シュラインロード・油コブシ(お勧め度★★☆) 北六甲【2-45】 |
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神鉄唐櫃台駅 |
神鉄唐櫃台駅から出発 |
新型コロナの収束を願い、今日はシュラインロードの石仏をめぐりたい。予定のルートは、神鉄唐櫃台駅を起点に、逢山峡からシュラインロードを登り、ノースロードから油コブシ道を六甲ケーブル下駅に下りたい。途中、記念碑台、堡塁岩、天覧台などにも立ち寄る予定だ。唐櫃台駅の改札を出て、車道を南に向かう(9:00)。唐櫃小学校を右手側に見て道なりに進む。
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阪神高速北神戸線高架下 |
東山橋 |
唐櫃小学校を過ぎると布土(ヌノド)の森になる。布土の森は唐櫃の地名に関係する森で、いわれを記した石碑がある。参考:布土の森 布土の森から、さらに住宅地の中を進み、逢山峡方面を目指す。やがて阪神高速北神戸線の高架下に至る(9:20)。ここは高速の高架が、ジェットコースターの線路のように空を舞っている。次に、東山橋に向かって舗装路を下っていく。すぐに、逢山峡の流れに架かる東山橋に至る(9:28)。
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東山橋を渡ると「神戸都市山再生事業」の真新しい看板(令和3年3月)が立っている。逢ケ山西側山麓で森の若返りが図られている。都市山再生事業の看板の場所から逢山峡の林道を南進する。 その逢山峡で、ふと前方を見やると、古寺山が真正面に見えていた(写真左 9:35)。シュラインロードの取付きまでのルートは、あの古寺山を左側から大きく巻いて進むコースとなる。まだまだ、先は長い。 |
前方に古寺山 |
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逢山峡は歩きやすい林道で、地元の散歩者と数名すれ違った。道脇に不動明王を祀った場所(9:40)もあり、お参りが日課の方もいるのだろう。ポンプ小屋を過ぎ、逢山峡砂防ダム(9:46)を越えて猪鼻小橋に至る(9:50)。いつものように猪鼻小橋の下では、滝が勢いよく流れ落ちていた。 |
逢山峡 |
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猪鼻小橋を渡るとすぐに仏谷の分岐となる(9:55)。ここは右に進む。仏谷の分岐の先ですぐ茶園谷分岐となる(写真右)。ここも右に進む。なお、茶園谷分岐には「災害に強い森づくり」の看板が立つ。 |
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茶園谷分岐 |
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猪鼻橋 |
シュラインロード取付き |
茶園谷分岐を過ぎても幅広の林道が続く。その林道を茶園谷分岐から15分ほど進んだところで猪鼻橋を渡る(10:11)。猪鼻橋は長尾谷の流れに架かる橋で、渡ったとことで林道がT字に分岐している。左は長尾谷を遡行する道で堰堤に突き当たって道が終わる。シュラインロードへはこのT字路を右に登っていく。やがて前方から裏六甲ドライブウェイを走る車の走行音が聞こえてくると、シュラインロードの取付き点となる(10:23)。ここには前ヶ辻(シュラインロード)の道標と、土砂流出防備の白い看板がある。
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シュラインロードの鳥居 |
裏六甲ドライブウェイ |
シュラインロードの取付き点を入り、夏草が茂った道を進む。ほんの3分ほど進むと前方に鳥居が見えてくる(10:26)。この古い鳥居からシュラインロードらしい雰囲気となる。その鳥居をくぐって階段道を登ると裏六甲ドライブウェイの車道に飛び出す。
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シュラインロードはドライブウェイを渡ってさらに上に登っていくが、この鳥居の近くに9番、番外、10番の石仏と九体仏があるので、それを確認してみたい。鳥居の東北側の笹が繁茂する斜面に踏み跡があり、笹を踏み分けて進んでみた(写真左)。すると、笹の中に埋もれるように10番の石仏が確認できた。その先で、9番、番外の石仏を探そうとしたが、笹と倒木で行く手を遮られ、探索は断念せざるを得なかった。9番、番外、10番の石仏は時の流れの中で忘れ去られた石仏に変わりつつあった。 |
笹に埋もれた石仏への道 |
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九体仏 |
シュラインロード |
次に、九体仏を訪ねてみる。九体仏はドライブウェイを少し下ったところにある。時折やってくる車両に注意して車道を3分ほど下ると左手側に九体仏が確認できた。九体仏は花木が備えられて、お参りする方がおられるようだった。九体仏に手を合わせたのち、シュラインロードをさらに登っていく。
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シュラインロードの石仏は、西国33箇所になぞらえた観音様が石の祠に納められている。大日如来などの番外の石仏が4体あるため全部で37体の石仏が並んでいる。これらの石仏は、道中の無事等を祈って江戸時代の文化年間に建立されたものらしいが、200年以上経過した今も、シュラインロード(唐櫃道)を歩く者を見守ってくれている。当方も石仏にコロナ退散を祈りながら進んでいく。 |
シュラインロードの石仏 |
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一つ一つの石仏に手を合わせながら登っていきたいとは思うものの、シュラインロードは急な階段道が続くので次第に息が上がってくる。おまけに、石仏は山道から少し離れた斜面等に設置されたものもあり、ついつい、いくつかの石仏を素通りしてしまった。 |
石仏(千手観音) |
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つづらに続く急な階段道をゆっくりと登っていくと右手側に堰堤が登場した(10:56)。柵に「立入禁止 兵庫県」と書かれているだけの無名の堰堤で、この堰堤を越えると急な道の連続だったシュラインロードも次第に傾斜が緩くなる。 |
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シュラインロード道標 |
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三角点:行者の東 |
行者堂 |
傾斜の緩んだところで左手側の笹の茂った斜面の中に薄い踏み跡が確認できた。木に赤紐と黄色テープの表示があり、そこから深い笹の中の踏み跡をたどって進んでいくと、ほぼ笹に埋もれるような形の三角点が確認できた(写真左上 11:04)。ここが四等三角点「行者の東」で、誰かが三角点の脇に「行者の東」と書いた木の札を置いていた。この三角点からもう少しシュラインロードを進んだところで行者堂に至った(写真右上 11:13)。
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行者堂の中を通過して奥に進むと祠があり、その祠の中には役小角と不動明王、前鬼、後鬼が祀られている。シュラインロードに並ぶ石仏とともにこの祠も、ここを通過していく人々の旅の安全を見守ってくれている。 |
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行者堂の祠 |
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行者堂前で少し休憩をさせてもらう。周囲の古い石柱をみると「無南妙見大菩薩」と彫られた石塔があった。また、古い常夜灯も残っていた。妙見ということは、シュラインロードは神秘的な星の信仰と関係があったようだ。勝手にそんな想像をしながら、行者堂前でお茶休憩をとった。 |
裏六甲地獄谷方面分岐 |
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お茶休憩ののち、さらにシュラインロードを進んでいく。少し進んだところで裏六甲地獄谷方面分岐となる(写真上 11:27)。ここにはノースロード周辺登山道案内図がある。この分岐を入ると裏六甲地獄谷、ダイヤモンドポイント方面に至るが、今日はそのままシュラインロードを南進する。すると、シュラインロードの道脇に特徴的な枯れ木が立っていた。白く立ち枯れた木は、稲妻のような形状で横に枝を伸ばしていた(写真右)。 |
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白く立ち枯れた木 |
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ノースロード分岐 |
阪急池 |
さらにシュラインロードを進んでいく。この辺りでは道の左右に山荘が並ぶが、中には門扉だけ残った廃屋跡のような物件もある。バブルの名残なのだろう。次に左手側にノースロードの分岐が現れる(11:33)。ここは記念碑台方面に向かうノースロードの分岐で、この分岐を左折する。ノースロードに入るとすぐに右手側の柵越えで、小さな池が見えてきた(写真右上 11:36)。ここはちょうど六甲山ホテルの裏側で、この池は阪急池と言うらしい。
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ノースロード |
ノースロード(二つ池付近) |
ノースロードは歩きやすい山道と舗装路が交互に登場するような感じで記念碑台まで続いている。ノースロードの途中では、自然観察会の小グループと交差した。コロナ第五波が去り、手探りながらウイズコロナの世の中が始まりつつつあるのだろう・・。
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記念碑台に到着 |
記念碑台 |
ノースロードの終点で階段を登り、記念碑台の駐車場に出て、さらに階段をもうひと登りで記念碑台に到着した(12:00)。記念碑台では、家族連れやらハイカーやら、適度なディスタンスでそれぞれ休憩されていた。 記念碑台には六甲山の開発に尽力した英国人アーサー・ヘスケス・グルームを讃える記念碑と胸像がある。グルームさん胸像にあいさつし、六甲山ビジターセンターを見学するなど、記念碑台で15分ほど休憩した。休憩ののち、記念碑台からは天覧台に向かう(12:15)。
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記念碑台からサンライズドライブウェイを南に下っていく。ドライブウェイでは乗用車だけでなく六甲山上バスも通行しているので車道脇を注意して進む。やがて、道脇にある小さな「保塁」の表示が目に留まる(写真左 12:25)。この表示が保塁岩への取り付きとなる。久しぶりに保塁岩に立ち寄ってみることにした。 |
保塁岩分岐 |
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しっかり踏まれた山道を入っていく。少し下って、次に急な階段道を登る。その先すぐで、特徴的な大きな岩が眼前に登場して保塁岩に至る(写真右 12:30)。ここは保塁岩東稜のテラスで、恐る恐るそのテラスに乗ってみた。保塁岩東稜のテラスからは南西側に展望が開けていた(写真下)。 |
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保塁岩に到着 |
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保塁岩東稜のテラス |
保塁岩中央稜 |
保塁岩は芦屋ロックガーデンとならんで、古くからクライミングが行われていた岩場らしい。岩場のエリアは東稜、中央稜、西稜に分かれていて、今、立っているのが東稜のテラスということになる。そこから中央稜を望むと、数名のクライマーが岩壁に挑んでいた。東京オリンピックでボルダリングに接して、ロッククライミングの愛好者も増えたのかなー・・と思いながら、しばらくその様子をながめていた。10分ほど、保塁岩東稜のテラスで休憩し、次に天覧台に向かうことにした。
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保塁岩から車道に戻り南進すると、保塁岩から10分で六甲ケーブルの六甲山上駅に到着した(12:46)。六甲ケーブル山上駅にある展望台は、阪神間や大阪湾までワイドに広がる景色が一望できる。大阪・神戸の夜景の展望も素晴らしく、六甲山の夜景スポットとして人気がある。 |
六甲山上駅 |
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なお、「天覧台」という名称は、昭和56年5月25日に昭和天皇がお立ち寄りになられ、神戸1000万ドルの夜景をご覧になられたことに由来する。天覧台では六甲ケーブルからのお客さんも多く、密にならないように写真を撮ってすぐに出発とした。天覧台からは、寒天山道、油コブシ道を経て六甲ケーブル下駅に下りたい。 |
天覧台の展望 |
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六甲有馬ロープウェー表六甲駅 |
寒天山道への下り口 |
車道から寒天山道への下り口の方に進む。すぐに右手側の道路脇に岩があり、展望が良さそうなのでその岩に乗ってみた。岩から天覧台の方を見ると、廃屋のような六甲有馬ロープウェーの表六甲駅が見えていた。もう動くことがないかもしれない1台のゴンドラが駅に止まっていた。六甲有馬ロープウェーは、かつては日本一長いロープウェーであったものの、現在は表六甲線が営業休止(平成16年12月19日)になり、表六甲駅は設備の劣化で物寂しさが漂う感じになっていた。
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寒天山道、油コブシ道分岐 |
油コブシ山頂 |
次に寒天山道への下り口に入る(12:51)。山道に入って15分ほど下ると、寒天山道と油コブシ道の分岐となる(13:06)。分岐には新旧の道標が立つ。ここから右側に進み、油コブシ道に入る。周囲が明るい雑木の林になって、寒天山道分岐から5分できつい道とゆるい道の分岐となった。この分岐を左に進むと、すぐに油コブシ山頂に至る(13:13)。油コブシ山頂には岩が集積して、その中に三角点(三等三角点:清水)があるが、展望はまったくない。長居をするところでもないので、ゆるい道から油コブシ道をさらに下っていく。
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油コブシ展望台 |
油コブシ展望台 |
油コブシ山頂から下ること約5分で油コブシ展望台に至った(13:20)。ここはあずまやがありベンチも複数設置されている。しかし、展望があるはずの南側には草木が繁茂して、十分な展望は望めない。景色のいい場所なので、周囲の草木の整備を望みたいところだが・・・。
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油コブシ展望台を過ぎると、急階段の下りが始まる。途中、六甲山系グリーンベルト整備事業の和(なごみ)の森で傾斜が緩むが(13:26)、そこを過ぎるとまた急階段の下りとなる。次に鉄塔の下を過ぎて(12:32)、きつい道とゆるい道の分岐となった(12:33)。ここはゆるい道を下って行くと「背山散策路高羽道」の大きな看板の立つ山道に下りついた(写真左 13:36)。ここで東に行くと渦森台、西に行くと六甲ケーブル下駅となるので、六甲ケーブル下駅の方に下る。 |
高羽道合流 |
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コロナに負けるな |
麓が近づく |
その先もつづらになった山道を下っていくと、山中の道脇に案山子がたっていた。こんなところに何だろう???・・と、近づいていくと、それは「コロナに負けるな がんばろう!」と書かれた「一般社団法人ブナを植える会」の人形だった(13:50)。ここは、「ブナを植える会」が世話人となった六甲山系グリーンベルト整備事業の整備地だった。そこを過ぎると、前方に麓の街並みが見えてきた(写真右上 13:52)。
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今日は空気が澄んで見事な展望となっていたので、ここですこし景色に見入る。神戸市街地から大阪湾、対岸の泉州あたりまで遠望できる。 景色を楽しんだのち、階段を下っていくと麓の老人施設の大きな建物の脇に下りついた(13:55)。 |
神戸市街地を望む |
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その先、つづらに続く舗装路を下っていく。道沿いには老人施設が何棟も並んでいる。その建物群を抜けて出てきたところが六甲ケーブル下駅だった(写真左 14:06)。ここで、バスに乗り込んで本日の山歩きを終えた。 今日は、シュラインロード、ノースロード、油コブシ道と六甲のカタカナの道をたどった。油コブシ道はカタカナ道と言えないかもしれないが、いずれも楽しく歩ける道でした。 |
六甲ケーブル下駅 |
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