岩(文字拡大)  
妙号岩(南峰)の頂
 妙号岩の上部を目指すには、何もバチアタリルートを登らなくても、イヤガ谷東尾根道からも簡単に行ける。
 イヤガ谷東尾根道から妙号岩(南峰)へのアプローチはこちらを参照!!
 妙号岩(南峰)の頂から望む対岸の菊水山は実に見事なもので、菊水の山肌が、ダムの水面に飲み込まれるような情景は「絶景」ともいえる気がする(写真右)。
 (写真上と右は、平成17年4月23日に撮影したもの。)
妙号岩(南峰)頂から見た石井ダム
妙号岩(南峰)頂から見た石井ダム
 妙号岩の辺りから、ダム湖を挟んで対面を望むと、そこには菊水山の急峻な山肌が広がっている。
 そして、その山肌の中央辺りには、深い切れ込みが走っている(写真右)。
 ハイキングに参加していた地元の方の弁によると、その深い切れ込みが「菊水ルンゼ」であり、その方も、若い頃から、よく菊水ルンゼを遡行したと懐かしそうに話しておられた。
 このダムは洪水用の調整池で、普段は水を溜めないとのことなので、ダム工事が終わったこれからは、また、菊水ルンゼの取り付きに至ることができるようになるかもしれない。
菊水ルンゼ
菊水ルンゼ
石井ダム湖畔  妙号岩を過ぎると、石井ダムの堰堤が近づいてきた。道沿いに紅葉を始めた木が一本立っている。今年は、まだ朝晩がそんなに冷え込まないので、この辺りもあまり紅葉は進んでいない。
 ところで、この石井ダムが建設された烏原川は、途中で石井川と天王谷川に合流して、その名も新湊川となるそうで、大阪湾に注いでいる表六甲河川群のうちで最大の河川とのことである。(流路延長約15km)
 新湊川の流域は、降雨時は六甲山系の地形的影響で局地的な大雨となることが度々あり、過去に大水害が何度か発生した。その洪水調節を主な目的としてこの石井ダムが建設されたのだという。
石井ダム湖畔
石井ダム管理所 石井ダム堰堤の上
石井ダム管理所 石井ダム堰堤の上
ダム堰堤から東方を望む  また、石井ダムは前記のとおり、洪水調節を主な目的としているが、その立地が、六甲縦走路に隣接していることから、ハイカーの利用を想定し、六甲山系の緑のオアシスとして、ダム本体も活用した「レクリエーション多目的ダム」としても利用されるという。( ~っ~)/
 そのためなのか、ダム管理所の建物が、ダムの傍らに造られている(写真左上)。
 また、当日は、ダム堰堤の上で、ハイキング参加者から、次々に浴びせられるこのダムについてのマニアックな質問に、ダム管理所の係りの方が丁寧に答えておられた(写真上)。
 ご苦労様でした(^。^;)
ダム堰堤から東方を望む
 係りの方の説明が漏れ聞こえてきたところによれば、このダムの底には直径90センチの穴があいており、絶えず水はその穴から流れ出ることになっているそうで、洪水調節方式としては、自然調節方式と言うそうである。
 すなわち、流れ込む水の量が、この穴から流れ出る水の量より多ければダムの水は溜まるし、その反対であれば、水は溜まらない。
 晴天が続けば、このダムは干上がっているのを常とするということである。
 堰堤の高さは66.2mあるそうで、下を覗くと、けっこう恐怖をおぼえる高さである(写真上、右)。
ダム堰堤横の急階段
ダム堰堤横の急階段
石井ダムの重厚な堰堤  ダムの横の急な階段を下り終えて後ろを振り返ると、ダム堰堤が我々ハイカーを見送ってくれていた(写真左)。このダムは、建造物としても魅力を持ったデザインとされている。また、ダムのデザインを考えた際には、ライトアップすることも計画されたと聞く。ダムの堤体積は18万立方メートルもあるそうで、重厚そのものである。
 堤の中には、多目的ホールやエレベーター設備まで整っている。ここは、レクリエーション施設としてのシビックデザインダムなのである。
石井ダムの重厚な堰堤
 石井ダムから六甲全山縦走路に合流する箇所には、石井ダム方面を示す真新しい標識も立てられていた(写真右)。
 ( ~っ~)
 当日のハイキングは、ここ石井ダムから、新湊川沿いに、烏原貯水池、湊川隧道、会下山公園と進み、地下鉄長田駅がゴールとなっていた。
 o(^-^)o
石井ダム案内標識
石井ダム案内標識
 石井ダムの周遊路は平成18年11月に開放され、現在はいつでも「南無阿弥陀仏」の妙号を見ることができるようになっています。
 名号岩に関連するページとしては、他に「君影ロックガーデン・妙号岩」(改訂版)及び「妙号岩・天狗岩」があります。
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