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点名:三笠山(みかさやま)・若草山(奈良市)  (到達困難度 ・中・難)    【6】

若草山北ゲート(16:31)==七曲り(16:36)==一重目(16:43)==二重目(16:55)==二重目料金所(16:58)
==三笠山三角点(17:03)==山頂展望台==中央出口(17:38)(平成30年8月12日)
ROUTE MAP
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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。
 毎年1月の山焼きで有名な若草山は、三つの笠を重ねたような形状から「三笠山」とも呼ばれる。芝生に覆われた山から見下ろす展望は素晴らしい。鹿に癒され心も和む。その若草山の山頂には、5世紀頃に築造された史跡鶯塚古墳があり、古墳のピークには三角点三笠山が設置されている。今日(平成30年8月12日)はその三等三角点:三笠山を訪ねてみた。若草山は行楽客でにぎわっていたが、古墳頂の三角点まで足を延ばす者はまばらだった。
若草山北ゲート  近鉄奈良駅から奈良公園を散策し、若草山の麓までやってきた。
 若草山は標高342mの山で、奈良公園からも美しい稜線が見え隠れする。
 若草山山麓の北ゲートで入山料(150円)を支払い、山に入る(16:31)。入山は5時までで、山頂までは約30分程度との説明をゲートの方から聞く。
若草山北ゲート
登山道(北ルート)  若草山の麓は急傾斜の芝生が広がり、そこに数組のカップルが腰を下ろしている。その芝生の脇に設置された階段道を登り始める。
 ここは北側登山道と呼ばれる道で、取付きの階段は350段ほどあるらしい。もう4時半を回っているが、暑さで汗が吹き出してきた。時間は気になるが、階段はゆっくりと登ることとする。
登山道(北ルート)
 次に、木立の中でつづらに登る道となる(16:36)。急階段が終わり、ほっとする。ここは「七曲り」と呼ばれるなだらかな道だ。
 その七曲りを過ぎると建物(不定休の売店)の脇から一重目の芝生に登りつく(16:43)。
七曲り
七曲り
一重目に到着 一重目からの展望
一重目に到着 一重目からの展望
 一重目の芝生で展望が一気に広がり、解放感があふれる。奈良市街地や東大寺の大きな屋根が眼下に広がる。素晴らしい景色だ。
 鹿が一匹、散策者と戯れ、ベンチでは行楽者がずっと景色を眺めている。ゆっくり流れる空間の中に浸りたいが、三角点を目指す当方は先を急がなければならない。
芝を食む鹿
芝を食む鹿
一重目を振り返る  広い芝生の尾根を緩やかに登っていく。幅の広い尾根は、なだらかにカーブして二重目に向かって登っている。二重目に向かう尾根からも素晴らしい展望が続く。
一重目を振り返る
 景色を見てはカメラを覗き、スマホまで取り出して写真を撮るなど、どんどん時間を浪費して、なかなか若草山に登っていけない。
 そんなこんなを繰り返しながら、なんとか二重目に到達(16:55)。一重目から少し高度が上がっただけで、二重目から見える景色はずいぶん変わっている。東大寺の屋根が小さくなり、生駒山が見えてくる。東大寺、平城宮跡、生駒山がちょうど一直線に並んでいる。
二重目に到着
二重目に到着
料金ケートを通過 若草山山頂に到着
料金ケートを通過 若草山山頂に到着
 二重目を過ぎると、右手側に若草山三重目が望めるようになる。二重目料金所の小屋を過ぎ(16:58)、最後の階段を登ったところが若草山の山頂だった(17:00)。山頂展望台には多くの人がたむろしているので、当方は、まず、鶯塚古墳に向かう。三角点は鶯塚古墳にある。
 鶯塚古墳への登りには、鎖で仕切りがあり、傍らに「史跡鶯塚古墳」の説明看板が立つ。
史跡鶯塚古墳
史跡鶯塚古墳
顕彰碑「鶯陵」  登り道はちょうど芝生の養生中であり、そこを避け、脇の踏み跡を登っていく。鶯塚古墳の頂には、江戸時代に建てられたという「鶯陵」の顕彰碑が建っていて、その少し後ろに三角点が設置されていた。 三角点は保護石に囲まれていたが、標柱は立っていなかった。
顕彰碑「鶯陵」
三笠山三等三角点と保護石 三等三角点:三笠山
三笠山三等三角点と保護石 三等三角点:三笠山
 三角点の確認を終え、次に若草山山頂展望台に向かう。
 一重目、二重目と越えて三つ目の笠の頂である若草山の山頂(三重目)からは眺望が抜群で、遠く金剛山系までも見えるという。
若草山山頂展望台
若草山山頂展望台
若草山三重目  若草山は低山ながら、雄大な景色は感動だ。遊山の客が多いのも納得である。鹿も多く、フンが一面に散らばるが、自然の中ではあまり気にならない。
若草山三重目
麓に東大寺の甍 奈良市街地に向かって下る
麓に東大寺の甍 奈良市街地に向かって下る
 若草山山頂からの眺めは名残惜しいが、もう17時を回ったので、下山を始めることとする(17:11)。
 登ってきた道をそのまま下って行くこととする。
鹿ものんびり若草山
鹿ものんびり若草山
開放感あふれる若草山  二重目から一重目に下る尾根では、のんびり草を食む鹿の群れが当方を見送ってくれた。

 さらに下って一重目の広い尾根では、ベンチに腰掛ける人々がまだまだ残っている。夜景を待っているのだろうか。
 そういえば、今日は「なら燈花会」が催される。若草山から、なら燈花会を見下ろすのも幽玄かもしれない。
開放感あふれる若草山
若草山を見上げる 若草山麓の鹿
若草山を見上げる 若草山麓の鹿
なら燈花会  一重目から七曲りを経て、急な階段を北ゲートまで下ってきた。北ゲートは既に閉まっており、出口は少し南の出口ゲートを経ることになった(17:38)。出口ゲートを出たところで、こわそうな牡鹿に、眉間にしわを寄せながら威圧されてしまった。鹿せんべいに今日はありつけず、立腹の牡鹿だったのかもしれない。

 古都奈良が暮れなずむ頃、なら燈花会が始まり、一面に揺らめくろうそくの灯りに囲まれて心が洗われる気がした。古都にとけ込む万燈は、人々の心にさまざまな思いを残したことだろう。
なら燈花会
●三角点探訪日 平成30年8月12日(晴れ・くもり)
●若草山:標高342m、面積33万平方m、全山芝生に覆われた三段重ねの山で奈良公園の東部山並の中にひときわ美しい稜線を描いている。山頂から展望する眼下の大和盆地は、平城の都が栄えたところで歴史的風土を今に伝え、往時をしのぶ素晴らしい眺めです。(若草山入山チケット裏面:若草山保存会)
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三角点のデータ
基準点名 三笠山 (みかさやま) 等級種別 三等三角点
冠字選点番号 賓44 標高 341.65m
所在地 奈良市春日野町字若草山157番地 地形図 京都及大阪(1/20万)−奈良(1/5万)
北緯 34°41′28″.1713 東経 135°51′15″.5427
設置 明治36年6月4日 展望 良好
 
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