| 点名:三笠山(みかさやま)・若草山(奈良市)  (到達困難度 易・中・難)    【6】 | 
|  | 近鉄奈良駅から奈良公園を散策し、若草山の麓までやってきた。 若草山は標高342mの山で、奈良公園からも美しい稜線が見え隠れする。
 若草山山麓の北ゲートで入山料(150円)を支払い、山に入る(16:31)。入山は5時までで、山頂までは約30分程度との説明をゲートの方から聞く。
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| 若草山北ゲート |  | 
|  | 若草山の麓は急傾斜の芝生が広がり、そこに数組のカップルが腰を下ろしている。その芝生の脇に設置された階段道を登り始める。 ここは北側登山道と呼ばれる道で、取付きの階段は350段ほどあるらしい。もう4時半を回っているが、暑さで汗が吹き出してきた。時間は気になるが、階段はゆっくりと登ることとする。
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| 登山道(北ルート) |  | 
| 次に、木立の中でつづらに登る道となる(16:36)。急階段が終わり、ほっとする。ここは「七曲り」と呼ばれるなだらかな道だ。 その七曲りを過ぎると建物(不定休の売店)の脇から一重目の芝生に登りつく(16:43)。
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|  | 七曲り | 
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| 一重目に到着 | 一重目からの展望 | 
| 一重目の芝生で展望が一気に広がり、解放感があふれる。奈良市街地や東大寺の大きな屋根が眼下に広がる。素晴らしい景色だ。 鹿が一匹、散策者と戯れ、ベンチでは行楽者がずっと景色を眺めている。ゆっくり流れる空間の中に浸りたいが、三角点を目指す当方は先を急がなければならない。
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|  | 芝を食む鹿 | 
|  | 広い芝生の尾根を緩やかに登っていく。幅の広い尾根は、なだらかにカーブして二重目に向かって登っている。二重目に向かう尾根からも素晴らしい展望が続く。 | 
| 一重目を振り返る |  | 
| 景色を見てはカメラを覗き、スマホまで取り出して写真を撮るなど、どんどん時間を浪費して、なかなか若草山に登っていけない。 そんなこんなを繰り返しながら、なんとか二重目に到達(16:55)。一重目から少し高度が上がっただけで、二重目から見える景色はずいぶん変わっている。東大寺の屋根が小さくなり、生駒山が見えてくる。東大寺、平城宮跡、生駒山がちょうど一直線に並んでいる。
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|  | 二重目に到着 | 
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| 料金ケートを通過 | 若草山山頂に到着 | 
| 二重目を過ぎると、右手側に若草山三重目が望めるようになる。二重目料金所の小屋を過ぎ(16:58)、最後の階段を登ったところが若草山の山頂だった(17:00)。山頂展望台には多くの人がたむろしているので、当方は、まず、鶯塚古墳に向かう。三角点は鶯塚古墳にある。 鶯塚古墳への登りには、鎖で仕切りがあり、傍らに「史跡鶯塚古墳」の説明看板が立つ。
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|  | 史跡鶯塚古墳 | 
|  | 登り道はちょうど芝生の養生中であり、そこを避け、脇の踏み跡を登っていく。鶯塚古墳の頂には、江戸時代に建てられたという「鶯陵」の顕彰碑が建っていて、その少し後ろに三角点が設置されていた。
三角点は保護石に囲まれていたが、標柱は立っていなかった。 | 
| 顕彰碑「鶯陵」 |  | 
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| 三笠山三等三角点と保護石 | 三等三角点:三笠山 | 
| 三角点の確認を終え、次に若草山山頂展望台に向かう。 一重目、二重目と越えて三つ目の笠の頂である若草山の山頂(三重目)からは眺望が抜群で、遠く金剛山系までも見えるという。
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|  | 若草山山頂展望台 | 
|  | 若草山は低山ながら、雄大な景色は感動だ。遊山の客が多いのも納得である。鹿も多く、フンが一面に散らばるが、自然の中ではあまり気にならない。 | 
| 若草山三重目 |  | 
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| 麓に東大寺の甍 | 奈良市街地に向かって下る | 
| 若草山山頂からの眺めは名残惜しいが、もう17時を回ったので、下山を始めることとする(17:11)。 登ってきた道をそのまま下って行くこととする。
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|  | 鹿ものんびり若草山 | 
|  | 二重目から一重目に下る尾根では、のんびり草を食む鹿の群れが当方を見送ってくれた。 
 さらに下って一重目の広い尾根では、ベンチに腰掛ける人々がまだまだ残っている。夜景を待っているのだろうか。
 そういえば、今日は「なら燈花会」が催される。若草山から、なら燈花会を見下ろすのも幽玄かもしれない。
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| 開放感あふれる若草山 |  | 
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| 若草山を見上げる | 若草山麓の鹿 | 
|  | 一重目から七曲りを経て、急な階段を北ゲートまで下ってきた。北ゲートは既に閉まっており、出口は少し南の出口ゲートを経ることになった(17:38)。出口ゲートを出たところで、こわそうな牡鹿に、眉間にしわを寄せながら威圧されてしまった。鹿せんべいに今日はありつけず、立腹の牡鹿だったのかもしれない。 
 古都奈良が暮れなずむ頃、なら燈花会が始まり、一面に揺らめくろうそくの灯りに囲まれて心が洗われる気がした。古都にとけ込む万燈は、人々の心にさまざまな思いを残したことだろう。
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| なら燈花会 |  |