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点名:石宝殿(いしほうでん)・生石神社(高砂市)  (到達困難度 ・中・難)    【2】

JR宝殿駅(11:43)==兵庫県道393号==生石神社(12:09)==石の宝殿==宝殿山==加茂神社(12:38)==観涛処(12:46)
==竜山==点名:石宝殿 三角点(13:00)==JR宝殿駅(13:35)(平成29年10月1日)
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 日本三奇の一つ「石の宝殿」。水に浮いたような不思議な大岩は、「石の宝殿及び竜山石採石遺跡」として、高砂市内で初めて国の史跡指定とされている。その石の宝殿の南東に位置する竜山に設置された二等三角点(点名:石宝殿)からは、素晴らしい展望が開けていた。
尉と姥(じょうとうば)  JR山陽本線に揺られ、宝殿駅におりたつ。
 宝殿駅は兵庫県高砂市にあり、その高砂市は「高砂やこの浦舟に帆をあげて・・・」の謡曲「高砂」で知られる町である。
 駅を南に出ると、謡曲「高砂」にちなんで、尉と姥(じょうとうば)の石像が迎えてくれる(11:43)。尉と姥の謂れが説明してあり、一読したのち駅を出発する。
 南西に伸びる道を進み、国道2号を横切り、島交差点から兵庫県道393号生石宝殿停車場線を南西に進む。
 左手側に高砂市総合運動公園が見え、次に法華山谷川に架かる生石橋を渡ると山に突き当たる。ここで左折して石畳の道に入る。(12:05)。
尉と姥(じょうとうば)
生石(おおしこ)神社石段  石畳の道を少し登ると右手側に石の階段が現れる(写真左 12:06)。
 麓にある鳥居から真っ直ぐに石段が神社に向かって伸びている。ここは、神社まで120段ほどの階段が続く。
 階段の途中、県道392号が横切っているので、車に注意して渡る。さらに階段を登り絵馬殿の下をくぐれば、生石(おおしこ)神社の社殿正面に至る(写真下 12:09)。
生石(おおしこ)神社石段
 生石神社の社殿で拝観料を箱に納め、「日本三奇播磨国石乃宝殿生石神社略記」をいただく。
 略記で石乃宝殿の概要を理解したうえで、奥に進むと鎮の石室(浮石)が迎えてくれる(写真下)。
生石神社
生石神社
石の宝殿 生石神社の御神体
石の宝殿 生石神社の御神体
 石の宝殿(石乃宝殿)は神社の御神体で、家型を横倒ししたような形状をしている。
 浮石の周囲は巡ることができ、三回ほどくるくる回って浮石の不思議な存在を体感した。
 三方を岩壁に囲まれて水に浮く大岩は、日本三奇というに相応しいものだった。
石の宝殿と生石神社
石の宝殿と生石神社
石の宝殿と竜山遠景  次に、石乃宝殿に向かって右手側から、岩に刻まれた階段を登る。
 階段の途中では、石の宝殿の頭頂部が確認できた。浮石、石乃宝殿の上部は、長い年月を経て草木が茂った状態になっている(写真上)。
 この生石神社の裏側は岩山となっていて宝殿山と呼ばれている。宝殿山の頂上からの景色は素晴らしいものだった(写真左、写真下)。
石の宝殿と竜山遠景
 宝殿山の頂は広く大きな岩尾根の展望台で、複数名の方が周囲の景色を楽しんでいた。
 南側を眺めていると、山陽新幹線の車両が高速で走り去っていった。
 なお、宝殿山山頂には東屋と、大正天皇行幸の石碑も立てられている(写真下)。東屋では地元のグループの方だろうか、おしゃべりに花が咲いていた。
生石神社からの景色
生石神社からの景色
大正天皇行幸の碑 宝殿山から望む高御位山
大正天皇行幸の碑 宝殿山から望む高御位山
 宝殿山からは、北西に高御座山、北東に平荘湖周囲の山が遠望できる。
 また、南東側には、次に目指す竜山が確認できた。竜山は、砕石されてできた巨大な岩壁が無残な姿をさらしている。
生石神社と石の宝殿
生石神社と石の宝殿
加茂神社  宝殿山から、岩に削られた階段を伝い、南側に下って社殿前に戻ってきた。
 次は兵庫県道392号を南に下る。
 地図を確認しながら住宅地の中を進み、次の竜山の登り口となる加茂神社を目指す。
 住宅地の中の電柱で、小さな「観涛処⇒」の道標を見つけ、それに従って進むと、加茂神社の鳥居に行き着いた(12:35 写真左)。
加茂神社
空鉢塚 観涛処
空鉢塚 観涛処(かんとうしょ)
 加茂神社の左手側には「空鉢塚」の表示と説明書きがある(写真上)。空鉢とは、昔、法道仙人が術をもって空のお鉢を飛ばし、お布施を受けていたことにちなむという。
 空鉢塚から石段に取付く(12:38)。歴史を感じる石階段を登っていくとやがて観涛処と彫られた大きな岩が見えてきた(写真右上)。
 これは、天保7年(1836)年、姫路藩の命で、ここが景勝地として「觀濤處」の大きな文字が崖面に掘られたもの。観涛処(かんとうしょ)の上からは南方の海を見渡せ、江戸時代以降、石の宝殿とともに名所として参詣ルートにもなっていたという。
 ただし、今は、昔日の賑わいはない。
竜山の稜線歩き
竜山の稜線歩き
竜山の「高砂ベースステーション」  観涛処からは稜線歩きとなる。草木の茂るところが多いが、道沿いはきれいに刈り取られている。
 一帯は古い遺跡などもあるようで、立ち入りが制限されたところもある。ただし、山道の周囲以外は藪状態で、立ち入れない感じだ。
 やがて、前方が”ぱっと”開け、展望が一気に広がった。笹の中にアンテナ棒(高砂ベースステーション)が立つところだ(13:00 写真左)。
竜山の「高砂ベースステーション」
石宝殿二等三角点 点名:石宝殿(いしほうでん)
石宝殿二等三角点 点名:石宝殿(いしほうでん)
 その展望の場所が竜山頂上で、石宝殿二等三角点が設置されていた。三角点は、保護石はあるものの、笹に飲み込まれそうな感じで、笹が繁茂すれば覆い隠されてしまいそうだ。
 三角点のある竜山山頂は眺望がすばらしく、前方180度を超えて景色が広がっている。この景色はお勧めだ。しばし、景色に見入る。
 また、石宝殿二等三角点のある竜山一帯は、魚崎城跡で、秀吉のころ激戦があった遺構のようだ。
竜山からの景色
竜山からの景色
竜山から望む高砂市街地  三角点からの景色を楽しんで下山を始める。笹の中に細い道が付けられているので、それに従う(写真左)。

 急な下りの箇所でぬかるむ所もあり、滑らないよう注意して下る。
竜山から望む高砂市街地
竜山登山口  やがて、採掘場に挟まれた登山口に出てきた。特に、登山口を示す表示はなく、初めての場合はわかりにくい入口だ。
 路面に鎖が張られているので、それをまたいで下っていく。下ってきたところで振り返った景色が写真左。真ん中の道を登っていくと、石宝殿二等三角点のある竜山山頂に至る。
 さて、ここからは、法華山谷川に架かる石山橋を渡り、来た道をJR宝殿駅に向かい帰ることとする。
 JR宝殿駅には13:35に到着。石宝殿二等三角点のピークからの展望はすごかったなー・・・と、思いながら駅のホームで電車の到着を待ったのであった。
竜山登山口
●三角点探訪日 平成29年10月1日(晴れ・くもり)
●石の宝殿:切妻風の突起を後ろにして家を横たえたような高さ、幅とも5mを超える巨大な石造物。いつ、誰が何のために作ったのかわからず、日本三奇の一つに数えられている。
●空鉢塚由緒:法華山一乗寺の開基法道仙人の空鉢伝説にちなんで真浄寺の和城師の主唱で建てられたものである。法道仙人はインドの霊鷲山にこもって仙術を修行した。その上、仙人は不思議な術を心得ていて、自分は山でお経をあげていながら空の鉢を空中に飛ばしてお布施を受けていたので、みんなは法道仙人と呼び、鉢が飛んでくると食物や米を入れて帰した。仙人はよく竜山の岩の上に鉢を置いて、沖合を通る船に飛ばして食物を乞うたといわれる。なお、この空鉢塚は、画家曽我蕭白の弟子蕭月の設計によるものである。(高砂市 高砂観光協会)
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三角点のデータ
基準点名 石宝殿 (いしほうでん) 等級種別 二等三角点
冠字選点番号 田22 標高 92.39m
所在地 高砂市竜山一丁目18−3 地形図 姫路(1/20万)−高砂(1/5万)
北緯 34°46′36″.1104 東経 134°47′49″.3882
設置 平成7年8月4日 展望 良好
 
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